第2期豊川市教育振興基本計画(案)概要版(平成28年12月20日現在)
目次
項目1 計画の位置づけ
項目2 計画の期間
項目3 第2期豊川市教育振興基本計画の骨子
項目4 計画推進のために
以下、本文
項目1 計画の位置づけ
この計画は、教育基本法第17条第2項の規定に基づく本市の教育振興のための施策に関する基本的な計画であり、第6次豊川市総合計画を上位計画とし、各種計画と連携する教育分野の総合的な計画です。
項目2 計画の期間
この計画の期間は、平成29年度から平成33年度までの5か年とし、未来を見据えた人づくりを進めていきます。
項目3 第2期豊川市教育振興基本計画の骨子
1 基本理念
基本理念
ともに学び 生きる力を育み 未来を拓く豊川の人づくり
「ともに学び」は、人々が生涯にわたり、家庭や地域、学校といったそれぞれの場で関わり合い、互いの人格を尊重しながら幅広い知識や考え方を学び合う主体的な活動と、それを支える教育のあり方を示しています。
「生きる力を育み」は、人々が社会の変化に対応しながらたくましく生きていくための豊かな人間性、社会性を育む主体的な活動と、それを支える教育のあり方を示しています。
そして、「未来を拓く豊川の人づくり」は、人々がともに学び、生きる力を育む中で、生きる喜びを感じながら支え合って生きていく明るい「未来(社会)を(切り)拓く人」を育成するという、豊川市の教育が目指す方向性を示しています。
基本理念で目指す人間像
基本理念における「未来を拓く豊川の人」が示す人間像を、次のとおり明確にします。
自分と他者を大切にする人
命をしっかりと支える心と体をつちかい、未来に向かう自分の人生を大切にする人、また、共生社会の一員として他者の存在や個性を大切にするやさしさに満ちた人の育成を目指します。
粘り強く挑戦する人
社会の発展を支えてきた先人の努力や精神を受け継ぎながら、自ら進んで、様々なことに粘り強く挑戦する人の育成を目指します。
生涯にわたって学び続ける人
豊かな自然に囲まれ、歴史と文化が息づく豊川市の恵まれた環境の中で、生涯にわたって健康づくりに励みながら、自分の成長を信じて学び続ける人の育成を目指します。
2 基本理念を実現するための基本目標
基本理念と目指す人間像の実現のため、本市における教育の方向性を示す四つの基本目標を定めます。
基本目標1 豊かな心と健やかな体を育む教育を実現します
地域との連携による家庭教育や子育てを支援します。
社会のルールを守り、互いを尊重し合う道徳心や人権意識を育みます。
様々な価値観や知識を学ぶ体験活動や読書活動を推進します。
命を支える子どもの体づくりを推進します。
先人の心を受け継ぐ歴史・文化の伝承と新たな文化の創造に取り組みます。
基本目標2 社会の変化に応える確かな学力を育成します
学校において児童生徒が楽しくわかる授業を実践します。
社会のニーズに対応した学習活動を推進します。
日本語指導が必要な児童生徒や配慮が必要な児童生徒への教育を充実します。
子どもたちの進路に関する指導を充実します。
教職員のさらなる資質の向上に取り組みます。
基本目標3 豊かな人生を自らが築く生涯学習社会を確立します
市民の主体的な生涯学習活動を支援します。
生涯の健康を支える力の育成に取り組みます。
多くの人がスポーツを楽しめる機会を充実します。
人々の読書活動を支える図書館サービスを充実します。
基本目標4 魅力ある教育環境づくりを進めます
学校教育における安全・安心の確保に取り組みます。
地域に開かれた学校づくりや学校教育環境の充実に取り組みます。
子どもや若者を育む地域の教育力の向上支援に取り組みます。
スポーツや生涯学習、読書に親しめる環境の整備、充実に取り組みます。
3 施策の展開にあたっての視点
基本目標に基づく施策を効果的に展開していくにあたり、必要と捉える視点を示します。
(1)家庭、地域、学校、行政の役割と連携
家庭、地域、学校、行政は、それぞれに果たすべき教育的な役割があります。
市全体の教育機能を幅広く発揮していくため、様々な主体が自らの役割を自覚し、互いに連携しながら豊川の人づくりを進めていきます。
(2)各行政機関の連携
教育的な問題を様々に抱え、的確な対応が求められている家庭や地域、学校の取組を支えていくため、各行政機関が連携を強化し、様々な主体が協力して問題解決に取り組む豊川の人づくりを進めていきます。
(3)質の高い教育の実現に向けた人材・財源の効果的な投入
教育を未来への投資と捉え、人材や財源を重要度に応じて効果的に投入しながら、現場で直面する課題や個人の発達段階などに配慮した質の高い教育の実現を目指していきます。
(4)教育施設の適正な管理
安全・安心を重視した学校施設の改修や環境改善に重点的に取り組んでいきます。
限られた行政資源を最大限に活用し、質の高い行政サービスを提供していく行政経営改革の視点に立ち、施設総量の適正化と長寿命化に取り組んでいきます。
4 施策の展開
基本目標1 豊かな心と健やかな体を育む教育を実現します
施策1 家庭教育・子育ての支援
主な取組
家庭教育活動の支援、親子参加の講座などの充実、幼児教育研究会の開催、妊娠期における妊婦などへの支援、乳幼児期における母子への支援、子育てに関する相談の実施、子育て支援活動の実施、ファミリー・サポート・センター事業の実施、放課後児童クラブの充実、私立幼稚園就園の奨励
施策2 道徳教育の充実
主な取組
心の教育活動の推進、体験活動を通した道徳性の育成
施策3 人権教育の推進
主な取組
豊川市小中学校人権教育研究会の充実、発達段階に応じた人権教育の実施、人権に関する講座・研修会への教職員の参加、人権尊重意識の啓発
施策4 いじめ・不登校などへの対応
主な取組
臨床心理士などによる教育相談の充実、豊川市不登校対策委員会の取組の強化、早期発見・早期対応に向けた取組の推進、適応指導教室「さくらんぼ」における支援
施策5 学校における体験活動の充実
主な取組
異年齢との交流活動の実施、思春期における体験活動の実施、文化的行事の実施、子どもの文化芸術体験機会の提供
施策6 読書活動の推進
主な取組
「マイブックプロジェクト」の推進、朝の読書活動の実施、学校図書館巡回司書の配置、子ども読書活動の推進、「うち読」の普及・啓発の推進、絵本との出会い「ブックスタート」の実施、「絵本の読み聞かせ」の実施
施策7 子どもの体づくりの推進
主な取組
学校体育の充実、地域における子どものスポーツ活動への支援、生活習慣病予防の推進、食に関する指導の充実
施策8 文化遺産の継承と新たな文化の創造
主な取組
文化遺産の保護・活用の環境づくり、文化遺産継承の取組の推進、ふるさと意識の醸成、平和学習の推進、文化芸術の独自性の確立
基本目標2 社会の変化に応える確かな学力を育成します
施策1 楽しくわかる授業の実践
主な取組
授業研究の推進、きめ細かな指導の推進、地域住民や学生との協働による学習支援
施策2 英語教育の推進
主な取組
英語指導助手の配置、英語力向上へ向けた活動の充実
施策3 理数教育の推進
主な取組
理数教科への関心を高める授業の実施、子どもものづくり教室の実施
施策4 情報教育の充実
主な取組
ICT機器を活用した授業の充実、デジタル教科書・教材を活用した授業の実施、情報モラル教育の推進
施策5 環境教育・ESDの推進
主な取組
地域の環境を守る環境学習、ESDの視点に立つ学習活動の推進、エコ活動に関する学習の推進、緑のカーテン事業の実施
施策6 日本語指導が必要な児童生徒への教育の充実
主な取組
拠点校における日本語教育の実施、日本語指導助手の配置、こぎつね教室の実施
施策7 配慮が必要な児童生徒への対応の充実
主な取組
就学指導・相談体制の整備、校内委員会などの機能の充実、特別支援教育に関する研修会の充実、特別支援教育支援員の配置、学級運営支援員の配置、就学援助の実施
施策8 進路指導の充実
主な取組
小学校からのキャリア教育の実施、働くことの意義を体感する職場体験学習の実施
施策9 教職員のさらなる資質の向上
主な取組
教職員研修の充実、教職員国内研修派遣の実施
基本目標3 豊かな人生を自らが築く生涯学習社会を確立します
施策1 生涯学習の振興
主な取組
とよかわオープンカレッジの育成・支援、地域生涯学習の推進、生涯学習情報の整理と発信、学習成果の発表の場の充実、社会教育関係団体支援を通じた人材育成、ジオスペース館を活用した学習支援、地域情報の収集・活用
施策2 生涯の健康を支える力の育成
主な取組
地域とつながる食育の推進、喫煙・飲酒・薬物乱用の防止、健康づくり意識の啓発
3施策 生涯スポーツの振興
主な取組
地域スポーツの推進、スポーツイベントの開催支援、スポーツ選手・団体への活動支援、トップレベルに触れる機会の充実
施策4 図書館サービスの充実
主な取組
図書館資料の充実、電子図書館サービスの充実、「図書館検定」の実施
基本目標4 魅力ある教育環境づくりを進めます
施策1 児童生徒の安全・安心の確保
主な取組
防災教育の推進、交通安全教育の推進、学校安全緊急情報共有化広域ネットワークの活用、学校施設における飛散防止フィルム貼付、防犯・防災設備の充実、安全・安心な学校給食の提供、学校給食施設の整備・改修、登下校時の見守り活動の実施
施策2 開かれた学校づくりを目指す教育活動
主な取組
特色ある学校づくりの推進、学校の日の開催、学校からの情報発信、学校サポーターによる学校支援、学校評価の公表、部活動の外部講師の活用
施策3 学校教育環境の整備
主な取組
老朽校舎などの計画的な整備、学習環境の整備、小学校遊具の整備、学校運営における情報機器の活用、教育用ICT機器などの整備、学校図書の充実
施策4 地域教育力の向上支援
主な取組
子どもセンター事業の推進、青少年健全育成活動の支援、子ども・若者への各種支援、学校給食における家庭・地域との連携、子育て支援センター機能の充実
施策5 スポーツ環境の整備
主な取組
体育施設の整備、体育施設の適正な管理運営、学校体育施設の開放推進
施策6 生涯学習環境の整備
主な取組
生涯学習施設の活用、高等教育機関との連携
施策7 読書環境の充実
主な取組
図書館と学校などとの連携強化の推進、図書館施設などの整備
項目4 計画推進のために
1 計画の進行管理
計画の進行管理として、計画(Plan)実施(Do)点検・評価(Check)改善(Action)のPDCAサイクルにより、点検・評価の結果と改善すべき内容を反映しながら、各施策の取組を進めていきます。
点検・評価については、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第26条の規定に基づく「教育に関する事務の管理及び執行の状況の点検・評価」として毎年度実施します。
関係する数値を捉えた目標指標を施策ごとに設定し、計画期間前の実績値を基準としながら、計画期間の最終段階における目標値を定めます。この目標値に対する達成度を点検・評価における一つの参考として改善に生かしながら、各施策の効果を高めていくことを目指します。
2 情報の発信と収集
計画の推進にあたっては、家庭や地域、学校、行政の連携を強めていくため、本市が目指す教育の方向性や施策の内容などを、ホームページなどの活用により分かりやすく情報発信していきます。
変化を続ける社会情勢の中で、教育に関する市民のニーズはさらに多様化していくことが想定されることから、引き続き、市民意識調査や各種アンケート調査などにより市民や児童生徒の意識、実態を把握するとともに、教育全般にわたる最新の情報を収集し、柔軟な発想により新たな課題にも対応しながら、豊川の人づくりを進めていきます。