豊川市公共施設中長期保全計画 案

建物を永く活かして使っていくために

 

目次

 

1章 本市の公共建築物の現状と課題

1 豊川市公共施設中長期保全計画の目的と位置付け 1ページ

1) 現状 1ページ

2) 課題 1ページ

3) 計画期間 1ページ

4) 目的と位置付け 2ページ

2 長寿命化対象施設の考え方 3ページ

1) 基本的な考え方 3ページ

2) 対象施設の選定 4ページ

1 対象施設の選定フロー 4ページ

2 撤去対象施設 4ページ

3) 公共建築物の現状把握 5ページ

1 公共建築物の用途別延床面積 5ページ

2 延床面積の変遷 6ページ

3 用途別の延床面積の割合 6ページ

4 用途別の延床面積の年度別整備状況 7ページ

5 用途別の棟数の年度別整備状況 7ページ

3 劣化状況等の把握 8ページ

1) 劣化点検の基本的事項 8ページ

1 点検対象部位 8ページ

2 判定基準 8ページ

3 点検調査票 8ページ

4 点検対象施設および点検結果 9ページ

2) 点検非対象施設の劣化状況の推定 10ページ

1 建築物の構造と経過年数の関係 11ページ

2 鉄筋コンクリート及び鉄骨鉄筋コンクリート造 11ページ

3 鉄骨造 12ページ

3) 簡易劣化調査、修繕履歴による劣化推定の見直し 13ページ

1 簡易劣化調査 14ページ

2 劣化判定基準の比較 15ページ

3 対象部位の比較 15ページ

4 劣化推定を簡易劣化調査の結果から見直し 16ページ

5 修繕履歴の反映による劣化推定の見直し 16ページ

 

4) 公共建築物の劣化状況 17ページ

1 屋根の劣化状況 17ページ

2 外装の劣化状況 17ページ

3 内装の劣化状況 18ページ

4 機械設備の劣化状況 18ページ

5 電気設備の劣化状況 19ページ

6 屋外の劣化状況 19ページ

4 財政収支の見込み検討 20ページ

1) 市全体の歳入の見込み(平成28年度から平成37年度) 20ページ

2) 市全体の歳出の見込み(平成28年度から平成37年度) 22ページ

5 課題のまとめ 24ページ

6 基本方針 25ページ

 

2章 改修内容

1 改修周期の設定 27ページ

1) 日常修繕・大規模改修の周期と単価設定 27ページ

2) 更新の周期と単価設定 28ページ

3) 日常修繕・大規模改修の時期の設定 30ページ

1 改修時期の考え方 30ページ

2 日常修繕と大規模改修の間隔 30ページ

2 改修項目の設定 31ページ

1) 日常修繕・大規模改修の内容と算定方法 31ページ

1 日常修繕費率の考え方 31ページ

2 大規模改修費率の考え方 32ページ

3 部位・仕様別の修繕対策内容 33ページ

2) 部位構成比率の設定 35ページ

3) 更新単価の設定 36ページ

 

3章 改修等のライフサイクルコストの試算

1 ライフサイクルコストの試算 37ページ

1) 将来のライフサイクルコストの試算について 38ページ

2) ライフサイクルコストの試算結果 39ページ

1 ライフサイクルコストの試算の考え方 39ページ

2 ライフサイクルコストの試算の考え方 40ページ

2 工事優先度の評価 42ページ

1) 工事優先度の計算式 42ページ

1 安全性:A 42ページ

2 劣化度:E 42ページ

3 影響係数:a 43ページ

4 重要性及び公共性:H 43ページ

5 機能停止損害:T 43ページ

6 代替性:Y 43ページ

2) 工事優先度における配点 44ページ

3 平準化手法 45ページ

1) 平準化の考え方 45ページ

1 平準化の流れ 45ページ

2 平準化の実施パターン 46ページ

2) 平準化試算の結果 47ページ

3) 財源試算 50ページ

1 起債充当率 50ページ

2 将来更新等費用にかかる一般財源必要額と充当可能見込額の試算 51ページ

4) 保全計画書 54ページ

1 中期的な視点に立った保全計画(15年) 54ページ

2 短期的な視点に立った保全計画(3年) 56ページ

5) 公共施設整備基金 59ページ

 

4章 今後の展開

1 計画の実践に向けた取組 61ページ

1) 豊川市公共施設中長期保全計画に基づく事業の流れ 61ページ

2) 対象施設の見直しと劣化点検の実施サイクル・結果の反映 62ページ

3) 次年度整備計画の策定手順及び予算化 63ページ

4) 施設情報の一元管理の方法 64ページ

1 公共建築物実態調査(アンケート調査) 64ページ

2 ヒアリング調査 65ページ

3 施設情報として一元管理する資料 65ページ

2 計画推進の課題 66ページ

1) 財政状況と照らし合わせた毎年度事業の見直し 66ページ

2) 日常的な維持管理による長寿命化と事業費の軽減 66ページ

3) 計画の推進に向けて 67ページ

 

語句説明 71ページ

 

【資料編】

資料の1 庁内検討会議の経緯 資料11

資料の2 構造体耐久性調査について 資料21

 

本計画における公共建築物のデータは、特記事項のあるものを除き、平成2741日現在のものです。

 

1章 本市の公共建築物の現状と課題

 

1 豊川市公共施設中長期保全計画の目的と位置付け

1) 現状

本市では、人口の増加や市民サービスの向上と都市機能の充実を図るため、学校教育施設や体育施設、子育て支援施設など様々な公共建築物の整備を進めてきました。

しかし、これらの建物は老朽化が著しく進行しており、平成26年度時点で約53パーセントの施設が築30年以上を経過し、10年後の平成36年度には約73パーセントが築30年以上となり、15年後の平成41年度には約80パーセントの施設が築30年以上経過することになります。

この公共建築物の現状を市民へ周知するために、平成253月に「豊川市公共施設白書」、平成276月に「豊川市公共施設適正配置計画」を策定しました。

 

2) 課題

公共建築物に対するニーズは多様化する一方で、今後は人口減少や健康長寿化が進み、人口構成の変化や財政支出の構造が大きく変化することが予測され、厳しい財政状況となることで維持費用が十分に確保できなくなる可能性があります。

 

3) 計画期間

豊川市公共施設中長期保全計画は、総合計画実施計画や適正配置計画との連携から、3年間を1期とした単位で作成します。中期的な視点にたった計画として、更新時期を迎える建築物が今後15年間に集中するため、515年間の計画を作成した上で、第1期の平成28年度から平成30年度までの3年間の短期的な視点にたった計画として、保全計画書を作成します。

 

図表 計画期間のイメージ

 

4) 目的と位置付け

豊川市公共施設中長期保全計画は、豊川市の公共建築物について、劣化状況を踏まえた上で、今後15年間に必要となる予算の抽出と今後3年間における長寿命化や工事優先度を考慮しながら保全工事を抽出し、必要に応じて費用の平準化を図ることを目的とします。

豊川市公共施設中長期保全計画の位置付けは、市の基本的な政策を定めた最上位の計画である「第6次豊川市総合計画」および「豊川市行政経営改革プラン」に即し、公共施設等の基本的な管理の方針を定めた「豊川市公共施設等総合管理計画」における公共建築物に係る個別施設計画であり、公共建築物の再編事業の方針を定めた「豊川市公共施設適正配置計画」と連携し、長寿命化を図る施設保全業務を実施するための計画となります。

 

図表 豊川市公共施設中長期保全計画の位置づけ

 

2 長寿命化対象施設の考え方

1) 基本的な考え方

豊川市公共施設中長期保全計画における長寿命化対象施設は、豊川市公共施設適正配置計画により定めた施設から、

 

1 豊川市公共施設適正配置計画(3つの重点取組と6つのリーディング事業)

2 公共施設構造体耐久性調査結果

3 個別施設長寿命化計画

 

3つの視点を踏まえた上で、毎年、対象施設の見直しを行います。

 

豊川市公共施設適正配置計画の対象施設(206施設428棟)

注意書 市内の公共建築物は、539施設1416棟(豊川市公共施設白書より)ありますが、清掃工場等のプラント系・インフラ系施設、公園トイレ等の無人・小規模施設、市民病院を除く206施設428棟を豊川市公共施設適正配置計画の対象施設としています。

3つの視点

1 3つの重点取組と6つのリーディング事業の推進による施設の見直し(豊川市公共施設適正配置計画)

2 技術的な要因による施設の見直し(公共施設構造体耐久性調査結果)

3 個別の施設長寿命化計画を参考とした施設の見直し(個別施設長寿命化計画)

 

2) 対象施設の選定

1 対象施設の選定フロー

対象施設は、以下のフローで予防保全と事後保全に分類します。豊川市公共施設適正配置計画により定めた施設から、市営住宅などの木造・コンクリートブロック造(CB造)で築30年以上経過した施設を除いた上で、3つの視点から施設の見直しを実施し、長寿命化対象施設と定めていきます。なお、今後も継続的に実施していく公共施設構造体耐久性調査の結果を踏まえた上で対象施設を判断し、毎年、対象施設の見直しを行います。

 

図表 対象施設の選定フロー

 

2 長寿命化対象外施設(撤去など)

CB造、木造の築30年以上経過した施設数量は11施設20棟です。これらの施設は、豊川市公共施設中長期保全計画上では長寿命化対象外施設として扱い、事後保全の更新周期を超えた時点で、施設のあり方について検討する方針とします。

 

豊川市公共施設中長期保全計画における長寿命化対象施設

豊川市公共施設適正配置計画の対象施設 庁舎・学校・保育園・公民館・図書館・体育館など(206施設428棟)

CB造、木造の築30年以上経過した施設(11施設20棟)を除く

豊川市公共施設中長期保全計画の対象施設 庁舎・学校・保育園・公民館・図書館・体育館など(195施設408棟)

 

3) 公共建築物の現状把握

1 公共建築物の用途別延床面積

本市の公共建築物は、以下の205施設427棟となっています。用途別の延床面積は、下表に示す通りです。

注意書 消防署南部出張所を平成26年度に解体したため、数量は豊川市公共施設適正配置計画から1施設1棟を減らしたものとなっています。

注意書 用途別延床面積は、屋外トイレなどの付属施設を除いた延床面積となっているため、豊川市公共施設の削減目標及び用途別における施設の方向性で示す延床面積とは、相違となっています。

 

図表 公共建築物の用途別内訳

 

2 延床面積の変遷

本市の公共建築物の延床面積の変遷は、1966年度頃から右肩上がりで増加し、2015年度現在、約46.7万平方メートルとなっています。

 

3 用途別の延床面積の割合

本市の用途別の延床面積の割合は、学校施設が最も多く、約47.7パーセント(222,820.9平方メートル)です。次いで公営住宅施設の約17.8パーセント(82,981.3平方メートル)となっています。

 

4 用途別の延床面積の年度別整備状況

本市の用途別の公共建築物の延床面積は、1960年代中頃から80年代後半まで、学校教育施設の面積が多くを占めています。その間1969年度に市役所(本庁舎)、1979年度に勤労福祉会館が整備されました。その後、1990年度に総合体育館、1999年度に中央図書館が整備されています。

耐震基準別の延床面積は、1981年度の建築基準法の改正により、旧耐震基準(1981年度以前)による建築物が257,548平方メートル(約55.2パーセント)、新耐震基準(1982年度以降)による建築物が209,7022平方メートル(約44.8パーセント)となっています。

 

5 用途別の棟数の年度別整備状況

本市の用途別の公共建築物の棟数は、1960年度頃から1988年度頃まで、学校教育施設が多く建設されています。次いで、公営住宅施設、庁舎となっています。

 

3 劣化状況等の把握

1) 劣化点検の基本的事項

市が所有する公共建築物のうち、平成27年度は25棟について、劣化状況やその他の問題点等を安全性、機能性などの観点から目視により点検を行いました。

 

1 点検対象部位

劣化点検の対象となる部位は、屋根、外装、内装、躯体、基礎、機械設備、電気設備、屋外の8部位を対象として実施します。

 

2 判定基準

建築物の劣化判定の基準は、以下の「建築物の劣化に関する判定基準表」に基づき、点検対象部位項目ごとに4段階で評価します。

 

図表 建築物の劣化に関する判定基準表

 

3 点検調査票

劣化点検の対象となる建築物について、劣化状況やその他の問題点等を安全性、機能性などの観点から目視により点検を行います。

点検は、「建築物点検マニュアル・同解説」の66項目について、点検マニュアルチェックシートにより、建築物の「劣化」の判定基準に基づき実施します。

 

4 点検対象施設および点検結果

劣化点検を実施した25棟とその点検結果を以下に示します。

 

図表 劣化点検の結果一覧表

 

2) 点検非対象施設の劣化状況の推定

施設の劣化点検は、各施設の劣化状況を把握し、豊川市公共施設中長期保全計画の優先度評価を行うための基礎資料を得ることを目的としています。

そこで、劣化点検を実施していない382棟(全427棟−今年度対象25棟−計画対象外20棟=382棟)について、25棟の点検結果と経過年数、過年度調査資料から類推し、劣化状況を推定する必要があります。

建築物の劣化状況の推定方法は、劣化判定結果を評価点としてポイント化し、この評価点から、建築物の各部位ごとに劣化状況を推定します。

 

図表 劣化判定から評価点への換算

 

図表 劣化状況の推定フロー

1 劣化判定結果(25棟)の部位ごとのAからD

2 劣化判定を評価点に換算

3 構造種別、経過年数により区分

4 区分ごとの評価点の平均値を算出

5 平均値を推定結果としてAからDに変換

6 構造、経過年数から個別の劣化状況を推定

 

1 建築物の構造と経過年数の関係

建築物は、屋根、外装等の各部位を構成する材料など、時間の経過とともに劣化が進行します。ただし、建築物の構造や使用する材料の違いによって、劣化の進行は異なると考えられます。

よって、建築物の劣化状況を構造別と経過年数より推定します。

 

2 鉄筋コンクリート及び鉄骨鉄筋コンクリート造

劣化点検を実施した施設のうち、鉄筋コンクリート(RC)造及び鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造の建築物は21棟あり、経過年数ごとの棟数は、次に示すとおりです。また、以下に経過年数ごとの評価点(平均値)を示します。

 

図表 経過年数別の評価点の平均(RC造・SRC造)

 

劣化点検を行っていない建物についても、同様に劣化が進行するものと仮定し、経過年数ごとの劣化状況を以下のように推定します。

 

図表 経過年数による部位別の劣化推定(RC造・SRC造)

 

3 鉄骨造

劣化点検を実施した施設のうち、鉄骨(S)造の建築物は4棟あり、経過年数ごとの棟数は、次に示すとおりです。また、以下に経過年数ごとの評価点(平均値)を示します。

 

図表 経過年数別の評価点の平均(S造)

 

劣化点検を行っていない建築物についても、同様に劣化が進行するものと仮定し、経過年数ごとの劣化状況を以下のように推定します。

 

図表 経過年数による部位別の劣化推定(S造)

 

3)簡易劣化調査、修繕履歴による劣化推定の見直し

経過年数による劣化推定においては、現地の建物に対して点検を行っているわけではないため、実際の損傷状況と差違が生じる恐れがあります。そこで、平成23年から24年度に実施された簡易劣化調査の結果と過去5年以内(平成22年から26年度)の修繕履歴による工事実施状況を反映することにより、劣化推定の補正を行いました。

 

図表 劣化推定の見直しフロー

 

1 簡易劣化調査

平成23年から24年度に実施された簡易劣化調査では、下図に示すように各部位における劣化レベルのランクから判定結果を導いています。

 

図表 簡易劣化調査における調査票(本庁舎の例)

 

2 劣化判定基準の比較

劣化推定を見直すにあたり、今回の劣化点検における劣化判定の評価基準と簡易劣化調査の評価基準を比較し、劣化点検におけるB判定と簡易劣化調査におけるランクUおよびランクVは同程度であると判断し、下表のように変換して評価しました。

 

図表 劣化推定と簡易劣化調査における劣化判定基準の比較

 

3 対象部位の比較

劣化推定における対象部位と簡易劣化調査における対象部位は異なるため、集約する必要があります。外装については、外壁・外部建具・外部雑、機械設備については、空調設備・衛生設備・搬送設備の評価点の中で最小値を採用しました。

また、劣化調査の対象となる躯体、基礎、屋外に関しては、簡易劣化調査は行われていないため、見直しには反映していません。

 

図表 劣化推定と簡易劣化調査における対象部位の比較

 

4 劣化推定を簡易劣化調査の結果から見直し

簡易劣化調査における劣化判定と劣化推定が2ランク異なる場合は、中間のランクに見直します。また、3ランク異なる場合は簡易劣化調査の結果に近い方のランクに劣化推定を見直すこととします。

 

図表 劣化推定の簡易劣化調査による見直し方法

 

5 修繕履歴の反映による劣化推定の見直し

平成22年度から平成26年度までの修繕履歴について、所管課に問い合わせた結果を反映します。修繕された部位の劣化推定がDCである場合については、修繕工事により建物の健全性が回復したものとみなし、大規模改修が行われている場合にはA、部分的な修繕が行われた場合にはBとして劣化推定を見直しました。

 

図表 劣化推定の修繕履歴による見直し方法

 

4)公共建築物の劣化状況

豊川市公共施設中長期保全計画の対象となる194施設407棟の劣化状況について、劣化点検を実施した25棟の結果と残り382棟の劣化推定の結果を築年別に整理します。

今回の調査結果では、概ね経過年数とともに劣化が進む傾向が見られますが、日常的な修繕により、一部で逆転現象も起きている状況が見受けられます。

 

1 屋根の劣化状況

2 外装の劣化状況

3 内装の劣化状況

4 機械設備の劣化状況

5 電気設備の劣化状況

6 屋外の劣化状況

 

4 財政収支の見込み検討

公共施設等の維持管理に充当可能な財源である投資的経費(普通建設事業費)の見込みを把握するために、第6次豊川市総合計画で示す財政計画では、今後の人口減少等による影響等を加味したものとなっています。

 

1)市全体の歳入の見込み(平成28年度から平成37年度)

平成28年度当初予算(普通会計)をベースに推計した財政推計によると、以下のとおりです。

歳入

自主財源

市税

平成28年度(基準年度) 27,835百万円

平成29年度 27,858百万円

平成30年度 27,193百万円

平成31年度 27,325百万円

平成32年度 27,450百万円

平成33年度 27,048百万円

平成34年度 27,187百万円

平成35年度 27,327百万円

平成36年度 26,928百万円

平成37年度 27,069百万円

自主財源

その他

平成28年度(基準年度) 8,044百万円

平成29年度 6,853百万円

平成30年度 6,605百万円

平成31年度 6,698百万円

平成32年度 7,175百万円

平成33年度 7,059百万円

平成34年度 7,099百万円

平成35年度 7,464百万円

平成36年度 7,431百万円

平成37年度 7,575百万円

依存財源

市債

平成28年度(基準年度) 3,691百万円

平成29年度 3,500百万円

平成30年度 3,500百万円

平成31年度 3,500百万円

平成32年度 3,500百万円

平成33年度 3,500百万円

平成34年度 3,500百万円

平成35年度 3,500百万円

平成36年度 3,500百万円

平成37年度 3,500百万円

依存財源

地方交付税

平成28年度(基準年度) 4,800百万円

平成29年度 4,367百万円

平成30年度 4,184百万円

平成31年度 3,959百万円

平成32年度 3,792百万円

平成33年度 4,022百万円

平成34年度 3,942百万円

平成35年度 3,862百万円

平成36年度 4,112百万円

平成37年度 4,032百万円

依存財源

その他

平成28年度(基準年度) 16,902百万円

平成29年度 16,298百万円

平成30年度 17,214百万円

平成31年度 17,725百万円

平成32年度 17,551百万円

平成33年度 17,804百万円

平成34年度 18,572百万円

平成35年度 18,383百万円

平成36年度 18,641百万円

平成37年度 19,355百万円

歳入総額

平成28年度(基準年度) 61,272百万円

平成29年度 58,876百万円

平成30年度 58,696百万円

平成31年度 59,207百万円

平成32年度 59,468百万円

平成33年度 59,433百万円

平成34年度 60,300百万円

平成35年度 60,536 百万円

平成36年度 60,612百万円

平成37年度 61,531百万円

 

歳入の内訳

市の収入である歳入の内訳では、市税収入が歳入総額の5割弱程度となっています。今後予想される生産年齢人口の減少などに伴う個人市民税の影響等を考慮し、慎重な財政運営を行う必要があるものと考えられます。

 

図表 歳入見込みの内訳

図表 歳入構成の推移

 

2)市全体の歳出の見込み(平成28年度から平成37年度)

平成28年度当初予算(普通会計)をベースに推計した財政推計によると、以下のとおりです。

歳出

義務的経費

平成28年度(基準年度) 29,092百万円

平成29年度 29,222百万円

平成30年度 29,415百万円

平成31年度 29,460百万円

平成32年度 30,138百万円

平成33年度 30,008百万円

平成34年度 30,418百万円

平成35年度 30,830百万円

平成36年度 30,944百万円

平成37年度 31,409百万円

消費的経費

平成28年度(基準年度) 16,668百万円

平成29年度 16,777百万円

平成30年度 16,715百万円

平成31年度 16,723百万円

平成32年度 16,604百万円

平成33年度 16,665百万円

平成34年度 16,817百万円

平成35年度 16,931百万円

平成36年度 16,858百万円

平成37年度 16,964百万円

投資的経費

平成28年度(基準年度) 9,468百万円

平成29年度 6,821百万円

平成30年度 6,514百万円

平成31年度 6,785百万円

平成32年度 6,485百万円

平成33年度 6,362百万円

平成34年度 6,541百万円

平成35年度 6,122百万円

平成36年度 6,006百万円

平成37年度 6,192百万円

その他経費

平成28年度(基準年度) 6,044百万円

平成29年度 6,056百万円

平成30年度 6,052百万円

平成31年度 6,239百万円

平成32年度 6,241百万円

平成33年度 6,398百万円

平成34年度 6,524百万円

平成35年度 6,653百万円

平成36年度 6,804百万円

平成37年度 6,966百万円

歳出総額

平成28年度(基準年度) 61,272百万円

平成29年度 58,876百万円

平成30年度 58,696百万円

平成31年度 59,207百万円

平成32年度 59,468百万円

平成33年度 59,433百万円

平成34年度 60,300百万円

平成35年度 60,536百万円

平成36年度 60,612百万円

平成37年度 61,531百万円

 

歳出の内訳

市の支出である歳出の内訳では、義務的経費が占める割合が5割程度となっています。今後も少子高齢化の一層の進展により、義務的経費に含まれる扶助費等の増加が懸念されます。また、義務的経費の割合が増加することにより、投資的経費の割合が減少することが予測されます。

 

図表 歳出見込みの内訳

図表 歳出構成の推移

 

5 課題のまとめ

これまでの現状把握の結果から抽出される課題を整理し、課題のまとめとします。

(課題1)急増する老朽化建築物への対応

1970年代から80年代に整備された公共建築物は、築後40年近く以上を経過し、現地調査の結果からも学校施設を中心に老朽化が著しく進行していることが判明しました。これまでのような場当たり的な修繕の対応では、対応が追い付かずに安全性が損なわれる懸念があります。

また、調査の過程において、修繕履歴等の収集を行ったものの、回答が得られたのは施設を所管する課の4割程度であるなど、満足に整理されていない状況が散見されました。計画的な維持管理を実践するためには、点検や修繕履歴の記録、保管が重要であるため、効率的な情報の収集や確実な履歴の蓄積、必要なタイミングで必要な情報が取り出せる仕組みの構築が課題です。

(課題2)不足が予測される財源への対応

本市の財政状況は、少子高齢化の進展に伴い、税収の減少や扶助費の増加により、公共建築物に充てられる財源が不足することが懸念されていますが、公共建築物においてもこれまで計画的な維持管理が行われてきていなかったことにより、不具合状況が顕在化しており、今後は突発的に修繕費用や更新費用が必要となる可能性があります。

(課題3)持続可能な公共サービスの提供

これまでの公共建築物への予算の配分は、それぞれの所管課が必要と思われる費用を要望し、不要不急な工事への充当は行われにくい状況がありました。しかしながら、劣化調査など詳細な調査が行われているわけではなく、また長寿命化に資する本当に必要な工事が抽出されにくい状況がありました。

また、公共建築物は老朽化した後の建て替えの際に必要となる更新費に加え、市民に公共サービスを持続的に提供していくための費用として、人件費や水道光熱費などの維持運営費(ランニングコスト)が必要となり、これは更新費として必要な額よりも大きな金額となる可能性があります。

 

6 基本方針

市が保有する公共建築物について、前述の課題を踏まえ、全庁的な取組により全体最適化を目指し、「質の確保」、「コストの縮減」、「支出予算の平準化」の3つの基本方針に従い、予防保全に基づく管理の仕組みを取り入れた豊川市公共施設中長期保全計画を策定します。

 

(基本方針1)公共建築物の質の確保

公共建築物は、広く市民が利用する施設として、施設の安全性が適切に担保され、快適性や使いやすさを向上させながら、省エネルギーや環境負荷の低減に配慮した施設機能を維持するために劣化点検や公共施設構造体耐久性調査の結果を踏まえ、適切な内容および時期に修繕・改修工事を行い、質を確保し続けることが必要です。

今後は、劣化点検や公共施設構造体耐久性調査を定期的に行い、専門技術者による横並びの評価を行うことで劣化等の状況を的確に把握し、緊急度の高い劣化については速やかに修繕等を実施する体制を整えるため、工事履歴などの「施設情報の一元化」を行います。

(基本方針2)公共建築物のコストの縮減

公共建築物の質を確保するための費用(コスト)を縮減するために、修繕・改修工事を計画的・予防的に行うことにより、「公共建築物の長寿命化」を図ります。長寿命化により、建替えにかかる巨額の費用や突発的に生じる過大な改修費用を抑え、建物の一生のうちにかかる費用であるライフサイクルコストの縮減に寄与します。

また、総量の縮減について、豊川市公共施設適正配置計画や各課の施設長寿命化計画に示される将来方針との整合を図った対象施設の見直しを行うものとし、公共サービスの提供にあたり、既存の施設を現状の規模のままで維持していくことの妥当性を検証し、コストの縮減に寄与する延床面積の「総量の縮減」の実現を目指します。

(基本方針3)公共建築物にかかる支出予算の平準化

公共建築物のコストの縮減により、各年度の保全にかかる経費をできる限り抑制すると共に、限られた予算内で公共建築物の性能を維持していくためには、「公共サービス水準」や「工事の優先順位」を定め、一時期に予算の支出が集中しないように平準化に配慮し、必要性の高い工事から優先的に執行します。

また、事業費ベースでの将来の維持更新費用を算定し、財政シミュレーションの結果による年度ごとの充当可能額との比較を行い、各年度にどの程度の費用が必要となるか検討を行います。

 

2章 改修内容

1 改修周期の設定

1)日常修繕・大規模改修の周期と単価設定

建物全体の建設費(用途別平方メートル単価×延床面積)に対する部位ごとの構成比率を設定して部位ごとの建設費を算出した上で、日常修繕と大規模改修それぞれの比率により、部位ごとの金額を算出します。

 

図表 部位ごとの改修周期

 

2)更新の周期と単価設定

建築物の更新周期を減価償却資産の法定耐用年数を参考に設定します。RC造の一般的な建物の用途である「事務所」の法定耐用年数50年に対して、事後保全の場合では、市内の建物の実績を参考に60年、予防保全の場合では、他市事例や文部科学省の示す物理的な耐用年数を参考に80年とします。これは、前述の法定耐用年数に対して、それぞれ1.2倍と1.6倍の期間となるため、RC造以外の構造種別についても同様に法定耐用年数に対する比率により、更新周期を設定します。

 

図表 構造種別ごとの更新周期

 

図表 建築物の減価償却における耐用年数表(処分制限期間)

 

3)日常修繕・大規模改修の時期の設定

1 改修時期の考え方

日常修繕の実施時期は、劣化調査の結果から設定し、大規模改修の実施時期は、建築年度からの経過年数により設定します。劣化調査の部位ごとの評価結果から日常修繕サイクルを考慮して実施時期を下記のとおりとします。

 

図表 日常修繕の実施時期

 

2 日常修繕と大規模改修の間隔

修繕サイクルの起点の相違により、修繕の重複が起こり得ることから、下記のとおりとします。

日常修繕から大規模改修の間隔

5年以下 日常修繕を計画しません。

5年超え 日常修繕を計画します。

大規模改修を行った場合、日常修繕のサイクルは大規模改修を実施した年度をサイクルの起点として、再設定します。

 

2 改修項目の設定

1)日常修繕・大規模改修の内容と算定方法

建築物の安全性を保つための日常的な修繕、長寿命化のための大規模な改修としての対策工事は、建築物の部位の仕様(材質や形状など)により具体的な対策内容が様々であるため、各部位の仕様ごとにそれぞれ修繕費率および対策内容を設定します。

 

1 日常修繕費率の考え方

日常修繕は、建物を良好に維持するために必要な部分的な工事として、部位別に仕様ごとに設定します。部位ごとの建設費に日常修繕費率を乗じることで、部位別の日常修繕費を算出します。

参考例

屋根

焼成による耐久性の高い瓦等の部材は5パーセントとします。

シーリングの劣化による浮きや破損が発生するアスファルト防水やシート防水系の部材は10パーセントとします。

腐食や飛散物による耐久性・耐候性が比較的低い金属・スレート系の部材は15パーセントとします。

外装

焼成による耐久性や気密性の高いタイル・打放し等は5パーセントとします。

腐食や経年劣化による耐候性が比較的低い金属・吹付け・塗装系の部材は10パーセントとします。

内装

経年劣化によるものとして、仕様によらず10パーセントとします。

(内装には、壁、天井、床が含まれます)

機械設備

設備機器の修繕周期は15年から20年であり、機器や付属配管の更新として30パーセントとします。

設備機器の内、大型設備であるエレベーター等がある場合には機器の更新として60パーセントとします。

電気設備

設備機器の修繕周期は15年から20年であり、機器や付属配管の更新として30パーセントとします。

屋外

経年劣化によるものとして、仕様によらず5パーセントとします。

日常修繕は、予防保全型の管理を行わない施設に対しても、耐用年数までの供用性能を維持するために部分的な修繕は必要となります。

 

2 大規模改修費率の考え方

大規模改修は、建物の長寿命化を目的に予防保全的に行う全面的な工事として、部位別に仕様ごとに設定します。部位ごとの建設費に大規模改修費率を乗じることで、部位別の大規模改修費を算出します。

 

参考例

屋根

全面張替えとなるアスファルト防水やシート防水系は部位建設費の50パーセントとします。

その他のスレート、シングル系は日常修繕率と同様に15パーセントとしますが、腐食が進む金属系は20%とします。

外装

腐食や表面劣化が進行し易い板張や塗装系は40パーセント、金属系は20パーセント、吹付けは15パーセントとします。

内装

仕様によらず、部位建設費の30パーセントとします。

(内装には、壁、天井、床が含まれます)

機械設備

日常修繕にて機器を更新するため大規模改修の対象としません。

電気設備

日常修繕にて機器を更新するため大規模改修の対象としません。

屋外

日常修繕(10年から15年)の3倍相当の期間が経過することから部位建設費の15パーセントとします。

 

大規模改修は、予防保全型の管理を行う施設に対してのみ行うもので、全面的に健全度を回復させ、施設の延命化を図ります。

 

3 部位・仕様別の修繕対策内容

 

図表 部位・仕様別対策内容

 

図表 部位・仕様別対策内容

 

2)部位構成比率の設定

施設は、8つの部位(屋根、外装、内装、躯体、基礎、機械設備、電気設備、屋外)で構成されていると考え、各部位の建設費は、施設用途別の1棟当たりの建設費に対して構成比率を用いて設定します。構成比率は、建物の形状に応じて設定した9つのタイプから選択して設定します。

 

3)更新単価の設定

施設用途別の建設費は、総務省の更新費用試算ソフトに用いられる単価設定(構造種別によらず一律)で検討するように設定しました。

 

図表 用途別の建設単価(全ての構造種別で同じ単価を使用)

 

3章 改修等のライフサイクルコストの試算

1 ライフサイクルコストの試算

長寿命化対策の効果を把握するため、対策として大規模改修を実施した場合(予防保全)と実施しなかった場合(事後保全)の費用を比較し、ライフサイクルコストの縮減効果を算定します。

算定にあたっては、大規模改修の実施の有無により、更新時期が異なることとし、下記の式により、単年度当たりのライフサイクルコストの縮減額を算出します。

 

単年度当たりライフサイクルコスト縮減額(C):(C0)−(C1

0:大規模改修を実施しなかった場合における、次期更新までに要する総費用 

0:大規模改修を実施しなかった場合の耐用年数

1:大規模改修を実施した場合における、次期更新までに要する総費用 

1:大規模改修を実施した場合の延命後耐用年数

 

事後保全の場合=(日常修繕費用+更新費用)÷耐用年数

注意書 ここでいう事後保全は、本市が今後、現状を踏まえ日常修繕を計画的に実施していくことを踏まえ、日常修繕を含んだものとしています。

 

予防保全の場合=(日常修繕費用+大規模改修費用+更新費用)÷延命後耐用年数

 

図表 ライフサイクルコストの単年度当たり縮減額の計算例

 

1)将来のライフサイクルコストの試算について

コスト縮減対策として、予防保全型の管理により、将来のライフサイクルコストを試算した上で、劣化調査結果等による工事優先順位付けにより、予算制約条件下における平準化を検討します。

 

図表 予算平準化のイメージ

 

2)ライフサイクルコストの試算結果

1 ライフサイクルコストの試算の考え方

ライフサイクルコストについて、各パターンで試算条件を設定し、試算を行います。各パターンの試算条件と試算結果を以下に示します。

 

管理区分

管理区分が「事後保全」の場合と「予防保全」の場合について、それぞれ試算します。

 

注意書 管理区分が「予防保全」の試算において、築40年以上経過している施設は「事後保全」とします。

 

大規模改修の積み残し費用の取扱いについて

大規模改修*が未実施の施設について、積み残し費用を「計上」して試算を行います。

 

更新単価

更新単価は、「総務省単価」を基本とします

 

注意書 計画期間について

平成28年度(2016年)については、これまで通りの方法(所管課からの工事対象提示)で予算要望を行っているため、平成29年度(2017年)から豊川市公共施設中長期保全計画の考え方に基づく計画を反映します。

 

2 ライフサイクルコストの試算の考え方

パターン1:全施設を事後保全とした場合の試算結果

構造種別毎の耐用年数を迎えたタイミングで建て替えると想定し、現在保有している建物の更新等費用を試算した結果、今後50年で約2,473億円、年平均では約49.5億円の費用が必要となります。近年の市の予算の規模19.9億円は、その40パーセント程度にとどまります。

 

次に築40年未満の建物を長寿命化することによる軽減を検討します。

 

パターン2:予防保全を取り入れた場合の試算結果

建築40年未満の建物の長寿命化を図るため大規模改修の実施を取入れ「予防保全」の管理を行った場合、今後50年で約2,086億円、年平均では約41.7億円の費用が必要となります。「事後保全」に比べ、総額約387億円の費用縮減が図れ、財政負担が軽減されます。

 

しかしながら、「事後保全」から「予防保全」に切り替えたとしても、近年の市の予算の規模19.9億円はその48パーセント程度にとどまり、一方で年度によって必要費用に大幅な差があることから、コストの平準化やさらなるコスト縮減を講じる必要があります。

 

2 工事優先度の評価

保全計画の作成に際して、大規模改修や修繕等を行う際の優先性の評価として、評価項目を設定します。

 

1)工事優先度の計算式

 

各施設の部位ごとに6つの評価項目で点数を出し、その合計から優先順位を決めます。

 

PA+(E×a)+HTY

大規模改修・修繕等判定 P = 安全性 A + 劣化度影響係数 a + 重要性及び公共性 H +機能停止損害 T + 代替性 Y

 

1 安全性:A (毎年変化)

劣化状況等により、安全性が損なわれ、第三者への影響(落下、脱落など)が出ているか。

法令違反(既存不適格)の有無と対応の緊急性が必要か。

優先度大

危険が迫っている

法令違反で早急対応要する

優先度小

安全性が保たれている

法令違反等はない

 

2 劣化度:E(毎年変化)

点検調査票に基づく66項目について、ABCD4段階の判定結果をした後に総合判定を行う。

総合判定は、66項目のうち重要部位12項目の判定結果を重視する。

優先度大

直ちに改修が必要(重要部材にD判定がある)

優先度小

問題なし(A判定のみ)

 

劣化度:E 重要部材の位置付け

各部位別判定 1基礎、2制震装置、から65タンク類、66自動制御機器

66項目をAからD4段階で判定

重要部位

1冷温水配管、冷却水配管、油配管、ガス配管 2給水配管、排水配管 3敷地、4屋根5天井・内壁6外壁、7床 8分電盤・制御盤 9電気配線 10受変電設備 11空気調和機、エアコンファンコイル等 12ポンプ類

総合判定は、66項目のうち重要部位12項目の判定結果を重視

 

3 影響係数:a (毎年変化)

劣化状況を放置した場合、損害が拡大し機能停止時の影響が大きいか。

予防保全的な対策により、将来のコスト縮減効果が見込めるもの。

優先度大

現状放置による被害拡大や施設利用への影響が大きい

優先度小

被害拡大の恐れがなく 施設利用に影響がない

 

4 重要性及び公共性:H (毎年固定)

市民の生活にとって重要であり、行政が提供すべき施設であるか。

優先度大

重要な施設・医療施設等・消防署等・保育園等

優先度小

非重要施設 その他市有建築物等

 

5 機能停止損害:T (毎年固定)

その部位が機能不全に陥った場合に施設利用に影響があるか。

優先度大

全館機能停止等に繋がる基幹設備(受電設備や熱源等)

優先度小

機能停止時、トラブル発生時に損害が発生しない

 

6 代替性:Y (毎年変化/毎年固定)

部品の取替え時に容易に部品の入手が可能か。

優先度大

代替性(代替性の有無)

優先度小

形式失効まで充分猶予がある

注意書 一部の部品については、メーカーによる保管年限を参考とし、固定値として取扱う予定。

 

2)工事優先度における配点

A:安全性

危険が迫っている

法令違反で早急の対応が必要 6

法令違反で猶予期間がある 5

法令違反ではないが、上位関連計画に位置づけがある 4

法令違反等はない 3

安全が損なわれ始めている

法令違反で早急の対応が必要 5

法令違反で猶予期間がある 4

法令違反ではないが、上位関連計画に位置づけがある 3

法令違反等はない 1

安全性が保たれている

法令違反で早急の対応が必要 4

法令違反で猶予期間がある 3

法令違反ではないが、上位関連計画に位置づけがある 1

法令違反等はない 0

E:劣化度

直ちに改修が必要(重要部位がD判定である) 5

早期の改修が必要(D判定がある) 3

劣化しており計画的な措置が必要(C判定がある) 2

劣化の兆候が見られる(B判定がある) 1

問題なし (A判定のみ) 0

a:影響係数

現状放置による被害拡大する恐れが高い 1.7

早めの処置にて損害拡大・コスト増大防止(屋外鉄部の発錆や給排水管) 1.4

被害拡大の恐れが少ない 1.2

被害拡大の恐れがない 1.0

H:施設の重要性及び公共性

医療施設 6

庁舎(支所含む)・消防施設・福祉施設(入所型)、教育施設(小中学校) 5

福祉施設(通所型)、児童館・児童クラブ、保育園、公民館、生涯学習会館など 4

その他(多数の者が利用する施設:公営住宅、文化施設、体育施設、地区市民館など 2

その他市有建築物 1

その他 0

T:機能停止損害

全館機能停止などにつながる基幹設備(受電設備や熱源等) 6

建物の基本的役割に支障をきたす劣化・トラブル(漏水等) 5

防災性能確保の観点から改善する必要がある事項 4

機能停止時、トラブル発生時に周辺環境に影響を及ぼす事項 3

機能停止時、トラブル発生時に早期に復旧が可能 1

機能停止時、トラブル発生時に損害が発生しない 0

Y:代替性

形式失効により部品が入手出来ない 4

形式失効により部品が入手出来ない可能性がある 2

形式失効までに猶予期間がある 1

形式失効までに充分猶予がある 0

 

3 平準化手法

1)平準化の考え方

施設の修繕時期等が一定期間に集中した場合、予算の制約上、修繕費を平準化する必要があります。修繕費の平準化では、集中した費用について、工事優先度の優劣による先送りの措置を行います。

 

図表 平準化の実施イメージ図

 

1 平準化の流れ

1 予算制約条件を設定します。

予算制約条件1:年平均19.9億円(公共施設改修・更新等経費)

注意書 公共施設改修・改築等経費は、直近5年間(平成22年度から平成26年度)の公共施設改修・改築等経費の平均値となります。人件費や光熱水費などの維持運営費は含みません。

 

予算制約条件2:段階的予算制約(5年以上の先送りを生じないよう、5年ごとに設定)

2 予算制約を超過する年度は、優先度の高い施設から実施し、金額をオーバーした段階で翌年度に先送りします。

(優先順位は、日常修繕、大規模改修、更新、撤去に関わらず設定します。)

3 翌年度以降、繰り返し計算を実施します。

 

2 平準化の実施パターン

ライフサイクルの試算結果から、各パターンで試算条件を設定し平準化を行います。各パターンの試算条件と試算結果を以下に示します。

 

平準化前のパターン

平準化を行うパターンは、P41の「パターン2」を使用します。

このとき、更新単価は「総務省単価」となります。

 

管理区分

管理区分が「予防保全」の場合について、それぞれ試算します。

 

予算制約条件

予算制約が「年平均19.9億円」の場合と「段階的予算制約」の場合について、それぞれ試算します。

 

大規模改修の積み残し費用の取扱いについて

大規模改修が未実施の施設について、積み残し費用を「計上」した場合で試算します。

 

2)平準化試算の結果

パターン1:投資的経費の実績で平準化した場合の試算結果

過去5年間の建築物にかかる公共施設改修・改築等経費の平均値である19.9億円を予算制約として平準化した結果、今後50年で約1,024億円の費用となります。一方で、予算制約を超える部分の施設は、対策がされないままグラフには表れない2066年以降に先送りされているため、安全上の問題から使用できない施設が生じる可能性があります。

 

19.9億円で平準化した場合の課題

未実施施設の処理を実施することで、本来、実施しなければならない日常修繕が実施できない可能性がある。

工事優先順位が低い施設の部位の修繕になかなか着手できず、何年も先送りされてしまっている可能性がある。

 

次に予算制約を段階的に設けることにより、5年以上先送りせず対応することを検討します。

 

パターン2:段階的な予算制約で平準化した場合の試算結果

5年以上の先送りを生じない段階的な予算制約で平準化した結果、今後50年で約2,086億円、年平均では約41.7億円費用が必要となります。例えば、最終年度の2065年は、総合体育館、豊川市役所(北庁舎)等の更新時期に該当するため、予算制約を高く設定しています。

 

段階的予算制約の設定

2017年から2020年)年平均55.0億円

2021年から2024年)年平均19.0億円

2025年から2028年)年平均59.0億円

2029年から2035年)年平均43.0億円

2036年から2039年)年平均23.0億円

2040年から2045年)年平均28.0億円

2046年から2050年)年平均18.0億円

2051年から2054年)年平均60.0億円

2055年から2060年)年平均75.0億円

2061年から2064年)年平均40.0億円

2065年)年平均75.0億円

5年以上の先送りを生じないよう5年以内に対策が実施されるために必要な金額を段階的に設定しました。

 

次に、更に平準化を図るために10年以上の先送りを生じない段階的な予算制約で平準化した場合の試算結果グラフを示します。2051年以降は、1970年代に集中的に整備された公共建築物の更新時期が到来するため、大幅に費用が増加しています。

 

図表 10年の予算制約で平準化した場合の試算結果

 

段階的予算制約の設定

2017年から2025年)年平均37.0億円

2026年から2035年)年平均44.0億円

2036年から2050年)年平均24.0億円

2051年から2064年)年平均62.0億円

2065年)年平均75.0億円

 

10年以上の先送りを生じないよう10年以内に対策が実施されるために必要な金額を段階的に設定しました。

 

3)財源試算

1 起債充当率

公共施設等の投資的経費に充当可能な財源として、一般財源、市債、国・県補助金について整理します。

補助率や起債充当率は、施設分類毎に異なるため、それぞれ分けて整理します。

 

大規模改修

小中学校

一般財源25パーセント

市債75パーセント

保育園

一般財源100パーセント

市営住宅

国県補助50パーセント

市債50パーセント

その他

一般財源100パーセント

 

更新

小中学校

一般財源7パーセント

国県補助33パーセント

市債60パーセント

保育園

一般財源20パーセント

市債80パーセント

市営住宅

国県補助50パーセント

市債50パーセント

その他

一般財源25パーセント

市債75パーセント

 

注意書 施設によっては、補助内容により補助率や起債充当率が表記と異なることもあります。

注意書 市債の種類により、元利償還金の20%から70%が普通交付税の基準財政需要額に算入される場合があります。

 

2 将来更新等費用にかかる一般財源必要額と充当可能見込額の試算

本市が保有する公共建築物の将来更新等費用の試算結果とその財源内訳(見込額)を以下に示します。

将来更新等費用の算定にあたっては、建物の大規模改修等の実施時期や耐用年数を構造種別ごとに仮定し、耐用年数経過後に現在と同じ延床面積等で更新することを前提条件として算出しており、50年間で約2,086億円を要すると推計されます。

下表は、大規模改修や更新等を実施すると仮定した場合、どのような財源が充てられるかを表したものです。財源内訳の算出にあたっては、現状の補助制度や補助率、地方債の充当率等を勘案する中で、施設毎に国県補助、市債、一般財源に振り分け、全ての施設について今後要する金額の財源の集計・試算を行いました。

この結果、大規模改修や更新に充てなければならない財源として、50年間で一般財源が約796億円、国県補助が約323億円、市債が約967億円と見込まれています。

 

図表 将来更新等費用試算結果と財源内訳(見込額)(単位:百万円)

 

なお、この中でも一般財源の約796億円は、実際に本市が当該事業年度に要する費用の見込額であり、今後、なお一層の社会保障費の増加等で厳しい財政状況が予測される中、限られた財源を公共建築物の改修や更新に充てていくこととなるため、一般財源必要額と充当可能額について確認する必要があります。

 

下表は、前述した一般財源(必要となる一般財源)と充当可能見込額(充当できる一般財源)を比較したものです。

充当可能見込額(充当できる一般財源)は、過去5年間の既存建築物にかかる改修・改築等経費の平均値である年平均19.9億円に対し、50年間の平均値を用いた場合は、前頁で求めた一般財源の充当率により、19.9×38.1パーセント=7.58億円となります。10年ごとの平均値を用いた場合は下表に示すとおりです。

 

図表 一般財源必要額と充当可能見込額との比較(単位:百万円)

 

将来更新等費用にかかる一般財源必要額と充当可能見込額を比較した結果、50年の平均値の場合では、今後50年間で約417億円の一般財源が不足し、約52パーセントの歳出抑制が必要となります。一方で、10年ごとの平均値の場合では、今後50年間で約391億円の一般財源が不足し、約49%の歳出抑制が必要となります。

 

段階的な予算制約による平準化を行った結果を財源内訳別に集計した結果は、以下のようになります。対象となる施設の種別によって財源比率が異なるため、年度によるばらつきが生じています。

 

図表 試算結果に基づく一般財源の充当見込みの推移

 

なお、この平準化試算グラフは、長期的な試算結果を示したグラフのため、今後の豊川市公共施設中長期保全計画は、中期的な計画「15ヵ年」・短期的な計画「3ヵ年」で示していきます。また、一般財源が突出する年(例:2026年)の費用については、今後の財政状況や整備基金等の状況に応じて、施設の見直しを行いながら、適切な時期に執行していきます。

 

4)保全計画書

1 中期的な視点に立った保全計画(15年)

 

豊川市公共施設中長期保全計画の策定に際し、10年間で先送りを生じないよう平準化したシミュレーション結果について、中期的な視点に立った保全計画として、15年間を5期に区分し、3年ごとに施設分類ごとにかかる更新・修繕費を整理します。

 

2 短期的な視点に立った保全計画(3年)

 

豊川市公共施設中長期保全計画の策定に際し、10年間で先送りを生じないよう平準化したシミュレーション結果について、短期的な視点に立った保全計画として、1期目の3年間について、施設分類ごとにかかる更新・修繕費を整理します。

 

豊川市公共施設適正配置計画で示す市の保有面積の削減目標の30パーセントを考慮した場合の投資的経費に充当可能な財源の整理

 

豊川市公共施設適正配置計画で示す市の保有面積の削減目標の30パーセントを考慮した場合の、将来更新等費用の試算結果と財源内訳を以下に示します。

 

図表 面積削減を考慮した将来更新等費用試算結果と財源内訳(見込額)(単位:百万円)

 

試算を行った結果、将来更新等費用は50年間で約1,680億円を要すると推計されます。大規模改修や更新に充てなければならない財源として、50年間で一般財源が約744億円、国県補助が約232億円、市債が約704億円と見込まれています。

保有面積の削減前と比較し、将来更新等費用は50年間で約406億円縮小し、一般財源が約52億円、国県補助が約91億円、市債が約263億円縮小する見込みとなっています。

 

下表は、前述した豊川市公共施設適正配置計画で示す市の保有面積の削減目標の30パーセントを考慮した場合の一般財源(必要となる一般財源)と52ページで示した充当可能見込額7.58億円を採用して比較したものです。7.58億円を採用した理由は、施設の削減による財源の増加も見込まれますが、今回は財源の増加分は考慮せずに試算を行いました。

 

図表 面積削減を考慮した一般財源必要額と充当可能見込額との比較(単位:百万円)

 

将来更新等費用にかかる一般財源必要額と充当可能見込額を比較した結果、50年の平均値の場合では、今後50年間で約365億円の一般財源が不足し、約49パーセントの歳出抑制が必要となります。

保有面積の削減前と比較し、必要となる一般財源と充当できる一般財源の差額は、約52億円縮小し、歳出抑制の割合については、3%低下しました。

 

 

次頁に「10年の予算制約で平準化した場合の試算結果グラフ」と、「試算結果に基づく一般財源の充当見込みの推移グラフ」を示します。

 

10年の予算制約で平準化した場合の試算結果に対して、豊川市公共施設適正配置計画で示す市の保有面積の削減目標の30パーセントを考慮し、施設の更新時に延床面積を30パーセント削減すると仮定した場合の試算結果を以下に示します。

 

図表 延床面積30パーセント削減を考慮した場合の試算結果

 

試算の結果、約406億円(2086億円−1680億円)が縮減される結果となりました。同様に一般財源の充当見込みの推移を以下に示します。30パーセント削減に伴い、それぞれの財源内訳が縮減される結果となりました。

図表 試算結果に基づく一般財源の充当見込みの推移

 

5) 公共施設整備基金

本市が保有する公共施設の多くは、今後、集中的に老朽化を迎え、円滑な施設改修などを行う必要があることから、平成23年度に、豊川市体育施設整備基金をはじめ3基金を統廃合し設置したもので、平成27年度末残高は、約36億円となっています。

また、財源不足への対応として公共施設整備基金の活用を図る必要があります。当面10年間の予算不足額について、延べ床面積30パーセント削減を考慮した場合約25億円不足し、削減しない場合約47億円不足することとなるため、基金目標額を当面40億円程度とします。なお、その後の予算不足額については、毎年度決算状況により、余剰金を基金に積み立てるものとします。

 

4章 今後の展開

1 計画の実践に向けた取組

1) 豊川市公共施設中長期保全計画に基づく事業の流れ

豊川市公共施設中長期保全計画の策定後は、公共建築物の効率的な維持管理を実践するために以下のフローに従い、事業を実施していきます。

 

図表 豊川市公共施設中長期保全計画に基づく事業実施フロー

 

2) 対象施設の見直しと劣化点検の実施サイクル・結果の反映

豊川市公共施設中長期保全計画では、長寿命化対象施設の見直しを毎年実施し、併せて、施設総量削減に向けた継続的な見直しを図ります。長寿命化対象施設については、継続的に劣化点検を行い、豊川市公共施設中長期保全計画に反映させます。

 

豊川市公共施設適正配置計画対象施設

庁舎・学校・保育園・公民館・図書館・体育館など(206施設428棟)

CB造、木造の築30年以上経過した施設を除く(11施設20棟)

 

豊川市中長期保全計画対象施設

庁舎・学校・保育園・公民館・図書館・体育館など(195施設408棟)

豊川市公共施設適正配置計画の進捗、公共施設構造体耐久性調査の継続

 

対象施設の継続的な見直しを実施

 

それぞれの計画に見直しサイクルに合わせて反映

 

3)次年度整備計画の策定手順及び予算化

豊川市公共施設中長期保全計画に基づく次年度整備計画の策定手順及び予算化は、以下の流れで実施していきます。

1 施設劣化点検

供用中の施設について劣化点検を行い、施設の劣化度について評価します。調査結果は、データベースに蓄積します。

2 工事優先度の評価

工事優先度の計算式に基づき、施設の工事優先度の評価を行います。所管課への予算要求の意向調査を行い、工事優先度の高い施設から順に工事を実施する計画を立てます。

3 予算要求

所管課より財政課へ予算を要求します。

4 ヒアリング及び査定・内示

所管課へのヒアリングと工事優先度を考慮しながら実施工事を決定します。

5 工事の実施(翌年度)

施設の延命化、長寿命化のための工事を実施します。

6 工事情報の蓄積(前年度分)

実施された工事内容について、一元管理しているデータベースに記録します。

 

図表 中長期保全計画に基づく次年度整備計画の策定手順及び予算化のサイクル

 

4)施設情報の一元管理の方法

施設情報の関連資料のうち、保全計画システムでは、ヒアリング調査、工事履歴等のデータ管理を行います。資産経営システムでは、公共建築物実態調査アンケートによる利用状況等の把握や、工事履歴等を利用しながら予算の平準化を考慮した適切な時期での工事実施の検討に利用し、相互の連携を図ります。なお、図面等の紙ベース資料の電子化については、今後の取り組み課題です。

 

1 公共建築物実態調査(アンケート調査)

施設の利用状況、収支状況について把握するため、各所管課に対して毎年のアンケート調査を行います。アンケート調査は共通の様式で行い、資産経営システムに入力して一元管理することで施設間での比較を行い、情報の共有化を図ります。

 

2 ヒアリング調査

施設管理者へのヒアリング調査は、公共建築物実態調査におけるアンケート票の記載内容の確認を行うとともに、日常的な建物の運用の中で発生している不具合や劣化について情報を収集し、工事優先順位の検討に役立てます。

 

ヒアリング内容

アンケート調査に表れない不具合事項の把握

施設管理者の気になる点や不安に思っている内容

日常管理のポイント など

 

3 施設情報として一元管理する資料

これまでに各所管課から収集・整理した資料等について、効率的な維持管理を実践していくために、施設情報として一元管理し、情報の蓄積を図ります。一元管理する施設情報資料について、以下に整理します。なお、スキャンデータは、今後、資料ごとに必要な項目を検討していきます。

 

2 計画推進の課題

1) 財政状況と照らし合わせた毎年度事業の見直し

本計画における年次計画は、毎年度の修繕工事の実施状況や点検結果を踏まえ、予算編成と連動しつつ、適宜修正を行います。工事の手法は、年次計画の進捗状況と予算を照らし合わせながら、関連する部位について工事を合わせて実施する等の合理的な工事手法の検討を行い、実効性の高い計画を目指します。

 

図表 年度毎の予算と各施設の修繕工事進捗状況の管理表(例)

 

2)日常的な維持管理による長寿命化と事業費の軽減

新たに作成する「日常的な維持管理の手引き」は、日ごろの施設利用にあたって、損傷規模が拡大し大きな修繕工事に至ることを未然に防ぐことを目的としております。日常的な維持管理を適切に実施することで施設の健全性が適切に維持され、工事優先度が低くなることで施設の日常修繕や大規模改修の実施時期を最適化でき、施設の長寿命化による事業費の軽減が図れます。

この効果は、今後実施する施設の点検で健全度を確認し、年次計画に反映します。

 

3)計画の推進に向けて

公共施設の安全・安心に利用できる状態を維持するため、耐震性が確保されていない施設の耐震化を進めるとともに、本計画で示した施設の長寿命化やライフサイクルコストの縮減を基本とし、維持保全に向けて各公共建築物の耐用年数や毎年度の工事の実施状況、劣化状況等を常に把握する必要があります。そのために、以下の事項を推進していきます。

 

a 公共建築物に関する情報の一元管理

公共建築物に関する情報について、全庁的に一元管理を行います。各施設の台帳のデータベース化を進め、修繕履歴等の情報入力の実施体制を構築し、データベースの管理は、所管課等と連携して行っていきます。

 

b 計画の推進体制

中長期保全計画の具体的な事業の推進を実現するため、公共建築物の管理について部署横断的な組織として財産管理課を中心に、所管課、建築課及び財政課と連携して、全庁的に公共建築物のマネジメントを推進します。

また、施設を多く所管する教育委員会を始めとする施設管理者と各技術職員がワーキンググループなどを通して連携を図り、互いに公共建築物の状態を把握しながら本計画の検討や進捗の管理等を行います。

 

c 人材の育成

公共建築物の適切な維持保全に向け、各技術職員の専門知識の蓄積、点検や修繕等の業務に関する技術力向上に努めます。社会動向や市の財政状況を勘案しつつ、専門分野の業務や行政ニーズを把握し、的確に組織的な対応を取れるマネジメント能力に優れたリーダー的な職員を育成するなど、将来の技術職員の採用を含めた中長期的な視点に立った人材育成の取組を進めていきます。

また所管課や施設管理者に対して、施設の長寿命化に向けた日常的な維持管理を実践するために研修会等を実施していきます。

 

d 実現可能な年次計画(3ヵ年から15ヵ年)

本計画で示した平準化試算グラフは、今後、公共建築物の長寿命化に向けた施設保全の考え方の基礎となります。しかし、長期的な視点で示しているため、当面は施設の劣化状況等に応じた優先度評価結果に基づき、緊急性の高い施設から順に保全を行います。

また、各年度に実施する工事の総量は、市の財政状況や需要等に応じて調整し、15年間の中期的な保全計画を立て、直近の3年間は短期的な保全計画として抽出し、保全計画が適切に執行できるよう、各年度の財政や施設状況に応じて見直しを行います。

 

e PDCAサイクル

施設の点検・劣化度調査、施設管理者による日常点検等を適切に実施し、必要な対策を行うとともに、計画に基づき実施した予防保全の結果等の情報を適切に管理・蓄積し、次の点検・診断に活用する、というPDCAサイクルの構築を推進していきます。

 

f 公共施設の再編等との連携

保全計画の実行にあたっては、経営的な視点から検討を行い、公共施設の縮減に向け、第6次豊川市総合計画や公共施設適正配置計画および公共施設等総合管理計画との連携を図りながら進めます。

 

モデル事業の取組み

機能の複合化や多機能化の効果、または施設整備にあたっての民間のノウハウの活用の効果等、今後の公共施設マネジメントの実施にあたっての具体的な検証およびその手法の有効性を確認するために、公共施設適正配置計画で示したリーディング事業を推進します。

資料 公共施設適正配置計画における6つのリーディング事業

 

g 公民連携の推進

PPPPFI等の民間の資金とノウハウを活用し、効率的かつ効果的な公共サービスの提供に向けた検討を行い、新たな公共の担い手への事業移管を推進し、市民サービスの維持、向上を図ります。

近年では、公民連携による公共建築物の複合化や多機能化の事例が全国的に見られるため、市でも他自治体の事例を参考に公民連携の推進を積極的に検討していきます。

 

語句説明 50音順

あ行

維持保全

既存建築物の初期の性能及び機能を維持するために行う行為。

インフラ

インフラストラクチャーの略で、水道や道路網などの社会基盤のこと。

か行

機能的耐用年数

建物が時代の変遷とともに期待される機能を果たせなくなってしまうことで決定される年数。ただし、費用をかけることで機能を向上させることは可能。

旧耐震基準

建築基準法の昭和55年改正前の基準によるもので、昭和5661日よりも前に着工した建築物に適用されている。震度5強程度の中規模地震に対して耐震性を有する。

国・県支出金

国や県が地方自治体に支出・交付する資金のうち、その使途が特定されているもの。

経済的耐用年数

建物を存続させるために必要となる費用が、建物を存続させることによって得られる価値を上回ってしまうことで決定される年数

公共施設等総合管理計画

地方自治体が所有する全ての公共施設等(学校、河川、道路等)を対象に、地域の実情に応じて、総合的かつ計画的に管理する計画のこと。

公債費

地方公共団体が発行した地方債の元利償還などに要する経費のこと。

工事優先度

保全計画の作成に際して、大規模改修や修繕等を行う際の優先性を評価するために劣化状況や重要性から設定する指標

更新

劣化した部位・部材や機器等を同性能・同仕様の新しい物に取り替える行為。(例)建築部位:吹付けタイル(既存)→吹付けタイル(新規)、設備機器:空調機(既存)→空調機(新規)

構造体

柱やはりなど建物の長寿命化に直接影響する建物自体の荷重や地震や風などの外力を支える各部材のこと。

さ行

事後保全

施設あるいは部位が壊れてから直すという何か事が起きてから対応する保全方法のこと。

新耐震基準

建築基準法の昭和55年改正後の基準によるもので、昭和5661日以降に着工した建築物に適用されている。震度6強〜7程度の大規模地震に対しても、倒壊(崩壊)して人命に危害を及ぼすことのない程度の耐震性を有する。

総合計画

市の最上位の計画で、本市における第6次総合計画は、平成28年度から平成37年度までとしている。

た行

大規模改修

建物の基本性能を維持するために予防保全的(30年程度)に実施される工事。本計画においては、劣化による内容に限ることとし、機能向上に資する内容は含まないものとする。

耐震性

建物が地震に耐えるための性能のこと。

耐用年数

建物の寿命としての年数のこと。法定耐用年数、物理的耐用年数、機能的耐用年数、経済的耐用年数の4種類がある。

地方交付税

地方公共団体の自主性を損なわずに、地方財源の均衡化を図り、かつ地方行政の計画的な運営を保障するために、国税のうち、所得税、法人税、酒税及び消費税のそれぞれ一定割合の額を、国が地方公共団体に対して交付する税のこと。

地方債

地方公共団体が財政上必要とする資金を外部から調達することによって負担する債務で、その履行が一会計年度を超えて行われるもの。

長寿命化

計画的に改修することで、建物の構造体の劣化が進行を遅らせ、長期間使用すること。

投資的経費

道路、橋りょう、公園、学校、公営住宅の建設など社会資本整備などに要する経費のこと。

は行

ファシリティマネジメント(FM

米国で生まれた経営手法で、「不動産(土地、建物、構築物、設備等)すべてを経営にとって最適な状態(コスト最小、効果最大)で保有し、運営し、維持するための総合的な管理手法」と定義される。企業や官公庁、営利・非営利を問わず、業務遂行において不動産を利用する組織を対象とした施設の管理・運用手法。自治体などの公的機関で取組むFMを「公共FM」と言う。

扶助費

性質別歳出の一分類で、社会保障制度の一環として地方公共団体が各種法令に基づいて実施する給付や、地方公共団体が単独で行っている各種扶助に係る経費のこと。

普通会計

一般会計を中心として、公営企業会計、準公営企業会計及び収益事業会計等の公営企業会計に属しない特別会計を加え、会計間の重複額等を控除した純計額であり、総務省の定める基準で各地方公共団体の会計を統一的に再構成したもの。豊川市の場合、一般会計に土地取得特別会計を加えたもの。

物理的耐用年数

材料・部品・設備が劣化して建物の性能が低下することによって決定される年数。

平準化

年度毎にバラつきのある費用を予算の制約等の条件により、一定程度に均す作業のこと。

法定耐用年数

税務上、減価償却率を求める場合の基となる建物の耐用年数。(財務省令別表に記載)

保全計画

建物を安全・安心に使用できるよう良好な状態を確保するために必要な維持・修繕等の内容や実施時期を定めた計画。

や行

予防保全

施設を長寿命化するための保全管理の方法で、建物及び設備の異状の有無や兆候を事前に把握・予測することで計画的に改修を行い、故障による停止や事故を防ぎ、建築物の部材を適切に保全する方法のこと。

ら行

ライフサイクルコスト

計画・設計・施工から、その建物の維持管理、最終的な解体・廃棄までに要する費用の総額。イニシャルコストとランニングコストに分けられる。

ランニングコスト

建物を維持・管理・運営していくために必要となる費用。

 

資料編

 

資料1 庁内検討会議の経緯

豊川市公共施設中長期保全計画の策定に際し、豊川市ファシリティマネジメント推進会議および豊川市ファシリティマネジメント推進部会を組織し、検討を重ねました。

 

開催状況

 

豊川市ファシリティマネジメント推進会議

1回 平成27513

2回 平成27730

3回 平成271030

4回 平成28113

 

豊川市ファシリティマネジメント推進部会

1回 平成2768

2回 平成2776

3回 平成27911

4回 平成27107

5回 平成27123

 

取組状況については、「豊川市ファシリティマネジメント公共施設中長期保全計画ニュース」を発行し、情報発信に努めています。

また、会員の名簿については、次頁に示します。

 

豊川市ファシリティマネジメント推進会議アドバイザー

学識経験者(アドバイザー) 名古屋大学工学部 施設整備推進室 大学院工学研究科 准教授 恒川 和久

 

豊川市ファシリティマネジメント推進会議設置要綱

(設置)

1条 本市の行政経営改革に位置づけられたファシリティマネジメントの推進にあたって、豊川市が保有する公共施設の適正配置、維持、更新等について総合的な見地から検討するため、豊川市ファシリティマネジメント推進会議(以下「会議」という。)を設置する。

(所掌事務)

2条 会議は、次に掲げる事項について検討を行い、その結果を豊川市行政経営改革推進本部設置要綱(平成773日施行)第1条に規定する豊川市行政経営改革推進本部に報告するものとする。

1)公共施設適正配置計画に関すること。

2)公共施設中長期保全計画に関すること。

3)公共施設等総合管理計画に関すること(公共建築物)。

4)その他ファシリティマネジメントの推進のために必要な事項に関すること。

(構成等)

3条 会議は、別表第1に掲げる会員をもって構成する。

2 会議に会長を置き、総務部次長をもってこれに充てる。

(会議)

4条 会議は、会長が必要に応じて招集する。

2 前条の規定のほか、会長は必要に応じて別表第1に掲げる会員以外の者を招集することができる。

(意見の聴取)

5条 会長は、特に必要があると認めるときは、会議に会員以外の出席を求め、その意見を聴くことができる。

(推進部会)

6条 会議は、必要に応じて、豊川市ファシリティマネジメント推進部会(以下「推進部会」という。)を置くことができるものとする。

2 推進部会の運営その他必要事項は、別に定める。

(庶務)

7条 会議の庶務は、総務部管財契約課において処理する。

(その他)

8条 この要綱に定めるもののほか、会議の運営について必要な事項は、会長が定める。

附則

(施行期日)

1 この要綱は、平成2657日から施行する。

(豊川市ファシリティマネジメント推進基本方針策定委員会設置要綱の廃止)

2 豊川市ファシリティマネジメント推進基本方針策定委員会設置要綱(平成23729日施行)は、廃止する。

附則

3 この要綱は、平成2751日から施行する。

 

別表第1(第3条関係)

職名

総務部次長

健康福祉部福祉課長

健康福祉部子ども課長

健康福祉部介護高齢課長

健康福祉部保健センター主幹

市民部市民協働国際課長

市民部人権交通防犯課主幹(小坂井文化センター)

市民部文化振興課長

産業部商工観光課長

建設部建築課長

一宮総合支所地域振興課長

音羽支所長

御津支所長

小坂井支所長

消防本部総務課長

教育委員会庶務課長

教育委員会生涯学習課長

 

豊川市ファシリティマネジメント推進部会設置要綱

(目的及び設置)

1条 この要綱は、平成26年度に策定した「豊川市公共施設適正配置計画」により決定した公共施設の再配置計画を踏まえ、公共施設長寿命化のための中長期保全計画策定ととともに、モデル地区における公共施設再編プランの作成や地元住民等との合意形成の推進を図るため、豊川市ファシリティマネジメント推進部会(以下「推進部会」という。)を設置し、その事務について必要な事項を定めるものとする。

(所掌事務)

2条 推進部会は、次に掲げる事項について検討を行い、その結果を豊川市ファシリティマネジメント推進会議設置要綱(平成2657日施行)第1条に規定する豊川市ファシリティマネジメント推進会議に報告するものとする。

1)公共施設適正配置計画におけるリーディング事業の推進に関すること。

2)公共施設中長期保全計画策定に関すること。

3)公共施設等総合管理計画策定に関すること(公共建築物)。

4)前各号に掲げるもののほか、部会長が必要と認める案件。

(組織)

 

3条 推進部会は、別表に掲げる者により構成する。

2 推進部会に部会長を置き、総務部管財契約課長をもって充てる。

3 部会長は会務を総理し、推進部会を代表するとともに、推進部会の会議(以下「会議」という。)の議長となる。

(会議)

4条 会議は、部会長が招集する。

2 会議は、部会員の半数以上が出席しなければ開くことができない。

3 会議の議事は、出席した部会員の過半数で決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

(意見等の聴取)

5条 部会長は、必要があると認めるときは、部会員以外の者を会議に出席させ、その意見又は説明を聴くことができる。

(庶務)

6条 推進部会の庶務は、総務部管財契約課において処理する。

(雑則)

7条 この要綱に定めるもののほか、推進部会の運営に関し必要な事項は、部会長が定める。

附則

この要綱は、平成2751日から施行する。

 

別表(第3条関係)

豊川市ファシリティマネジメント推進部会

部会長 総務部 管財契約課 課長

健康福祉部 1.介護高齢課 課長補佐級又は係長級のうち部会長が指名する者

健康福祉部 2.子ども課 課長補佐級又は係長級のうち部会長が指名する者

市民部 3.市民協働国際課 課長補佐級又は係長級のうち部会長が指名する者

市民部 4.文化振興課 課長補佐級又は係長級のうち部会長が指名する者

建設部 5.建築課 課長補佐級又は係長級のうち部会長が指名する者

建設部 6.小坂井支所 課長補佐級又は係長級のうち部会長が指名する者

消防本部 7.総務課 課長補佐級又は係長級のうち部会長が指名する者

教育委員会 8.庶務課 課長補佐級又は係長級のうち部会長が指名する者

教育委員会 9.生涯学習課 課長補佐級又は係長級のうち部会長が指名する者

その他部会長が必要と認める課 課長補佐級又は係長級のうち部会長が指名する者

 

資料2 構造体耐久性調査について

 

1)調査方法

調査の目的

既存施設の長寿命化に向けて、この先いつまで使用することができるか、構造体の劣化の程度からその耐久性を調査することを目的に公共施設構造体耐久性調査を実施しました。

 

調査対象施設

主に、概ね築30年以上で延床面積が500平方メートル以上の鉄筋コンクリート造(以下、RC造)ものを対象に調査を行いました。調査対象施設数は、平成26年度は55施設73棟(内、鉄骨造(以下、S造)は、8施設8棟)、平成27年度は30施設41棟の調査を実施しました。

調査の方法と概要

RC

RC造の構造体耐久性評価は、鉄筋腐食、コンクリート中性化による劣化度を用いて行います(コンクリート塩化物量は除外)。コンクリート圧縮強度による劣化度は、構造体耐久性に加味しませんが、耐震性能の係わる項目であり、耐震性能の評価に用います。

判定基準は以下のとおりであり、「鉄筋腐食による劣化度」と「コンクリート中性化による劣化度」をそれぞれ4段階で評価し、区分1から33ランクとして判定します。

 

図表 構造体耐久性評価(RC造)

図表 鉄筋腐食による劣化度(RC造)

 

S

S造の構造体耐久性調査は、鉄骨腐食、座屈状況、接合状況・方式等による劣化度を用いて行います。

判定基準は次頁のとおりであり、「鉄骨腐食、座屈状況、柱の傾斜状況、不同沈下量、接合状況・方式、火災による疲弊度」の点数化と、さらに「断面欠損柱存在率」用いて評価し、区分1から44ランクとして判定します

 

図表 構造体耐久性評価(S造)

 

構造体耐久性調査(RC造)のイメージ

 

構造体耐久性調査(S造)のイメージ

 

2)調査結果一覧表

調査の結果、13施設(内、S造の2施設含む)が「改築あるいは全面的な補修の検討が必要である」区分3に該当し、構造体の耐久性に関して残存耐用年数が20年程度未満であると判定されました。

また、区分3に該当する施設については、今後再調査を検討いたします。

 

図表 構造体耐久性調査結果一覧(1

図表 構造体耐久性調査結果一覧(2

図表 構造体耐久性調査結果一覧(3

 

3)構造体耐久性調査評価結果別の今後の方針

構造体耐久性調査結果の区分ごとに、下記の方針とします。

 

1 区分3 鉄筋の腐食が原因の場合

 

豊川市公共施設適正配置計画において重点施設・拠点施設となる施設のうち、個別の施設長寿命化計画の中で長寿命化施設として扱う場合は、再調査を実施します。再調査の結果により、区分1となれば、方針1A)とします。なお、豊川市公共施設適正配置計画で複合化・機能移転などの対象となる施設、重点施設・拠点施設となる施設のうち、個別の施設長寿命化計画の中で、見直し施設として扱う施設及び再調査の結果が区分3の施設の場合は、方針2とします。

 

図表 今後の方針 区分3:鉄筋の腐食が原因の場合

 

2 区分3 鉄筋の腐食とコンクリート中性化による場合

豊川市公共施設適正配置計画において重点施設・拠点施設となる施設のうち、個別の施設長寿命化計画の中で長寿命化施設として扱う場合は、再調査を実施します。再調査の結果により、区分2となれば、方針3A)とします。なお、豊川市公共施設適正配置計画で複合化・機能移転などの対象となる施設、重点施設・拠点施設となる施設のうち、個別の施設長寿命化計画の中で、見直し施設として扱う施設及び再調査の結果が区分3の施設の場合は、方針2とします。

 

図表 今後の方針 区分3:鉄筋の腐食とコンクリート中性化による場合

 

3 区分2 コンクリート中性化による場合

豊川市公共施設適正配置計画において重点施設・拠点施設となる施設のうち、個別の施設長寿命化計画の中で長寿命化施設として扱う場合は、方針3A)とします。なお、豊川市公共施設適正配置計画で複合化・機能移転などの対象となる施設、重点施設・拠点施設となる施設のうち、個別の施設長寿命化計画の中で、見直し施設として扱う施設の場合は、方針3B)とします。

 

図表 今後の方針 区分2:コンクリート中性化による場合

 

4 区分1

豊川市公共施設適正配置計画において重点施設・拠点施設となる施設のうち、個別の施設長寿命化計画の中で長寿命化施設として扱う場合は、方針1A)とします。なお、豊川市公共施設適正配置計画で複合化・機能移転などの対象となる施設、重点施設・拠点施設となる施設のうち、個別の施設長寿命化計画の中で、見直し施設として扱う施設の場合は、方針1B)とします。

図表 今後の方針 区分1

 

4)コンクリート圧縮強度が基準値未満の施設の今後の取組方法

 

構造体耐久性調査結果の区分1又は区分2の施設で、コンクリート圧縮強度が評価V又は評価Wについては、重要性などを考慮したうえで、必要に応じて耐震性能の調査も検討していきます。

 

豊川市役所 総務部 財産管理課

電話:0533-89-2108

FAX0533-89-2163