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豊川市地域強靱化計画(案)

テキスト版 平成30  月、豊川市

 

はじめに

我が国は、度重なる大規模自然災害により、その都度、多くの尊い人命を失い、莫大な経済的・社会的損失を受けてきました。これらの経験から私たちは、大地震等の発生の度に甚大な被害を受け、その都度、長期間をかけて復旧・復興を図るといった「事後対策」の繰り返しを避け、平時から大規模自然災害に対する備えを行うことが重要であることを学んできました。

こうした中、国においては、平成2512月に、「強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靱化基本法(以下、「基本法」という。)」が公布・施行され、国土強靱化に関する施策を総合的かつ計画的に推進することが定められました。

また、この基本法に基づき、平成266月には、国土強靱化に関する国の計画等の指針となる「国土強靱化基本計画」とともに「国土強靱化アクションプラン」を策定し、プログラムの進捗を府省庁横断的に管理しつつ、政府が一丸となって強靱な国づくりを進めることとしています。

また、愛知県においては、県の強靱化に関する施策を、国全体の国土強靱化施策との調和を図りながら、国や県内市町村、民間事業者などの関係者相互の連携のもと、総合的、計画的に推進する指針として「愛知県地域強靱化計画」を策定し、平成28年3月に公表しています。

本市においては、南海トラフ地震等の発生が危惧されるとともに、近年は巨大化する台風や局地的な集中豪雨の発生により、河川氾濫や高潮による浸水、土砂災害の発生も懸念されています。我々が、豊かな暮らしを続けていくためには、このような自然の猛威から目をそらさず、幅広い視点から、地域の強靱化に取り組まなければなりません。

こうした背景を踏まえ、国や県と一体となった取組を推進し、大規模自然災害が起きても機能不全に陥らず、いつまでも元気であり続ける「強靱な地域」を作り上げるために、本市の強靱化に関する指針となる「豊川市地域強靱化計画」を策定しました。

 

今後は、迫り来る南海トラフ地震を始めとする大規模自然災害等から市民の生命と財産を守るため、国、県、市のほか地域や民間団体、市民とも連携しながら、強靱化の取組を進めていきます。

 

目次、

第1章、計画の策定趣旨、位置づけ

  1、計画の策定趣旨  

2、計画の位置づけ等

   (1)計画の位置づけ

   (2)対象とする区域

第2章、豊川市の地域特性等

  1、豊川市の地域特性

   (1)地形

   (2)人口動向

   (3)産業特性

   (4)まちの現状

   (5)社会資本の老朽化

  2、豊川市に影響を及ぼす大規模自然災害

   (1)想定するリスクの設定及び被害の想定

   (2)地震・津波により想定される被害

   (3)風水害(豪雨、洪水、高潮)により想定される被害

   (4)土砂災害により想定される被害

   (5)異常渇水により想定される被害

   (6)その他の被害

第3章、豊川市の強靱化の基本的な考え方

  1、豊川市地域強靱化計画の基本目標

  2、豊川市の強靱化を進める上での留意事項

第4章、豊川市の脆弱性評価と強靱化の推進方針

  1、脆弱性の評価

(1)事前に備えるべき目標と起きてはならない最悪の事態(リスクシナリオ)設定

   (2)施策分野(個別施策分野と横断的分野)の設定

   (3)脆弱性評価結果

  2、推進すべき施策の方針

   (1)リスクシナリオごとの施策の推進方針

   (2)施策分野ごとの施策の推進方針

     ア、個別施策分野

     イ、横断的分野

第5章、計画推進の方策

  1、計画の推進体制

  2、計画の進捗管理

  3、計画の見直し等

用語説明

  1、リスクシナリオごとの脆弱性評価結果

  2、施策分野ごとの脆弱性評価結果

 

第1章、計画の策定趣旨、位置づけ

1、計画の策定趣旨

平成2512月に「強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靱化基本法(以下「基本法」という。)」が公布・施行され、国土強靱化に関する施策を総合的かつ計画的に推進することが定められ、平成266月には基本法に基づき、国土強靱化に関する国の他の計画等の指針となる「国土強靱化基本計画(以下「基本計画」という。)」が策定されました。

また、愛知県においても平成283月に「愛知県地域強靱化計画」が策定されました。今後、国全体の国土強靱化政策や愛知県の強靱化に関する施策との調和を図りながら、国や県内市町村、民間事業者などの関係者相互の連携のもと、本市においても、大規模自然災害が起きても機能不全に陥らず、いつまでも元気であり続ける「強靱な地域」をつくりあげるために、本市の強靱化に関する指針となる「豊川市地域強靱化計画(以下「本計画」という。)」を策定し、取組を推進するものです。

 

2、計画の位置づけ等

(1)計画の位置づけ

本計画は、基本法第13条に基づく国土強靱化地域計画にあたるものであり、地域の強靱化に係る部分については、本市が有する様々な分野の計画等の指針となり、他の計画の上位計画に位置づけられる「アンブレラ計画」としての性格を有しています。

このため、豊川市総合計画や豊川市地域防災計画など本市の全ての関連 計画で、地域の強靱化に係る部分については、本計画が指針等となり、今後それらの計画の見直しを行う際には、地域の強靱化に係る必要な施策を位置づけ具体化し、地域の強靱化を確実に推進していくものとします。

PDF型式の資料では、豊川市地域強靱化計画のイメージを図示していますが、本文の補足ですのでここでは省略します。

 

また、本計画は基本計画及び愛知県地域強靱化計画と調和及び連携・役割

分担を図ることとなっています。基本計画、愛知県地域強靱化計画を踏まえつつ、地域の強靱化の推進を図ります。

さらに、本計画で位置づけた施策の推進方針については、進捗管理(PD

CA)を行うとともに、本計画自体も不断の見直しを行い、地域の強靱化を絶え間なく進めていきます。

 

PDF型式の資料では、豊川市地域強靱化計画と国土強靱化基本計画、愛知県地域強靱化計画の関係を図示していますが、本文の省略ですのでここでは省略します。

 

(2)対象とする区域

本計画の対象区域は豊川市全域とします。

ただし、広域にわたる大規模自然災害が発生した場合など、広域連携が必要になることが考えられるため、国、県、近隣自治体等との連携・協力も考慮した内容とします。

 

第2章、豊川市の地域特性等

1、豊川市の地域特性

(1)地形

本市は、愛知県の南東部、名古屋市から約60キロメートルの距離に位置し、市内の地形は北部山地、中央洪積台地、東南部沖積低地、臨海埋立地の4つに大きく分類されます。北部山地は県立自然公園に指定されている本宮山麓を含む木曽山脈末端部三河高原から成り、市面積の約4割を占めています。北部山地の南側には豊川沖積低地に望む河成丘崖にかけ、東西に並ぶ扇状地が連結した複合扇状地が見られる中央洪積台地が広がり、東北から西南の方向に向かって緩やかに傾斜しています。

東南部沖積低地は、豊川(とよがわ)沿いの河成丘崖下にある低地で、豊川により堆積した沖積土によって形成されています。市内西南部の三河湾を望む臨海部には、2つの埋立地があり、工業用地の分譲と公共埠頭の整備が進められています。

河川は、豊橋市との境を流れる豊川の他、市北部周辺より佐奈川(さながわ)、音羽川(おとわがわ)、御津川(みとがわ)が山地から平野にかけほぼ南方向に流れ、平野部に入ってからは南西方向に流れを変え、三河湾へ注いでいます。

地質は、北部山地は変成岩から成り、大雨や地震による急傾斜地の崩壊や土石流の発生が予想されます。中央洪積台地の扇央部では地下水面が低く、北部山地から流れ出した地表水が地下に浸透する特徴があります。また東南部沖積低地では、諸河川の運搬・堆積作用により砂礫や粘土が堆積しており、水はけの悪さから大雨に伴う河川の氾濫や局地的大雨による内水氾濫が懸念されます。臨海部埋立地は軟弱地盤であることから、地震を受けた際、液状化現象の発生が懸念されます。

 

PDF型式の資料では、計画の対象地区の位置である豊川市を愛知県全図で表していますがここでは省略します。

 

  (2)人口動向

本市の人口は、平成2910月現在、183,262人と、平成22年に小坂井町との合併により現在の市域になって以降、増加傾向にありますが、平成28年3月に策定しました「豊川市人口ビジョン」では、今後は全国の傾向と同じく長期の減少局面に入り、平成52年には158,772人との人口減少が予測されています。

また、年少人口(0歳から14歳)、生産年齢人口(15歳から64歳)、老年人口(65歳以上)の年齢3区分別人口では、生産年齢人口が大きく減少する一方、老年人口が増加する見通しとなっています。

高齢者人口割合が高くなるにつれ、災害発生時の共助による減災対策や災害からの早期復旧・復興が難しくなる懸念があることからも、ソフト的な対策も含めた総合的な防災対策に取り組むことが必要です。

 

人口構成の変化と今後の見通しについては次のとおりです。

2010年の人口、0歳から14歳は27,294人、15歳から64歳は115,543人、65歳以上は38,215人、総数181,928

2015年の人口、0歳から14歳は26,153人、15歳から64歳は110,203人、65歳以上は45,256人、総数182,436

2020年の人口、0歳から14歳は24,267人、15歳から64歳は105,939人、65歳以上は48,137人、総数178,343

2025年の人口、0歳から14歳は22,314人、15歳から64歳は103,397人、65歳以上は48,904人、総数174,615

2030年の人口、0歳から14歳は20,594人、15歳から64歳は100,021人、65歳以上は49,321人、総数169,936

2035年の人口、0歳から14歳は19,595人、15歳から64歳は94,895人、65歳以上は50,096人、総数164,586

2040年の人口、0歳から14歳は18,959人、15歳から64歳は87,142人、65歳以上は52,671人、総数158,772

資料、国勢調査、国立社会保障、人口問題研究所「日本の地域別将来推計

人口(平成253月推計)」を基に作成。

注釈1、平成27年までは実績値、平成32年からは推計値。

注釈2、国勢調査では年齢3区分別人口には年齢不詳を含まないため、合計が人口総数に一致しない。

 

(3)、産業特性

本市の農業は、温暖な気候など地域特有の自然環境に恵まれ、施設園芸を中心に発展してきました。また、地理的条件を生かし、都市圏へ農産物を供給する基地の一翼を担う重要な位置を占めています。

工業については、海軍工廠の広大な跡地に開発された穂ノ原工業団地、西部の萩工業団地、臨海部の御津1区・2区工業団地などで、数多くの優良な企業が操業し、雇用や地域経済を力強く支えています。

商業については、豊川、一宮、音羽、御津、小坂井といった合併前の市街地ごとに商店が集まり、それぞれの地域住民の生活を支えながら発展してきました。たくさんの観光客が訪れる豊川地区と商業ビルやホテルなどが立地する諏訪地区をはじめ、各地域が主体となって独自性と魅力を高めています。また、幹線道路沿いには量販店や飲食店などが集まり、市内外の人でにぎわっています。

観光については、多様な地域からの宿泊者が多く、広い地域とのつながりで成り立っています。これらのことから、災害発生時には安否確認や地域間経済活動の低下について留意していく必要があります。

 

豊川市の産業に関する統計については次のとおりです。

農業産出額は、165億円、出典は農林水産省、平成27年市町村別農業産出額。

製造品出荷額等は、8,158億円、出典は経済産業省、平成26年工業統計調査。

年間商品販売額は、2,701億円、出典は経済産業省 平成26年商業統計調査。

 

2015年豊川市における居住都道府県別の延べ宿泊者数(日本人)の構成割合は次のとおりです。

1位、愛知県、15,822人(19.75パーセント)

2位、東京都、10,060人(12.55パーセント)

3位、大阪府、8,508人(10.62パーセント)

4位、静岡県、8,034人(10.02パーセント)

5位、千葉県、4,160人(5.19パーセント)

6位、神奈川県、3,938人(4.91パーセント)

7位、岐阜県、3533人(4.41パーセント)

8位、兵庫県、2,667人(3.32パーセント)

9位、長野県、2,516人(3.14パーセント)

10位、埼玉県、2443人(3.04パーセント)

その他、18,424人(22.99パーセント)

資料、リーサス地域経済分析システム

 

(4)まちの現状

本市の市街化区域の面積は、平成291月では3,520ヘクタールとなっており、そのうち市街化区域の約35.3パーセントにあたる1,242.5ヘクタールで、土地区画整理事業が施行済み又は施行中となっています。市街化区域面積に対する土地区画整理事業の施行地区面積の割合は、愛知県平均(約29パーセント(平成233月末現在))と比較して高い状況にありますが、市街地の防災性を高めるため、基盤未整備地区や低未利用地の改善・解消を図ることが必要です。

平成26年度に行われた市街化区域内における災害危険地域の調査(延焼危険性、避難困難性)の結果、国府地区、豊川地区1、豊川地区2、御津地区1、御津地区2、牛久保地区の市内の6地区が地震災害時の危険性が高い地区として抽出されました。災害危険性の高い地区では、地域住民と協働して防災性の向上を図っていく必要があります。

本市では、愛知県が平成265月に作成した「愛知県東海地震、東南海地震、南海地震等被害予測調査結果」に基づき「過去地震最大モデル」及び「理論上最大想定モデル」の地震動について、小学校区別に細分化した防災カルテを平成271月に作成しました。今後は地域別に災害の特性を理解した上で、「公助」とともに、住民自らが行う「自助」や地域の自主防災組織などが連携して行う「共助」による対策を進めていく必要があります。

 

PDF型式の資料では、地震災害時の危険性が高い地区を図示していますが、本文の補足ですのでここでは省略します。

資料、豊川市都市計画マスタープラン(平成28年度改訂版)

 

 (5)社会資本の老朽化

本市の公共建築物は、500施設以上にのぼり、その半数以上が建築後30 年以上を経過しており、今後は老朽化がますます進行していきます。道路等のインフラ系施設を含めるとさらに膨大であり、今後は、施設の更新・建替えや改修の費用の増大が懸念されます。

これらは市民の生活に欠かせない施設であり、安全・安心な生活を送るために適切に管理が行われていく必要があります。

また、学校施設などの地域住民にとって身近な施設は、災害時には避難所として利用されるなど、地域の防災拠点としても重要な役割を担っており、防災拠点としての機能の強化を図っていく必要があります。

 

PDF型式の資料では、用途別の延床面積の年度別整備状況を図示していますが

本文の補足ですので、ここでは省略します。

 

2、豊川市に影響を及ぼす大規模自然災害

(1)想定するリスクの設定及び被害の想定

本市に被害が生じる大規模自然災害全般「地震・津波、風水害(豪雨、洪水、高潮)、土砂災害、異常渇水」を対象とします。

なお、被害については、地震・津波・高潮など、具体的な想定がある災害はこれを用い、具体的な想定がない災害は過去の災害事例等を参考に想定します。

(2)地震・津波により想定される被害

「愛知県東海地震・東南海地震・南海地震等被害予測調査結果」においては、南海トラフで繰り返し発生する大規模な海溝型地震として、規模の異なる2つの地震・津波モデルによる被害を想定しています。

 

過去地震最大モデルとは、南海トラフで繰り返し発生している地震・津波のうち、過去に発生したことが明らかで規模が大きいもの(宝永地震、安政東海地震、安政南海地震、昭和東南海地震、昭和南海地震の5地震)を重ね合わせたモデルをいいます。

理論上最大想定モデルとは、南海トラフで発生するおそれのある地震・津波のうち、千年に一度、あるいはそれよりもっと発生頻度が低いものであり、あらゆる可能性を考慮した最大クラスのモデルをいいます。

この調査結果による南海トラフ地震で想定される被害の概要は以下のと

おりです。

 

強い揺れ、液状化、津波に伴う被害

1、震度分布

過去地震最大モデルでは、市内の低地部の大半が震度6弱以上となる

と想定され、三河湾沿岸では、震度6強となると想定されています。また、市北西部の山地を主体とする地域は、おおむね震度5強となると想定されています。

理論上最大想定モデルでは、市内の低地部の大半が震度6強以上とな

ると想定され、三河湾沿岸あるいは豊川沿川では震度7となると想定されています。また、市北西部の山地を主体とする地域は、おおむね震度6弱から5強となると想定されています。

 

   PDF型式の資料では、豊川市全域の過去地震最大モデルと理論上最大想定モデルの震度分布を図示していますが、ここでは省略します。

 

2、液状化危険度分布

埋立地ならびに豊川沿川の低平地を中心に、液状化危険度が高いエリアが広がっています。また、液状化に伴う地盤沈下量は、低平地を中心に30センチメートル未満の沈下となると想定されています。

 

   PDF型式の資料では、豊川市全域の過去地震最大モデルと理論上最大想定モデルの液状化危険度分布を図示していますが、ここでは省略します。

 

3、津波浸水想定域及び最大浸水深分布

豊川市では、三河湾沿岸と豊川沿川の低平地で浸水する可能性があると

想定されます。津波により浸水が想定される面積は、過去地震最大モデ

ルの津波で約160ヘクタール、理論上最大想定モデルの津波では最大約267ヘクタールです。

理論上最大想定モデル、過去地震最大モデルに共通して、遠州灘では

発災後約30分以内に津波が押し寄せますが、伊勢湾や三河湾のような内湾では、沿岸に津波が到達するのは発災後1時間から2時間近く経過してからと想定されます。

 

 PDF型式の資料では、御津、小坂井地区の過去地震最大モデルと理論上最大想定モデルの浸水域を図示していますが、ここでは省略します。

 

過去地震最大モデルと理論上最大想定モデルの震度・津波高・津波到達時間・浸水面積の想定

過去地震最大モデルの最大震度は6強、最大津波高は3.2メートル、最短津波到着時間(津波高30センチメートル)は78分、浸水面積(浸水深1センチメートル以上)は160ヘクタールとなります。

理論上最大想定モデルの最大震度は7、最大津波高は3.5メートル、最短津波到着時間(津波高30センチメートル)は77分、浸水面積(浸水深1センチメートル以上)は267ヘクタールとなります。

資料、豊川市小学校区別被害予測調査結果、平成27年1月

 

4、建物被害、人的被害

建物被害においては、原因の大半が地震動となっており、人的被害にお

いては、原因のほとんどが建物倒壊となっています。

 

建物被害、人的被害の被害量の想定結果については次のとおりです。

過去地震最大想定モデルの建物被害のうち、地震動は約2,100棟、液状化は約10棟、津波・浸水は約10棟、急傾斜地崩壊等は約20棟、火災は約800棟、合計約2,900棟。過去地震最大想定モデルの人的被害の死者数のうち、建物崩壊は約100人、津波、浸水は約20人、急傾斜地崩壊等はわずか、火災はわずかで合計約100人。

理論上最大想定モデルの建物被害のうち、地震動は約20,000棟、液状化は約10棟、津波・浸水は約10棟、急傾斜地崩壊等は約20棟、火災は約5,300棟、合計約25,000棟。過去地震最大想定モデルの人的被害の死者数のうち、建物崩壊は約1,100人、津波、浸水は約60人、急傾斜地崩壊等はわずか、火災は約200人、合計約1,400人。

注釈、端数処理の為、合計が各数値の和に一致しない場合があります。

資料、豊川市地域防災計画

 

5、ライフライン被害

ライフライン被害については、不特定要素を多く含むため、実際に対策を進める上で参照するものとして、「過去地震最大モデル」で想定しました。

 ライフライン被害の想定結果は次のとおりです。

 上水道(断水人口)は約174,000

下水道(機能支障人口)発災後1日後では約6,000

電力(停電戸数)は約87,000

固定電話(不通回線数)は約29,000回線

携帯電話(停波基地局率)は発災後1日後では約81パーセント

都市ガス(復旧対象戸数)は約5,900

LPガス(機能支障世帯数)は約6,600世帯の被害となっています。

資料、豊川市地域防災計画

 

(3)風水害(豪雨、洪水、高潮)により想定される被害

近年、短時間豪雨の発生回数が全国的に増加傾向にあるなど、雨の降り方は局地化、集中化しています。さらに今後、地球温暖化等に伴う気候変動により、極端な降水がより強く、より頻繁となる可能性が非常に高いと予測されています。このため、風水害、土砂災害が頻発・激甚化することが懸念されます。

 

愛知県における時間降水量50メートル以上の短時間豪雨発生日数は次のとおりです。

昭和601日、昭和622日、昭和631日、平成元年4日、平成24日、平成31日、平成42日、平成51日、平成64日、平成82日、平成94日、平成106日、平成118日、平成124日、平成131日、平成141日、平成153日、平成169日、平成173日、

平成183日、平成191日、平成202日、平成212日、平成224日、平成236日、平成244日、平成256日、平成262日。

資料、愛知県地域強靱化計画

 

河川の氾濫により想定される被害

水防法に基づき、洪水により重大な被害を生じるおそれがある河川は洪 水予報河川、水位周知河川に指定されています。本市では、洪水予報河川に豊川と豊川放水路が指定され、水位周知河川に音羽川、佐奈川がそれぞれ指定されています。豊川市では豊川、豊川放水路、佐奈川・帯川、御津川、音羽川・白川・西古瀬川・山陰川についてそれぞれ洪水ハザードマップを作成し、想定された大雨による河川の氾濫により浸水が想定される地域を公開しています。

また、想定を超える大雨となった場合、低地の洪水被害だけでなく、流木等による橋脚の損傷や、橋梁そのものの流出により、河川を跨いでいる交通網が寸断されることも懸念されます。

 

PDF型式の資料では、豊川水系豊川・豊川放水路洪水浸水想定区域図(想定最大規模)の図、佐奈川・帯川のはん濫により浸水した場合の図、音羽川・白川・西古瀬川・山陰川、御津川水系御津川のはん濫により浸水した場合の図が示してありますが、ここでは省略します。

高潮により想定される被害

三河湾では地形形状から、台風等による高潮被害が発生しやすい特徴があり、特に湾奥部に位置する三河港ではその現象が顕著となります。

過去には、昭和28年の台風第13号、昭和34年の台風第15号(伊勢湾台風)により大規模な高潮が発生し沿岸域の多くが浸水するという大災害を経験したことから、高潮対策として海岸保全施設の整備を進めてきました。

また、平成2110月に愛知県沿岸に来襲した台風第18号では、三河湾を中心に伊勢湾台風に匹敵する高潮が発生し、潮位上昇により三河港ではコンテナが流される等、御津地区をはじめ三河湾に面した地域にて大きな被害を受けました。

 

平成21年台風18号による高潮での最高潮位については次のとおりです。

名古屋、期間最高潮位、149センチメートル

四日市、期間最高潮位、125センチメートル

鬼崎、期間最高潮位、132センチメートル

鳥羽、期間最高潮位、173センチメートル

衣浦港、期間最高潮位、169センチメートル

形原、期間最高潮位、139センチメートル

三河港、期間最高潮位、315センチメートル

資料、名古屋地方気象台・神戸海洋気象台、平成21年台風第18号による三河港における高潮(108日)報告

 

こうした中、愛知県では、高潮の浸水リスク情報を提供するとともに、市町村における高潮ハザードマップの作成を支援するため、「愛知県沿岸部における津波・高潮対策検討会」での検討結果を受け、平成2611月に高潮浸水想定が作成されました。この想定において、豊川市ではJR東海道本線よりも海側において高潮による浸水被害の発生が推定されています。

その後、平成27年に水防法の一部が改正され、高潮に関する水位周知制度と高潮に係る浸水想定区域が新たに設けられました。

 

PDF型式の資料では、豊川市全域の高潮ハザードマップを図示しています

が、ここでは省略します。

 

高潮による被害は、発生要因は異なりますが、津波によるものに近い特徴があり、小規模なものでも港湾のコンテナや係留してある船舶が流される被害が見られ、より大きな規模となると海岸堤防等の破損や家屋の流失の恐れがあります。特に海岸堤防の堤外地には、御津地区を中心として物流機能、生産機能が集中しており、多くの労働者が産業活動に従事していることから高潮に対するリスクが高くなっています。

 

(4)土砂災害により想定される被害

平成153月に県が公表した土砂災害危険箇所が648箇所あり、現在、土砂災害危険箇所を対象として、県が土砂災害防止法に基づき「基礎調査」を行い、土砂災害のおそれのある区域を「土砂災害警戒区域」に、また、特に大きな被害が生じるおそれがある区域を「土砂災害特別警戒区域」に指定しています。

近年は、短時間豪雨の発生回数が全国的に増加傾向にあり、がけ対策や砂防対策といったハード整備も必要ですが、情報収集や早めの避難勧告といったソフト対策も進めていく必要があります。

 

(5)異常渇水により想定される被害

短時間豪雨の発生回数が全国的に増加傾向にある一方で、年間の降水の日数は逆に減少しており、毎年のように取水が制限される渇水が生じています。

平成6年の渇水では、九州北部、瀬戸内海沿岸、東海地方を中心とした地域の各地で上水道の供給が困難となり、時間指定断水などの給水制限が実施されました。将来においても、地球温暖化に伴う気候変動により、渇水が頻発化、長期化、深刻化し、更なる渇水被害が発生することが懸念されています。

 

(6)その他の被害

本市では、これまでにも地震、台風・大雨に伴う風水害のほか、竜巻等の災害を経験しています。過去の災害の特徴や経験も踏まえながら、地域の強靱化を進めていく必要があります。

 

豊川市における平成以降の過去の主要な災害は次のとおりです。豊川市における平成以降の過去の主要な災害は次のとおりです。

平成元年119日から20日、大雨、床上浸水1件、床下浸水11件、畑冠水1.6ヘクタール

平成254日から5日、大雨床下浸水1件、公共土木施設被害19箇所

平成2919日から20日、台風19号、軽傷1件、一部損壊3件、停電1,000

平成2930日、台風20号、床上3件、床下浸水74件、公共土木施設被害22箇所 崖崩れ2箇所

平成3913日から14日、台風17号、床上浸水2件、床下浸水3    

平成3918日から19日、台風18号、床下浸水2件、道路損壊3箇所、道路冠水20箇所

平成598日から9日、台風14号、床下浸水2件、公共土木施設被害6箇所道路損壊2箇所、道路冠水1箇所

平成6917日から18日、大雨、床上浸水6件、床下浸水98件、公共土木施設被害3箇所、道路冠水5箇所

平成6929日から30日、台風26号、一部損壊3件、床下浸水1件、道路冠水19箇所

平成9316日、地震、愛知県東部マグニチュード5.8、豊川震度4、公共建物被害3

平成9106日から7日、大雨、床下浸水1件、公共土木施設被害11箇所

平成11921日から24日、台風18号及び竜巻、重傷2名、軽傷36名、全壊1件、半壊2件、一部損壊、341件、停電2,500戸、断水80戸、被害総額909,000千円、避難所2箇所

平成12911日から12日、大雨、床上浸水1件、公共土木施設被害6箇所、道路損壊1箇所、道路冠水5箇所

平成121031日、地震、三重県中部マグニチュード5.5、音羽震度3、御津震度3、小坂井震度3

平成1343日、地震、静岡県中部マグニチュード5.1、一宮震度3

平成13719日、大雨、床下浸水8件、道路冠水2箇所、被害総額1,000千円

平成13821日から22日、台風11号、道路冠水6箇所、停電310戸、被害総額30千円、避難所3箇所 

平成13927日、地震、愛知県西部マグニチュード4.3、豊川震度3、一宮震度3、御津震度3、小坂井震度3

平成14815日、大雨、床下浸水1件、道路冠水3箇所

平成14101日、台風21号、一部損壊4件、道路冠水1箇所

平成1587日から9日、台風10号、床下浸水2件、公共土木施設被害2箇所、道路冠水2箇所停電15戸、被害総額7,650千円、避難所2箇所

平成1616日、地震、熊野灘マグニチュード5.4、音羽町震度3、御津町震度3

平成16619日から21日、台風6号、一部損壊1件、公共土木施設被害8箇所、道路冠水1箇所、避難所1箇所

平成1695日、地震、紀伊半島沖マグニチュード6.9、豊川震度3、一宮震度3、音羽震度3、御津震度3、小坂井震度3

平成1695日、地震、東海道沖マグニチュード7.4、御津震度4、豊川震度3、一宮震度3、音羽震度3、小坂井震度3

平成16108日から9日、台風22号、床上浸水2件、道路損壊2箇所、道路冠水7箇所、停電15戸、崖崩れ1箇所、被害総額7,650千円、避難所5箇所、避難者数2

平成161019日から21日、台風23号、道路冠水9箇所、崖崩れ1箇所停電400戸、被害総額500千円

平成20828日から30日、8月末豪雨、床上浸水1件、公共土木施設被害6箇所、被害総額220千円

平成21811日、地震、駿河湾マグニチュード6.5、豊川震度3、一宮震度3、音羽震度3、御津震度3、小坂井震度3

平成21107日から8日、台風18号、重傷3件、軽傷1件、全壊2件、半壊1件、一部損壊164件、床上浸水1件、公共土木施設被害27箇所、道路冠水5箇所、被害総額1,749,510千円、避難所24箇所

平成22228日、チリ地震、933分、伊勢・三河湾(1メートル)、津波警報、2113分、津波警報から津波注意報へ、2336分、津波注意報解除平成23311日、東日本大震災、1446分、三陸沖マグニチュード9.0 最大震度71514分、伊勢及び三河湾津波注意報、1530分、津波注意報から警報へ、312日、1350分、津波警報から注意報へ、2020分、津波注意報解除、豊川震度3、一宮震度3、小坂井震度3、三河港津波最大値 60センチメートル、御幸浜津波高50センチメートル、避難所1箇所

平成23315日、地震、静岡県東部マグニチュード6.4、豊川震度3、一宮震度3、音羽震度3、小坂井震度3

平成23919日、台風15号、被害総額216,590千円、避難準備情報、避難勧告、避難所10箇所、避難者数90

平成231214日、地震、岐阜県美濃東部マグニチュード5.1、一宮震度3

平成24619日、台風4号、一部損壊3件、道路損壊3箇所、道路冠水9箇所、被害総額11,521千円、避難準備情報、避難所4箇所、避難者数2

平成24930日、台風17号、軽傷1名、一部損壊8件、道路冠水1箇所

停電2,080戸、被害総額11,687千円、避難所5箇所、避難者数8

平成2583日、地震、遠州灘マグニチュード4.9、豊川震度3、一宮震度3、音羽震度3、御津震度3、小坂井震度3

平成25915日、台風18号、重傷1名、軽傷 4名、一部損壊37件、床下浸水8件、道路損壊1箇所、道路冠水10箇所、被害総額158,687千円、避難所1箇所、避難者数2

平成251015日、台風26号、一部損壊19件、道路冠水2箇所、停電3,470戸、被害総額23,615千円、避難所1箇所、避難者数2

平成2689日から10日、台風11号、一部損壊1件、床下浸水1      

平成26812日、大雨、床下浸水1                        

平成26105日から6日、台風18号、軽傷1件、被害総額2,316千円、避難所1箇所、避難者数3

平成261013日から14日、台風19号、避難所5箇所、避難者数5

平成2773日、大雨、床下浸水1     

平成27715日、台風11号、被害総額400千円

平成27816日、大雨、床上浸水1件、道路冠水4箇所

平成2798日、台風18号、道路損壊2箇所、道路冠水1箇所、被害総額1,340千円

平成27918日、チリ沖地震、300分、伊勢・三河湾 津波注意、1640分、津波注意報解除

平成29621日、大雨、道路損壊2箇所、冠水4箇所、避難準備・高齢者等避難開始、床下浸水3件、避難所7箇所(2世帯5名)

平成2987日、台風5号、農産被害4,903千円、一部損壊7

平成291022日、台風21号、道路損壊1箇所、公共土木施設3,000千円、農産被害34,320千円、畜産被害2,800千円、避難所25箇所(8世帯11名)

平成291029日、台風22号、農産被害1,500千円、畜産被害1,000千円

資料は、豊川市地域防災計画 資料編(平成302月修正)に基づいています。

 

第3章 豊川市の強靱化の基本的な考え方

1 豊川市地域強靱化計画の基本目標

基本法第14条において、本計画は、「国土強靭化基本計画との調和が保たれたものでなければならない」と規定されており、基本計画及び愛知県地域強靱化計画や基礎自治体の役割などを踏まえ、以下のとおり基本目標を設定しました。

1 人命の保護が最大限図られる

2 地域及び社会の重要な機能を維持する

3 市民の財産及び公共施設、産業・経済活動に係る被害をできる限り軽減する

4 迅速な復旧復興を可能とする

 

2 豊川市の強靱化を進める上での留意事項

基本計画で示されている「基本的な方針」も踏まえ、「本市の強靭化を進める上での留意事項」を以下のとおり取りまとめ、取組を進めていくこととします。

1 強靱性を損なう本質的原因をあらゆる側面から検証

2 短期的な視点によらず、長期的な視点を持って取り組む

3 ソフト対策とハード対策を効果的に組み合わせ、総合的に取り組む

4 女性、高齢者、子ども、障害者、外国人等に配慮する

 

第4章 豊川市の脆弱性評価と強靱化の推進方針

1 脆弱性の評価

(1)事前に備えるべき目標と起きてはならない最悪の事態(リスクシナリオ)設定

基本目標を達成し、豊川市を強靱化する意義を実現するために必要な 事項を明らかにするため、脆弱性評価を行い、豊川市の強靱化の現状と課題を示します。

脆弱性評価にあたり、愛知県地域強靱化計画をもとに、豊川市の地域特性等を踏まえ、項目の追加や削除、表現の修正を行い、8つの「事前に備えるべき目標」と38の「起きてはならない最悪の事態」(リスクシナリオ)を設定しました。

 

事前に備えるべき目標と起きてはならない最悪の事態(リスクシナリオ)

1    大規模自然災害が発生したときでも人命の保護が最大限図られる

11 大規模地震による建物の大規模倒壊や住宅密集地における火災による死傷者の発生

12 不特定多数が集まる施設の倒壊・火災

13 津波・高潮による多数の死傷者の発生

14 津波、台風や集中豪雨による広域かつ長期的な市街地等の浸水による死傷者の発生

15 大規模な土砂災害等による多数の死傷者の発生

16 情報伝達の不備等による避難行動の遅れ等を要因とする多数の死傷者の発生

 

2    大規模自然災害発生直後から救助・救急、医療活動等が迅速に行われる          (それがなされない場合の必要な対応を含む)

21 被災地での食料・飲料水等、生命に関わる物資供給の長期停止

22 自衛隊、警察、消防、海保等の被災等による救助・救急活動等の絶対的不足

23 救助・救急、医療活動のためのエネルギー供給の長期途絶

24 想定を超える大量かつ長期の帰宅困難者の発生による混乱

25 医療施設及び関係者の絶対的不足・被災、支援ルートの途絶による医療機能の麻痺

26 被災地における疫病・感染症等の大規模発生

 

3    大規模自然災害発生直後から必要不可欠な行政機能は確保する

31 被災による警察機能の大幅な低下等による治安の悪化

32 市の職員・施設等の被災による機能の大幅な低下

 

4    大規模自然災害発生直後から必要不可欠な情報通信機能は確保する

41 電力供給停止等による情報通信の麻痺・長期停止

42 テレビ・ラジオ放送の中断等により災害情報が必要な者に伝達できない事態

 

5    大規模自然災害発生後であっても、経済活動(サプライチェーンを含む)を機能不全に陥らせない

51 サプライチェーンの寸断等による企業の生産力低下

52 社会経済活動、サプライチェーンの維持に必要なエネルギー供給の停止

53 陸・海の基幹的交通ネットワークの機能停止

54 食料等の安定供給の停滞

 

6    大規模自然災害発生後であっても、生活・経済活動に必要最低限の電気、ガス、上下水道、燃料、交通ネットワーク等を確保するとともに、これらの早期復旧を図る

61 電力供給ネットワーク(発変電所、送配電設備)や石油・LPガスサプライチェーンの機能停止

62 上水道等の長期間にわたる機能停止

63 汚水処理施設等の長期間にわたる機能停止

64 地域交通ネットワークが分断する事態

65 異常渇水等による用水の供給の途絶

66 避難所の機能不足等により避難者の生活に支障が出る事態

7    制御不能な二次災害を発生させない

71 市街地での大規模火災の発生

72 海上・臨海部の広域複合災害の発生

73 沿線・沿道の建物倒壊による直接的な被害及び交通麻痺

74 排水機場等の防災施設、ため池等の損壊・機能不全による二次災害の発生

75 有害物質の大規模拡散・流出

76 農地・森林等の荒廃による被害の拡大

77 風評被害等による地域経済等への甚大な影響

 

8    大規模自然災害発生後であっても、人口や企業の流出を回避し、地域社

会・経済が迅速に再建・回復できる条件を整備する

81 大量に発生する災害廃棄物の処理の停滞により復旧・復興が大幅に遅れる事態

82 道路啓開等の復旧・復興を担う人材等(専門家、ボランティア、労働者、地域に精通した技術者等)や物資等の不足により復旧・復興が大幅に遅れる事態

83 地域コミュニティの崩壊、治安の悪化等により復旧・復興が大幅に遅れる事態

84 基幹インフラの損壊により復旧・復興が大幅に遅れる事態

85 被災者の住居確保等の遅延により生活再建が遅れる事態

 

 (2)施策分野(個別施策分野と横断的分野)の設定

愛知県地域強靱化計画において設定された施策分野をもとに、項目の追 加や統合、表現の修正を行い、10の個別施策分野及び4の横断的分野を設定しました。

 

10の個別施策分野は、次のとおりです。

(1) 行政機能 警察・消防等   

(2) 住宅・都市              

(3) 保健医療・福祉          

(4) エネルギー              

(5) 情報通信                

(6) 産業・経済

(7) 交通・物流

(8) 農林水産

(9) 環境

(10) 土地利用及び地域保全

 

4つの横断的分野は、次のとおりです。

(1) リスクコミュニケーション

(2) 老朽化対策

(3) 産学官民・広域連携

(4) 将来的課題

 

 (3)脆弱性評価結果

国が実施した評価手法や「国土強靱化地域計画策定ガイドライン」を参考に、本市における脆弱性の分析・評価を実施しました。

ここで、リスクシナリオごとの達成度・進捗の把握にあたっては、リスクシナリオとの関連性や客観性等に着目して、リスクシナリオごとに重要業 績指標をできる限り選定しました。

 

2 推進すべき施策の方針

(1)リスクシナリオごとの施策の推進方針

前節(3)で整理したリスクシナリオごとの脆弱性評価の結果を踏まえた推進方針は次のとおりです。これらの強靱化施策の推進に当たっては、リスクシナリオごとの強靱化施策が分野横断的な施策群であり、いずれも、複数の主体が連携して行う取組により一層効果が発現することを踏まえ、関係者間で重要業績指標等の具体的数値指標に関係するデータを共有するなど、推進方針に掲げた目標の実現に向けて実効性・効率性が確保できるよう十分に留意することとしました。

 

目標(1)大規模自然災害が発生したときでも人命の保護が最大限図られるための施策の推進方針は次のとおりです。

1−1 大規模地震による建物の大規模倒壊や住宅密集地におけ

住宅・建築物等の耐震化について

・住宅・建築物の耐震化促進のため、耐震化の必要性の啓発、無料耐震診断や耐震改修、解体、シェルター設置の補助等による施策を推進する。

 

家具の転倒防止及び窓ガラスの飛散防止事業の推進について

・地震動による家具の転倒や窓ガラスの飛散による死傷被害等を防ぐため、市民を対象とした家具転倒防止器具取付け及び窓ガラス飛散防止事業を推進する。

 

火災に強いまちづくりの推進について

・避難・延焼遮断空間の確保と狭あい道路の解消のため、土地区画整理事業等による道路・公園などの公共施設の整備を推進する。

・災害時に大きな被害が想定される密集市街地を対象に、防災対策に資する計画的な都市基盤整備を展開するとともに、地域住民が実施する防災対策に資する事業を助成することにより、市街地の防災空間の拡大を推進する。

・倒壊や火災の危険性のある空家等に対し、適正管理及び除去等を推進する。

・安全で良好な居住環境の確保と災害に強いまちづくりの実現に寄与するため、狭あい道路拡幅工事を推進する。

 

地域防災力・企業防災力の強化について

・地域防災力を向上させるため、校区・自主防災会等による防災訓練・初期消火訓練等の充実・強化を推進する。

・防災リーダー養成講座、防災リーダーフォローアップ研修の実施により、地域防災力の向上を推進する。

・企業の防災意識の向上を図るとともに、企業の防災力を向上させるため、事業所における防災訓練・消防訓練の充実・強化を推進する。

・企業を地域コミュニティの一員としてとらえ、地域で行われる防災訓練等への積極的な参加を推進する。

 

公共施設等の非構造部材の耐震化等の推進について

・地震により内外壁や吊り天井等が落下しないように、公共施設等の非構造部材の落下防止対策を推進する。

 

重要業績指標は、次のとおりです。

建築課

市営住宅耐震補強工事棟数 現状値:0棟(平成28年度)から目標値:8棟(平成33年度)

旧耐震民間木造住宅耐震化率 現状値:82.3パーセント(平成28年度)から目標値:95パーセント(平成33年度)

 

都市計画課

密集市街地整備に着手した地区 現状値:1地区(平成27年度)

 

道路維持課

狭あい道路事業による後退用地の寄付件数 現状値:年間16件(平成28年度)から目標値:年間25

区画整理課

豊川駅東土地区画整理事業進捗率 現状値:79.2パーセント(平成28年度)から目標値:100パーセント(平成31年度)

豊川西部土地区画整理事業進捗率 現状値:87.7パーセント(平成28年度)から目標値:100パーセント(平成32年度)

一宮大木土地区画整理事業進捗率 現状値:70.4パーセント(平成28年度)から目標値:100パーセント(平成32年度)

防災対策課、

家具転倒防止器具取付率 現状値:41パーセント(平成29年度)から目標値:80パーセント(平成35年度)

窓ガラス飛散防止フィルム貼付率 現状値:9.6パーセント(平成29年度)から目標値:19.2パーセント(平成35年度)

とよかわ防災リーダー女性防災リーダーを含む)養成講座の修了者数 現状値:379人(平成28年度)から目標値:904人(平成35年度)

 

1−2 不特定多数が集まる施設の倒壊、火災

不特定多数の者が利用する建築物等の耐震化の促進について

 

・不特定多数の者が利用する建築物や、防災上重要な建築物の耐震化の向上を図るため、耐震化の必要性の啓発を推進する。

・地震により内外壁や吊り天井等が落下しないように、公共施設等の非構造部材の落下防止対策を推進する。

 

不特定多数の者が利用する建築物等の防火・耐火対策について

・消防法に規定する防火対象物について防火管理者を必ず選任させ、消防計画に基づく消火、通報及び避難訓練の実施、消防用設備等の点検整備、火気の使用又は取扱いに関する指導を推進する。

・防火対象物について消防法の規定に基づく消防用設備等の完全設置を推進し、当該対象物における防火体制の強化を推進する。

・建物の防火・耐火性能を保持するため、定期的な施設及び設備の安全点検の実施を推進する。

 

1−3 津波・高潮による多数の死傷者の発生

津波・高潮に強い地域づくりについて

・津波・高潮による浸水の危険性がある地域については、津波避難ビルの指定・確保を推進する。

・津波浸水想定区域においては、その地域の自主防災会との協働により作成した津波避難経路図を活用し、早期避難を目指した避難訓練の実施を推進する。

 

避難場所・避難路の確保・整備等について

・災害の種類に応じ、その危険の及ばない場所・施設を災害対策基本法施行令に定める基準に従って指定緊急避難場所として指定し、災害の危機が切迫した場合における住民の安全な避難先の確保を推進する。

・被災した場合に避難路としての使用が見込まれる道路については、見通しの確保、安全性の向上等、避難の円滑化に必要な整備を推進する。

・避難路を確保するため、道路橋梁の耐震化、老朽化対策を推進する。

・御津2区臨海工業用地で操業している企業の従業員や、公園等を訪れている市民を津波や高潮から守るため避難用高台整備を推進する。

 

河川・海岸施設の強化について

・津波・高潮による浸水を防ぐため、地盤沈下及び老朽化した堤防護岸の補強、堤防高の低い箇所の嵩上げを推進する。

・河川の河口部や海岸にある水門等については、地震発生時においても操作が可能となるよう、耐震補強、耐震対策を推進する。また、地震後の地域の排水機能を確保するため、排水機場等の耐震対策を推進する。

 

高潮対策の検討について

・御津1区・2区臨海工業用地が浸水した場合、甚大な被害の発生が懸念される。この地域の産業・経済を守るため、更なる高潮対策の検討を推進する。

 

重要業績指標は、次のとおりです。

防災対策課

津波避難ビルの指定 現状値:3箇所(平成28年度)

避難用高台の整備 現状値:0箇所(平成28年度)から目標値:1箇所(平成32年度)

道路維持課

橋梁点検箇所数 現状値:529橋(平成29年度)から目標値:707橋(平成30年度)

橋梁補修工事箇所数 現状値:22橋(平成29年度)

1−4 津波、台風や集中豪雨による広域かつ長期的な市街地等の浸水による死傷者の発生

市街地における河川、海岸施設等の強化について

・河川・海岸施設、水門、排水機場等の耐震化・老朽化対策を推進する。

・本市管理河川において、堤防背後が低い地区における河川堤防の老朽程度を把握するとともに、河川の維持水位を低下させるための河川改修を計画的に推進する。

・市街地における雨水排除を図るため、ポンプ場、下水管渠の新設又は改修を推進する。

 

雨水対策の推進について

・市街地における雨水管、雨水浸透施設の整備を推進する。

・市民が負担して設置する雨水貯留タンク設置、浄化槽の雨水貯留施設転用、雨水浸透ますの設置への支援を推進する。

 

ハザードマップの作成・周知・啓発について

・水位周知河川について、最新の浸水想定区域図が公表された場合、早期に洪水ハザードマップを作成し、住民への周知・啓発を推進する。

 

河川氾濫からの減災に係る取組の実施について

・「水防災意識社会再構築ビジョン」に基づく河川の減災に係る取組方針に沿った継続的な取組を推進する。

・河川ごとに洪水を対象とした避難勧告等の発令に着目したタイムラインを策定し、的確な発令の実施を推進する。

・河川浸水想定区域内にある要配慮者利用施設における避難確保計画の策定、避難訓練の実施を推進する。

 

ハード・ソフトを組み合わせた浸水対策の推進について

・大規模水害を未然に防ぐため、土地利用と一体となった減災対策や、洪水時の避難を円滑かつ迅速に行うための洪水ハザードマップなどの作成支援、防災情報の高度化、地域水防力の強化等のソフト対策をハード事業と組み合わせて実施することにより、より効果的な浸水対策を推進する。

 

重要業績指標は、次のとおりです。

防災対策課

洪水ハザードマップの作成 現状値:豊川・豊川放水路(平成29年度)から目標値:水位周知河川全て(平成35年度)

避難勧告等の発令に着目したタイムライン策定河川 現状値:豊川、豊川放水路2河川(平成29年度)から目標値:水位周知河川全て(平成33年度)

 

1−5 大規模な土砂災害等による多数の死傷者の発生

土砂災害対策の推進について

・台風や集中豪雨等による土砂災害に対し、人的被害を防止するため土石流対策施設、急傾斜地崩壊防止施設、地すべり防止施設といった土砂災害防止施設の整備を着実に推進する。

・土砂災害警戒区域の指定がなされた地区について、土砂災害の危険性や避難の重要性について周知を図るため、土砂災害ハザードマップの作成・配布の実施を推進する。

・土砂災害の危険性や避難の重要性について周知を図るため、住民説明会の開催や土砂災害を想定した避難訓練を実施し、住民の防災意識向上を推進する。

・土砂災害警戒区域内にある要配慮者利用施設における避難確保計画の策定、避難訓練の実施を推進する。

 

治山対策の推進について

・市街地等の周辺にある保安林の機能を高度に発揮させ、山地災害の防止等と併せて生活環境を保全・形成するため、森林の造成改良整備等を推進する。

 

農業用ため池の安全性の向上について

・周辺住民の生命・財産を守るため、農業用ため池や調整池について老朽化対策や地震対策を推進する。

・農業用ため池について、地震や集中豪雨などにより堤体が決壊した場合の被害を周知し、周辺住民の防災意識の向上を図るため、ハザードマップの作成・配布の実施を推進する。

 

避難場所・避難路の確保・整備等について

・災害の種類に応じ、その危険の及ばない場所・施設を災害対策基本法施行令に定める基準に従って指定緊急避難場所として指定し、災害の危機が切迫した場合における住民の安全な避難先の確保を推進する。

 

重要業績指標は、次のとおりです。

道路維持課

土砂災害防災訓練の実施回数 現状値:年1

農務課

農業用ため池のハザードマップ作成箇所数 現状値:6箇所(平成29年度)

農業用ため池の耐震化等の整備 現状値:1箇所(平成29年度)

 

 

1−6 情報伝達の不備等による避難行動の遅れ等を要因とする多数の死傷者の発生について

効果的な教育・啓発の推進について

・住民が的確な避難行動を取ることができるようにするため、避難地、避難所、災害危険地域等を明示した防災マップ、洪水時の浸水想定区域及び浸水深を示した洪水ハザードマップを作成・配布することで、住民への意識啓発を推進する。

・とよかわ安心メール、広報とよかわ、SNS、ホームページ等を活用した広報活動により、災害発生時の早期避難などについて住民の意識啓発を推進する。

・災害に対する知識と的確な避難行動の知識を教育・啓発するため、全中学1年生に対する防災教育を推進する。

 

市民への確実な情報の伝達等について

・情報伝達の不備等による避難行動の遅れを出さないよう、同報系防災行政無線及び移動系防災行政無線の更新を計画的に推進する。

・川の増水やはん濫、道路の冠水等に対する水防活動の判断や住民の避難行動の参考となるよう、河川監視カメラの整備を推進する。

 

適時・適切・確実な情報の発信について

・避難準備・高齢者等避難開始を始めとした避難情報の発令については、住民に対して適切かつ確実に情報を提供し、また、要配慮者に対しても情報が確実に伝達される適切な措置を推進する。

 

専用通信における事前予防対策について

・通信機能を確保するため、衛星通信回線の設定、通信ルートの多重化を推進する。

 

重要業績指標については、次のとおりです。

防災対策課

とよかわ安心メールの登録者数 現状値:約27,000人(平成29年度)から目標値:34,000人(平成33年度)

中学1年生への防災教育の実施 現状値:全10中学校(平成29年度)から目標値:現状を維持

道路維持課

河川監視カメラの設置基数(国)現状値:39箇所(平成29年度)

河川監視カメラの設置基数(県)現状値: 0箇所(平成29年度)

河川監視カメラの設置基数(市)現状値: 7箇所(平成29年度)

 

 

目標(2)大規模自然災害発生直後から救助・救急、医療活動等が迅速に行われる(それがなされない場合の必要な対応を含む)について

 

2−1 被災地での食料・飲料水等、生命に関わる物資供給の長期停止について

物資輸送ルートの確保について

・物資輸送ルートを確実に確保するため、緊急輸送道路や幹線道路ネットワークの整備を推進する。

・緊急輸送道路等における重要な橋梁について橋梁本体の耐震補強を推進する。

・陸上輸送の寸断に備え、三河港において、耐震強化岸壁の確保や防波堤の強化など、港湾における地震津波対策を着実に推進するとともに、道路啓開や航路啓開など交通ネットワークの復旧に向けた取組等を推進する。

・災害時の海上物流機能を確保するため、三河港において岸壁の耐震強化等により、海上・陸上物流の連携したネットワークを構築しているが、大規模災害時においても陸・海の基幹的交通ネットワークを機能停止に陥らせない対策を推進する。

 

三河港の業務継続力の強化について

・伊勢湾内の広域連携により緊急物資輸送や港湾物流機能の早期回復の実現を目的として、平成282月に策定された伊勢湾BCP及び緊急確保航路等航路啓開計画について、今後、伊勢湾BCP協議会において、防災訓練を踏まえた見直しを推進する。

・災害発生後でも一定の港湾機能を維持しつつ、三河港全体の物流機能の早期回復を図り、津波・高潮からの確実な避難を図るため策定した三河港BCPについて、今後、学習・訓練を定期的に実施し、継続的な改善を推進する。【

 

迅速な輸送道路啓開に向けた体制整備について

・迅速な輸送道路啓開に向けて、「豊川市広域受援マニュアル」に掲載されている緊急輸送ルートの情報共有、道路啓開に必要な体制整備を推進する。

水道施設の老朽化対策等の推進について

・安全・安心な給水の確保のため、水道施設の老朽化対策と合わせて耐震化、液状化対策を推進する。

 

物資調達体制の強化・受援体制の構築について

・「豊川市広域受援マニュアル」に基づき、被災者に物資を確実かつ迅速に届けられるよう、物資の要請体制、調達体制、輸送体制等、供給の仕組みの整備を推進する。

 

備蓄の推進について

・備蓄計画に基づき、必要とされる食料・飲料水等の備蓄を推進するとともに、避難所などにおける必要物資についての研究・検討を推進する。

・災害時要援護者の受け入れに関する協定を締結した社会福祉施設等に受け入れに必要な資材等の整備・充実を推進する。

・防災訓練、防災講話、防災教育での啓発により、各家庭における備蓄を推進する。

 

災害時の広域連携の推進について

・災害発生時に広域的な応援を受けられるよう、関係機関、他の自治体との協定を締結することで災害時に物資調達がスムーズに実施できるよう体制の構築を推進する。

 

重要業績指標は、次のとおりです。

道路維持課

緊急輸送道路の橋梁の耐震化(県) 現状値:3橋(平成29年度)から目標値:5橋(平成35年度)

防災対策課

豊川市広域受援マニュアルの策定 現状値:平成28年度策定(平成28年度)

非常用食料備蓄目標達成率 現状値:100パーセント(平成29年度)から目標値:100パーセント維持

災害時の応援協定締結自治体数 現状値:32自治体(平成29年度)から目標値:39自治体(平成35年度)

水道整備課

水道管の耐震化率 現状値:25.9パーセント(平成28年度)から目標値:33.7パーセント(平成35年度)

 

2−2 自衛隊、警察、消防、海保等の被災等による救助・救急活動等の絶対的不足について

災害対応の体制・資機材強化について

・自衛隊、警察、消防、海保等の連携による迅速な救助・救急活動等に向けた合同訓練、情報交換を推進する。

・災害発生時、対応策検討のための情報収集手段として防災ドローン航空隊を整備し、効果的な運用を推進する。

 

消防力の強化について

・消防署所について適切な維持管理とともに、時代に合わせ積極的な機能強化を推進する。また、機能の不足や老朽化した施設については、計画的な移転・建替えを推進する。

・大規模化、複雑多様化する各種災害に対応するため、消防車両・資機材の計画的な更新を推進する。また、震災時に有効水利となる耐震性貯水槽の整備を推進する。

 

消防団の災害対応力の強化について

・地域防災力の維持・向上に必要不可欠である消防団員の入団促進や訓練の充実を推進する。

・消防団員の活動拠点である消防団詰所や消防団車両等の装備の充実・強化を推進する。

 

重要業績指標は、次のとおりです。

防災対策課、

防災ドローン航空隊の結成 現状値:17名で結成(平成29年度)

消防本部総務課、

消防車両の計画的更新 現状値:年3台平成28年度)から目標値:年3台から9台(平成35年度)

耐震性貯水槽の整備 現状値:192基(平成28年度)から目標値:204基(平成35年度)

 

2−3 救助・救急、医療活動のためのエネルギー供給の長期途絶について

 

災害時における燃料の確保について

・災害対策本部のある市役所、災害拠点病院である豊川市民病院や医療機関において機能確保のために必要とする非常用発電設備用の石油燃料を確保するため、豊川石油業協同組合との協定に基づく供給方法の調整、情報伝達訓練を推進する。

・消防・救急車両及び公用車の燃料確保のため、「豊川市広域受援マニュアル」における臨時給油所設置のための資機材等の整備を推進する。

 

災害時における電力の確保について

・市役所や消防署等において、電力確保対策のため非常用発電設備の強化を推進する。

 

道路等の災害対策の推進について

・物資輸送ルートを確実に確保するため、緊急輸送道路や幹線道路ネットワークの整備を推進する。

・緊急輸送道路等における重要な橋梁について橋梁本体の耐震補強を推進する。

・迅速な輸送道路啓開に向けて、「豊川市広域受援マニュアル」に掲載されている緊急輸送ルートの情報共有、道路啓開に必要な体制整備を推進する。

 

2−4 想定を超える大量かつ長期の帰宅困難者の発生による混乱について

帰宅困難者等支援対策の推進について

・帰宅困難者対策は、行政、事業所、学校など多岐にわたる分野に課題が及ぶことから、大規模災害発生時における従業員や児童・生徒の保護についての啓発を推進する。

・電車不通により発生する帰宅困難者に対する支援策として、市内主要駅周辺へ帰宅困難者用防災倉庫を設置し、食料・飲料水、徒歩帰宅支援マップなどの備蓄品配備を推進する。

 

代替輸送手段の確保について

・大規模災害発生時において、遠距離を移動する必要がある帰宅困難者の帰宅支援のため、鉄道不通時の代替輸送手段の確保等について、公共交通事業者との検討を推進する。

 

重要業績指標について

防災対策課

帰宅困難者用防災倉庫設置数 現状値:2箇所(平成29年度)から目標値:4箇所(平成35年度)

 

 

2−5 医療施設及び関係者の絶対的不足・被災、支援ルートの途絶による医療機能の麻痺について

災害時の医療機能の確保・充実について

・大規模災害発生時には、市内を4ブロックに分けたエリアで、基幹病院を中心に既設の医療機関において歯科医師会・薬剤師会とともに応急救護活動を実施することから、平時から医師会・歯科医師会・薬剤師会と地域防災会議や防災訓練などを通じた連携強化を推進する。

・ディーマット(災害時派遣医療チーム)の運用を行う「東三河南部医療圏災害医療対策会議」を所管する豊川保健所と、大規模災害時の医師などの派遣について会議を通じた連携強化を推進する。

 

豊川市民病院の防災・減災機能の強化について

・災害時拠点病院である豊川市民病院は、災害時には多くの患者を受け入れることとなるため、大規模地震を想定したトリアージ(負傷者選別)訓練などの実施により、迅速な対応ができる体制作りを推進する。

・豊川市民病院の災害用備蓄水が1日から2日分と限りがあるため、地下水利用システムの導入など備蓄水の確保を推進する。

 

要配慮者等への支援体制の整備について

・避難所における長期避難生活が困難となる高齢者や障害者などの要配慮者が二次的に避難する場所を確保するため、社会福祉施設などとの福祉避難所に関する協定の締結を推進する。

 

重要業績指標については、次のとおりです。

豊川市民病院

トリアージ訓練の実施 現状値:年1回(平成29年度)から目標値:毎年実施

地下水利用システムの導入 現状値:平成29年導入、導入から安定運用を継続

介護高齢課・福祉課

福祉避難所として災害時要配慮者の受入に関する協定を提携した社会福祉施設現状値:14施設(平成29年度)

 

2−6 被災地における疫病・感染症等の大規模発生について

資機材の整備について

・災害発生時の生活環境の悪化、被災者の抵抗力の低下等による感染症等の発生を抑えるため、感染症に関する資機材の整備を推進する。

 

重要業績指標は、次のとおりです。

防災対策課

液体消毒液の備蓄 現状値:47本(平成29年度)から目標値:95本(全避難所)(平成30年度)

汚物処理キットの備蓄 現状値:95セット(平成29年度)

 

目標(3)大規模自然災害発生直後から必要不可欠な行政機能は確保するについて

3−1 被災による警察機能の大幅な低下等による治安の悪化について

災害時防犯体制の強化について

・大規模災害の発生後における住宅侵入盗などの街頭犯罪の多発を抑止するため、平常時より自主防犯団体への支援を行い、地域における防犯活動の強化を推進する。

 

警察署等の耐震化の促進について

・警察署や交番等は、その機能が十分発揮されるよう、耐震化を推進する。

 

重要業績指標については、次のとおりです。

人権交通防犯課

防犯ボランティア団体数と会員数 現状値:34団体2,662人(平成28年度)から目標値:35団体(平成32年度)

 

3−2 市の職員・施設等の被災による機能の大幅な低下について

業務継続計画の作成及び見直しについて

・業務の継続と早期復旧を図るために平成253月に策定された「豊川市役所地震対策業務継続計画」を定期的に見直すことにより、職員へ計画の周知を推進する。

 

市所管施設の機能確保について

・災害発生時には、大半の市所管施設が活動拠点や避難所として活用されることから、想定される地震や津波等に対して施設の整備、機能面の充実を推進する。

・地震により内外壁や吊り天井等が落下しないように、公共施設等の非構造部材の落下防止対策を推進する。

 

災害対策本部の機能確保について

・災害発生時に対策の中心として機能する災害対策本部及び広域受援により来訪する応援部隊の活動拠点として防災センターを建設整備し、災害時の指揮命令系統の維持を推進する。

 

災害時の広域連携の推進について

・災害発生時に広域的な応援を受けられるよう、自衛隊・警察・消防・テックフォース(緊急災害対策派遣隊)を始めとする応援部隊等の受け入れ拠点、緊急輸送ルートの確保などをまとめ、平成28年度に策定した「豊川市広域受援マニュアル」について、随時見直しを行うことで広域における連携を推進する。

 

重要業績指標については、次のとおりです。

防災対策課

豊川市役所地震対策業務継続計画の策定・見直し 現状値:策定(平成24年度)から目標値:3年に1度の見直し

防災センターの建設 現状値:実施設計(平成29年度)から目標値:建設完了(平成31年度)

豊川市広域受援マニュアルの策定 現状値:策定(平成28年度)

 

目標(4)大規模自然災害発生直後から必要不可欠な情報通信機能は確保するについて

4−1 電力供給停止等による情報通信の麻痺・長期停止について

情報通信機能の耐災害性の強化・高度化について

・電力の供給停止等により、情報通信が麻痺・長期停止した場合でも、災害情報を市民へ情報伝達できるよう、情報通信機能の複線化等、情報システムや通信手段の強化、高度化を推進する。

・災害時に住民へ確実かつ円滑に情報伝達するため、また電波法改正に対応するため、現在の同報系防災行政無線及び移動系防災行政無線の更新を推進する。

 

重要業績指標については、次のとおりです。

防災対策課

防災行政無線の更新 現状値:計画策定(平成28年度)から目標値:整備完了(平成34年度)

 

4−2 テレビ・ラジオ放送の中断等により災害情報が必要な者に伝達できない事態について

情報提供手段の多様化について

・市民に警報等の災害情報が確実に伝わるよう、関係事業者の協力を得て、防災行政無線、携帯電話(緊急速報メール機能を含む)、ホームページ、SNS等を用いた伝達手段の多重化、多様化を推進する。

・観光地や防災拠点等において、災害時にも有効に機能する無料公衆無線ランの整備を推進する。

・災害情報伝達手段のひとつとして「とよかわ安心メール」の登録を推進する。

 

重要業績指標については、次のとおりです。

防災対策課

とよかわ安心メールの登録者数 現状値:約27,000人(平成29年度)から目標値:約34,000人(平成33年度)

 

目標(5)大規模自然災害発生後であっても、経済活動(サプライチェーンを含む)を機能不全に陥らせないについて

5−1 サプライチェーンの寸断等による企業の生産力低下について

企業BCP策定の促進等について

・市内企業の事業継続や早期復旧を可能とするため、企業BCP策定に関する情報提供や周知・啓発を推進する。

 

企業の情報交換の推進について

・主に市内企業を対象とした情報交換会を開催し、防災情報を発信することで、企業の防災意識の向上を推進する。

企業防災力の強化について

・企業等に対して、従業員等を一定期間事業所内に留めておくことができるよう、必要な物資の備蓄等について、企業による防災訓練などで啓発する。また、落下防止、火災の防止、薬液漏洩防止、危険区域の立入禁止等、自社拠点における二次災害防止のための安全対策の実施を推進する。

 

三河港の業務継続力の強化

・伊勢湾内の広域連携により緊急物資輸送や港湾物流機能の早期回復の実現を目的として、平成282月に策定された伊勢湾BCP及び緊急確保航路等航路啓開計画について、今後、伊勢湾BCP協議会において、防災訓練を踏まえた見直しを推進する。

・災害発生後でも一定の港湾機能を維持しつつ、三河港全体の物流機能の早期回復を図り、津波・高潮からの確実な避難を図るため策定した三河港BCPについて、今後、学習・訓練を定期的に実施し、継続的な改善を推進する。

 

御津臨海部における防災対策の推進について

・御津1区、2区臨海工業用地に進出している企業で組織された「御津臨海企業懇話会」が行う、地震及び津波等に対応するための防災訓練及び防災研修会の実施を推進する。

 

重要業績指標については、次のとおりです。

企業立地推進課

企業との情報交換会、防災訓練、防災研修会の実施回数 現状値:年、各1

 

 

5−2 社会経済活動、サプライチェーンの維持に必要なエネルギー供給の停止について

燃料供給ルートの確保に向けた体制整備について

・エネルギー供給の長期途絶を回避するため、各ライフライン機関における施設の耐震対策、津波対策を推進する。

・各ライフライン機関との防災訓練や協定締結により、連携強化を推進する。

・燃料供給ルートを確実に確保するため、緊急輸送道路などの整備を推進する。

 

5−3 陸・海の基幹的交通ネットワークの機能停止について

道路等の災害対策の推進について

・物資輸送ルートを確実に確保するため、緊急輸送道路や幹線道路ネットワークの整備を推進する。

・緊急輸送道路等における重要な橋梁について橋梁本体の耐震補強を推進する。

・迅速な輸送道路啓開に向けて、「豊川市広域受援マニュアル」に掲載されている緊急輸送ルートの情報共有、道路啓開に必要な体制整備を推進する。

・陸上輸送の寸断に備え、三河港において、耐震強化岸壁の確保や防波堤の強化など、港湾における地震津波対策を着実に推進するとともに、道路啓開や航路啓開など交通ネットワークの復旧に向けた取組等を推進する。

 

三河港の業務継続力の強化について

・伊勢湾内の広域連携により緊急物資輸送や港湾物流機能の早期回復の実現を目的として、平成282月に策定された伊勢湾BCP及び緊急確保航路等航路啓開計画について、今後、伊勢湾BCP協議会において、防災訓練を踏まえた見直しを推進する。

・災害発生後でも一定の港湾機能を維持しつつ、三河港全体の物流機能の早期回復を図り、津波・高潮からの確実な避難を図るため策定した三河港BCPについて、今後、学習・訓練を定期的に実施し、継続的な改善を推進する。

 

御津臨海部の整備について

・御津1区と2区をつなぐ臨港道路東三河臨海線の事業化を推進する。

 

重要業績指標については、次のとおりです。

企業立地推進課

臨港道路東三河臨海線の事業化に向けた要望活動 現状値:国2回、県1

 

5−4 食料等の安定供給の停滞について

物流ネットワークの整備について

・物流インフラの災害対応の強化に向けて、道路、港湾等の耐震対策等を推進するとともに、輸送モード相互の連携や産業競争力の強化の視点を兼ね備えた物流ネットワークの構築を推進する。

 

食料の確保について

・市民の生活を確保するため、食料等の計画的な備蓄を行うとともに、事業者等との協定締結により食料等の確保を推進する。

 

農林水産業に係る生産基盤等の災害対応力の強化について

・農林水産業に係る生産基盤等の災害対応力強化のため、農業水利施設の耐震化、老朽化対策等のハード対策と、地域コミュニティと連携した施設の保全・管理や施設管理者の体制整備等のソフト対策を組み合わせた対策を推進する。

 

目標(6)大規模自然災害発生後であっても、生活・経済活動に必要最低限の電気、ガス、上下水道、燃料、交通ネットワーク等を確保するとともに、これらの早期復旧を図るについて

6−1 電力供給ネットワーク(発変電所、送配電設備)や石油・LPガスサプライチェーンの機能停止について

ライフラインの災害対応力強化について

・電力の長期供給停止を発生させないため、電気設備の自然災害に対する耐性評価等の結果に基づき、発変電所、送電線綱や電力システムの災害対応力強化及び復旧の迅速化を推進する。

・災害に備え、耐震性に優れたガス管への取り替えを計画的に促進するとともに、道路管理者との間で災害情報を共有するなどの連携強化を推進する。

・災害発生時におけるライフライン機能の維持・確保や早期復旧を図るため、電気、ガス等ライフライン関係機関との協力体制の構築を推進する。

 

自立・分散型エネルギーの導入の促進について

・災害時のエネルギー供給を確保するための取組を進めるとともに、エネルギー供給源を多様化するため、太陽光発電などの再生可能エネルギー等の自立・分散型エネルギーの導入を推進する。

 

重要業績指標について

環境課

住宅用太陽光発電システム設置費補助件数

現状値:年間154件(平成28年度)から目標値:年間150

 

6−2 上水道等の長期間にわたる機能停止について

水道施設の老朽化対策等の推進について

・被災時の給水拠点となる配水池の耐震性を強化するとともに、水道配水管において強度が低下している老朽管の更新を推進する。

 

広域的な応援体制の確立について

・大規模自然災害発生時に速やかに対応するため、他都市からの給水車の受け入れなど広域的な応援体制の確立を推進する。

復旧体制の強化について

・大規模自然災害発生時の上水道等の応急処置や復旧を行う要員及び資機材を確保するため、関係業者の協力体制の整備を推進する。

 

重要業績指標については、次のとおりです。

水道整備課

重要給水拠点までの管路の耐震化箇所数(全体7箇所) 現状値:7分の1(平成28年度)から目標値:7分の2(平成32年度)

 

6−3 汚水処理施設等の長期間にわたる機能停止について

マンホールトイレの整備について

・大規模地震における避難所のトイレ不足に対応するため、避難所に指定されている小中学校に災害用マンホールトイレの整備を推進する。

 

下水道施設の耐震化等の推進

・災害時の下水道施設の機能停止による公衆衛生問題や破損による交通障害の発生を防止するため、下水道施設の耐震化及び老朽化した下水道管の更新を推進する。

 

農業集落排水施設の耐震化等の推進

・農業集落排水施設の耐震性や老朽化状況等の診断を実施し、これに基づく耐震化対策、老朽化対策等を推進する。

 

災害時の廃棄物の処理体制の整備

・豊川市災害廃棄物処理計画に基づき、し尿等の処理を適正かつ円滑に実施できる体制整備を推進する。

 

重要業績指標については、次のとおりです。

下水整備課、防災対策課

マンホールトイレ設置学校数 現状値:639基(平成28年度)から目標値:36198基(平成32年度)(全小中学校)

下水整備課

下水道管の耐震化率 現状値:51パーセント(平成28年度)から目標値:54.6パーセント(平成32年度)

農業集落排水施設の機能診断の実施件数 現状値:0件(平成28年度)から目標値:2件(平成31年度)

 

6−4 地域交通ネットワークが分断する事態について

基幹的交通ネットワークの確保について

・物資輸送ルートを確実に確保するため、緊急輸送道路や幹線道路ネットワークの整備を推進する。

・緊急輸送道路等における重要な橋梁について橋梁本体の耐震補強を推進する。

・陸上輸送の寸断に備え、三河港において、耐震強化岸壁の確保や防波堤の強化など、港湾における地震津波対策を着実に推進するとともに、道路啓開や航路啓開など交通ネットワークの復旧に向けた取組等を推進する。

・災害時の海上物流機能を確保するため、三河港において岸壁の耐震強化等により、海上・陸上物流の連携したネットワークを構築しているが、大規模災害時においても陸・海の基幹的交通ネットワークを機能停止に陥らせない対策を推進する。

 

迅速な輸送道路啓開に向けた体制整備について

・迅速な輸送道路啓開に向けて、「豊川市広域受援マニュアル」に掲載されている緊急輸送ルートの情報共有、道路啓開に必要な体制整備を推進する。

・大規模自然災害発生時に、道路上の放置車両や立ち往生車両によって救助活動、緊急物資輸送等災害応急対策に支障が生じることが懸念されるため、道路管理者や警察等が連携して、放置車両などの移動を行うなど、緊急車両等通行ルートの早期啓開体制の整備を推進する。

・南海トラフ地震対策中部圏戦略会議が策定・公表している「中部版くしの歯作戦」について、関係機関の役割を具体化し、計画の実効性向上を推進する。

 

道路ネットワークの迅速な再開に向けた体制の整備について

・大規模地震発災後、ETC2.0プローブ情報や民間プローブ情報の活用により交通情報を的確に把握するとともに、迅速な輸送経路啓開に向けて、関係機関の連携等により装備資機材の充実、情報収集・共有、情報提供、継続的な訓練、事業継続計画(BCP)の策定など必要な体制整備を推進する。

 

三河港の業務継続力の強化について

・伊勢湾内の広域連携により緊急物資輸送や港湾物流機能の早期回復の実現を目的として、平成282月に策定された伊勢湾BCP及び緊急確保航路等航路啓開計画について、今後、伊勢湾BCP協議会において、防災訓練を踏まえた見直しを推進する。

・災害発生後でも一定の港湾機能を維持しつつ、三河港全体の物流機能の早期回復を図り、津波・高潮からの確実な避難を図るため策定した三河港BCPについて、今後、学習・訓練を定期的に実施し、継続的な改善を推進する。

 

6−5 異常渇水等による用水の供給の途絶について

水の安定供給体制の確保について

・大規模自然災害発生時においても安定供給が可能となる給水体制を目指し、水資源関連施設の耐震化、水源の増備といったハード対策とともに、災害発生時復旧対策の策定、関係機関の連携等ソフト対策を推進する。

・異常渇水による生活や産業への影響を最小限にするため、関係機関が連携して水利調整等の対策を推進する。

 

6−6 避難所の機能不足等により避難者の生活に支障が出る事態について

避難所運営体制の整備について

・地域が主体的に避難所の運営管理ができるよう避難所運営マニュアルの活用・周知を推進する。

・町内会や自主防災会等と避難所運営に関する訓練を通し、地域が主体的に避難所の管理運営が行えるよう意識啓発を推進する。

・主たる避難所である小中学校、高等学校、地区市民館、公民館等について、近隣に在住する職員2名ずつを避難所対策員として指定し、円滑な避難所開設・運営体制の強化を推進する。

 

避難所施設の老朽化対策及び耐震化の推進について

・避難者の安全な避難所生活を確保するため、避難所に指定されている学校施設等の老朽化対策及び内外壁の落下等を防止するための非構造部材の耐震化を推進する。

 

避難所用備蓄品及び救助用資機材の確保について

・主たる避難所である小中学校、高等学校に備蓄している避難所用備蓄品については、常に内容の検討・追加を行うとともに、適正な保管を推進する。

・各自主防災会が整備する災害対応用備蓄品や資機材について、その購入支援を行うことで地域における備蓄品や資機材の確保を推進する。

・大規模地震における避難所のトイレ不足に対応するため、避難所に指定されている小中学校に災害用マンホールトイレの整備を推進する。

 

要配慮者等への支援体制の整備について

・災害時において避難行動要支援者の安否確認や避難誘導が円滑に行えるよう、日頃から避難行動要支援者の把握に努めるとともに、災害時要援護者の登録制度の普及・啓発活動を推進する。

・コミュニケーション支援ボードを各避難所に整備し、高齢者や障害者、外国人の避難所生活支援を推進する。

 

重要業績指標について

防災対策課

自主防災会活動費補助件数 現状値:43自主防災会(平成28年度)から目標値:55自主防災会(平成31年度)

コミュニケーション支援ボード設置箇所数 現状値:115箇所(全避難所、全福祉避難所)(平成29年度)

介護高齢課、福祉課

災害時要援護者登録数 現状値:2,269人(平成29年度)

 

目標(7)制御不能な二次災害を発生させない、について

7−1 市街地での大規模火災の発生について

救助・救急活動能力の充実・強化について

・大規模地震災害などの過酷な災害現場での救助・救急活動能力を高めるため、活動に必要な救助資機材、高度救命処置資機材等を充実させるとともに、教育訓練の充実・強化を推進する。

・消防団、自警団組織の充実・強化を推進する。

・災害発生時、対応策検討のための情報収集手段として防災ドローン航空隊を整備し、効果的な運用を推進する。

 

火災に強いまちづくりの推進について

・避難・延焼遮断空間の確保と狭あい道路の解消のため、土地区画整理事業等による道路・公園などの公共施設の整備を推進する。

・災害時に大きな被害が想定される密集市街地を対象に、防災対策に資する計画的な都市基盤整備を展開するとともに、地域住民が実施する防災対策に資する事業を助成することにより、市街地の防災空間の拡大を推進する。

・倒壊や火災の危険性のある空家等に対し、適正管理及び除去等を推進する。

・安全で良好な居住環境の確保と災害に強いまちづくりの実現に寄与するため、狭あい道路拡幅工事を推進する。

 

重要業績指標については、次のとおりです。

防災対策課

防災ドローン航空隊の結成 現状値:17名で結成(平成29年度)

都市計画課

密集市街地整備に着手した地区 現状値:1地区(平成27年度)

区画整理課

豊川駅東土地区画整理事業進捗率の向上 現状値:79.2パーセント(平成28年度)から目標値:100パーセント(平成31年度)

豊川西部土地区画整理事業進捗率の向上 現状値:87.7パーセント(平成28年度)から目標値:100パーセント(平成32年度)

一宮大木土地区画整理事業進捗率の向上 現状値:70.4パーセント(平成28年度)から目標値:100パーセント(平成32年度)

 

7−2 海上・臨海部の広域複合災害の発生について

河川・海岸施設の強化について

・津波・高潮による浸水を防ぐため、地盤沈下及び老朽化した堤防護岸の補強、堤防高の低い箇所の嵩上げを推進する。

・河川の河口部や海岸にある水門等については、地震発生時においても操作が可能となるよう、耐震補強、耐震対策を推進する。また、地震後の地域の排水機能を確保するため、排水機場等の耐震対策を推進する。

 

臨海部の物流ルートの確保について

・南海トラフ地震対策中部圏戦略会議が策定・公表している「中部版くしの歯作戦」について、関係機関の役割を具体化し、計画の実効性向上を推進する。

 

漂流物防災対策の推進について

・災害時、コンテナ、船舶、石油タンク等が流出し、二次災害が発生するおそれがあるため、漂流物防止対策を推進する。

 

三河港の業務継続力の強化について

・伊勢湾内の広域連携により緊急物資輸送や港湾物流機能の早期回復の実現を目的として、平成282月に策定された伊勢湾BCP及び緊急確保航路等航路啓開計画について、今後、伊勢湾BCP協議会において、防災訓練を踏まえた見直しを推進する。

・災害発生後でも一定の港湾機能を維持しつつ、三河港全体の物流機能の早期回復を図り、津波・高潮からの確実な避難を図るため策定した三河港BCPについて、今後、学習・訓練を定期的に実施し、継続的な改善を推進する。

 

御津臨海部の整備について

・御津1区と2区をつなぐ臨港道路東三河臨海線の事業化を推進する。

 

重要業績指標は、次のとおりです。

企業立地推進課

臨港道路東三河臨海線の事業化に向けた要望活動 現状値:国2回、県1

 

7−3 沿線・沿道の建物倒壊による直接的な被害及び交通麻痺について

沿道の通行障害建築物の耐震化の促進について

・緊急輸送道路や避難路等の機能及び安全を確保するため、道路等に面する建築物の耐震診断、耐震改修の実施や、ブロック塀・屋外看板等の耐震対策、落下防止対策に対する所有者への指導・助言を推進する。

 

災害情報の収集体制の強化について

・各種観測データを活用することにより、被害情報の早期把握、復旧計画の速やかな立案等、災害情報の収集体制の強化を推進する。

 

7−4 排水機場等の防災施設、ため池等の損壊・機能不全による二次災害の発生について

ため池等の防災対策の推進について

・周辺住民の生命・財産を守るため、農業用ため池や調整池について老朽化対策や地震対策を推進する。

・農業用ため池について、地震や集中豪雨などにより堤体が決壊した場合の被害を周知し、周辺住民の防災意識の向上を図るため、ハザードマップの作成・配布の実施を推進する。

 

排水機場等の防災対策の推進について

・排水不良による浸水の長期化を防ぐため、排水機場等の耐震化を推進する。

・排水機場等は、常に施設機能の効果を発揮させる必要があるため、計画的な整備・維持管理を推進する。

重要業績指標については、次のとおりです。

農務課

農業用ため池のハザードマップ作成箇所数 現状値:6箇所(平成29年度)

農業用ため池の耐震化等の整備 現状値:1箇所(平成29年度)

 

7−5 有害物質の大規模拡散・流出について

有害物質の漏えい等の防止対策の推進について

・有害物質の大規模拡散・流出等による健康被害や環境への悪影響を防止するため、企業における化学物質の管理方法や事故発生時の対応計画策定等の事前対策の強化に対する啓発や、大規模な出火や有害物資の流出した際の周知体制の強化を推進する。

 

7−6 農地・森林等の荒廃による被害の拡大

農地や農業水利施設等の保全管理と体制整備について

・地域の主体性・協働力を活かした農地・農業水利施設等の地域資源の適切な保全管理や自立的な防災・復旧活動の体制整備を推進する。

 

森林の整備・保全について

・森林が有する多面的機能を発揮するため、間伐等の適切な森林整備や治山対策など、効果的・効率的な手法による災害に強い森林づくりを推進する。

・地域コミュニティ等との連携を図りつつ、森林の保全活動や環境教育を推進する。

 

治山対策の推進について

・市街地等の周辺にある保安林の機能を高度に発揮させ、山地災害の防止等と併せて生活環境を保全・形成するため、森林の造成改良整備等を推進する。

 

7−7 風評被害等による地域経済等への甚大な影響について

風評被害を防止する的確な情報発信のための体制強化について

・災害発生時において、風評被害等に対応するため、的確な情報発信のための体制強化を推進する。

 

目標(8)大規模自然災害発生後であっても、人口や企業の流出を回避し、地域社会・経済が迅速に再建・回復できる条件を整備するについて

8−1 大量に発生する災害廃棄物の処理の停滞により復旧・復興が大幅に遅れる事態について

災害廃棄物処理計画の推進について

・豊川市災害廃棄物処理計画の実行性を高めるため、教育・訓練による人材育成等を行い、災害廃棄物処理体制の充実を推進する。

 

廃棄物処理施設の災害対応力の強化について

・老朽化したごみ焼却施設の計画的な改修を推進する。

・廃棄物処理施設の災害対応力の強化として、廃棄物の広域的な処理体制の整備を推進する。

 

重要業績指標については、次のとおりです。

清掃事業課

豊川市災害廃棄物処理計画の策定 現状値:策定済(平成28年度)

 

8−2 道路啓開等の復旧・復興を担う人材等(専門家、ボランティア、労働者、地域に精通した技術者等)や物資等の不足により復旧・復興が大幅に遅れる事態について

復旧・復興を担う人材等の育成について

・被災した住宅や宅地の危険度判定を的確に実施するため、被災建築物応急危険度判定士や被災宅地危険度判定士の養成を推進するとともに、訓練等の実施により実施体制の整備を推進する。

地方行政機関の機能低下の回避について

・大規模自然災害時に、復旧・復興を先導する行政職員等の施設の被災による機能の大幅な低下を回避するための体制・施設の強化を推進する。

 

市役所の機能低下の回避について

・災害発生時には、大半の市所管施設が活動拠点や避難所として活用されることから、想定される地震や津波等に対して施設の整備、機能面の充実を推進する。

・災害発生時に対策の中心として機能する災害対策本部及び広域受援により来訪する応援部隊の活動拠点として防災センターを建設整備し、災害時の指揮命令系統の維持を推進する。

・業務の継続と早期復旧を図るために平成253月に策定された「豊川市役所地震対策業務継続計画」を定期的に見直すことにより、職員へ計画の周知を推進する。

 

事前復旧・復興計画等の策定について

・事前復旧・復興計画等を策定し、施設整備や訓練等を行いながら復旧・復興体制の強化を推進する。

 

災害ボランティアの円滑な受け入れ・活動体制の構築について

・災害時、被災者の様々なニーズを手助けするボランティアを受け入れるボランティアセンターの運営を担う防災ボランティアコーディネーターの養成を推進する。

・ボランティアを受け入れるボランティアセンターの体制の整備を推進する。

 

重要業績指標について

建築課

市職員のうち被災建築物応急危険度判定士数 現状値:32人から目標値:現状を維持

道路維持課

市職員のうち被災宅地危険度判定士数 現状値:49人から目標値:現状を維持

防災対策課

豊川市役所地震対策業務継続計画の策定・見直し 現状値:策定(平成24年度)から目標値:3年に1度の見直し

防災センターの建設 現状値:実施設計(平成29年度)から目標値:建設完了(平成31年度)

市民協働国際課、防災対策課

防災ボランティアコーディネーター養成講座の修了者数 現状値:358人(平成28年度)から目標値:512人(平成35年度)

 

8−3 地域コミュニティの崩壊、治安の悪化等により復旧・復興が大幅に遅れる事態について

地域コミュニティ力の強化に向けた支援について

・地域コミュニティである町内会や自主防災会の大規模災害発生時の対応力を向上させるため、防災訓練・教育、防災リーダーの養成などの支援を推進する。

 

地方行政機関等の職員・施設等の被災による機能低下の回避について

・治安の悪化等を防ぐため、地方行政機関等(警察・消防を含む)の機能維持のための体制強化に係る取組を推進する。

 

警察署等の耐震化の促進について

・警察署や交番等は、その機能が十分発揮されるよう、耐震化を推進する。

 

重要業績指標については、次のとおりです。

防災対策課

とよかわ防災リーダー(女性防災リーダーを含む)養成講座の修了者数 現状値:379人(平成28年度)から目標値:904人(平成35年度)

市民協働国際課

町内会加入率 現状値:73.2パーセント(平成29年度)から目標値:74.9パーセント(平成37年度)

 

8−4 基幹インフラの損壊により復旧・復興が大幅に遅れる事態について

幹線交通分断に伴うリスクの想定及び対策の推進について

・地震や津波、洪水、高潮等の浸水想定を踏まえ、幹線道路が分断するリスクの想定とともに対策の検討を推進する。

 

基幹インフラ復旧等の大幅な遅れへの対応について

・基幹インフラの広域的な損壊により復旧・復興が大幅に遅れる事態を想定した対策について、関係機関と連携を図りながら総合的な取組を推進する。

 

8−5 被災者の住居確保等の遅延により生活再建が遅れる事態について

応急仮設住宅・復興住宅の迅速な確保に向けた取組について

・応急仮設住宅を迅速に提供するため、あらかじめ住宅建設に適する建設用地を選定・確保することで、迅速な応急仮設住宅建設に対する取組を推進する。

・被災者が早期に住居を確保することができるよう、県や民間企業との連携により、公営住宅や民間賃貸住宅等の情報を迅速に把握し、既存ストックの活用を図ることができる体制整備を推進する。

 

自宅住居による生活再建の促進について

・被災した住宅や宅地の危険度判定を的確に実施するため、被災建築物応急危険度判定士や被災宅地危険度判定士の養成を推進するとともに、訓練等の実施により実施体制の整備を推進する。

・自宅居住による生活再建を促進するため、被災住宅の応急修理を適確かつ迅速にできる体制の構築を推進する。

 

罹災証明書の発行体制の整備について

・罹災証明書発行業務の迅速性と的確性の確保に向け、従事者を対象とするシステム操作研修や住家の被害認定調査業務研修を推進する。

 

重要業績指標については、次のとおりです。

建築課

応急仮設住宅建設候補地数 現状値:3箇所(404)(平成28年度)から目標値:6箇所(652)(平成33年度)

市職員のうち被災建築物応急危険度判定士数 現状値:32人(平成29年度)から目標値:現状を維持

道路維持課

市職員のうち被災宅地危険度判定士数 現状値:49人(平成29年度)から目標値:現状を維持

 

(2)施策分野ごとの施策の推進方針

14の施策分野(10の個別施策分野と4の横断的分野)ごとの推進方針(施策の策定に係る基本的な指針、長期的な施策)を以下に示します。これら14の推進方針は、8つの目標に照らして必要な対応を施策の分野ごとに分類してとりまとめたものですが、それぞれの分野間には相互依存関係があります。このため、各分野における施策の推進にあたっては、主管する部局等を明確にした上で関係する各主体において推進体制を構築してデータや工程管理を共有するなど、施策の実効性・効率性が確保できるよう十分に配慮します。

 

(2)施策分野ごとの施策の推進方針

14の施策分野(10の個別施策分野と4の横断的分野)ごとの推進方針(施策の策定に係る基本的な指針、長期的な施策)を以下に示します。これら14の推進方針は、8つの目標に照らして必要な対応を施策の分野ごとに分類してとりまとめたものですが、それぞれの分野間には相互依存関係があります。このため、各分野における施策の推進にあたっては、主管する部局等を明確にした上で関係する各主体において推進体制を構築してデータや工程管理を共有するなど、施策の実効性、効率性が確保できるよう十分に配慮します。

 

ア 個別施策分野

(1)行政機能 警察、消防等の施策の推進方針は次のとおりです。

行政機能について。

(災害対策本部の機能確保)

・災害発生時に対策の中心として機能する災害対策本部及び広域受援により来訪する応援部隊の活動拠点として防災センターを建設整備し、災害時の指揮命令系統の維持を推進する。

 

(業務継続計画の作成及び見直し)

・業務の継続と早期復旧を図るために平成253月に策定された「豊川市役所地震対策業務継続計画」を定期的に見直すことにより、職員へ計画の周知を推進する。

 

(市所管施設の機能確保)

・災害発生時には、大半の市所管施設が活動拠点や避難所として活用されることから、想定される地震や津波等に対して施設の整備、機能面の充実を推進する。

 

(公共施設等の非構造部材の耐震化等の推進)

・地震により内外壁や吊り天井等が落下しないように、公共施設等の非構造部材の落下防止対策を推進する。

 

(避難所運営体制の整備)

・主たる避難所である小中学校、高等学校、地区市民館、公民館等について、近隣に在住する職員2名ずつを避難所対策員として指定し、円滑な避難所開設、運営体制の強化を推進する。

(避難所施設の老朽化対策及び耐震化の推進)

・避難者の安全な避難所生活を確保するため、避難所に指定されている学校施設等の老朽化対策及び内外壁の落下等を防止するための非構造部材の耐震化を推進する。

 

(備蓄の推進)

・備蓄計画に基づき、必要とされる食料、飲料水等の備蓄を推進するとともに、避難所などにおける必要物資についての研究、検討を推進する。

 

(避難所用備蓄品及び救助用資機材の確保)

・主たる避難所である小中学校、高等学校に備蓄している避難所用備蓄品については、常に内容の検討、追加を行うとともに、適正な保管を推進する。

 

(災害時の広域連携の推進)

・災害発生時に広域的な応援を受けられるよう、関係機関、他の自治体との協定を締結することで災害時に物資調達がスムーズに実施できるよう体制の構築を推進する。

・災害発生時に広域的な応援を受けられるよう、自衛隊、警察、消防、テックフォース(緊急災害対策派遣隊)を始めとする応援部隊等の受け入れ拠点、緊急輸送ルートの確保などをまとめ、平成28年度に策定した「豊川市広域受援マニュアル」について、随時見直しを行うことで広域における連携を推進する。

 

(地方行政機関の機能低下の回避)

・大規模自然災害時に、復旧、復興を先導する行政職員等の施設の被災による機能の大幅な低下を回避するための体制、施設の強化を推進する。

 

(地方行政機関等の職員、施設等の被災による機能低下の回避)

・治安の悪化等を防ぐため、地方行政機関等(警察、消防を含む)の機能維持のための体制強化に係る取組を推進する。

 

(事前復旧、復興計画等の策定)

・事前復旧、復興計画等を策定し、施設整備や訓練等を行いながら復旧、復興体制の強化を推進する。

(罹災証明書の発行体制の整備)

・罹災証明書発行業務の迅速性と的確性の確保に向け、従事者を対象とするシステム操作研修や住家の被害認定調査業務研修を推進する。

 

警察・消防等について。

(災害時防犯体制の強化)

・大規模災害の発生後における住宅侵入盗などの街頭犯罪の多発を抑止するため、平常時より自主防犯団体への支援を行い、地域における防犯活動の強化を推進する。

 

(警察署等の耐震化の促進)

・警察署や交番等は、その機能が十分発揮されるよう、耐震化を推進する。

 

(消防力の強化)

・消防署所について適切な維持管理とともに、時代に合わせ積極的な機能強化を推進する。また、機能の不足や老朽化した施設については、計画的な移転、建替えを推進する。

・大規模化、複雑多様化する各種災害に対応するため、消防車両、資機材の計画的な更新を推進する。また、震災時に有効水利となる耐震性貯水槽の整備を推進する。

 

(災害対応の体制、資機材強化)

・自衛隊、警察、消防、海保等の連携による迅速な救助、救急活動等に向けた合同訓練、情報交換を推進する。

・災害発生時、対応策検討のための情報収集手段として防災ドローン航空隊を整備し、効果的な運用を推進する。

 

(救助、救急活動能力の充実、強化)

・大規模地震災害などの過酷な災害現場での救助、救急活動能力を高めるため、活動に必要な救助資機材、高度救命処置資機材等を充実させるとともに、教育、訓練の充実、強化を推進する。

・消防団、自警団組織の充実、強化を推進する。

 

(消防団の災害対応力の強化)

・地域防災力の維持、向上に必要不可欠である消防団員の入団促進や訓練の充実を推進する。

・消防団員の活動拠点である消防団詰所や消防団車両等の装備の充実、強化を推進する。

 

(不特定多数の者が利用する建築物等の防火、耐火対策)

・消防法に規定する防火対象物について防火管理者を必ず選任させ、消防計画に基づく消火、通報及び避難訓練の実施、消防用設備等の点検整備、火気の使用又は取扱いに関する指導を推進する。

・防火対象物について消防法の規定に基づく消防用設備等の完全設置を推進し、当該対象物における防火体制の強化を推進する。

・建物の防火、耐火性能を保持するため、定期的な施設及び設備の安全点検の実施を推進する。

 

(2)住宅、都市の施策の推進方針は次のとおりです。

(住宅、建築物等の耐震化)

・住宅、建築物の耐震化促進のため、耐震化の必要性の啓発、無料耐震診断や耐震改修、解体、シェルター設置の補助等による施策を推進する。

 

(家具の転倒防止及び窓ガラスの飛散防止事業の推進)

・地震動による家具の転倒や窓ガラスの飛散による死傷被害等を防ぐため、市民を対象とした家具転倒防止器具取り付け及び窓ガラス飛散防止事業を推進する。

 

(火災に強いまちづくりの推進)

・避難、延焼遮断空間の確保と狭あい道路の解消のため、土地区画整理事業等による道路、公園などの公共施設の整備を推進する。

・災害時に大きな被害が想定される密集市街地を対象に、防災対策に資する計画的な都市基盤整備を展開するとともに、地域住民が実施する防災対策に資する事業を助成することにより、市街地の防災空間の拡大を推進する。

・倒壊や火災の危険性のある空家等に対し、適正管理及び除去等を推進する。

・安全で良好な居住環境の確保と災害に強いまちづくりの実現に寄与するため、狭あい道路拡幅工事を推進する。

 

(不特定多数の者が利用する建築物等の耐震化の促進)

・不特定多数の者が利用する建築物や、防災上重要な建築物の耐震化の向上を図るため、耐震化の必要性の啓発を推進する。

 

(沿道の通行障害建築物の耐震化の促進)

・緊急輸送道路や避難路等の機能及び安全を確保するため、道路等に面する建築物の耐震診断、耐震改修の実施やブロック塀、屋外看板等の耐震対策、落下防止対策に対する所有者への指導、助言を推進する。

(応急仮設住宅、復興住宅の迅速な確保に向けた取組)

・応急仮設住宅を迅速に提供するため、あらかじめ住宅建設に適する建設用地を選定、確保することで、迅速な応急仮設住宅建設に対する取組を推進する。

・被災者が早期に住居を確保することができるよう、県や民間企業との連携により、公営住宅や民間賃貸住宅等の情報を迅速に把握し、既存ストックの活用を図ることができる体制整備を推進する。

 

(復旧、復興を担う人材等の育成)

・被災した住宅や宅地の危険度判定を的確に実施するため、被災建築物応急危険度判定士や被災宅地危険度判定士の養成を推進するとともに、訓練等の実施により実施体制の整備を推進する。

 

(自宅住居による生活再建の促進)

・自宅居住による生活再建を促進するため、被災住宅の応急修理を適確かつ迅速にできる体制の構築を推進する。

 

(避難場所、避難路の確保、整備等)

・災害の種類に応じ、その危険の及ばない場所、施設を災害対策基本法施行令に定める基準に従って指定緊急避難場所として指定し、災害の危機が切迫した場合における住民の安全な避難先の確保を推進する。

・被災した場合に避難路としての使用が見込まれる道路については、見通しの確保、安全性の向上等、避難の円滑化に必要な整備を推進する。

・避難路を確保するため、道路橋梁の耐震化、老朽化対策を推進する。

 

(津波、高潮に強い地域づくり)

・津波、高潮による浸水の危険性がある地域については、津波避難ビルの指定、確保を推進する。

・津波浸水想定区域においては、その地域の自主防災会との協働により作成した津波避難経路図を活用し、早期避難を目指した避難訓練の実施を推進する。

 

(市街地における河川、海岸施設等の強化)

・河川、海岸施設、水門、排水機場等の耐震化、老朽化対策を推進する。

・本市管理河川において、堤防背後が低い地区における河川堤防の老朽程度を把握するとともに、河川の維持水位を低下させるための河川改修を計画的に推進する。

・市街地における雨水排除を図るため、ポンプ場、下水管渠の新設又は改修を推進する。

 

(河川氾濫からの減災に係る取組の実施)

・「水防災意識社会再構築ビジョン」に基づく河川の減災に係る取組方針に沿った継続的な取組を推進する。

・河川ごとに洪水を対象とした避難勧告等の発令に着目したタイムラインを策定し、的確な発令の実施を推進する。

・河川浸水想定区域内にある要配慮者利用施設における避難確保計画の策定、避難訓練の実施を推進する。

 

(ハザードマップの作成、周知、啓発)

・水位周知河川について、最新の浸水想定区域図が公表された場合、早期に洪水ハザードマップを作成し、住民への周知、啓発を推進する。

 

(雨水対策の推進)

・市街地における雨水管、雨水浸透施設の整備を推進する。

・市民が負担して設置する雨水貯留タンク設置、浄化槽の雨水貯留施設転用、雨水浸透ますの設置への支援を推進する。

 

(ハード、ソフトを組み合わせた浸水対策の推進)

・大規模水害を未然に防ぐため、土地利用と一体となった減災対策や、洪水時の避難を円滑かつ迅速に行うための洪水ハザードマップなどの作成支援、防災情報の高度化、地域水防力の強化等のソフト対策をハード事業と組み合わせて実施することにより、より効果的な浸水対策を推進する。

 

(排水機場等の防災対策の推進)

・排水不良による浸水の長期化を防ぐため、排水機場等の耐震化を推進する。

・排水機場等は、常に施設機能の効果を発揮させる必要があるため、計画的な整備、維持管理を推進する。

 

(水道施設の老朽化対策等の推進)

・安全、安心な給水の確保のため、水道施設の老朽化対策と合わせて耐震化、液状化対策を推進する。

・被災時の給水拠点となる配水池の耐震性を強化するとともに、水道配水管において強度が低下している老朽管の更新を推進する。

(広域的な応援体制の確立)

・大規模自然災害発生時に速やかに対応するため、他都市からの給水車の受け入れなど広域的な応援体制の確立を推進する。

 

(復旧体制の強化)

・大規模自然災害発生時の上水道等の応急処置や復旧を行う要員及び資機材を確保するため、関係業者の協力体制の整備を推進する。

 

(水の安定供給体制の確保)

・大規模自然災害発生時においても安定供給が可能となる給水体制を目指し、水資源関連施設の耐震化、水源の増備といったハード対策とともに、災害発生時復旧対策の策定、関係機関の連携等ソフト対策を推進する。

・異常渇水による生活や産業への影響を最小限にするため、関係機関が連携して水利調整等の対策を推進する。

 

(下水道施設の耐震化等の推進)

・災害時の下水道施設の機能停止による公衆衛生問題や破損による交通障害の発生を防止するため、下水道施設の耐震化及び老朽化した下水道管の更新を推進する。

 

(農業集落排水施設の耐震化等の推進)

・農業集落排水施設の耐震性や老朽化状況等の診断を実施し、これに基づく耐震化対策、老朽化対策等を推進する。

 

(3)保健医療、福祉

(災害時の医療機能の確保、充実)

・大規模災害発生時には、市内を4ブロックに分けたエリアで、基幹病院を中心に既設の医療機関において歯科医師会、薬剤師会とともに応急救護活動を実施することから、平時から医師会、歯科医師会、薬剤師会と地域防災会議や防災訓練などを通じた連携強化を推進する。

・ディーマット(災害時派遣医療チーム)の運用を行う「東三河南部医療圏災害医療対策会議」を所管する豊川保健所と、大規模災害時の医師などの派遣について会議を通じた連携強化を推進する。

 

(資機材の整備)

・災害発生時の生活環境の悪化、被災者の抵抗力の低下等による感染症等の発生を抑えるため、感染症に関する資機材の整備を推進する。

 

(豊川市民病院の防災、減災機能の強化)

・災害時拠点病院である豊川市民病院は、災害時には多くの患者を受け入れることとなるため、大規模地震を想定したトリアージ(負傷者選別)訓練などの実施により、迅速な対応ができる体制作りを推進する。

・豊川市民病院の災害用備蓄水が1日から2日分と限りがあるため、地下水利用システムの導入など備蓄水の確保を推進する。

 

(要配慮者等への支援体制の整備)

・避難所における長期避難生活が困難となる高齢者や障害者などの要配慮者が二次的に避難する場所を確保するため、社会福祉施設などとの福祉避難所に関する協定の締結を推進する。

・災害時において避難行動要支援者の安否確認や避難誘導が円滑に行えるよう、日頃から避難行動要支援者の把握に努めるとともに、災害時要援護者の登録制度の普及・啓発活動を推進する。

・コミュニケーション支援ボードを各避難所に整備し、高齢者や障害者、外国人の避難所生活支援を推進する。

 

(備蓄の推進)

・災害時要援護者の受け入れに関する協定を締結した社会福祉施設等に受け入れに必要な資材等の整備、充実を推進する。

 

(災害ボランティアの円滑な受け入れ、活動体制の構築)

・災害時、被災者の様々なニーズを手助けするボランティアを受け入れるボランティアセンターの運営を担う防災ボランティアコーディネーターの養成を推進する。

・ボランティアを受け入れるボランティアセンターの体制の整備を推進する。

 

(4)エネルギーの施策の推進方針は次のとおりです。

(災害時における燃料の確保)

・災害対策本部のある市役所、災害拠点病院である豊川市民病院や医療機関において機能確保のために必要とする非常用発電設備用の石油燃料を確保するため、豊川石油業協同組合との協定に基づく供給方法の調整、情報伝達訓練を推進する。

・消防、救急車両及び公用車の燃料確保のため、「豊川市広域受援マニュアル」における臨時給油所設置のための資機材等の整備を推進する。

 

(燃料供給ルートの確保に向けた体制整備)

・エネルギー供給の長期途絶を回避するため、各ライフライン機関における施設の耐震対策、津波対策を推進する。

・各ライフライン機関との防災訓練や協定締結により、連携強化を推進する。

・燃料供給ルートを確実に確保するため、緊急輸送道路などの整備を推進する。

 

(災害時における電力の確保)

・市役所や消防署等において、電力確保対策のため非常用発電設備の強化を推進する。

 

(ライフラインの災害対応力強化)

・電力の長期供給停止を発生させないため、電気設備の自然災害に対する耐性評価等の結果に基づき、発変電所、送電線綱や電力システムの災害対応力強化及び復旧の迅速化を推進する。

・災害に備え、耐震性に優れたガス管への取替えを計画的に促進するとともに、道路管理者との間で災害情報を共有するなどの連携強化を推進する。

・災害発生時におけるライフライン機能の維持、確保や早期復旧を図るため、電気、ガス等ライフライン関係機関との協力体制の構築を推進する。

 

(自立、分散型エネルギーの導入の促進)

・災害時のエネルギー供給を確保するための取組を進めるとともに、エネルギー供給源を多様化するため、太陽光発電などの再生可能エネルギー等の自立、分散型エネルギーの導入を推進する。

 

(5)情報通信の施策の推進方針は次のとおりです。

(市民への確実な情報の伝達等)

・情報伝達の不備等による避難行動の遅れを出さないよう、同報系防災行政無線及び移動系防災行政無線の更新を計画的に推進する。

・川の増水やはん濫、道路の冠水等に対する水防活動の判断や住民の避難行動の参考となるよう、河川監視カメラの整備を推進する。

 

(情報通信機能の耐災害性の強化、高度化)

・電力の供給停止等により、情報通信が麻痺、長期停止した場合でも、災害情報を市民へ情報伝達できるよう、情報通信機能の複線化等、情報システムや通信手段の強化、高度化を推進する。

・災害時に住民へ確実かつ円滑に情報伝達するため、また電波法改正に対応するため、現在の同報系防災行政無線及び移動系防災行政無線の更新を推進する。

 

(専用通信における事前予防対策)

・通信機能を確保するため、衛星通信回線の設定、通信ルートの多重化を推進する。

 

(情報提供手段の多様化)

・市民に警報等の災害情報が確実に伝わるよう、関係事業者の協力を得て、防災行政無線、携帯電話(緊急速報メール機能を含む)、ホームページ、SNS等を用いた伝達手段の多重化、多様化を推進する。

・観光地や防災拠点等において、災害時にも有効に機能する無料公衆無線ランの整備を推進する。

・災害情報伝達手段のひとつとして「とよかわ安心メール」の登録を推進する。

 

(適時、適切、確実な情報の発信)

・避難準備、高齢者等避難開始を始めとした避難情報の発令については、住民に対して適切かつ確実に情報を提供し、また、要配慮者に対しても情報が確実に伝達される適切な措置を推進する。

 

(効果的な教育、啓発の推進)

・とよかわ安心メール、広報とよかわ、SNS、ホームページ等を活用した広報活動により、災害発生時の早期避難などについて住民の意識啓発を推進する。

 

(災害情報の収集体制の強化)

・各種観測データを活用することにより、被害情報の早期把握、復旧計画の速やかな立案等、災害情報の収集体制の強化を推進する。

 

(風評被害を防止する的確な情報発信のための体制強化)

・災害発生時において、風評被害等に対応するため、的確な情報発信のための体制強化を推進する。

 

(6)産業、経済の施策の推進方針は次のとおりです。

(企業防災力の強化)

・企業の防災意識の向上を図るとともに、企業の防災力を向上させるため、事業所における防災訓練、消防訓練の充実、強化を推進する。

・企業を地域コミュニティの一員としてとらえ、地域で行われる防災訓練等への積極的な参加を推進する。

・企業等に対して、従業員等を一定期間事業所内に留めておくことができるよう、必要な物資の備蓄等について、企業による防災訓練などで啓発する。また、落下防止、火災の防止、薬液漏洩防止、危険区域の立入禁止等、自社拠点における二次災害防止のための安全対策の実施を推進する。

 

(企業BCP策定の促進等)

・市内企業の事業継続や早期復旧を可能とするため、企業BCP策定に関する情報提供や周知、啓発を推進する。

 

(企業の情報交換の推進)

・主に市内企業を対象とした情報交換会を開催し、防災情報を発信することで、企業の防災意識の向上を推進する。

 

(避難場所、避難路の確保、整備等)

・御津2区臨海工業用地で操業している企業の従業員や、公園等を訪れている市民等を津波や高潮から守るため避難用高台整備を推進する。

 

(高潮対策の検討)

・御津1区、2区臨海工業用地が浸水した場合、甚大な被害の発生が懸念される。この地域の産業、経済を守るため、更なる高潮対策の検討を推進する。

 

(御津臨海部における防災対策の推進)

・御津1区、2区臨海工業用地に進出している企業で組織された「御津臨海企業懇話会」が行う、地震及び津波等に対応するための防災訓練及び防災研修会の実施を推進する。

 

(7)交通、物流の施策の推進方針は次のとおりです。

(物資輸送ルートの確保、道路等の災害対策の推進、基幹的交通ネットワークの確保)

・物資輸送ルートを確実に確保するため、緊急輸送道路や幹線道路ネットワークの整備を推進する。

・緊急輸送道路等における重要な橋梁について橋梁本体の耐震補強を推進する。

・陸上輸送の寸断に備え、三河港において、耐震強化岸壁の確保や防波堤の強化など、港湾における地震津波対策を着実に推進するとともに、道路啓開や航路啓開など交通ネットワークの復旧に向けた取組等を推進する。

・災害時の海上物流機能を確保するため、三河港において岸壁の耐震強化等により、海上、陸上物流の連携したネットワークを構築しているが、大規模災害時においても陸、海の基幹的交通ネットワークを機能停止に陥らせない対策を推進する。

・迅速な輸送道路啓開に向けて、「豊川市広域受援マニュアル」に掲載されている緊急輸送ルートの情報共有、道路啓開に必要な体制整備を推進する。

 

(物流ネットワークの整備)

・物流インフラの災害対応の強化に向けて、道路、港湾等の耐震対策等を推進するとともに、輸送モード相互の連携や産業競争力の強化の視点を兼ね備えた物流ネットワークの構築を推進する。

 

(三河港の業務継続力の強化)

・伊勢湾内の広域連携により緊急物資輸送や港湾物流機能の早期回復の実現を目的として、平成282月に策定された伊勢湾BCP及び緊急確保航路等航路啓開計画について、今後、伊勢湾BCP協議会において、防災訓練を踏まえた見直しを推進する。

・災害発生後でも一定の港湾機能を維持しつつ、三河港全体の物流機能の早期回復を図り、津波、高潮からの確実な避難を図るため策定した三河港BCPについて、今後、学習、訓練を定期的に実施し、継続的な改善を推進する。

 

(迅速な輸送道路啓開に向けた体制整備)

・迅速な輸送道路啓開に向けて、「豊川市広域受援マニュアル」に掲載されている緊急輸送ルートの情報共有、道路啓開に必要な体制整備を推進する。

・大規模自然災害発生時に、道路上の放置車両や立ち往生車両によって救助活動、緊急物資輸送等災害応急対策に支障が生じることが懸念されるため、道路管理者や警察等が連携して、放置車両などの移動を行うなど、緊急車両等通行ルートの早期啓開体制の整備を推進する。

・南海トラフ地震対策中部圏戦略会議が策定、公表している「中部版くしの歯作戦」について、関係機関の役割を具体化し、計画の実効性向上を推進する。

 

(道路ネットワークの迅速な再開に向けた体制の整備)

・大規模地震発災後、ETC2.0プローブ情報や民間プローブ情報の活用により交通情報を的確に把握するとともに、迅速な輸送経路啓開に向けて、関係機関の連携等により装備資機材の充実、情報収集、共有、情報提供、継続的な訓練、事業継続計画(BCP)の策定など必要な体制整備を推進する。

 

(幹線交通分断に伴うリスクの想定及び対策の推進)

・地震や津波、洪水、高潮等の浸水想定を踏まえ、幹線道路が分断するリスクの想定とともに対策の検討を推進する。

 

(基幹インフラ復旧等の大幅な遅れへの対応)

・基幹インフラの広域的な損壊により復旧、復興が大幅に遅れる事態を想定した対策について、関係機関と連携を図りながら総合的な取組を推進する。

 

(代替輸送手段の確保)

・大規模災害発生時において、遠距離を移動する必要がある帰宅困難者の帰宅支援のため、鉄道不通時の代替輸送手段の確保等について、公共交通事業者との検討を推進する。

 

(帰宅困難者等支援対策の推進)

・帰宅困難者対策は、行政、事業所、学校など多岐にわたる分野に課題が及ぶことから、大規模災害発生時における従業員や児童、生徒の保護についての啓発を推進する。

・電車不通により発生する帰宅困難者に対する支援策として、市内主要駅周辺へ帰宅困難者用防災倉庫を設置し、食料、飲料水、徒歩帰宅支援マップなどの備蓄品配備を推進する。

 

(物資調達体制の強化、受援体制の構築)

・「豊川市広域受援マニュアル」に基づき、被災者に物資を確実かつ迅速に届けられるよう、物資の要請体制、調達体制、輸送体制等、供給の仕組みの整備を推進する。

 

(御津臨海部の整備)

・御津1区と2区をつなぐ臨港道路東三河臨海線の事業化を推進する。

 

(8)農林水産の施策の推進方針は次のとおりです。

(農林水産業に係る生産基盤等の災害対応力の強化)

・農林水産業に係る生産基盤等の災害対応力強化のため、農業水利施設の耐震化、老朽化対策等のハード対策と、地域コミュニティと連携した施設の保全、管理や施設管理者の体制整備等のソフト対策を組み合わせた対策を推進する。

 

(農地や農業水利施設等の保全、管理と体制整備)

・地域の主体性、協働力を活かした農地、農業水利施設等の地域資源の適切な保全、管理や自立的な防災、復旧活動の体制整備を推進する。

 

(農業用ため池の安全性の向上)

・周辺住民の生命、財産を守るため、農業用ため池や調整池について老朽化対策や地震対策を推進する。

・農業用ため池について、地震や集中豪雨などにより堤体が決壊した場合の被害を周知し、周辺住民の防災意識の向上を図るため、ハザードマップの作成、配布の実施を推進する。

 

(食料の確保)

・市民の生活を確保するため、食料等の計画的な備蓄を行うとともに、事業者等との協定締結により食料等の確保を推進する。

 

(9)環境の施策の推進方針は次のとおりです。

(災害廃棄物処理計画の推進)

・豊川市災害廃棄物処理計画の実行性を高めるため、教育、訓練による人材育成等を行い、災害廃棄物処理体制の充実を推進する。

 

(災害時の廃棄物の処理体制の整備)

・豊川市災害廃棄物処理計画に基づき、し尿等の処理を適正かつ円滑に実施できる体制整備を推進する。

 

(廃棄物処理施設の災害対応力の強化)

・老朽化したごみ焼却施設の計画的な改修を推進する。

・廃棄物処理施設の災害対応力の強化として、廃棄物の広域的な処理体制の整備を推進する。

 

(マンホールトイレの整備)

・大規模地震における避難所のトイレ不足に対応するため、避難所に指定されている小中学校に災害用マンホールトイレの整備を推進する。

 

(漂流物防災対策の推進)

・災害時、コンテナ、船舶、石油タンク等が流出し、二次災害が発生するおそれがあるため、漂流物防止対策を推進する。

 

(有害物質の漏えい等の防止対策の推進)

・有害物質の大規模拡散、流出等による健康被害や環境への悪影響を防止するため、企業における化学物質の管理方法や事故発生時の対応計画策定等の事前対策の強化に対する啓発や、大規模な出火や有害物資の流出した際の周知体制の強化を推進する。

 

10)土地利用及び地域保全の施策の推進方針は次のとおりです。

(河川、海岸施設の強化)

・津波、高潮による浸水を防ぐため、地盤沈下及び老朽化した堤防護岸の補強、堤防高の低い箇所の嵩上げを推進する。

・河川の河口部や海岸にある水門等については、地震発生時においても操作が可能となるよう、耐震補強、耐震対策を推進する。また、地震後の地域の排水機能を確保するため、排水機場等の耐震対策を推進する。

 

(土砂災害対策の推進)

・台風や集中豪雨等による土砂災害に対し、人的被害を防止するため土石流対策施設、急傾斜地崩壊防止施設、地すべり防止施設といった土砂災害防止施設の整備を着実に推進する。

・土砂災害警戒区域の指定がなされた地区について、土砂災害の危険性や避難の重要性についての周知を図るため、土砂災害ハザードマップの作成、配布の実施を推進する。

・土砂災害の危険性や避難の重要性について周知を図るため、住民説明会の開催や土砂災害を想定した避難訓練を実施し、住民の防災意識向上を推進する。

・土砂災害警戒区域内にある要配慮者利用施設における避難確保計画の策定、避難訓練の実施を推進する。

 

(治山対策の推進)

・市街地等の周辺にある保安林の機能を高度に発揮させ、山地災害の防止等と併せて生活環境を保全・形成するため、森林の造成改良整備等を推進する。

 

(森林の整備、保全)

・森林が有する多面的機能を発揮するため、間伐等の適切な森林整備や治山対策など、効果的、効率的な手法による災害に強い森林づくりを推進する。

・地域コミュニティ等との連携を図りつつ、森林の保全活動や環境教育を推進する。

 

(効果的な教育、啓発の推進)

・住民が的確な避難行動を取ることができるようにするため、避難地、避難所、災害危険地域等を明示した防災マップ、洪水時の浸水想定区域及び浸水深を示した洪水ハザードマップを作成、配布することで、住民への意識啓発を推進する。

 

イ 横断的分野

(1)リスクコミュニケーションの施策の推進方針は次のとおりです。

(地域コミュニティ力の強化に向けた支援)

・地域コミュニティである町内会や自主防災会の大規模災害発生時の対応力を向上させるため、防災訓練、教育、防災リーダーの養成などの支援を推進する。

 

(避難所運営体制の整備)

・地域が主体的に避難所の運営管理ができるよう避難所運営マニュアルの活用、周知を推進する。

・町内会や自主防災会等と避難所運営に関する訓練を通し、地域が主体的に避難所の管理運営が行えるよう意識啓発を推進する。

 

(避難所用備蓄品及び救助用資機材の確保)

・各自主防災会が整備する災害対応用備蓄品や資機材について、その購入支援を行うことで地域における備蓄品や資機材の確保を推進する。

 

(地域防災力、企業防災力の強化)

・地域防災力を向上させるため、校区、自主防災会等による防災訓練、初期消火訓練等の充実、強化を推進する。

・防災リーダー養成講座、防災リーダーフォローアップ研修の実施により、地域防災力の向上を推進する。

・企業の防災意識の向上を図るとともに、企業の防災力を向上させるため、事業所における防災訓練、消防訓練の充実、強化を推進する。

・企業を地域コミュニティの一員としてとらえ、地域で行われる防災訓練等への積極的な参加を推進する。

 

(御津臨海部における防災対策の推進)

・御津1区、2区工業用地に進出している企業で組織された「御津臨海企業懇話会」が行う、地震及び津波等に対応するための防災訓練及び防災研修会の実施を推進する。

 

(要配慮者等への支援体制の整備)

・コミュニケーション支援ボードを各避難所に整備し、高齢者や障害者の避難所生活支援を推進する。

(効果的な教育、啓発の推進)

・とよかわ安心メール、広報とよかわ、SNS、ホームページ等を活用した広報活動により、災害発生時の早期避難などについて住民の意識啓発を推進する。

・災害に対する知識と的確な避難行動の知識を教育、啓発するため、全中学1年生に対する防災教育を推進する。

 

(備蓄の推進)

・防災訓練、防災講話、防災教育での啓発により、各家庭における備蓄を推進する。

 

(帰宅困難者等支援対策の推進)

・帰宅困難者対策は、行政、事業所、学校など多岐にわたる分野に課題が及ぶことから、大規模災害発生時における従業員や児童、生徒の保護についての啓発を推進する。

 

(災害時防犯体制の強化)

・大規模災害の発生後における住宅侵入盗などの街頭犯罪の多発を抑止するため、平常時より自主防犯団体への支援を行い、地域における防犯活動の強化を推進する。

 

(風評被害を防止する的確な情報発信のための体制強化)

・災害発生時において、風評被害等に対応するため、的確な情報発信のための体制強化を推進する。

 

(災害ボランティアの円滑な受け入れ、活動体制の構築)

・災害時、被災者の様々なニーズを手助けするボランティアを受け入れるボランティアセンターの運営を担う防災ボランティアコーディネーターの養成を推進する。

・ボランティアを受け入れるボランティアセンターの体制の整備を推進する。

(津波、高潮に強い地域づくり)

・津波浸水想定区域においては、その地域の自主防災会との協働により作成した津波避難経路図を活用し、早期避難を目指した避難訓練の実施を推進する。

(河川氾濫からの減災に係る取組の実施)

・「水防災意識社会再構築ビジョン」に基づく河川の減災に係る取組方針に沿った継続的な取組を推進する。

 

(ハード、ソフトを組み合わせた浸水対策の推進)

・大規模水害を未然に防ぐため、土地利用と一体となった減災対策や、洪水時の避難を円滑かつ迅速に行うための洪水ハザードマップなどの作成支援、防災情報の高度化、地域水防力の強化等のソフト対策をハード事業と組み合わせて実施することにより、より効果的な浸水対策を推進する。

 

(土砂災害対策の推進)

・土砂災害の危険性や避難の重要性について周知を図るため、住民説明会の開催や土砂災害を想定した避難訓練を実施し、住民の防災意識向上を推進する。

 

(2)老朽化対策の施策の推進方針は次のとおりです。

(避難所施設の老朽化対策及び耐震化の推進)

・避難者の安全な避難所生活を確保するため、避難所に指定されている学校施設等の老朽化対策及び内外壁の落下等を防止するための非構造部材の耐震化を推進する。

 

(河川、海岸施設の強化)

・津波、高潮による浸水を防ぐため、地盤沈下及び老朽化した堤防護岸の補強、堤防高の低い箇所の嵩上げを推進する。

 

(市街地における河川、海岸施設等の強化)

・河川、海岸施設、水門、排水機場等の耐震化、老朽化対策を推進する。

・本市管理河川において、堤防背後が低い地区における河川堤防の老朽程度を把握するとともに、河川の維持水位を低下させるための河川改修を計画的に推進する。

・市街地における雨水排除を図るため、ポンプ場、下水管渠の新設又は改修を推進する。

 

(水道施設の老朽化対策等の推進)

・安全、安心な給水の確保のため、水道施設の老朽化対策と合わせて耐震化、液状化対策を推進する。

・被災時の給水拠点となる配水池の耐震性を強化するとともに、水道配水管において強度が低下している老朽管の更新を推進する。

 

(下水道施設の耐震化等の推進)

・災害時の下水道施設の機能停止による公衆衛生問題や破損による交通障害の発生を防止するため、下水道施設の耐震化及び老朽化した下水道管の更新を推進する。

 

(農業集落排水施設の耐震化等の推進)

・農業集落排水施設の耐震性や老朽化状況等の診断を実施し、これに基づく耐震化対策、老朽化対策等を推進する。

 

(農林水産業に係る生産基盤等の災害対応力の強化)

・農林水産業に係る生産基盤等の災害対応力強化のため、農業水利施設の耐震化、老朽化対策等のハード対策と、地域コミュニティと連携した施設の保全、管理や施設管理者の体制整備等のソフト対策を組み合わせた対策を推進する。

 

(廃棄物処理施設の災害対応力の強化)

・老朽化したごみ焼却施設の計画的な改修を推進する。

 

(3)産学官民、広域連携の施策の推進方針は次のとおりです。

(ライフラインの災害対応力強化)

・災害発生時におけるライフライン機能の維持、確保や早期復旧を図るため、電気、ガス等ライフライン関係機関との協力体制の構築を推進する。

 

(復旧体制の強化)

・大規模自然災害発生時の上水道等の応急処置や復旧を行う要員及び資機材を確保するため、関係業者の協力体制の整備を推進する。

 

(迅速な輸送道路啓開に向けた体制整備)

・南海トラフ地震対策中部圏戦略会議が策定、公表している「中部版くしの歯作戦」について、関係機関の役割を具体化し、計画の実効性向上を推進する。

 

(災害時の広域連携の推進)

・災害発生時に広域的な応援を受けられるよう、関係機関、他の自治体との協定を締結することで災害時に物資調達がスムーズに実施できるよう体制の構築を推進する。

・災害発生時に広域的な応援を受けられるよう、自衛隊、警察、消防を始めとする応援部隊等の受け入れ拠点、緊急輸送ルートの確保などをまとめ、平成28年度に策定した「豊川市広域受援マニュアル」について、随時見直しを行うことで広域における連携を推進する。

 

(広域的な応援体制の確立)

・大規模自然災害発生時に速やかに対応するため、他都市からの給水車の受け入れなど広域的な応援体制の確立を推進する。

 

(廃棄物処理施設の災害対応力の強化)

・廃棄物処理施設の災害対応力の強化として、廃棄物の広域的な処理体制の整備を推進する。

 

(災害時の廃棄物の処理体制の整備)

・豊川市災害廃棄物処理計画に基づき、し尿等の処理を適正かつ円滑に実施できる体制整備を推進する。

 

(4)将来的課題の施策の推進方針は次のとおりです。

(迅速な輸送道路啓開に向けた体制整備)

・迅速な輸送道路啓開に向けて、「豊川市広域受援マニュアル」に掲載されている緊急輸送ルートの情報共有、道路啓開に必要な体制整備を推進する。

・大規模自然災害発生時に、道路上の放置車両や立ち往生車両によって救助活動、緊急物資輸送等災害応急対策に支障が生じることが懸念されるため、道路管理者や警察等が連携して、放置車両などの移動を行うなど、緊急車両等通行ルートの早期啓開体制の整備を推進する。

・南海トラフ地震対策中部圏戦略会議が策定、公表している「中部版くしの歯作戦」について、関係機関の役割を具体化し、計画の実効性向上を推進する。

 

(沿道の通行障害建築物の耐震化の促進)

・緊急輸送道路や避難路等の機能及び安全を確保するため、道路等に面する建築物の耐震診断、耐震改修の実施やブロック塀、屋外看板等の耐震対策、落下防止対策に対する所有者への指導、助言を推進する。

 

(幹線交通分断に伴うリスクの想定及び対策の推進)

・地震や津波、洪水、高潮等の浸水想定を踏まえ、幹線道路が分断するリスクの想定とともに対策の検討を推進する。

 

(基幹インフラ復旧等の大幅な遅れへの対応)

・基幹インフラの広域的な損壊により復旧、復興が大幅に遅れる事態を想定した対策について、関係機関と連携を図りながら総合的な取組を推進する。

 

(ライフラインの災害対応力強化)

・災害発生時におけるライフライン機能の維持、確保や早期復旧を図るため、電気、ガス等ライフライン関係機関との協力体制の構築を推進する。

 

(土砂災害対策の推進)

・土砂災害警戒区域内にある要配慮者利用施設における避難確保計画の策定、避難訓練の実施を推進する。

 

(河川、海岸施設の強化)

・津波、高潮による浸水を防ぐため、地盤沈下及び老朽化した堤防護岸の補強、堤防高の低い箇所の嵩上げを推進する。

 

(高潮対策の検討)

・御津1区、2区臨海工業用地が浸水した場合、甚大な被害の発生が懸念される。この地域の産業、経済を守るため、更なる高潮対策の検討を推進する。

 

(御津臨海部の整備)

・御津1区と2区をつなぐ臨港道路東三河臨海線の事業化を推進する。

 

(漂流物防災対策の推進)

・災害時、コンテナ、船舶、石油タンク等が流出し、二次災害が発生するおそれがあるため、漂流物防止対策を推進する。

 

(水道施設の老朽化対策等の推進)

・被災時の給水拠点となる配水池の耐震性を強化するとともに、水道配水管において強度が低下している老朽管の更新を推進する。

 

(下水道施設の耐震化等の推進)

・災害時の下水道施設の機能停止による公衆衛生問題や破損による交通障害の発生を防止するため、下水道施設の耐震化及び老朽化した下水道管の更新を推進する。

 

(農業集落排水施設の耐震化等の推進)

・農業集落排水施設の耐震性や老朽化状況等の診断を実施し、これに基づく耐震化対策、老朽化対策等を推進する。

 

(火災に強いまちづくりの推進)

・災害時に大きな被害が想定される木造密集市街地を対象に、老朽化建築物等の除去や道路拡幅、公園整備等の防災対策に資する計画的な都市基盤整備を展開し、市街地の防災空間の拡大を推進する。

・倒壊や火災の危険性のある空家等に対し、適正管理及び除去等を推進する。

 

(応急仮設住宅、復興住宅の迅速な確保に向けた取組)

・被災者が早期に住居を確保することができるよう、県や民間企業との連携により、公営住宅や民間賃貸住宅等の情報を迅速に把握し、既存ストックの活用を図ることができる体制整備を推進する。

 

(公共施設等の非構造部材の耐震化等の推進)

・地震により内外壁や吊り天井等が落下しないように、公共施設等の非構造部材の落下防止対策を推進する。

 

(消防力の強化)

・消防署所について適切な維持管理とともに、時代に合わせ積極的な機能強化を推進する。また、機能の不足や老朽化した施設については、計画的な移転、建替えを推進する。

 

(避難場所、避難路の確保、整備等)

・災害の種類に応じ、その危険の及ばない場所、施設を災害対策基本法施行令に定める基準に従って指定緊急避難場所として指定し、災害の危機が切迫した場合における住民の安全な避難先の確保を推進する。

 

(避難所運営体制の整備)

・町内会や自主防災会等と避難所運営に関する訓練を通し、地域が主体的に避難所の管理運営が行えるよう意識啓発を推進する。

 

(要配慮者等への支援体制の整備)

・災害時において避難行動要支援者の安否確認や避難誘導が円滑に行えるよう、日頃から避難行動要支援者の把握に努めるとともに、災害時要援護者の登録制度の普及・啓発活動を推進する。

 

(物資調達体制の強化、受援体制の構築)

・「豊川市広域受援マニュアル」に基づき、被災者に物資を確実かつ迅速に届けられるよう、物資の要請体制、調達体制、輸送体制等、供給の仕組みの整備を推進する。

 

(災害時の広域連携の推進)

・災害発生時に広域的な応援を受けられるよう、関係機関、他の自治体との協定を締結することで災害時に物資調達がスムーズに実施できるよう体制の構築を推進する。

 

(事前復旧、復興計画等の策定)

・事前復旧、復興計画等を策定し、施設整備や訓練等を行いながら復旧、復興体制の強化を推進する。

 

(専用通信における事前予防対策)

・通信機能を確保するため、衛星通信回線の設定、通信ルートの多重化を推進する。

 

(情報提供手段の多様化)

・観光地や防災拠点等において、災害時にも有効に機能する無料公衆無線ランの整備を推進する。

 

(企業BCP策定の促進等)

・市内企業の事業継続や早期復旧を可能とするため、企業BCP策定に関する情報提供や周知、啓発を推進する。

 

(災害廃棄物処理計画の推進)

・豊川市災害廃棄物処理計画の実行性を高めるため、教育、訓練による人材育成等を行い、災害廃棄物処理体制の充実を推進する。

 

(罹災証明書の発行体制の整備)

・罹災証明書発行業務の迅速性と的確性の確保に向け、従事者を対象とするシステム操作研修や住家の被害認定調査業務研修を推進する。

 

第5章 計画推進の方策

豊川市の強靱化を着実に推進するため、PDCAサイクルを通じて、本計画の不断の点検・改善を行います。

 

1 計画の推進体制

本計画の推進にあたっては、豊川市防災会議及び豊川市地域強靱化計画 検討会議の参加機関をベースに、全庁的な体制のもと、国、県、関係機関等の関係者による取組を進めます。また、各分野の有識者や関係者による意見、助言を受ける場を設け、個別分野ごとの強靱化の取組の進捗状況のフォローアップや、関係者どうしの連携を図っていきます。

 

2 計画の進捗管理

本計画で位置づけた施策の推進方針に対して、市は進捗状況を毎年度可能な限り定量化して把握し、フォローアップを確実に進めます。

なお、重要業績指標の進捗管理については、「豊川市地震対策アクションプラン」など、個別のアクションプランの中で数値を把握しつつ、個別施策の実効性を高めていきます。

 

3 計画の見直し等

本計画については、施策の進捗状況や社会経済情勢の変化等を考慮し、概ね5年毎に本計画全体を見直すこととします。また、地域活性化、地域創生との連携など、国や県の強靱化施策等の動向を踏まえるとともに、社会情勢の変化により新たに実施すべき事業が出てきた場合なども、推進すべき施策を中心に適宜、本計画を見直すこととします。

さらに、見直しにあたっては、関係する他の計画等における見直しの状況等を考慮するとともに、見直し後の本計画を指針として他の計画等に適切に反映させるなど、本計画と関係するその他の計画との、双方向の連携を考慮します。

 

以下は用語説明です

 

あ行

 愛知県東海地震、東南海地震、南海地震等被害予測調査

 南海トラフで繰り返し発生する大規模な海溝型地震について、東日本大震災を教訓として、これまでの地震被害予測調査を最新の知見に基づいて見直し、今後の防災、減災対策の効果的な推進に資することを目的に実施したもの。平成265月、愛知県防災会議において調査結果を公表した。

 

アンブレラ計画

その計画が、傘(アンブレラ)のように、既存の様々な関連計画の内容を包含し、それらの上位指針となっているもの。最上位計画。

 

 ETC2.0プローブ情報

  全国の高速道路上および直轄国道上に設置されたETC2.0プローブ情報を収集可能な路側機と、車両に設置されたETC2.0対応車載器との相互通信により収集した、道路上を走るそれぞれの自動車の位置や速度などの情報を用いた、渋滞や混雑等に関する交通情報。

 

 伊勢湾BCP

  南海トラフ地震等の大規模・広域災害に対して、伊勢湾内の広域連携により緊急物資輸送や港湾物流機能の早期回復を実現することを目的として、平成282月に伊勢湾BCP協議会において策定されたもの。伊勢湾の広域連携体制の構築と、広域連携課題への対応及び港湾物流機能に関わる関係間の情報共有について、基本的な考え方と各関係機関の役割等を定めている。

 

 移動系防災行政無線

  車載型や携帯型の移動局と市役所(災害対策本部)等との間で通信を行うもので、主として行政機関内の通信手段となる。本市は、263局(基地局及び中継局を含む)の無線局を配備している。

 

液状化現象

地震の際に、地下水位の高い砂地盤が振動により液体状になる現象。

 

SNS

  ソーシャル、ネットワーキング、サービスの略で、インターネット上でコミュニティを作り、人間関係の構築を促進するサービスのこと。フェイスブック、ライン、ツイッターなど様々なサービスがある。

 

応急仮設住宅

地震や水害、土砂災害といった自然災害などにより、居住できる住家を失い、自らの資金では住宅を新たに得ることができない人に対し、行政が貸与する仮の住宅。

 

か行

 街頭犯罪

  主に街頭にて発生する犯罪の総称。

 車上狙い、自転車、自動車盗、スリ、ひったくり等をいう。

 

帰宅困難者

勤務先や外出先等において地震などの自然災害に遭遇し、自宅への帰還が困難になった人々。

 

 狭あい道路

  幅員4メートル未満で、建築基準法(昭和25年法律第201号)第42条第2項の規定により同条第1項の道路とみなされるもの又はこれに準ずるものとして特定行政庁に指定された道路。

 

業務継続計画

災害時に人、物、情報等利用できる資源に制約がある状況下において、優先的に実施すべき業務(非常時優先業務)を特定するとともに、業務の執行体制や対応手順、継続に必要な資源の確保等をあらかじめ定めた計画。「事業継続計画」、「BCP(ビジネスコンティニュティプランの略)」ともいう。本市では、平成253月に「豊川市役所地震対策業務継続計画(想定:南海トラフ地震編)」を策定(平成293月改定)。

 

 緊急確保航路等航路啓開計画

  大規模災害時に緊急確保航路、開発保全航路の啓開を迅速に実施することを目的として、平成282月、伊勢湾BCP協議会において、広域連携による航路啓開作業を具体的に定めた行動計画。国土交通省中部地方整備局が主体となって実施する被害状況調査、深浅測量、浮遊物、障害物除去作業等の作業計画や応急公用負担権限等の行使手続きを整理したもの。

 

緊急輸送道路

  大規模な地震等の災害が発生した場合、救命活動や物資輸送を円滑に行うために、国、県、市町村などが事前に指定する道路。

 

広域受援

  大規模災害が発生した際に、県内外等、被災地以外からの応援部隊や救援物資等を受けること。円滑かつ迅速に受け入れることができるよう、あらかじめ広域受援計画やマニュアル等を定め、受援体制を構築しておくことが必要である。本市では、平成2812月に「豊川市広域受援マニュアル」を策定。

 

 洪水ハザードマップ

  大雨や洪水による被害から市民が避難する際の参考となる情報をまとめたもの。豊川や佐奈川、音羽川など、市内の主要な河川が大雨により氾濫した場合の浸水する範囲や深さの予想、避難場所などを示している。

 

 洪積台地

  洪積層から成る平坦な堆積面が開析されて台地化したもの。河川、海成、火砕流の堆積物などから成り、現河床からの比高は大部分のものが100メートルをこえない。

 

 高度救命処置資機材

  救助活動を行う際に用いられる装備資機材の総称で、心電計、自動体外式除細動器、血中酸素飽和度測定器、気道確保用資機材などをいう。

 

護岸

  海岸、河岸などで、水流や波浪の浸食被害を防ぐために、地盤の表面や堤防の法面を覆って保護する構造物。

 

 国土強靱化基本計画

  国土強靱化基本法第10条に基づき、国土強靱化に関する国の他の計画等の指針となるよう策定された計画。平成266月策定。

 

 国土強靱化基本法

  「強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災、減災等に資する国土強靱化基本法」の略称。国民の生命と財産を守るため、事前防災、減災の考え方に基づき、強くしなやかな国をつくる「国土強靱化」の総合的、計画的な実施を目的とする法律。平成2512月に公布、施行。

 

コミュニケーション支援ボード

 障害者、外国人などが避難所で過ごすときに、支援ボードの文字や絵を指さすことで、情報を伝えやすくするもの。本市では、95か所の全避難所、20か所の全福祉避難所に配置。日本語だけでなく、外国語(英語、中国語、ポルトガル語)にも対応している。

 

さ行

 災害対策基本法

 国土ならびに国民の生命、身体及び財産を災害から保護するため、防災に関し、国、地方公共団体及びその他の公共機関を通じて必要な体制を確立し、責任の所在を明確にするとともに、防災計画の作成、災害予防、災害応急対策、災害復旧及び防災に関する財政金融措置、その他必要な災害対策の基本を定める法律。昭和34年に大きな被害をもたらした伊勢湾台風を契機として制定された。昭和36年法律第223号)

 

 災害廃棄物

  地震や津波、洪水などの災害に伴って発生する廃棄物のこと。倒壊、破損した建物などのがれきや木くず、コンクリート等をいう。

 

 災害廃棄物処理計画

  災害により大量に生じる廃棄物等を迅速かつ適正に処理するため、必要な事項を定めたもの。本市においては、平成294月に策定。

 

 災害用マンホールトイレ

  災害時にマンホールの上に仮設トイレを設置し、直接下水道に流し使用するもの。本市では、平成28年度より整備を始め、平成32年度までに全小中学校(36校)に計198基を設置する予定。

 

サプライチェーン

ある製品が、原料の段階から消費者の手に届くまでの全過程のつながり。供給網。

 

 砂礫(されき)

 砂と小石。

 

 シェルター

  自然災害や兵器による攻撃などから身を守るための場所。

 

 市街化区域

 都市計画区域の無秩序な市街化を防止し、計画的な市街化を図るために都市計画法で定められた分類のひとつ。すでに市街地を形成している区域及び概ね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域。

 

自警団

町内会や自治会が母体となって、地域住民が自主的に連帯して、防災活動を行う任意団体で、消防用ホースや消防ポンプ等を所有している。

 

 指定緊急避難場所

  切迫した災害の危険から命を守るために避難する場所。災害対策基本法に基づき、洪水や津波など災害の種類ごとに一定の基準を満たす施設または場所を、市町村長があらかじめ指定する。

 

重要業績指標

組織の目標達成の度合いを定義する補助となる計量基準群であり、それぞれの取組みにおいて、数値化した指標など達成度合いをわかりやすく示したもの。「KPI(キーパフォーマンスインジケーターの略)」ともいう。

 

 消防法

  火災を予防し、警戒し及び鎮圧し、国民の生命、身体及び財産を火災から保護するとともに、火災又は地震等の災害に因る被害を軽減し、もって安寧秩序を保持し、社会公共の福祉の増進に資することを目的に制定された法律。(昭和23年法律第186号)

 

自立、分散型エネルギー

従来の大規模な集中型の発電所等による電力供給に対し、地域で必要とされるエネルギーは地域でつくるというシステム。

 

水防法

洪水、雨水出水、津波又は高潮に際し、水災を警戒し、防御し、及びこれによる被害を軽減し、もって公共の安全を保持することを目的に制定された法律。(昭和24年法律第193号)

脆弱性(ぜいじゃくせい)

もろくて弱い性質または性格。

 

た行

 耐震強化岸壁

  大規模地震が発生した際に、発災直後から緊急物資等の輸送や、経済活動の確保を目的とした、通常岸壁よりも耐震性を強化した係留施設(船舶が港湾において停泊するために設けられた施設)。

 

 耐震性貯水槽

  大規模災害によって水の供給が停止した時に、地下の安全な貯水槽に水を貯え、火災発生時に消化用水に利用するもの。飲料水兼用の耐震性貯水槽もある。

 

 タイムライン

  災害の発生を前提に、防災関係機関が連携して災害時に発生する状況をあらかじめ想定し、共有した上で「いつ」、「誰が」、「何をするか」に着目して、防災行動とその実施主体を時系列で整理した計画。防災行動計画ともいう。

 

 地域強靱化計画(国土強靱化地域計画)

  平成2512月に公布・施行された国土強靱化基本法第13条に規定されているもので、「都道府県又は市町村は、国土強靱化に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、当該都道府県又は市町村の区域における国土強靱化に関する施策の推進に関する基本的な計画を、国土強靱化地域計画以外の国土強靱化に係る当該都道府県又は市町村の計画等の指針となるべきものとして定めることができる。」とされている。

 

 沖積低地

  主に河川による堆積作用によって形成される平野の一種。

 

 中部版くしの歯作戦

  東日本大震災を踏まえ、津波による甚大な被害が想定される太平洋沿岸部での救援、救護活動、緊急物資の輸送等を迅速に行うため、復旧、復興を見据えた地震防災に関する道路啓開オペレーション計画について、あらかじめ関係機関が連携して策定し、共有していくことが重要であるとの認識のもと、国土交通省中部地方整備局により平成243月に策定(平成295月改訂)されたもの。「早期復旧支援ルート確保手順」ともいう。

 

 津波避難ビル

  津波浸水想定区域内において、地域住民が一時もしくは緊急避難、退避する施設(人工構造物に限る)。本市では3箇所(消防署南分署、御津南部小学校、小坂井西小学校)を指定している。

 

テックフォース(緊急災害対策派遣隊)

大規模自然災害発生時に迅速な支援を行うために、国土交通省に設置された組織。被災地方公共団体等が行う被災状況の把握、被害の発生及び拡大の防止、被災地の早期復旧その他災害応急対策に対する技術的な支援を実施する。

 

 ディーマット(災害時派遣医療チーム)

  医師、看護師、業務調整員(医師、看護師以外の医療職及び事務職員)で構成され、大規模災害や多傷病者が発生した事故等の現場に、急性期(概ね48時間以内)に活動できる機動性を持った、専門的な訓練を受けた医療チーム。

 

 同報系防災行政無線

  屋外拡声器や戸別受信機を介し、市町村役場から住民等に対して、直接、同時に防災情報や行政情報を伝えるシステム。

 

道路啓開

  緊急車両等の通行のため、一車線でも通行可能となるよう、早急に最低限の瓦礫処理を行い、簡易な段差修正等により救援ルートを開けること。

 

 土砂災害警戒区域

  土砂災害のおそれのある土地の地形や土地利用状況等について県が調査した結果を基に、知事が関係市町村長の意見を聴いたうえで指定された土砂災害のおそれがある区域。

 

 土砂災害特別警戒区域

  土砂災害警戒区域のうち、建築物に損壊が生じ、住民に著しい危害が生じるおそれがある区域。

 

 土地区画整理事業

 道路、公園、河川等の公共施設を整備・改善し、土地の区画を整え宅地の利用の増進を図る事業。

 

 とよかわ安心メール

  本市が行っている登録制のメールで、豊川市における、防災情報、気象情報、火災情報などの情報を配信するサービス。大雨警報や暴風警報、津波警報などの気象情報は気象庁から発表され次第、自動で配信される。

 

 トリアージ(負傷者選別)

  災害、事故現場などで、一時に大勢の負傷者が発生した時に、患者の重症度に基づいて、治療の優先度を決定して選別を行うこと。

 

な行

 南海トラフ地震対策中部圏戦略会議

  東日本大震災を踏まえ、運命を共にする中部圏の国、地方公共団体、学識経験者、地元経済界が幅広く連携し、南海トラフ地震等の巨大地震に対して総合的かつ広域的視点から一体となって重点的、戦略的に取り組むべき事項を「中部圏地震防災基本戦略」として協働で策定し、フォローアップする組織。(平成266月、「東海、東南海、南海地震対策中部圏戦略会議」より改称)

 

 二次災害

災害や事故等が起こった際に、それに派生して起こる災害のこと。豪雨の後の土砂災害、地震の後の火災等をいう。

 

農業集落排水施設

  農業用用排水の水質の汚濁を防止し、農村地域の健全な水循環に資するとともに、農村の基礎的な生活環境の向上を図るため、農業集落におけるし尿、生活雑排水などの汚水等を処理するため整備される施設。

 

 農業水利施設

  ダムなどの基幹的施設から、地域に網の目のように張り巡らされている末端の用排水路施設に至るまでの、農業水利のための施設。農業生産の基盤となる。

 

は行

 排水機場

  大雨による農地や農業用施設などへの水害を未然に防止するために、排水ポンプを運転して、雨水を川や海に強制的に排水するための施設。

 

ハザードマップ

自然災害による被害が予測される区域や災害の程度のほか、危険を回避するための避難場所、避難経路等の必要な防災情報を分かりやすく地図上に示したもの。

 

 非構造部材

  建築物を構成する部材のうち、天井材、窓ガラス、照明器具、空調設備など建物のデザインや居住性の向上などを目的に設置される部材。

 

 被災建築物応急危険度判定士

  大地震での二次災害を防ぐため、被災した建物を調べ、余震による倒壊や部材の落下などの危険性を判定する専門家(建築士などの資格を持つ人が一定の講習を受けることで県から認定される)。

 

 被災宅地危険度判定士

  大規模な地震、大雨などで被害を受けた宅地を調査し、二次災害の危険度を判定する技術者。地方公共団体の要請に応じて、宅地の亀裂などの被害状況を調べる。

 

避難行動要支援者

  高齢者、障害者、乳幼児等の防災施策において特に配慮を必要とする人(要配慮者)のうち、災害発生時の避難等に特に支援を必要とする人。

 

避難所対策員

災害時に地元住民や施設管理者等と協力して避難所の開設や運営を行う職員。本市においては、全避難所95か所のうち72か所に2名ずつ、計144名が配置されている。

 

PDCA

事業活動における生産管理品質管理などの業務を円滑に進める手法の一つ。プラン(計画)→ドゥー(実行)→チェック(評価)→アクション(改善)の4段階を繰り返すことによって、継続的な業務改善活動等の推進が可能とされる。

福祉避難所

災害時に、一次避難所での避難生活が困難な、特別な支援を必要とする高齢者や障害者、妊婦などを対象に設けられる、市町村指定の二次避難所をいう。本市では避難の状況により一次避難所への福祉スペースの設置、公的福祉避難所、民間福祉避難所の順に開設していく計画となっている。

 

 変成岩

  既存の岩石が変成作用(熱や圧力のため、融けないままに鉱物や組織が変化すること)を受けてできた岩石のこと。

 

 宝永地震、安政東海地震、安政南海地震、昭和東南海地震、昭和南海地震

 宝永地震(170710月)

震源域:東海道沖から南海道沖 規模:マグニチュード8.6

安政東海地震(185412月)

震源域:紀伊半島南東沖から駿河湾 規模:マグニチュード8.4

安政南海地震(安政東海地震発生から約31時間後)

震源域:紀伊水道から四国沖 規模:マグニチュード8.4

昭和東南海地震(194412月)

震源域:熊野灘から浜名湖沖 規模:マグニチュード7.9

昭和南海地震(194612月)

震源域:潮岬南方沖 規模:マグニチュード8.0

愛知県東海地震、東南海地震、南海地震等被害予測調査結果では、この5つの地震の被害を網羅できるように想定した過去地震最大モデルが示され、本市の地震、津波対策を進める上で、軸となる想定として位置づけている。

 

 防火管理者

  消防法に定める国家資格であり、その資格を有する者のうち、防火対象物において防火上必要な業務を適切に遂行でき、従業員を管理、監督、統括できる地位にある者で、防火対象物の防火上の管理、予防、消防活動を行う者。

 

防災ボランティアコーディネーター

  大規模な災害が発生したときに、ボランティアによる救援、救助活動が円滑で効果的に行われるために、ボランティアと被災者との調整を行う人材のこと。

 

 防災マップ

 平成265月に愛知県が公表した、愛知県東海地震、東南海地震、南海地震等被害予測調査結果を盛り込み本市において作成したもので、地震による被害から市民が避難する際の参考となる情報をまとめたもの。豊川市全域に加え、各中学校区別に作成し、避難所や公共施設等を掲載している。土砂災害の危険箇所、津波浸水想定図、液状化危険度なども示している。

 

防災リーダー

地域における自主的な防災活動を効果的に実践するために、必要な調整や指導などを中心的に行う人。

 

ま行

 三河港BCP

  大規模災害時における港湾物流の機能継続と早期復旧のため、平成273月に衣浦湾・三河湾港湾BCP検討会議(三河湾港湾BCP作業部会)において策定されたもの。事前対策、直前予防対策、発災後の対応(行動)について、関係機関の役割分担を明確化している。

 

水防災意識社会再構築ビジョン

  平成279月に発生した「関東・東北豪雨」を踏まえ、同年12月、国土交通省が、全ての直轄河川とその沿川市町村(109水系、730市町村)において、平成32年度を目途に水防災意識社会を再構築する取組を行うために策定したもの。各地域において河川管理者、都道府県、市町村等からなる協議会等を新たに設置して減災のための目標を共有し、ハード、ソフト対策を一体的、計画的に推進することとしている。

 

 密集市街地

老朽化した木造建築物が密集し、かつ公共施設(道路、公園、広場など)が十分に整備されていないため、地震や火災が発生した際に、延焼防止や避難のために必要な機能が確保されていない状況にある市街地。

 

 民間プローブ情報

自動車メーカーやカーナビメーカー各社の会員制カーナビに搭載されたGPS機能から取得される一般車両の走行データのことであり、ドライバーへの情報提供による走行支援や物流事業者による運行管理などに活用されている。

 

や行

要配慮者

高齢者、障害者、乳幼児、妊婦など、災害時において特に配慮を要する人。

 

ら行

リスクシナリオ

基本目標や事前に備えるべき目標を達成できない状態を引き起こす、目標を妨げる事態。

 

罹災証明書

地震や風水害等の災害により被災した住家等の被害の程度を市町村が証明したもの。

 

 臨時給油所

  救助活動拠点等として活用する施設に常設の給油施設がない場合、又は地域内の給油施設の破損、不足が著しいことが想定される場合に、あらかじめ定められた臨時の給油施設設置場所。本市における予定場所は、音羽運動公園と赤塚山公園。


(別紙1)リスクシナリオごとの脆弱性評価結果については次のとおりです。

 

目標(1)大規模自然災害が発生したときでも人命の保護が最大限図られる。

 

起きてはならない最悪の事態

1−1 

大規模地震による建物の大規模倒壊や住宅密集地における火災による死傷者の発生についての脆弱性評価結果は次のとおりです。

 

(住宅・建築物等の耐震化)

・耐震性が低いといわれる昭和56年の耐震基準改正以前に着工された木造住宅に対する無料耐震診断や耐震改修、解体、シェルター設置の補助、非木造住宅に対する耐震診断や耐震改修の補助を実施するとともに、総合的な既存建物の耐震性の向上を推進するため、啓発活動を積極的に実施する必要がある。

 

(家具の転倒防止及び窓ガラスの飛散防止事業の推進)

・地震動による家具の転倒による死傷被害等を防ぐため、市民向けに家具転倒防止器具取付事業を継続実施するとともに、県とも連携した家具転倒防止講習会を継続実施していく必要がある。また、地震動による窓ガラスの飛散による死傷被害等を防ぐため、市民向けに窓ガラス飛散防止フィルム貼付事業を継続実施していく必要がある。

 

(火災に強いまちづくりの推進)

・本市では現在3地区で土地区画整理事業が進んでいるが、市街地の災害防除の面からも、今後も避難・延焼遮断空間の確保、狭あい道路の解消といった土地区画整理事業等による道路・公園などの公共施設の整備を継続実施していく必要がある。

・市街地の地震災害に対する脆弱性を客観的かつ定量的に評価した「市街地の防災性能評価」を踏まえ、災害時に大きな被害が想定される密集市街地を対象に、防災対策に資する計画的な都市基盤整備を展開するとともに、地域住民が実施する防災対策に資する事業を助成することにより、市街地の防災空間の拡大に取り組んでいく必要がある。

・現在誰も生活していない空家については、地震による倒壊の危険性や管理の不徹底による防火・防犯上の問題などが指摘されている。本市においてもこれらの空家に対する取組として、空家等対策計画を策定し、倒壊や火災の危険性のある空家等に対し、適正管理及び除去等を進める必要がある。

・狭あい道路の対策については、安全で良好な居住環境の確保と災害に強いまちづくりの実現に寄与するため、幅員1.8メートル以上4メートル未満の狭あい道路拡幅工事を推進する必要がある。

 

(地域防災力・企業防災力の強化)

・災害時発災直後の減災効果を高めるためには、地域の防災力の充実・強化が大切である。このため地域防災力の要となる自主防災会や複数の自主防災会組織をまとめた小学校区単位による防災訓練・初期消火訓練等を充実・強化していく必要がある。

・地域防災力向上のため活動してもらう防災リーダーの養成に努力するとともに、防災リーダーの知識・技術の維持・増進のため、防災リーダーフォローアップ研修を毎年実施していく必要がある。また、避難所運営をスムーズに実施できるようにするため、女性防災リーダーの養成にも取り組んでいく必要がある。

・企業の防災意識の向上を図るとともに、企業の防災力を向上させるため、市、消防、事業所が連携した防災訓練・消防訓練に取り組んでいく必要がある。

・企業と地域が連携した自発的な防災活動に取り組む必要がある。このため、企業を地域コミュニティの一員としてとらえ、地域で行われる防災訓練等への積極的な参加を推進していく必要がある。

 

(公共施設等の非構造部材の耐震化等の推進)

・大規模地震発災時の災害対応拠点や避難所となる公共施設等において、内外壁や吊り天井等の落下により施設が使用困難とならないよう非構造部材の落下防止対策を推進していく必要がある。

 

1−2 

不特定多数が集まる施設の倒壊・火災についての脆弱性評価結果は次のとおりです。

 

  (不特定多数の者が利用する建築物等の耐震化の促進)

・建物等の耐震改修の促進に関する法律に規定する、病院、学校及び劇場、駅、大規模集客施設等不特定多数の人が利用する特定建築物や、その他の防災上重要な建築物について、耐震性の向上を図るため、民間施設関係団体等へ耐震化の必要性の啓発に取り組む必要がある。

・大規模地震発災時の災害対応拠点や避難所となる公共施設等において、内外壁や吊り天井等の落下により施設が使用困難とならないよう非構造部材の落下防止対策を推進していく必要がある。

 

(不特定多数の者が利用する建築物等の防火・耐火対策)

・消防法に規定する防火対象物について防火管理者を必ず選任させ、消防計画に基づく消火、通報及び避難訓練の実施、消防用設備等の点検整備、火気の使用又は取扱いに関する指導を徹底していく必要がある。

・防火対象物について消防法の規定に基づく消防用設備等の完全設置を推進し、当該対象物における防火体制の強化を図る必要がある。

・不特定多数の者が利用する建物の防火・耐火性能を保持するため、定期的に施設及び設備の安全点検を行い、危険箇所あるいは要補修箇所の早期発見に努めるとともに、これらの改善を図る必要がある。

 

1−3 

津波・高潮による多数の死傷者の発生についての脆弱性評価結果は次のとおりです。

      

(津波・高潮に強い地域づくり)

・津波・高潮による浸水の危険性のある地域について、津波避難ビルとして消防署南分署、小坂井西小学校、御津南部小学校の3箇所を指定しているが、今後も津波避難ビルの指定・確保について検討していく必要がある。

・津波浸水想定区域においては、その地区の自主防災会と市が協働し、津波避難経路図を作成するとともに、南海トラフ地震における理論上最大想定モデルによる「津波ライン」「津波標識」の設置を行ってきた。今後は、津波避難経路図を活用し、早期避難を目指した避難訓練を各自主防災会と実施していく必要がある。

 

(避難場所・避難路の確保・整備等)

・現在、市では指定避難場所として避難地、避難所を指定しているが、災害の種類に応じたものとなっていない。このため、災害対策基本法施行令に定める基準に従って、災害の種類に応じ、その危険性の及ばない場所・施設を指定緊急避難場所として新たに指定するとともに、ピクトグラムを使った分かりやすい表示を行うことで、災害の危機が切迫した場合における住民の安全な避難先を確保する必要がある。

・被災した場合に避難路としての使用が見込まれる道路については、見通しの確保、安全性の向上等、避難の円滑化に必要な整備を行う必要がある。

・避難路を確保するため、道路橋梁の耐震化、老朽化対策を推進する必要がある。

・御津2区臨海工業用地には、野球場を始め公園施設が整備され、周辺の地理に不案内なレジャー客も訪れることが想定される。工業用地で操業している従業員はもとより、津波や高潮からの逃げ遅れによる被害を出さないよう、避難用高台を整備し、避難地の確保を行う必要がある。

 

(河川・海岸施設の強化)

・津波・高潮による浸水を防ぐため、地盤沈下及び老朽化した堤防護岸の補強、堤防高の低い箇所の嵩上げについて、関係機関への働きかけなどを含めた積極的な取組が必要である。

・河川の河口部や海岸にある水門等について、地震発生時においても操作が可能となるような耐震補強、耐震対策や、地震後の地域の排水機能を確保するため排水機場等の耐震対策について、関係機関への働きかけなどを含めた積極的な取組が必要である。

(高潮対策の検討)

・産業集積地である御津1区、2区臨海工業用地が浸水した場合、甚大な被害の発生が懸念され、企業の撤退、雇用喪失、経済衰退につながるおそれがあることから、この地域の産業・経済を守るため、更なる高潮対策を検討していく必要がある。

 

1−4 

津波、台風や集中豪雨による広域かつ長期的な市街地等の浸水による死傷者の発生についての脆弱性評価結果は次のとおりです。

 

(市街地における河川・海岸施設の強化)

・河川・海岸施設、水門等の耐震化・機能強化のための改修、排水機場や管渠、貯留施設等の浸水対策施設の整備など耐震化・老朽化対策を「水防災意識社会再構築ビジョン」に基づき、国・県・市が連携して推進する必要がある。

・本市が管理する河川は、準用河川を始めとし末端水路にまで至るが、堤防の損傷に起因する浸水を未然に防止するため、堤防背後の低い地区の河川堤防の老朽程度を把握するとともに、河川の維持水位を低下させるための河川改修を計画的に促進する必要がある。

・市街地における雨水排除を図るため、ポンプ場、下水管渠の新設又は改修を行い、予想される被害を未然に防止する必要がある。

 

(雨水対策の推進)

・市街地における雨水管、雨水浸透施設を計画的・継続的に整備していく必要がある。

・市民が負担して設置する雨水貯留タンク設置、浄化槽の雨水貯留施設転用、雨水浸透ます設置に対する支援を継続的に実施する必要がある。

 

(ハザードマップの作成・周知・啓発)

・国土交通省中部地方整備局及び県は、水防法に基づき洪水予報を実施する河川又は特別警戒水位に到達した旨の情報を提供する河川として指定した河川について、洪水浸水想定区域を指定したときは、市に洪水浸水想定等の情報を提供する。現在、想定最大規模の洪水浸水想定区域について公表や調査を行っており、市は最新の浸水想定図が公表された場合、早期に洪水ハザードマップを作成し、住民への周知・啓発を行う必要がある。

 

(河川氾濫からの減災に係る取組の実施)

・「水防災意識社会再構築ビジョン」に基づき、河川の減災に係る取組方針に沿った継続的な取組を国・県・市が連携して推進していく必要がある。

・「水防災意識社会再構築ビジョン」に基づき、河川ごとに洪水を対象とした避難勧告等の発令に着目したタイムラインを策定し、的確な発令を実施していく必要がある。

・河川浸水想定区域内にある、要配慮者利用施設の所有者又は管理者は、要配慮者利用施設の利用者の洪水時等の円滑かつ迅速な避難の確保を図るため、避難確保計画の策定、避難訓練の実施が義務化された。このため、市内河川浸水想定区域内にある要配慮者利用施設における避難確保計画の策定、避難訓練の実施を支援していく必要がある。

 

(ハード・ソフトを組み合わせた浸水対策の推進)

・大規模水害を未然に防ぐため、土地利用と一体となった減災対策や、洪水時の避難を円滑かつ迅速に行うための洪水ハザードマップなどの作成支援、防災情報の高度化、地域水防力の強化、自らの生命及び生活を守ることができるよう災害に対する意識の醸成と地域で助け合えるような地域防災力の向上といったソフト対策をハード事業と組み合わせて実施することにより、より効果的な浸水対策を国・県・市・地域が連携して実施していく必要がある。

 

1−5 

大規模な土砂災害等による多数の死傷者の発生についての脆弱性評価結果は次のとおりです。

 

(土砂災害対策の推進)

・台風や集中豪雨等による土砂災害に対し、人的被害を防止するため土石流対策施設、急傾斜地崩壊防止施設、地すべり防止施設といった土砂災害防止施設の整備についての働きかけなど、国・県・市が連携して事業を着実に実施していく必要がある。

・土砂災害警戒区域の指定がなされた地区について、土砂災害の危険性や避難の重要性について周知を図るため、土砂災害ハザードマップを作成するとともに、影響地区の各世帯への配布を実施していく必要がある。

・土砂災害の危険性や避難の重要性について周知を図るため、住民説明会の開催や、県・市・地域の連携のもと土砂災害を想定した避難訓練を実施するなど、住民の防災意識の向上を図る必要がある。

・土砂災害警戒区域内にある、要配慮者利用施設の所有者又は管理者は、要配慮者利用施設の利用者の洪水時等の円滑かつ迅速な避難の確保を図るため、避難確保計画の策定、避難訓練の実施が義務化された。このため、市内土砂災害警戒区域内にある要配慮者利用施設における避難確保計画の策定、避難訓練の実施を支援していく必要がある。

 

(治山対策の推進)

・市街地等の周辺にある保安林の機能を高度に発揮させ、山地災害の防止等と併せて生活環境を保全・形成するため、森林の造成改良整備等を実施していく必要がある。

 

(農業用ため池の安全性の向上)

・周辺住民の生命・財産を守るため、農業用ため池や調整池について老朽化対策や地震対策の必要性に応じ、順次整備を推進する必要がある。

・豪雨や地震の発生などにより堤体が決壊した場合に人家等に大きな被害を与えるおそれのある農業用ため池について、周辺住民の防災意識の向上を図るため、ハザードマップを作成・配布していく必要がある。

 

(避難場所・避難路の確保・整備等)

・現在、市では指定避難場所として避難地、避難所を指定しているが、災害の種類に応じたものとなっていない。このため、災害対策基本法施行令に定める基準に従って、災害の種類に応じ、その危険性の及ばない場所・施設を指定緊急避難場所として新たに指定するとともに、ピクトグラムを使った分かりやすい表示を行うことで、災害の危機が切迫した場合における住民の安全な避難先を確保する必要がある。

 

1−6 

情報伝達の不備等による避難行動の遅れ等を要因とする多数の死傷者の発生についての脆弱性評価結果は次のとおりです。

 

(効果的な教育・啓発の推進)

・住民が的確な避難行動を取ることができるようにするため、避難地、避難所、災害危険地域等を明示した防災マップ、洪水時の浸水想定区域及び浸水深を示した洪水ハザードマップを作成・配布することで、住民への意識啓発を図る必要がある。

・平成2812月に「避難準備情報」が「避難準備・高齢者避難開始」に、「避難指示」が「避難指示(緊急)」に名称及び対応が変更され、災害発生時の早期避難と的確な避難行動への取組が重要な課題となっている。このため、とよかわ安心メール、広報とよかわ、SNS、ホームページ等を活用した広報活動により、災害発生時の早期避難などについて住民の意識啓発を進めていく必要がある。

・若い世代に対し、災害に対する知識と的確な避難行動の知識を教育・啓発することは、迅速な避難行動の開始や、教育・啓発を受けた生徒等が家庭で話題とすることによる知識の拡散など、大きな効果が期待できることが東日本大震災でも報告されている。このため、中学生などを対象とした教育・啓発を実施していく必要がある。

 

(市民への確実な情報の伝達等)

・本市の同報系防災行政無線は、合併前の各町が設置したものを中継局として運用してきたが、デジタル方式とアナログ方式の混在、設置年度、電波法改正による不適合といった問題点を抱えている。このため、情報伝達の不備等による避難行動の遅れを出さないよう、同報系防災行政無線及び移動系防災行政無線を計画的に更新していく必要がある。

 

・川の水位情報を市民に伝達するため、国土交通省中部整備局及び市において河川監視カメラが設置されており、インターネットにより公開されているが、今後も川の増水やはん濫、道路の冠水等に対する水防活動の判断や住民の避難行動の参考となるよう、河川監視カメラの整備を進めていく必要がある。

 

(適時・適切・確実な情報の発信)

・避難準備・高齢者等避難開始を始めとした避難情報の発令については、空振りを恐れず、早めに出すことを基本とし、住民に対して適切かつ確実に情報を提供する必要がある。また、要配慮者に対しても情報が確実に伝達されるよう、防災行政無線による放送、災害情報共有システム(Lアラート)によるテレビ・ラジオによる伝達、携帯電話事業者との連携による緊急速報メールなど適切な措置を講ずる必要がある。

 

(専用通信における事前予防対策)

・発災時の通信機能を確保するため、衛星通信回線の設定、バックアップ回線の設定、通信ルートの二重化等を進めるとともに、移動無線、可搬式無線機、携帯電話等の資機材の充実整備により災害への備えに取り組んでいく必要がある。

 

目標(2)大規模自然災害発生直後から救助・救急、医療活動等が迅速に行われる(それがなされない場合の必要な対応を含む)

 

起きてはならない最悪の事態 

2−1 

被災地での食料・飲料水等、生命に関わる物資供給の長期停止についての脆弱性評価結果は次のとおりです。

 

(物資輸送ルートの確保)

・大規模地震等の災害発生時においても、経済活動、市民に及ぼす影響を最小化し、災害時応急活動及び警戒宣言発令時対策活動の実施に必要な物資、資機材、要員、救助・救急、医療活動のためのエネルギー等の物資輸送ルートを確実に確保するため、緊急輸送道路や幹線道路など、基幹的交通ネットワークの整備を進める必要がある。

・緊急輸送道路や避難所への物資輸送ルートなどにある重要な橋梁については、大規模地震発生時においても通行ができるよう橋梁本体の耐震補強を推進する必要がある。

・陸上輸送の寸断に備え、三河港において、耐震強化岸壁の確保や防波堤の強化など、港湾における地震津波対策を着実に推進するとともに、道路啓開や航路啓開など交通ネットワークの復旧に向けた取組等を推進する必要がある。

・災害時の海上物流機能を確保するため、三河港において岸壁の耐震強化等により、海上・陸上物流の連携したネットワークを構築しているが、大規模災害時においても陸・海の基幹的交通ネットワークを機能停止に陥らせない対策を推進する必要がある。

(三河港の業務継続力の強化)

・伊勢湾内の広域連携により緊急物資輸送や港湾物流機能の早期回復の実現を目的として、平成282月に策定された伊勢湾BCP及び緊急確保航路等航路啓開計画について、今後、伊勢湾BCP協議会において、防災訓練を踏まえた見直しを推進する必要がある。

・災害発生後でも一定の港湾機能を維持しつつ、三河港全体の物流機能の早期回復を図り、津波・高潮からの確実な避難を図るため策定した三河港BCPについて、今後、学習・訓練を定期的に実施し、継続的な改善を推進する必要がある。

 

(迅速な輸送道路啓開に向けた体制整備)

・「豊川市広域受援マニュアル」では、国からのプッシュ型支援による物資を広域物資輸送拠点である豊橋市総合体育館から地域内輸送拠点である豊川地区防災倉庫への輸送ルート、地区内輸送拠点から拠点防災倉庫を経由して各避難所までの輸送ルートを指定している。各避難所へ迅速に物資を輸送するためには、通行不能となった輸送ルートの道路啓開を迅速に実施することが重要であり、この迅速な輸送道路啓開に向けて、「豊川市広域受援マニュアル」に掲載されている緊急輸送ルートの情報共有、道路啓開に必要な体制を整備する必要がある。

 

(水道施設の老朽化対策等の推進)

・大規模地震等の災害発生時においても迅速に水道施設を稼動させ、安全・安心な給水を確保するため、水道施設の老朽化対策と合わせて耐震化、液状化対策を推進する必要がある。

 

(物資調達体制の強化・受援体制の構築)

・「豊川市広域受援マニュアル」に基づき、被災者に物資を確実かつ迅速に届けられるよう、要員の確保、民間事業者への協力依頼方法の確立などを含む、物資の要請体制、調達体制、輸送体制等、供給の仕組みを整備する必要がある。

 

(備蓄の推進)

・避難所への避難者及び在宅避難など避難所以外にいる避難者に食料、飲料水等を提供するため、備蓄計画に基づき、必要とされる食料・飲料水等の備蓄を行うとともに、東日本大震災や平成28年熊本地震などの経験から、避難所などにおける必要物資についての研究・検討を行っていく必要がある。

・災害時要援護者の受け入れに関する協定を締結した社会福祉施設等14箇所について、簡易ベッド、間仕切り、簡易トイレを配備しているが、社会福祉施設等とも協議を行い、要援護者を適切に受け入れられるよう必要な資材等の整備・充実を図る必要がある。

・家庭内での食料・飲料水等の備蓄については、「3日程度」を啓発してきたが、現在は「3日間(できれば1週間分)」となっている。このため、家庭内での食料・飲料水等の備蓄量の増強を図るため、防災訓練、防災講話、防災教育における啓発をしっかり行っていく必要がある。

 

(災害時の広域連携の推進)

・「豊川市広域受援マニュアル」では、国からのプッシュ型支援による物資が豊川地区防災倉庫へ届き、その後拠点防災倉庫、各避難所へと輸送することとなっている。この輸送を確実に実施するため、産官民の連携により、災害発生時に広域的な応援を受けられるよう、関係機関、他の自治体との協定を締結することで災害時に物資調達がスムーズに実施できるような体制を構築する必要がある。

 

2−2 

自衛隊、警察、消防、海保等の被災等による救助・救急活動等の絶対的不足についての脆弱性評価結果は次のとおりです。

 

(災害対応の体制・資機材強化)

・大規模自然災害発生時に、自衛隊、警察災害派遣隊、緊急消防援助隊、海上保安庁の受け入れについて、「豊川市広域受援マニュアル」に基づき対応することとなっているが、これらの機関が連携し、迅速な救助・救急活動を実施することができるよう合同訓練や情報交換の機会を設け、災害発生時に相互が連携して活動できる体制を構築していく必要がある。

・災害等の危険事案が発生した場合、又はその発生が懸念される場合等において、状況の把握や対応策の検討に役立てるための手段としてドローン航空隊を編成するとともに、ドローン操縦を担う職員を養成することによって効果的な運用を図る必要がある。

 

(消防力の強化)

・消防署所の各施設について、適切な維持管理を行うとともに、通信機能など時代に合わせ積極的な機能強化を図る必要がある。また、機能の不足や老朽化した施設については、災害発生時にその機能が維持できるよう計画的な移転・建替えについて検討していく必要がある。

・大規模化、複雑多様化する各種災害に対応するため、「消防力の整備指針」及び「消防水利の基準」に基づく消防施設整備計画により、消防車両や消防水利等の施設、設備を計画的に更新・整備する必要がある。

 

(消防団の災害対応力の強化)

・地域防災力の維持・向上に必要不可欠な存在である消防団について、その活動が活発に実施できるよう活動環境の整備や処遇改善、市民の消防団活動への理解を深めることで消防団員の入団促進を図るとともに、複雑多様化する各種災害に適切に対応できるよう、その知識・技能を向上させるための訓練を充実・強化する必要がある。

・消防団の活動拠点であり、災害発生時の地域の災害活動拠点ともなる消防団詰所や、消防団員にその技能を最大限発揮させるための消防団車両・資機材などの装備を充実・強化する必要がある。

 

2−3 

救助・救急、医療活動のためのエネルギー供給の長期途絶についての脆弱性評価結果は次のとおりです。

 

(災害時における燃料の確保)

・災害対策本部のある市役所、災害拠点病院である豊川市民病院や災害時に救護活動を行う医療機関において、その機能確保のために必要とする非常用発電設備用の石油燃料を確保するため、豊川市石油業協同組合と協定を締結しているが、災害発生時には相当の混乱が予想される。このため、平常時から豊川市石油業協同組合と、協定に基づく供給方法の調整、情報伝達のための訓練を実施していく必要がある。

・災害発生時に救助・救急活動、道路啓開活動、物資輸送を行う消防・救急車両及び公用車の燃料を確保するため、「豊川市広域受援マニュアル」では、市内2箇所に臨時給油所を設置することも想定している。この臨時給油所が災害発生時に速やかに機能するためには、事前に資機材等の整備を図っておく必要がある。

 

(災害時における電力の確保)

・災害発生時、行政機能の中枢である市役所や各支所、救助・救急活動の拠点である消防署については、電力供給がストップした場合でも、その機能が維持できるよう、停電発生時の電力確保施設である非常用発電設備について、機能強化についての検討や適切な更新を行っていく必要がある。

 

(道路等の災害対策の推進)

・大規模地震等の災害発生時においても、経済活動、市民に及ぼす影響を最小化し、災害時応急活動及び警戒宣言発令時対策活動の実施に必要な物資、資機材、要員、救助・救急、医療活動のためのエネルギー等の物資輸送ルートを確実に確保するため、緊急輸送道路や幹線道路など、基幹的交通ネットワークの整備を進める必要がある。

・緊急輸送道路や避難所への物資輸送ルートなどにある重要な橋梁については、大規模地震発生時においても通行ができるよう橋梁本体の耐震補強を推進する必要がある。

・各避難所へ迅速に物資を輸送するため、また、救助・救急、医療活動のためのエネルギーを円滑に輸送するためには、通行不能となった輸送ルートの道路啓開を迅速に実施することが重要であり、この迅速な輸送道路啓開に向けて、「豊川市広域受援マニュアル」に掲載されている「中部版くしの歯作戦」で指定されている幹線道路や緊急輸送ルートの情報共有、道路啓開に必要な体制を整備する必要がある。

 

2−4 

想定を超える大量かつ長期の帰宅困難者の発生による混乱についての脆弱性評価結果には次のとおりです。

 

(帰宅困難者等支援対策の推進)

・東日本大震災時には、都市部における帰宅困難者対策が大きな問題として指摘された。帰宅困難者対策は、行政、事業所、学校など多岐にわたる分野に課題が及ぶ問題である。大規模災害発生時に帰宅困難者を発生させないため、各事業所や学校に従業員や児童・生徒をその場に留めるなど従業員や児童・生徒の保護について啓発し、帰宅困難者発生を少しでも低減させるための取組が必要である。

・電車不通により発生する帰宅困難者に対する支援として、現在JR豊川駅及び名古屋鉄道国府駅の2箇所に帰宅困難者用防災倉庫を設置し、食料であるビスケット、飲料水、防寒用ブランケット、徒歩帰宅支援マップを配備しているが、市内にある他の駅についても、乗降客数の動向も踏まえた検討及び配備を図っていく必要がある。

 

(代替輸送手段の確保)

・大規模災害発生時において、鉄道利用者の中には遠距離を移動する必要がある帰宅困難者が発生することが想定される。このため、こうした帰宅困難者の帰宅支援のため、鉄道不通時の代替輸送手段の確保等について、鉄道会社など公共交通事業者と事前に対応方法の検討を行っておく必要がある。

 

2−5 

医療施設及び関係者の絶対的不足・被災、支援ルートの途絶による医療機能の麻痺

についての脆弱性評価結果は次のとおりです。

 

(災害時の医療機能の確保・充実)

・大規模災害発生時には、災害で発生する多数の負傷者に対し、市内を4ブロックに分けたエリアで、基幹病院を中心に既設の医療機関において歯科医師会・薬剤師会とともに応急救護活動を実施することとなっている。このため、災害時の活動が円滑に進むよう平時から医師会・歯科医師会・薬剤師会と地域防災会議や防災訓練などを通じた連携を強化していく必要がある。

・市内が壊滅的な被害を受けた場合、負傷者への医療活動を速やかに実施するため、豊川保健所が設置する「東三河南部医療圏災害医療対策会議」を通じてディーマット(災害時派遣医療チーム)の派遣を依頼する必要がある。このため、平時から大規模災害時の医師などの派遣について豊川保健所が開催する会議を通じて連携を強化しておく必要がある。

 

(豊川市民病院の防災・減災機能の強化)

・災害拠点病院である豊川市民病院については、災害時に多くの患者を受け入れる必要が生ずる。そのような場合に迅速な対応ができる体制づくりを目的として、大規模地震を想定したトリアージ(負傷者選別)訓練などを実施し、災害発生時において市民病院スタッフが迅速な対応ができるようにしておく必要がある。

・豊川市民病院の災害用備蓄水が1日から2日分と限りがあるため、大規模地震による水道水の供給停止を想定し、地下水利用システムの導入など備蓄水の確保を図っていく必要がある。

 

(要配慮者等への支援体制の整備)

・本市では、福祉避難所設置方針により3段階で福祉避難所を設置していくこととなっている。第1段階としての一般の避難所への福祉スペースの設置、第2段階としての公的福祉避難所の設置、第3段階としての民間社会福祉施設等を活用した民間福祉避難所の設置となっている。大規模災害発生時には長期の避難所生活を余儀なくされることも想定されるため、避難所における長期避難生活が困難となる高齢者や障害者などの要配慮者が二次的に避難する場所を確保するため、社会福祉施設などとの福祉避難所に関する協定の締結をすすめ、福祉避難所の拡充を図っていく必要がある。

 

2−6 

被災地における疫病・感染症等の大規模発生についての脆弱性評価結果は次のとおりです。

      

(資機材の整備)

・災害発生時には、生活環境の悪化、被災者の病原体に対する抵抗力の低下などの悪条件が重なり、感染症などの疾病が発生し、又は多発するおそれが生じる。これを防御するため、事前に感染症に関する資機材の整備を行うとともに、災害発生時には迅速な防疫活動を実施することで、感染症流行の未然防止を図る必要がある。

 

目標(3)大規模自然災害発生直後から必要不可欠な行政機能は確保する

起きてはならない最悪の事態

3−1 

被災による警察機能の大幅な低下等による治安の悪化についての脆弱性評価結果は次のとおりです。

 

(災害時防犯体制の強化)

・災害時、留守宅への「空き巣」や、休業中の商店などに侵入する「店舗荒らし」「自販機荒らし」などの街頭犯罪の多発を抑制し、地域の安全・安心を確保するためには、警察機能だけでなく、地域による見回りなどの防犯活動が有効な手段となってくる。このため、平常時より地域の自主防犯団体への支援を行うことで、地域における防犯活動の強化を図っていく必要がある。

 

(警察署等の耐震化の促進)

・大規模災害発生時に、警察署や交番等において施設機能の損壊により活動が制限されることがあってはならない。このため、施設の計画的な改修や建替えといった耐震化を行い、警察機能が十分に発揮されるようにしておく必要がある。

 

3−2 

市の職員・施設等の被災による機能の大幅な低下についての脆弱性評価結果は次のとおりです。

 

(業務継続計画の作成及び見直し)

・市は、災害発生時に迅速な災害応急対策活動や復旧・復興の主体として重要な役割を担うこととなることから、その業務の継続と早期復旧を図るため、「豊川市役所地震対策業務継続計画」を平成253月に策定するとともに、平成295月に改定作業を行っている。今後も全ての部署の協力を得て、計画を定期的に見直すとともに職員へ計画の周知を図っていく必要がある。

 

(市所管施設の機能確保)

・災害発生時には、市役所や支所は救助・救急活動、災害応急対策活動の活動拠点となることや、小中学校、地区市民館、公民館等は避難所として活用されることから、想定される地震や津波等に対して耐震補強や改修といった施設の整備、非常用発電設備の整備といった機能面の充実を図る必要がある。

・大規模地震発災時の災害対応拠点や避難所となる公共施設等において、内外壁や吊り天井等の落下により施設が使用困難とならないよう非構造部材の落下防止対策を推進していく必要がある。

 

(災害対策本部の機能確保)

・現在、大規模自然災害が発生した際には、本庁舎2階に災害対策本部を、3階に活動センターを設置することとなっている。この本庁舎は、耐震改修工事は既に実施しているが、建築後45年以上経過しており、地震の揺れなどにより内外壁、吊り天井などの落下による機能制限が発生することが危惧される。このため、災害発生時に救助・救急活動、災害応急対策活動といった対策の中心として機能する災害対策本部や、広域受援により来訪する応援部隊の活動拠点として防災センターを別に建設整備し、災害発生時に指揮命令系統が維持していく必要がある。

 

(災害時の広域連携の推進)

・市は、災害発生時に円滑に国等からの広域的な応援を受けることができるよう、自衛隊・警察・消防・テックフォース(緊急災害対策派遣隊)を始めとする応援部隊等の展開及び宿営の拠点、資機材・物資の集結・集積に必要となる拠点、緊急輸送ルートの確保などについてまとめた広域受援計画を策定しておく必要がある。本市では平成2812月に「豊川市広域受援マニュアル」を策定しているが、災害対応の研究の進捗や、実際の訓練などによる問題点を洗い出し、随時見直しを行っていくことで、広域における連携体制を構築していく必要がある。

 

目標(4)大規模自然災害発生直後から必要不可欠な情報通信機能は確保する

 

起きてはならない最悪の事態 

4−1 

電力供給停止等による情報通信の麻痺・長期停止についての脆弱性評価結果は次のとおりです。

 

(情報通信機能の耐災害性の強化・高度化)

・電力の供給停止により、情報通信が麻痺・長期停止した場合でも、災害情報を市民へ情報伝達できるよう、有線通信機能・無線通信機能の併用といった情報通信機能の複線化、同報系防災行政無線親局及び各子局への非常用予備電源配備、設備の耐震・防火・防水対策など情報システムや通信手段の耐災害性の強化、高度化を進める必要がある。

・本市の同報系防災行政無線は、合併前の各町が設置したものを中継局として運用してきたが、デジタル方式とアナログ方式の混在、設置年度、電波法改正による不適合といった問題点を抱えている。このため、災害時に住民へ確実かつ円滑に情報伝達するため、同報系防災行政無線及び移動系防災行政無線を計画的に更新していく必要がある。

 

4−2 

テレビ・ラジオ放送の中断等により災害情報が必要な者に伝達できない事態についての脆弱性評価結果は次のとおりです。

 

(情報提供手段の多様化)

・市民に警報等の災害情報が確実に伝わるよう、複数の通信手段を活用した情報伝達が必要である。このため、関係事業者の協力を得て、防災行政無線、携帯電話(緊急速報メール機能を含む)、ホームページ、SNS等を用いた伝達手段の多重化、多様化を進めていく必要がある。

・観光地や防災拠点等において、無料公衆無線ランを整備することは、情報を的確に伝達することに有効である。災害時においても災害発生状況、警報等の発令情報などの情報収集機能として有効に機能する無料公衆無線ランについて、検討・整備を進めていく必要がある。

・市では、災害情報、警報等発令情報、火災情報等を市民に伝達するため、「とよかわ安心メール」を運用している。現在約27,000人に登録してもらっているが、市からの災害情報伝達手段のひとつとして「とよかわ安心メール」の更なる登録を継続して進めていく必要がある。

 

目標(5)大規模自然災害発生後であっても、経済活動(サプライチェーンを含む)を機能不全に陥らせない

 

起きてはならない最悪の事態

5−1 

サプライチェーンの寸断等による企業の生産力低下についての脆弱性評価結果は次のとおりです。

 

(企業BCP策定の促進等)

・災害時、市内企業の事業資産の損害を最小限に留め、事業継続や早期復旧を可能とするため、事業所業務継続計画(企業BCP)策定に関し、愛知県等で実施しているBCP策定に関する支援策などの情報提供や周知・啓発を進めていく必要がある。

 

(企業の情報交換の推進)

・主に市内企業を対象とした情報交換会を開催し、市が実施している防災対策や、国・県の動きなどの防災情報を発信することで、企業の防災意識の向上を図っていく必要がある。

 

(企業防災力の強化)

・災害発生時に、従業員が帰宅困難者とならないよう、また、帰宅途中で負傷等しないよう、発災直後に従業員等を一定期間事業所内に留めておくためには、食料、飲料水、毛布などの物資を予め備蓄しておく必要がある。このため、従業員等を一定期間事業所内に留めておくために必要な物資の備蓄等について、企業による防災訓練などを通して啓発していく必要がある。また、落下防止、火災の防止、薬液漏洩防止、危険区域の立入禁止等、自社拠点における二次災害防止のための安全対策について確実に実施しておく必要がある。

(三河港の業務継続力の強化)

・伊勢湾内の広域連携により緊急物資輸送や港湾物流機能の早期回復の実現を目的として、平成28年2月に策定された伊勢湾BCP及び緊急確保航路等航路啓開計画について、今後、伊勢湾BCP協議会において、防災訓練を踏まえた見直しを推進する必要がある。

・災害発生後でも一定の港湾機能を維持しつつ、三河港全体の物流機能の早期回復を図り、津波・高潮からの確実な避難を図るため策定した三河港BCPについて、今後、学習・訓練を定期的に実施し、継続的な改善を推進する必要がある。

 

(御津臨海部における防災対策の推進)

・御津1区・2区工業用地に進出している企業で組織された「御津臨海企業懇話会」では、地震や津波に対する防災訓練や防災研修会を定期的に実施している。避難行動などにおける企業間連携についても継続的な話し合いが行われてきており、今後も「御津臨海企業懇話会」が行う、地震及び津波等に対応するための防災訓練及び防災研修会を積極的にサポートすることで、避難体制などの構築を進めていく必要がある。

 

5−2 

社会経済活動、サプライチェーンの維持に必要なエネルギー供給の停止についての脆弱性評価結果は次のとおりです。

 

(燃料供給ルートの確保に向けた体制整備)

・エネルギー供給の長期途絶を回避するため、各ライフライン機関においては、既存施設の耐震工事、設備の重要度に応じた定期点検、補強等の必要に応じた耐震対策、津波対策を進めていく必要がある。

・各ライフライン機関との防災訓練や情報提供・災害時の活動拠点の連携といった協定を締結することにより、災害発生時の連携強化を進めていく必要がある。

・燃料供給ルートを確実に確保し、サプライチェーンを維持するため、緊急輸送道路などの耐震化などの整備を進めていく必要がある。

 

5−3 

陸・海の基幹的交通ネットワークの機能停止についての脆弱性評価結果は次のとおりです。

 

(道路等の災害対策の推進)

・大規模地震等の災害発生時においても、経済活動、市民に及ぼす影響を最小化し、災害時応急活動及び警戒宣言発令時対策活動の実施に必要な物資、資機材、要員、救助・救急、医療活動のためのエネルギー等の物資輸送ルートを確実に確保するため、緊急輸送道路や幹線道路など、基幹的交通ネットワークの整備を進める必要がある。

・緊急輸送道路や避難所への物資輸送ルートなどにある重要な橋梁については、大規模地震発生時においても通行ができるよう橋梁本体の耐震補強を推進する必要がある。

・各避難所へ迅速に物資を輸送するため、また、救助・救急、医療活動のためのエネルギーを円滑に輸送するためには、通行不能となった輸送ルートの道路啓開を迅速に実施することが重要であり、この迅速な輸送道路啓開に向けて、「豊川市広域受援マニュアル」に掲載されている「中部版くしの歯作戦」で指定されている幹線道路や緊急輸送ルートの情報共有、道路啓開に必要な体制を整備する必要がある。

・陸上輸送の寸断に備え、三河港において、耐震強化岸壁の確保や防波堤の強化など、港湾における地震津波対策を着実に推進するとともに、道路啓開や航路啓開など交通ネットワークの復旧に向けた取組等を推進する必要がある。

 

(三河港の業務継続力の強化)

・伊勢湾内の広域連携により緊急物資輸送や港湾物流機能の早期回復の実現を目的として、平成282月に策定された伊勢湾BCP及び緊急確保航路等航路啓開計画について、今後、伊勢湾BCP協議会において、防災訓練を踏まえた見直しを推進する必要がある。

・災害発生後でも一定の港湾機能を維持しつつ、三河港全体の物流機能の早期回復を図り、津波・高潮からの確実な避難を図るため策定した三河港BCPについて、今後、学習・訓練を定期的に実施し、継続的な改善を推進する必要がある。

 

(御津臨海部の整備)

・御津1区及び2区については、1区、2区とも橋梁の耐震性に不安があり、各企業の迅速な避難行動や復旧・復興のための物資輸送を実現するため、1区及び2区をつなぐ臨港道路東三河臨海線の早期事業化を進める必要がある。

 

5−4 

食料等の安定供給の停滞についての脆弱性評価結果については次のとおりです。

 

(物流ネットワークの整備)

・物流インフラの災害対応の強化に向けて、道路、港湾等の耐震対策等を推進するとともに、輸送モード相互の連携や産業競争力の強化の視点を兼ね備えた物流ネットワークの構築を推進する必要がある。

 

(食料の確保)

・大規模災害が発生した際、避難生活を送る市民等の生活を確保するため、食料や飲料水などを計画的に備蓄していく必要がある。また、備蓄した食料だけでなく、事業者等との連携による食料等の安定的な供給を行うため、協定締結により食料等の確保を進めていく必要がある。

 

(農林水産業に係る生産基盤等の災害対応力の強化)

・農林水産業に係る生産基盤等の災害対応力強化のため、農業水利施設の耐震化、老朽化対策等の災害対応力強化のためのハード対策と、地域コミュニティと連携した施設の保全・管理や施設管理者の体制整備等のソフト対策を組み合わせた対策を推進する必要がある。

 

目標(6)大規模自然災害発生後であっても、生活・経済活動に必要最低限の電気、ガス、上下水道、燃料、交通ネットワーク等を確保するとともに、これらの早期復旧を図る

 

起きてはならない最悪の事態

6−1 

電力供給ネットワーク(発変電所、送配電設備)や石油・LPガスサプライチェーンの機能停止についての脆弱性評価結果は次のとおりです。

      

(ライフラインの災害対応力強化)

・電力の長期供給停止を発生させないため、電気設備の自然災害に対する耐性評価等の結果に基づき、発変電所、送電線綱や電力システムの災害対応力強化及び復旧の迅速化を促す必要がある。

・災害に備え、耐震性に優れたガス管への取替えを計画的に促進するとともに、道路管理者との間で災害情報を共有するなどの連携強化が必要である。

・災害発生時におけるライフライン機能の維持・確保や早期復旧を図るため、電気、ガス等ライフライン関係機関との協力体制を構築する必要がある。

 

(自立・分散型エネルギーの導入の促進)

・災害時のエネルギー供給を確保するための取組を進めるとともに、エネルギー供給源を多様化するため、太陽光発電などの再生可能エネルギー等の自立・分散型エネルギーの導入を促進していく必要がある。

 

6−2 

上水道等の長期間にわたる機能停止についての脆弱性評価結果は次のとおりです。

 

(水道施設の老朽化対策等の推進)

・大規模自然災害発生時における水の供給体制を確立するため、給水拠点となる配水池の耐震性を強化するとともに、水道配水管において強度が低下している老朽管の更新を計画的に推進する必要がある。

 

(広域的な応援体制の確立)

・大規模自然災害発生時に避難所など地域への水道供給が止まってしまう事態を想定し、水道水供給について速やかに対応するため、他都市からの給水車の受け入れ体制の確保など広域的な応援体制を確立していく必要がある。

 

(復旧体制の強化)

・大規模自然災害発生時の早期供給を図るためには、上水道等の応急処置や復旧を行う要員及び資機材を確保しておく必要がある。このため、平時から関係業者の協力体制の整備を行っておく必要がある。

 

6−3 

汚水処理施設等の長期間にわたる機能停止についての脆弱性評価結果は次のとおりです。

 

(マンホールトイレの整備)

・東日本大震災や平成28年熊本地震における避難所の多くで、トイレ不足の問題が発生した。今まで各避難所用として簡易トイレを備蓄してきているが、衛生面や利用者予測を考慮し、多数の避難者が予測される避難所については規模の大きい仮設トイレの整備が必要となってきている。このため、大規模地震における避難所のトイレ不足に対応するため、多くの避難者を想定している避難所である小中学校に災害用マンホールトイレの整備を早期に進めていく必要がある。

 

(下水道施設の耐震化等の推進)

・災害時の下水道施設の機能停止による公衆衛生問題や破損による交通障害の発生を防止するため、幹線管渠施設等の下水道施設の耐震化及び老朽化した下水道管の更新を計画的に進めていく必要がある。

(農業集落排水施設の耐震化等の推進)

・本市における農業集落排水施設は、4地区において整備済みであるが、施設の耐震性や老朽化状況等の診断を実施し、これに基づく耐震化対策、老朽化対策等を推進する必要がある。

 

(災害時の廃棄物の処理体制の整備)

・豊川市災害廃棄物処理計画に基づき、平時からし尿等の処理を適正かつ円滑に実施できる体制を整備しておく必要がある。

 

6−4 

地域交通ネットワークが分断する事態 についての脆弱性評価結果は次のとおりです。

 

(基幹的交通ネットワークの確保)

・大規模地震等の災害発生時においても、経済活動、市民に及ぼす影響を最小化し、災害時応急活動及び警戒宣言発令時対策活動の実施に必要な物資、資機材、要員、救助・救急、医療活動のためのエネルギー等の物資輸送ルートを確実に確保するため、緊急輸送道路や幹線道路など、基幹的交通ネットワークの整備を進める必要がある。

・緊急輸送道路や避難所への物資輸送ルートなどにある重要な橋梁については、大規模地震発生時においても通行ができるよう橋梁本体の耐震補強を推進する必要がある。

・陸上輸送の寸断に備え、三河港において、耐震強化岸壁の確保や防波堤の強化など、港湾における地震津波対策を着実に推進するとともに、道路啓開や航路啓開など交通ネットワークの復旧に向けた取組等を推進する必要がある。

・災害時の海上物流機能を確保するため、三河港において岸壁の耐震強化等により、海上・陸上物流の連携したネットワークを構築しているが、大規模災害時においても陸・海の基幹的交通ネットワークを機能停止に陥らせない対策を推進する必要がある。

 

(迅速な輸送道路啓開に向けた体制整備)

・「豊川市広域受援マニュアル」では、国からのプッシュ型支援による物資を広域物資輸送拠点である豊橋市総合体育館から地域内輸送拠点である豊川地区防災倉庫への輸送ルート、地区内輸送拠点から拠点防災倉庫を経由して各避難所までの輸送ルートを指定している。各避難所へ迅速に物資を輸送するためには、通行不能となった輸送ルートの道路啓開を迅速に実施することが重要であり、この迅速な輸送道路啓開に向けて、「豊川市広域受援マニュアル」に掲載されている緊急輸送ルートの情報共有、道路啓開に必要な体制を整備する必要がある。

・大規模自然災害発生時に、道路上の放置車両や立ち往生車両によって救助活動、緊急物資輸送等災害応急対策に支障が生じることが懸念されるため、道路管理者や警察等が連携して、放置車両などの移動を行うなど、緊急車両等通行ルートの早期啓開を行う体制整備を行う必要がある。

・臨海部の企業への物資輸送や復旧資機材を確実に確保できるよう、南海トラフ地震対策中部圏戦略会議が策定・公表している「中部版くしの歯作戦」について、関係機関の役割を具体化し、計画の実効性向上を図っていく必要がある。

 

(道路ネットワークの迅速な再開に向けた体制の整備)

・大規模地震発災後、ETC2.0プローブ情報や民間プローブ情報の活用により交通情報を的確に把握するとともに、迅速な輸送経路啓開に向けて、関係機関の連携等により装備資機材の充実、情報収集・共有、情報提供、継続的な訓練、事業継続計画(BCP)の策定など必要な体制整備を推進する必要がある。

 

(三河港の業務継続力の強化)

・伊勢湾内の広域連携により緊急物資輸送や港湾物流機能の早期回復の実現を目的として、平成282月に策定された伊勢湾BCP及び緊急確保航路等航路啓開計画について、今後、伊勢湾BCP協議会において、防災訓練を踏まえた見直しを推進する必要がある。

・災害発生後でも一定の港湾機能を維持しつつ、三河港全体の物流機能の早期回復を図り、津波・高潮からの確実な避難を図るため策定した三河港BCPについて、今後、学習・訓練を定期的に実施し、継続的な改善を推進する必要がある。

 

6−5 

異常渇水等による用水の供給の途絶についての脆弱性評価結果は次のとおりです。

(水の安定供給体制の確保)

 

・大規模自然災害発生時においても安定供給が可能となる給水体制を目指し、水資源関連施設の耐震化、水源の増備といったハード対策とともに、災害発生時復旧対策の策定、関係機関の連携等ソフト対策を推進する必要がある。

・異常渇水による生活や産業への影響を最小限にするため、関係機関が連携して水利調整等の対策に取り組む必要がある。

 

6−6 

避難所の機能不足等により避難者の生活に支障が出る事態についての脆弱性評価結果は次のとおりです。

 

(避難所運営体制の整備)

・大規模自然災害発生時に開設する避難所の運営については、長期の避難生活となることも想定し、避難者によるコミュニティの形成が必要となってくる。このため、市は、地域が主体的に避難所の運営管理ができるよう避難所運営マニュアルを整備し、活用・周知する必要がある。

・町内会や自主防災会等と避難所運営に関する訓練を通し、地域が主体的に避難所の管理運営が行えるよう意識啓発に取り組む必要がある。

・大規模自然災害発生時に避難所を開設した際、避難所運営マニュアル等が作成されていたとしても、初期段階からスムーズに避難所の開設、運営体制を構築していくことは大変難しいことから、特に初期段階での避難所開設・運営を主導していくため、主たる避難所である小中学校、高等学校、地区市民館、公民館等について、近隣に在住する職員2名ずつを避難所対策員として指定し、円滑な避難所開設・運営体制の強化を図る必要がある。

 

(避難所施設の老朽化対策及び耐震化の推進)

・東日本大震災や平成28年熊本地震において、避難所となる公共施設の内外壁の落下や非構造部材の落下により避難所として使用できなかった公共施設が見受けられた。避難者の安全な避難所生活を確保するためには、避難所に指定されている学校施設等の老朽化対策及び内外壁の落下等を防止するための非構造部材の耐震化を推進する必要がある。

 

(避難所用備蓄品及び救助用資機材の確保)

・主たる避難所である小中学校、高等学校に備蓄している避難所用備蓄品については、常に内容の検討を行いガソリン缶、ソーラー発電機、コミュニケーション支援ボードなどの追加を行ってきているが、今後も避難生活を安心して送れるよう検討・追加を行うとともに、自主防災会や施設管理者も交えて、適正な保管をしていく必要がある。

・大規模自然災害発生時に共助の中心として活動する各自主防災会にはその地域特性を踏まえた資機材や備蓄品の確保が必要である。このため、自主防災会が整備する災害対応用備蓄品や資機材について、市から自主防災会へ積極的に支援することで、地域における備蓄品や資機材の確保を図っていく必要がある。

・東日本大震災や平成28年熊本地震における避難所の多くで、トイレ不足の問題が発生した。今まで各避難所用として簡易トイレを備蓄してきているが、衛生面や利用者予測を考慮し、多数の避難者が予測される避難所については規模の大きい仮設トイレの整備が必要となってきている。このため、大規模地震における避難所のトイレ不足に対応するため、多くの避難者を想定している避難所である小中学校に災害用マンホールトイレの整備を早期に進めていく必要がある。

 

(要配慮者等への支援体制の整備)

・災害時において避難行動要支援者の安否確認や避難誘導が円滑に行えるよう、日頃から市と地域が連携して避難行動要支援者の把握に努めるとともに、災害時要援護者の登録制度の普及、登録者拡大に向けた啓発活動を進めていく必要がある。

・避難所運営を行う人と高齢者や障害者の人とのコミュニケーションを手助けするものとして、コミュニケーション支援ボードを各避難所に整備し、高齢者や障害者の避難所生活を支援していく必要がある。

 

目標(7)制御不能な二次災害を発生させない

 

起きてはならない最悪の事態

7−1 

市街地での大規模火災の発生についての脆弱性評価結果は次のとおりです。

 

(救助・救急活動能力の充実・強化)

・大規模地震災害などの過酷な災害現場での救助・救急活動能力を高めるため、活動に必要な救助資機材、高度救命処置資機材等を充実させるとともに、教育訓練の充実・強化を図っていく必要がある。

・大規模地震災害などの過酷な災害現場での救助・救急活動において、消防や警察とともに地域で活動していく消防団、自警団について、市・地域が一体となって組織の充実・強化を図っていく必要がある。

・災害等の危険事案が発生した場合、又はその発生が懸念される場合等において、状況の把握や対応策の検討に役立てるための手段としてドローン航空隊を編成するとともに、ドローン操縦を担う職員を養成することによって効果的な運用を図る必要がある。

 

(火災に強いまちづくりの推進)

・本市では現在3地区で土地区画整理事業が進んでいるが、市街地の災害防除の面からも、今後も避難・延焼遮断空間の確保、狭あい道路の解消といった土地区画整理事業等による道路・公園などの公共施設の整備を継続実施していく必要がある。

・市街地の地震災害に対する脆弱性を客観的かつ定量的に評価した「市街地の防災性能評価」を踏まえ、災害時に大きな被害が想定される密集市街地を対象に、防災対策に資する計画的な都市基盤整備を展開するとともに、地域住民が実施する防災対策に資する事業を助成することにより、市街地の防災空間の拡大に取り組んでいく必要がある。

・現在誰も生活していない空家については、地震による倒壊の危険性や管理の不徹底による防火・防犯上の問題などが指摘されている。本市においてもこれらの空家に対する取組として、空家等対策計画を策定し、倒壊や火災の危険性のある空家等に対し、適正管理及び除去等を進める必要がある。

・狭あい道路の対策については、安全で良好な居住環境の確保と災害に強いまちづくりの実現に寄与するため、幅員1.8メートル以上4メートル未満の狭あい道路拡幅工事を推進する必要がある。

 

7−2 

海上・臨海部の広域複合災害の発生についての脆弱性評価結果は次のとおりです。

 

(河川・海岸施設の強化)

・津波・高潮による浸水を防ぐため、地盤沈下及び老朽化した堤防護岸の補強、堤防高の低い箇所の嵩上げについて、関係機関への働きかけなどを含めた積極的な取組が必要である。

・河川の河口部や海岸にある水門等について、地震発生時においても操作が可能となるような耐震補強、耐震対策や、地震後の地域の排水機能を確保するため排水機場等の耐震対策について、関係機関への働きかけなどを含めた積極的な取組が必要である。

 

(臨海部の物流ルートの確保)

・臨海部の企業への物資輸送や復旧資機材を確実に確保できるよう、南海トラフ地震対策中部圏戦略会議が策定・公表している「中部版くしの歯作戦」について、関係機関の役割を具体化し、計画の実効性向上を図っていく必要がある。

 

(漂流物防災対策の推進)

・災害時、コンテナ、船舶、石油タンク等が流出し、二次災害が発生するおそれがあるため、漂流物防止対策を推進する必要がある。

 

(三河港の業務継続力の強化)

・伊勢湾内の広域連携により緊急物資輸送や港湾物流機能の早期回復の実現を目的として、平成28年2月に策定された伊勢湾BCP及び緊急確保航路等航路啓開計画について、今後、伊勢湾BCP協議会において、防災訓練を踏まえた見直しを推進する必要がある。

・災害発生後でも一定の港湾機能を維持しつつ、三河港全体の物流機能の早期回復を図り、津波・高潮からの確実な避難を図るため策定した三河港BCPについて、今後、学習・訓練を定期的に実施し、継続的な改善を推進する必要がある。

 

(御津臨海部の整備)

・御津1区及び2区については、1区・2区とも橋梁の耐震性に不安があり、各企業の迅速な避難行動や復旧・復興のための物資輸送を実現するため、1区及び2区をつなぐ臨港道路東三河臨海線の早期事業化を進める必要がある。

 

  7−3 

沿線・沿道の建物倒壊による直接的な被害及び交通麻痺についての脆弱性評価結果は次のとおりです。

(沿道の通行障害建築物の耐震化の促進)

・緊急輸送道路等沿道の通行障害建築物の耐震化については、建物所有者の努力義務となっているが、緊急輸送道路や避難路等の機能及び安全を確保するため、道路等に面する建築物の耐震診断、耐震改修の実施やブロック塀・屋外看板等の耐震対策、落下防止対策に対する所有者への指導・助言を進めていく必要がある。

 

(災害情報の収集体制の強化)

・各種観測データを活用することにより、被害情報の早期把握、復旧計画の速やかな立案等、災害情報の収集体制の強化を進める必要がある。

 

7−4 

排水機場等の防災施設、ため池等の損壊・機能不全による二次災害の発生についての脆弱性評価結果は次のとおりです。

 

(ため池等の防災対策の推進)

・周辺住民の生命・財産を守るため、農業用ため池や調整池について老朽化対策や地震対策の必要性に応じ、順次整備を推進する必要がある。

・豪雨や地震の発生などにより堤体が決壊した場合に人家等に大きな被害を与えるおそれのある農業用ため池について、周辺住民の防災意識の向上を図るため、ハザードマップを作成・配布していく必要がある。

 

(排水機場等の防災対策の推進)

・排水機場等の損壊・機能不全により排水不良が発生し、浸水が長期化してしまうことを防ぐため、排水機場等の耐震化を進めていく必要がある。

・排水機場等は、常に施設機能の効果を発揮させる必要があるため、計画的な整備・維持管理を行う必要がある。

 

7−5 

有害物質の大規模拡散・流出についての脆弱性評価結果は次のとおりです。 

 

(有害物質の漏えい等の防止対策の推進)

・有害物質の大規模拡散・流出等による健康被害や環境への悪影響を防止するため、企業における化学物質の管理方法や事故発生時の対応計画策定等の事前対策の強化に対する啓発や、大規模な出火や有害物資の流出した際の周知体制の強化を図っていく必要がある。

 

7−6 

農地・森林等の荒廃による被害の拡大についての脆弱性評価結果は次のとおりです。

 

(農地や農業水利施設等の保全管理と体制整備)

・地域の主体性・協働力を活かした農地・農業水利施設等の地域資源の適切な保全管理や、自立的な防災・復旧活動のための体制整備を構築していく必要がある。

 

(森林の整備・保全)

・森林が有する多面的機能を発揮するため、間伐等の適切な森林整備や治山対策など、効果的・効率的な手法による災害に強い森林づくりを進めていく必要がある。

・森林が有する防災上の機能が有効に発揮されるよう、地域コミュニティ等との連携を図りつつ、森林の保全活動や環境教育を推進していく必要がある。

 

(治山対策の推進)

・市街地等の周辺にある保安林の機能を高度に発揮させ、山地災害の防止等と併せて生活環境を保全・形成するため、森林の造成改良整備等を進めていく必要がある。

 

7−7 

風評被害等による地域経済等への甚大な影響についての脆弱性評価結果は次のとおりです。

 

(風評被害を防止する的確な情報発信のための体制強化)

・災害発生時において、風評被害等に対応するため、マニュアルの作成や情報発信手段の確保など、的確な情報発信のための体制強化を図っていく必要がある。

 

目標(8)大規模自然災害発生後であっても、人口や企業の流出を回避し、地域社会・経済が迅速に再建・回復できる条件を整備する

 

起きてはならない最悪の事態

8−1 

大量に発生する災害廃棄物の処理の停滞により復旧・復興が大幅に遅れる事態についての脆弱性評価結果は次のとおりです。

 

(災害廃棄物処理計画の推進)

・豊川市災害廃棄物処理計画に基づき適正かつ円滑・迅速に災害廃棄物処理を行う実行性を高めるため、教育・訓練による人材育成等を行い、災害廃棄物処理体制の充実を図る必要がある。

(廃棄物処理施設の災害対応力の強化)

・大規模自然災害発生時に、処理施設の能力の維持を図るため、老朽化したごみ焼却施設の計画的な改修を推進する必要がある。

・大規模自然災害発生時に円滑・迅速に災害廃棄物の処理を行う対応力を強化するため、廃棄物の広域的な処理体制の整備を推進する必要がある。

 

8−2 

道路啓開等の復旧・復興を担う人材等(専門家、ボランティア、労働者、地域に精通した

技術者等)や物資等の不足により復旧・復興が大幅に遅れる事態についての脆弱性評価結果は次のとおりです。

 

(復旧・復興を担う人材等の育成)

・被災した住宅や宅地の危険度判定を的確に実施するため、被災建築物応急危険度判定士や被災宅地危険度判定士の養成を推進するとともに、訓練等の実施により実施体制の整備を図る必要がある。

 

(地方行政機関の機能低下の回避)

・大規模自然災害時に、復旧・復興を先導する行政職員等の施設の被災による機能の大幅な低下を回避するべく、体制・施設の強化を図る必要がある。

 

(市役所の機能低下の回避)

・災害発生時には、市役所や支所は救助・救急活動、災害応急対策活動の活動拠点となることや、小中学校、地区市民館、公民館等は避難所として活用されることから、想定される地震や津波等に対して耐震補強や改修といった施設の整備、非常用発電設備の整備といった機能面の充実を図る必要がある。

・現在、大規模自然災害が発生した際には本庁舎2階に災害対策本部を、3階に活動センターを設置することとなっている。この本庁舎は、耐震改修工事は既に実施しているが、建築後45年以上経過しており、地震の揺れなどにより内外壁、吊り天井などの落下による機能制限が発生することが危惧される。このため、災害発生時に救助・救急活動、災害応急対策活動といった対策の中心として機能する災害対策本部や、広域受援により来訪する応援部隊の活動拠点として防災センターを別に建設整備し、災害発生時に指揮命令系統を維持していく必要がある。

・市は、災害発生時に迅速な災害応急対策活動や復旧・復興の主体として重要な役割を担うこととなることから、その業務の継続と早期復旧を図るため、「豊川市役所地震対策業務継続計画」を平成25年3月に策定するとともに、平成295月に改定作業を行っている。今後も全ての部署の協力を得て、計画を定期的に見直すとともに職員へ計画の周知を図っていく必要がある。(事前復旧・復興計画等の策定)

・事前復旧・復興計画等を策定し、施設整備や訓練等を行いながら復旧・復興体制の強化を図る必要がある。

 

(災害ボランティアの円滑な受け入れ・活動体制の構築)

・大規模自然災害発生時には、全国からボランティアが本市を訪れ、活動することとなるが、被災者の様々なニーズを把握し、手助けするボランティアを円滑に受け入れるため、ボランティアセンターの運営を担う防災ボランティアコーディネーターの養成を継続的に推進する必要がある。

・ボランティアによる適切な支援が行われるよう、ボランティアを受け入れるボランティアセンターの体制の整備を図る必要がある。

 

8−3 

地域コミュニティの崩壊、治安の悪化等により復旧・復興が大幅に遅れる事態についての脆弱性評価結果は次のとおりです。

 

(地域コミュニティ力の強化に向けた支援)

・地域コミュニティである町内会や自主防災会の大規模災害発生時の対応力を向上させるため、防災訓練・教育、防災リーダーの養成などの支援を継続して実施していく必要がある。

 

(地方行政機関等の職員・施設等の被災による機能低下の回避)

・治安の悪化等を防ぐため、地方行政機関等(警察・消防を含む)の機能維持のための体制強化に係る取組を進めていく必要がある。

 

(警察署等の耐震化の促進)

・大規模災害発生時に、警察署や交番等において施設機能の損壊により活動が制限されることがあってはならない。このため、施設の計画的な改修や建替えといった耐震化を行い、警察機能が十分に発揮されるようにしておく必要がある。

 

8−4 

基幹インフラの損壊により復旧・復興が大幅に遅れる事態についての脆弱性評価結果は次のとおりです。

 

(幹線交通分断に伴うリスクの想定及び対策の推進)

・大規模自然災害発生時において、陸・海の基幹的交通ネットワークを機能停止に陥らせないよう、地震や津波、洪水、高潮等の浸水想定を踏まえ、幹線道路が分断するリスクの想定とともに対策の検討を進めていく必要がある。

(基幹インフラ復旧等の大幅な遅れへの対応)

・基幹インフラの広域的な損壊により復旧・復興が大幅に遅れる事態を想定した対策について、関係機関と連携を図りながら総合的な取組を行っていく必要がある。

 

8−5 

被災者の住居確保等の遅延により生活再建が遅れる事態についての脆弱性評価結果は次のとおりです。

 

(応急仮設住宅・復興住宅の迅速な確保に向けた取組)

・応急仮設住宅を迅速に提供するため、あらかじめ住宅建設に適する建設用地として3箇所404戸分を選定・確保しているが、今後も拡充していくことで、迅速な応急仮設住宅建設に対する取組を進めていく必要がある。

・被災者が早期に住居を確保することができるよう、県や民間企業との連携により、公営住宅や民間賃貸住宅等の情報を迅速に把握し、既存ストックの活用を図ることができる体制整備を図る必要がある。

 

(自宅住居による生活再建の促進)

・被災した住宅や宅地の危険度判定を的確に実施するため、被災建築物応急危険度判定士や被災宅地危険度判定士の養成を推進するとともに、訓練等の実施により実施体制の整備を図る必要がある。

・自宅居住による生活再建を促進するため、被災住宅の応急修理を適確かつ迅速にできる体制を構築する必要がある。

 

(罹災証明書の発行体制の整備)

・早期の復旧・復興を図るためには、罹災証明書発行業務の迅速性と的確性の確保を図っていく必要がある。このため、従事者を対象とするシステム操作研修や住家の被害認定調査業務研修の実施に取り組む必要がある。

 

(別紙2)政策分野ごとの脆弱性評価結果については次のとおりです。

 

1、個別政策分野

(1)  行政機能、警察・消防等の脆弱性評価結果は次のとおりです。

(災害対策本部の機能確保)

・現在、大規模自然災害が発生した際には本庁舎2階に災害対策本部を、3階に活動センターを設置することとなっている。この本庁舎は、耐震改修工事は既に実施しているが、建築後45年以上経過しており、地震の揺れなどにより内外壁、吊り天井などの落下による機能制限が発生することが危惧される。このため、災害発生時に救助・救急活動、災害応急対策活動といった対策の中心として機能する災害対策本部や、広域受援により来訪する応援部隊の活動拠点として防災センターを別に建設整備し、災害発生時に指揮命令系統が維持していく必要がある。

 

(業務継続計画の作成及び見直し)

・市は、災害発生時に迅速な災害応急対策活動や復旧・復興の主体として重要な役割を担うこととなることから、その業務の継続と早期復旧を図るため、「豊川市役所地震対策業務継続計画」を平成25年3月に策定するとともに、平成29年5月に改定作業を行っている。今後も全ての部署の協力を得て、計画を定期的に見直すとともに職員へ計画の周知を図っていく必要がある。

 

(市所管施設の機能確保)

・災害発生時には、市役所や支所は救助・救急活動、災害応急対策活動の活動拠点となることや、小中学校、地区市民館、公民館等は避難所として活用されることから、想定される地震や津波等に対して耐震補強や改修といった施設の整備、非常用発電設備の整備といった機能面の充実を図る必要がある。

 

(公共施設等の非構造部材の耐震化等の推進)

・大規模地震発災時の災害対応拠点や避難所となる公共施設等において、内外壁や吊り天井等の落下により施設が使用困難とならないよう非構造部材の落下防止対策を推進していく必要がある。

 

(避難所運営体制の整備)

・大規模自然災害発生時に避難所を開設した際、避難所運営マニュアル等が作成されていたとしても、初期段階からスムーズに避難所の開設、運営体制を構築していくことは大変難しいことから、特に初期段階での避難所開設・運営を主導していくため、主たる避難所である小中学校、高等学校、地区市民館、公民館等について、近隣に在住する職員2名ずつを避難所対策員として指定し、円滑な避難所開設・運営体制の強化を図る必要がある。

 

(避難所施設の老朽化対策及び耐震化の推進)

・東日本大震災や平成28年熊本地震において、避難所となる公共施設の内外壁の落下や非構造部材の落下により避難所として使用できなかった公共施設が見受けられた。避難者の安全な避難所生活を確保するためには、避難所に指定されている学校施設等の老朽化対策及び内外壁の落下等を防止するための非構造部材の耐震化を推進する必要がある。

 

(備蓄の推進)

・避難所への避難者及び在宅避難など避難所以外にいる避難者に食料、飲料水等を提供するため、備蓄計画に基づき、必要とされる食料・飲料水等の備蓄を行うとともに、東日本大震災や平成28年熊本地震などの経験から、避難所などにおける必要物資についての研究、検討を行っていく必要がある。

 

(避難所用備蓄品及び救助用資機材の確保)

・主たる避難所である小中学校、高等学校に備蓄している避難所用備蓄品については、常に内容の検討を行いガソリン缶、ソーラー発電機、コミュニケーション支援ボードなどの追加を行ってきているが、今後も避難生活を安心して送れるよう検討・追加を行うとともに、自主防災会や施設管理者も交えて、適正な保管をしていく必要がある。

 

(災害時の広域連携の推進)

・「豊川市広域受援マニュアル」では、国からのプッシュ型支援による物資が豊川地区防災倉庫へ届き、その後拠点防災倉庫、各避難所へと輸送することとなっている。この輸送を確実に実施するため、産官民の連携により、災害発生時に広域的な応援を受けられるよう、関係機関、他の自治体との協定を締結することで災害時に物資調達がスムーズに実施できるような体制を構築する必要がある。

・市は、災害発生時に円滑に国等からの広域的な応援を受けることができるよう、自衛隊・警察・消防を始めとする応援部隊等の展開及び宿営の拠点、資機材・物資の集結・集積に必要となる拠点、緊急輸送ルートの確保などについてまとめた広域受援計画を策定しておく必要がある。本市では平成2812月に「豊川市広域受援マニュアル」を策定しているが、災害対応の研究の進捗や、実際の訓練などによる問題点を洗い出し、随時見直しを行っていくことで、広域における連携体制を構築していく必要がある。

 

(地方行政機関の機能低下の回避)

・大規模自然災害時に、復旧・復興を先導する行政職員等の施設の被災による機能の大幅な低下を回避するべく、体制・施設の強化を図る必要がある。

(地方行政機関等の職員・施設等の被災による機能低下の回避)

・治安の悪化等を防ぐため、地方行政機関等(警察・消防を含む)の機能維持のための体制強化に係る取組を進めていく必要がある。

 

(事前復旧・復興計画等の策定)

・事前復旧・復興計画等を策定し、施設整備や訓練等を行いながら復旧・復興体制の強化を図る必要がある。

 

(罹災証明書の発行体制の整備)

・早期の復旧・復興を図るためには、罹災証明書発行業務の迅速性と的確性の確保を図っていく必要がある。このため、従事者を対象とするシステム操作研修や住家の被害認定調査業務研修の実施に取り組む必要がある。

 

(災害時防犯体制の強化)

・災害時、留守宅への「空き巣」や、休業中の商店などに侵入する「店舗荒らし」「自販機荒らし」などの街頭犯罪の多発を抑制し、地域の安全・安心を確保するためには、警察機能だけでなく、地域による見回りなどの防犯活動が有効な手段となってくる。このため、平常時より地域の自主防犯団体への支援を行うことで、地域における防犯活動の強化を図っていく必要がある。

 

(警察署等の耐震化の促進)

・大規模災害発生時に、警察署や交番等において施設機能の損壊により活動が制限されることがあってはならない。このため、施設の計画的な改修や建替えといった耐震化を行い、警察機能が十分に発揮されるようにしておく必要がある。

 

(消防力の強化)

・消防署所の各施設について、適切な維持管理を行うとともに、通信機能など時代に合わせ積極的な機能強化を図る必要がある。また、機能の不足や老朽化した施設については、災害発生時にその機能が維持できるよう計画的な移転・建替えについて検討していく必要がある。

・大規模化、複雑多様化する各種災害に対応するため、「消防力の整備指針」及び「消防水利の基準」に基づく消防施設整備計画により、消防車両や消防水利等の施設、設備を計画的に更新・整備する必要がある。

 

(災害対応の体制・資機材強化)

・大規模自然災害発生時に、自衛隊、警察災害派遣隊、緊急消防援助隊、海上保安庁の受け入れについて、「豊川市広域受援マニュアル」に基づき対応することとなっているが、これらの機関が連携し、迅速な救助・救急活動を実施することができるよう合同訓練や情報交換の機会を設け、災害発生時に相互が連携して活動できる体制を構築していく必要がある。

・災害等の危険事案が発生した場合、又はその発生が懸念される場合等において、状況の把握や対応策の検討に役立てるための手段としてドローン航空隊を編成するとともに、ドローン操縦を担う職員を養成することによって効果的な運用を図る必要がある。

 

(救助・救急活動能力の充実・強化)

・大規模地震災害などの過酷な災害現場での救助・救急活動能力を高めるため、活動に必要な救助資機材、高度救命処置資機材等を充実させるとともに、教育訓練の充実・強化を図っていく必要がある。

・大規模地震災害などの過酷な災害現場での救助・救急活動において、消防や警察とともに地域で活動していく消防団、自警団について、市・地域が一体となって組織の充実・強化を図っていく必要がある。

 

(消防団の災害対応力の強化)

・地域防災力の維持・向上に必要不可欠な存在である消防団について、その活動が活発に実施できるよう活動環境の整備や処遇改善、市民の消防団活動への理解を深めることで消防団員の入団促進を図るとともに、複雑多様化する各種災害に適切に対応できるよう、その知識・技能を向上させるための訓練を充実・強化する必要がある。

・消防団の活動拠点であり、災害発生時の地域の災害活動拠点ともなる消防団詰所や、消防団員にその技能を最大限発揮させるための消防団車両・資機材などの装備を充実・強化する必要がある。

 

(不特定多数の者が利用する建築物等の防火・耐火対策)

・消防法に規定する防火対象物について防火管理者を必ず選任させ、消防計画に基づく消火、通報及び避難訓練の実施、消防用設備等の点検整備、火気の使用又は取扱いに関する指導を徹底していく必要がある。

・防火対象物について消防法の規定に基づく消防用設備等の完全設置を推進し、当該対象物における防火体制の強化を図る必要がある。

・不特定多数の者が利用する建物の防火・耐火性能を保持するため、定期的に施設及び設備の安全点検を行い、危険箇所あるいは要補修箇所の早期発見に努めるとともに、これらの改善を図る必要がある。

 

(2)住宅・都市についての脆弱性評価結果は次のとおりです。」

(住宅・建築物等の耐震化)

・耐震性が低いといわれる昭和56年の耐震基準改正以前に着工された木造住宅に対する無料耐震診断や耐震改修、解体、シェルター設置の補助、非木造住宅に対する耐震診断や耐震改修の補助を実施するとともに、総合的な既存建物の耐震性の向上を推進するため、啓発活動を積極的に実施する必要がある。

 

(家具の転倒防止及び窓ガラスの飛散防止事業の推進)

・地震動による家具の転倒による死傷被害等を防ぐため、市民向けに家具転倒防止器具取付事業を継続実施するとともに、県とも連携した家具転倒防止講習会を継続実施していく必要がある。また、地震動による窓ガラスの飛散による死傷被害等を防ぐため、市民向けに窓ガラス飛散防止フィルム貼付事業を継続実施していく必要がある。

 

(火災に強いまちづくりの推進)

・本市では現在3地区で土地区画整理事業が進んでいるが、市街地の災害防除の面からも、今後も避難・延焼遮断空間の確保、狭あい道路の解消といった土地区画整理事業等による道路・公園の公共施設の整備を継続実施していく必要がある。

・市街地の地震災害に対する脆弱性を客観的かつ定量的に評価した「市街地の防災性能評価」を踏まえ、災害時に大きな被害が想定される密集市街地を対象に、防災対策に資する計画的な都市基盤整備を展開するとともに、地域住民が実施する防災対策に資する事業を助成することにより、市街地の防災空間の拡大に取り組んでいく必要がある。

・現在誰も生活していない空家については、地震による倒壊の危険性や管理の不徹底による防火・防犯上の問題などが指摘されている。本市においてもこれらの空家に対する取組として、空家等対策計画を策定し、倒壊や火災の危険性のある空家等に対し、適正管理及び除去等を進める必要がある。

・狭あい道路の対策については、安全で良好な居住環境の確保と災害に強いまちづくりの実現に寄与するため、幅員1.8メートル以上4メートル未満の狭あい道路拡幅工事を推進する必要がある。

 

(不特定多数の者が利用する建築物等の耐震化の促進)

・建物等の耐震改修の促進に関する法律に規定する、病院、学校及び劇場、駅、大規模集客施設等不特定多数の人が利用する特定建築物や、その他の防災上重要な建築物について、耐震性の向上を図るため、民間施設関係団体等へ耐震化の必要性の啓発に取り組む必要がある。

 

(沿道の通行障害建築物の耐震化の促進)

・緊急輸送道路等沿道の通行障害建築物の耐震化については、建物所有者の努力義務となっているが、緊急輸送道路や避難路等の機能及び安全を確保するため、道路等に面する建築物の耐震診断、耐震改修の実施やブロック塀・屋外看板等の耐震対策、落下防止対策に対する所有者への指導・助言を進めていく必要がある。

 

(応急仮設住宅・復興住宅の迅速な確保に向けた取組)

・応急仮設住宅を迅速に提供するため、あらかじめ住宅建設に適する建設用地として3箇所404戸分を選定・確保しているが、今後も拡充していくことで、迅速な応急仮設住宅建設に対する取組を進めていく必要がある。

・被災者が早期に住居を確保することができるよう、県や民間企業との連携により、公営住宅や民間賃貸住宅等の情報を迅速に把握し、既存ストックの活用を図ることができる体制整備を図る必要がある。

 

(復旧・復興を担う人材等の育成)

・被災した住宅や宅地の危険度判定を的確に実施するため、被災建築物応急危険度判定士や被災宅地危険度判定士の養成を推進するとともに、訓練等の実施により実施体制の整備を図る必要がある。

 

(自宅住居による生活再建の促進)

・自宅居住による生活再建を促進するため、被災住宅の応急修理を適確かつ迅速にできる体制を構築する必要がある。

 

(避難場所・避難路の確保・整備等)

・現在、市では指定避難場所として避難地、避難所を指定しているが、災害の種類に応じたものとなっていない。このため、災害対策基本法施行令に定める基準に従って、災害の種類に応じ、その危険性の及ばない場所・施設を指定緊急避難場所として新たに指定するとともに、ピクトグラムを使った分かりやすい表示を行うことで、災害の危機が切迫した場合における住民の安全な避難先を確保する必要がある。

・被災した場合に避難路としての使用が見込まれる道路については、見通しの確保、安全性の向上等、避難の円滑化に必要な整備を行う必要がある。

・避難路を確保するため、道路橋梁の耐震化、老朽化対策を推進する必要がある。

 

(津波・高潮に強い地域づくり)

・津波・高潮による浸水の危険性のある地域について、津波避難ビルとして消防署南分署、小坂井西小学校、御津南部小学校の3箇所を指定しているが、今後も津波避難ビルの指定・確保について検討していく必要がある。

・津波浸水想定区域においては、その地区の自主防災会と市が協働し、津波避難経路図を作成するとともに、南海トラフ地震における理論上最大想定モデルによる「津波ライン」「津波標識」の設置を行ってきた。今後は、津波避難経路図を活用し、早期避難を目指した避難訓練を各自主防災会と実施していく必要がある。

 

(市街地における河川・海岸施設等の強化)

・河川・海岸施設、水門等の耐震化・機能強化のための改修、排水機場や管渠、貯留施設等の浸水対策施設の整備など耐震化・老朽化対策を「水防災意識社会再構築ビジョン」に基づき、国・県・市が連携して推進する必要がある。

・本市が管理する河川は、準用河川を始めとし末端水路にまで至るが、堤防の損傷に起因する浸水を未然に防止するため、堤防背後の低い地区の河川堤防の老朽程度を把握するとともに、河川の維持水位を低下させるための河川改修を計画的に促進する必要がある。

・市街地における雨水排除を図るため、ポンプ場、下水管渠の新設又は改修を行い、予想される被害を未然に防止する必要がある。

 

(河川氾濫からの減災に係る取組の実施)

・「水防災意識社会再構築ビジョン」に基づき、河川の減災に係る取組方針に沿った継続的な取組を国・県・市が連携して推進していく必要がある。

・「水防災意識社会再構築ビジョン」に基づき、河川ごとに洪水を対象とした避難勧告等の発令に着目したタイムラインを策定し、的確な発令を実施していく必要がある。

・河川浸水想定区域内にある、要配慮者利用施設の所有者又は管理者は、要配慮者利用施設の利用者の洪水時等の円滑かつ迅速な避難の確保を図るため、避難確保計画の策定、避難訓練の実施が義務化された。このため、市内河川浸水想定区域内にある要配慮者利用施設における避難確保計画の策定、避難訓練の実施を支援していく必要がある。

 

(ハザードマップの作成・周知・啓発)

・国土交通省中部地方整備局及び県は、水防法に基づき洪水予報を実施する河川又は特別警戒水位に到達した旨の情報を提供する河川として指定した河川について、洪水浸水想定区域を指定したときは、市に洪水浸水想定等の情報を提供する。現在、想定最大規模の洪水浸水想定区域について公表や調査を行っており、市は最新の浸水想定図が公表された場合、早期に洪水ハザードマップを作成し、住民への周知・啓発を行う必要がある。

 

(雨水対策の推進)

・市街地における雨水管、雨水浸透施設を計画的・継続的に整備していく必要がある。

・市民が負担して設置する雨水貯留タンク設置、浄化槽の雨水貯留施設転用、雨水浸透ます設置に対する支援を継続的に実施する必要がある。

 

(ハード・ソフトを組み合わせた浸水対策の推進)

・大規模水害を未然に防ぐため、土地利用と一体となった減災対策や、洪水時の避難を円滑かつ迅速に行うための洪水ハザードマップなどの作成支援、防災情報の高度化、地域水防力の強化、自らの生命及び生活を守ることができるよう災害に対する意識の醸成と地域で助け合えるような地域防災力の向上といったソフト対策をハード事業と組み合わせて実施することにより、より効果的な浸水対策を国・県・市・地域が連携して実施していく必要がある。

 

(排水機場等の防災対策の推進)

・排水機場等の損壊・機能不全により排水不良が発生し、浸水が長期化してしまうことを防ぐため、排水機場等の耐震化を進めていく必要がある。

・排水機場等は、常に施設機能の効果を発揮させる必要があるため、計画的な整備・維持管理を行う必要がある。

 

(水道施設の老朽化対策等の推進)

・大規模地震等の災害発生時においても迅速に水道施設を稼動させ、安全・安心な給水を確保するため、水道施設の老朽化対策と合わせて耐震化、液状化対策を推進する必要がある。

・大規模自然災害発生時における水の供給体制を確立するため、給水拠点となる配水池の耐震性を強化するとともに、水道配水管において強度が低下している老朽管の更新を計画的に推進する必要がある。

(広域的な応援体制の確立)

・大規模自然災害発生時に避難所など地域への水道供給が止まってしまう事態を想定し、水道水供給について速やかに対応するため、他都市からの給水車の受け入れ体制の確保など広域的な応援体制を確立していく必要がある。

 

(復旧体制の強化)

・大規模自然災害発生時の早期供給を図るためには、上水道等の応急処置や復旧を行う要員及び資機材を確保しておく必要がある。このため、平時から関係業者の協力体制の整備を行っておく必要がある。

 

(水の安定供給体制の確保)

・大規模自然災害発生時においても安定供給が可能となる給水体制を目指し、水資源関連施設の耐震化、水源の増備といったハード対策とともに、災害発生時復旧対策の策定、関係機関の連携等ソフト対策を推進する必要がある。

・異常渇水による生活や産業への影響を最小限にするため、関係機関が連携して水利調整等の対策に取り組む必要がある。

 

(下水道施設の耐震化等の推進)

・災害時の下水道施設の機能停止による公衆衛生問題や破損による交通障害の発生を防止するため、幹線管渠施設等の下水道施設の耐震化及び老朽化した下水道管の更新を計画的に進めていく必要がある。

 

(農業集落排水施設の耐震化等の推進)

・本市における農業集落排水施設は、4地区において整備済みであるが、施設の耐震性や老朽化状況等の診断を実施し、これに基づく耐震化対策、老朽化対策等を推進する必要がある。

 

(3)保健医療・福祉の脆弱性評価結果は次のとおりです。

(災害時の医療機能の確保・充実)

・大規模災害発生時には、災害で発生する多数の負傷者に対し、市内を4ブロックに分けたエリアで、基幹病院を中心に既設の医療機関において歯科医師会・薬剤師会とともに応急救護活動を実施することとなっている。このため、災害時の活動が円滑に進むよう平時から医師会・歯科医師会・薬剤師会と地域防災会議や防災訓練などを通じた連携を強化していく必要がある。

・市内が壊滅的な被害を受けた場合、負傷者への医療活動を速やかに実施するため、豊川保健所が設置する「東三河南部医療圏災害医療対策会議」を通じてDMAT(災害時派遣医療チーム)の派遣を依頼する必要がある。このため、平時から大規模災害時の医師などの派遣について豊川保健所が開催する会議を通じて連携を強化しておく必要がある。

 

(資機材の整備)

・災害発生時には、生活環境の悪化、被災者の病原体に対する抵抗力の低下などの悪条件が重なり、感染症などの疾病が発生し、又は多発するおそれが生じる。これを防御するため、事前に感染症に関する資機材の整備を行うとともに、災害発生時には迅速な防疫活動を実施することで、感染症流行の未然防止を図る必要がある。

 

(豊川市民病院の防災・減災機能の強化)

・災害拠点病院である豊川市民病院については、災害時に多くの患者を受け入れる必要が生ずる。そのような場合に迅速な対応ができる体制づくりを目的として、大規模地震を想定したトリアージ(負傷者選別)訓練などを実施し、災害発生時において市民病院スタッフが迅速な対応ができるようにしておく必要がある。

・豊川市民病院の災害用備蓄水が1日から2日分と限りがあるため、大規模地震による水道水の供給停止を想定し、地下水利用システムの導入など備蓄水の確保を図っていく必要がある。

 

(要配慮者等への支援体制の整備)

・本市では、福祉避難所設置方針により3段階で福祉避難所を設置していくこととなっている。第1段階としての一般の避難所への福祉スペースの設置、第2段階としての公的福祉避難所の設置、第3段階としての民間社会福祉施設等を活用した民間福祉避難所の設置となっている。大規模災害発生時には長期の避難所生活を余儀なくされることも想定されるため、避難所における長期避難生活が困難となる高齢者や障害者などの要配慮者が二次的に避難する場所を確保するため、社会福祉施設などとの福祉避難所に関する協定の締結をすすめ、福祉避難所の拡充を図っていく必要がある。

・災害時において避難行動要支援者の安否確認や避難誘導が円滑に行えるよう、日頃から市と地域が連携して避難行動要支援者の把握に努めるとともに、災害時要援護者の登録制度の普及、登録者拡大に向けた啓発活動を進めていく必要がある。

・避難所運営を行う人と高齢者や障害者の人とのコミュニケーションを手助けするものとして、コミュニケーション支援ボードを各避難所に整備し、高齢者や障害者、外国人の避難所生活を支援していく必要がある。

 

(備蓄の推進)

・災害時要援護者の受け入れに関する協定を締結した社会福祉施設等14箇所について、簡易ベッド、間仕切り、簡易トイレを配備しているが、社会福祉施設等とも協議を行い、要援護者を適切に受け入れられるよう必要な資材等の整備・充実を図る必要がある。

(災害ボランティアの円滑な受け入れ・活動体制の構築)

・大規模自然災害発生時には、全国からボランティアが本市を訪れ、活動することとなるが、被災者の様々なニーズを把握し、手助けするボランティアを円滑に受け入れるため、ボランティアセンターの運営を担う防災ボランティアコーディネーターの養成を継続的に推進する必要がある。

・ボランティアによる適切な支援が行われるよう、ボランティアを受け入れるボランティアセンターの体制の整備を図る必要がある。

 

(4)エネルギーについての脆弱性評価結果は次のとおりです。

(災害時における燃料の確保)

・災害対策本部のある市役所、災害拠点病院である豊川市民病院や災害時に救護活動を行う医療機関において、その機能確保のために必要とする非常用発電設備用の石油燃料を確保するため、豊川市石油業協同組合と協定を締結しているが、災害発生時には相当の混乱が予想される。このため、平常時から豊川市石油業協同組合と、協定に基づく供給方法の調整、情報伝達のための訓練を実施していく必要がある。

・災害発生時に救助・救急活動、道路啓開活動、物資輸送を行う消防・救急車両及び公用車の燃料を確保するため、「豊川市広域受援マニュアル」では、市内2箇所に臨時給油所を設置することも想定している。この臨時給油所が災害発生時に速やかに機能するためには、事前に資機材等の整備を図っておく必要がある。

 

(燃料供給ルートの確保に向けた体制整備)

・エネルギー供給の長期途絶を回避するため、各ライフライン機関においては、既存施設の耐震工事、設備の重要度に応じた定期点検、補強等の必要に応じた耐震対策、津波対策を進めていく必要がある。

・各ライフライン機関との防災訓練や情報提供・災害時の活動拠点の連携といった協定を締結することにより、災害発生時の連携強化を進めていく必要がある。

・燃料供給ルートを確実に確保し、サプライチェーンを維持するため、緊急輸送道路などの耐震化などの整備を進めていく必要がある。

 

(災害時における電力の確保)

・災害発生時、行政機能の中枢である市役所や各支所、救助・救急活動の拠点である消防署については、電力供給がストップした場合でも、その機能が維持できるよう、停電発生時の電力確保施設である非常用発電設備について、機能強化についての検討や適切な更新を行っていく必要がある。

 

(ライフラインの災害対応力強化)

・電力の長期供給停止を発生させないため、電気設備の自然災害に対する耐性評価等の結果に基づき、発変電所、送電線綱や電力システムの災害対応力強化及び復旧の迅速化を促す必要がある。

・災害に備え、耐震性に優れたガス管への取替えを計画的に促進するとともに、道路管理者との間で災害情報を共有するなどの連携強化が必要である。

・災害発生時におけるライフライン機能の維持・確保や早期復旧を図るため、電気、ガス等ライフライン関係機関との協力体制を構築する必要がある。

 

(自立・分散型エネルギーの導入の促進)

・災害時のエネルギー供給を確保するための取組を進めるとともに、エネルギー供給源を多様化するため、太陽光発電などの再生可能エネルギー等の自立・分散型エネルギーの導入を促進していく必要がある。

 

(5)情報通信についての脆弱性評価結果は次のとおりです。

(市民への確実な情報の伝達等)

・本市の同報系防災行政無線は、合併前の各町が設置したものを中継局として運用してきたが、デジタル方式とアナログ方式の混在、設置年度、電波法改正による不適合といった問題点を抱えている。このため、情報伝達の不備等による避難行動の遅れを出さないよう、同報系防災行政無線及び移動系防災行政無線を計画的に更新していく必要がある。

・川の水位情報を市民に伝達するため、国土交通省中部整備局及び市において河川監視カメラが設置されており、インターネットにより公開されているが、今後も川の増水やはん濫、道路の冠水等に対する水防活動の判断や住民の避難行動の参考となるよう、河川監視カメラの整備を進めていく必要がある。

 

(情報通信機能の耐災害性の強化・高度化)

・電力の供給停止により、情報通信が麻痺・長期停止した場合でも、災害情報を市民へ情報伝達できるよう、有線通信機能・無線通信機能の併用といった情報通信機能の複線化、同報系防災行政無線親局及び各子局への非常用予備電源配備、設備の耐震・防火・防水対策など情報システムや通信手段の耐災害性の強化、高度化を進める必要がある。

・本市の同報系防災行政無線は、合併前の各町が設置したものを中継局として運用してきたが、デジタル方式とアナログ方式の混在、設置年度、電波法改正による不適合といった問題点を抱えている。このため、災害時に住民へ確実かつ円滑に情報伝達するため、同報系防災行政無線及び移動系防災行政無線を計画的に更新していく必要がある。

 

(専用通信における事前予防対策)

・発災時の通信機能を確保するため、衛星通信回線の設定、バックアップ回線の設定、通信ルートの二重化等を進めるとともに、移動無線、可搬式無線機、携帯電話等の資機材の充実整備により災害への備えに取り組んでいく必要がある。

 

(情報提供手段の多様化)

・市民に警報等の災害情報が確実に伝わるよう、複数の通信手段を活用した情報伝達が必要である。このため、関係事業者の協力を得て、防災行政無線、携帯電話(緊急速報メール機能を含む)、ホームページ、SNS等を用いた伝達手段の多重化、多様化を進めていく必要がある。

・観光地や防災拠点等において、無料公衆無線ランを整備することは、情報を的確に伝達することに有効である。災害時においても災害発生状況、警報等の発令情報などの情報収集機能として有効に機能する無料公衆無線ランについて、検討・整備を進めていく必要がある。

・市では、災害情報、警報等発令情報、火災情報等を市民に伝達するため、「とよかわ安心メール」を運用している。現在約27,000人に登録してもらっているが、市からの災害情報伝達手段のひとつとして「とよかわ安心メール」の更なる登録を継続して進めていく必要がある。

 

(適時・適切・確実な情報の発信)

・避難準備・高齢者等避難開始を始めとした避難情報の発令については、空振りをおそれず、早めに出すことを基本とし、住民に対して適切かつ確実に情報を提供する必要がある。また、要配慮者に対しても情報が確実に伝達されるよう、防災行政無線による放送、災害情報共有システム(Lアラート)によるテレビ・ラジオによる伝達、携帯電話事業者との連携による緊急速報メールなど適切な措置を講ずる必要がある。

 

(効果的な教育・啓発の推進)

・平成2812月に「避難準備情報」が「避難準備・高齢者避難開始」に、「避難指示」が「避難指示(緊急)」に名称及び対応が変更され、災害発生時の早期避難と的確な避難行動への取組が重要な課題となっている。このため、とよかわ安心メール、広報とよかわ、SNS、ホームページ等を活用した広報活動により、災害発生時の早期避難などについて住民の意識啓発を進めていく必要がある。

 

(災害情報の収集体制の強化)

・各種観測データを活用することにより、被害情報の早期把握、復旧計画の速やかな立案等、災害情報の収集体制の強化を進める必要がある。

 

(風評被害を防止する的確な情報発信のための体制強化)

・災害発生時において、風評被害等に対応するため、マニュアルの作成や情報発信手段の確保など、的確な情報発信のための体制強化を図っていく必要がある。

(6)産業・経済についての脆弱性評価結果は次のとおりです。

(企業防災力の強化)

・企業の防災意識の向上を図るとともに、企業の防災力を向上させるため、市、消防、事業所が連携した防災訓練・消防訓練に取り組んでいく必要がある。

・企業と地域が連携した自発的な防災活動に取り組む必要がある。このため、企業を地域コミュニティの一員としてとらえ、地域で行われる防災訓練等への積極的な参加を推進していく必要がある。

・災害発生時に、従業員が帰宅困難者とならないよう、また、帰宅途中で負傷等しないよう、発災直後に従業員等を一定期間事業所内に留めておくためには、食料、飲料水、毛布などの物資を予め備蓄しておく必要がある。このため、従業員等を一定期間事業所内に留めておくために必要な物資の備蓄等について、企業による防災訓練などを通して啓発していく必要がある。また、落下防止、火災の防止、薬液漏洩防止、危険区域の立入禁止等、自社拠点における二次災害防止のための安全対策について確実に実施しておく必要がある。

 

(企業BCP策定の促進等)

・災害時、市内企業の事業資産の損害を最小限に留め、事業継続や早期復旧を可能とするため、事業所業務継続計画(企業BCP)策定に関し、愛知県等で実施しているBCP策定に関する支援策などの情報提供や周知・啓発を進めていく必要がある。

 

(企業の情報交換の推進)

・主に市内企業を対象とした情報交換会を開催し、市が実施している防災対策や、国・県の動きなどの防災情報を発信することで、企業の防災意識の向上を図っていく必要がある。

 

(避難場所・避難路の確保・整備等)

・御津2区臨海工業用地には、野球場を始め公園施設が整備され、周辺の地理に不案内なレジャー客も訪れることが想定される。工業用地で操業している従業員はもとより、津波や高潮からの逃げ遅れによる被害を出さないよう、避難用高台を整備し、避難地の確保を行う必要がある。

 

(高潮対策の検討)

・産業集積地である御津1区、2区臨海工業用地が浸水した場合、甚大な被害の発生が懸念され、企業の撤退、雇用喪失、経済衰退につながるおそれがあることから、この地域の産業・経済を守るため、更なる高潮対策を検討していく必要がある。

 

(御津臨海部における防災対策の推進)

・御津1区、2区工業用地に進出している企業で組織された「御津臨海企業懇話会」では、地震や津波に対する防災訓練や防災研修会を定期的に実施している。避難行動などにおける企業間連携についても継続的な話し合いが行われてきており、今後も「御津臨海企業懇話会」が行う、地震及び津波等に対応するための防災訓練及び防災研修会を積極的にサポートすることで、避難体制などの構築を進めていく必要がある。

 

(7)交通・物流についての脆弱性評価結果は次のとおりです。

(物資輸送ルートの確保・道路等の災害対策の推進・基幹的交通ネットワークの確保)

・大規模地震等の災害発生時においても、経済活動、市民に及ぼす影響を最小化し、災害時応急活動及び警戒宣言発令時対策活動の実施に必要な物資、資機材、要員、救助・救急、医療活動のためのエネルギー等の物資輸送ルートを確実に確保するため、緊急輸送道路や幹線道路など、基幹的交通ネットワークの整備を進める必要がある。

・緊急輸送道路や避難所への物資輸送ルートなどにある重要な橋梁については、大規模地震発生時においても通行ができるよう橋梁本体の耐震補強を推進する必要がある。

・陸上輸送の寸断に備え、三河港において、耐震強化岸壁の確保や防波堤の強化など、港湾における地震津波対策のほか、防災拠点の防災対策を推進するとともに、道路啓開や航路啓開など交通ネットワークの復旧に向けた取組等を推進する必要がある。

・災害時の海上物流機能を確保するため、三河港において岸壁の耐震強化等により、海上・陸上物流の連携したネットワークを構築しているが、大規模災害時においても陸・海の基幹的交通ネットワークを機能停止に陥らせない対策を推進する必要がある。

・各避難所へ迅速に物資を輸送するため、また、救助・救急、医療活動のためのエネルギーを円滑に輸送するためには、通行不能となった輸送ルートの道路啓開を迅速に実施することが重要であり、この迅速な輸送道路啓開に向けて、「豊川市広域受援マニュアル」に掲載されている「中部版くしの歯作戦」で指定されている幹線道路や緊急輸送ルートの情報共有、道路啓開に必要な体制を整備する必要がある。

 

(物流ネットワークの整備)

・物流インフラの災害対応の強化に向けて、道路、港湾等の耐震対策等を推進するとともに、輸送モード相互の連携や産業競争力の強化の視点を兼ね備えた物流ネットワークの構築を推進する必要がある。

 

(三河港の業務継続力の強化)

・伊勢湾内の広域連携により緊急物資輸送や港湾物流機能の早期回復の実現を目的として、平成282月に策定された伊勢湾BCP及び緊急確保航路等航路啓開計画について、今後、伊勢湾BCP協議会において、防災訓練を踏まえた見直しを推進する必要がある。

・災害発生後でも一定の港湾機能を維持しつつ、三河港全体の物流機能の早期回復を図り、津波・高潮からの確実な避難を図るため策定した三河港BCPについて、今後、学習・訓練を定期的に実施し、継続的な改善を推進する必要がある。

 

(迅速な輸送道路啓開に向けた体制整備)

・「豊川市広域受援マニュアル」では、国からのプッシュ型支援による物資を広域物資輸送拠点である豊橋市総合体育館から地域内輸送拠点である豊川地区防災倉庫への輸送ルート、地区内輸送拠点から拠点防災倉庫を経由して各避難所までの輸送ルートを指定している。各避難所へ迅速に物資を輸送するためには、通行不能となった輸送ルートの道路啓開を迅速に実施することが重要であり、この迅速な輸送道路啓開に向けて、「豊川市広域受援マニュアル」に掲載されている緊急輸送ルートの情報共有、道路啓開に必要な体制を整備する必要がある。

・大規模自然災害発生時に、道路上の放置車両や立ち往生車両によって救助活動、緊急物資輸送等災害応急対策に支障が生じることが懸念されるため、道路管理者や警察等が連携して、放置車両などの移動を行うなど、緊急車両等通行ルートの早期啓開を行う体制整備を行う必要がある。

・臨海部の企業への物資輸送や復旧資機材を確実に確保できるよう、南海トラフ地震対策中部圏戦略会議が策定・公表している「中部版くしの歯作戦」について、関係機関の役割を具体化し、計画の実効性向上を図っていく必要がある。

 

(道路ネットワークの迅速な再開に向けた体制の整備)

・大規模地震発災後、ETC2.0プローブ情報や民間プローブ情報の活用により交通情報を的確に把握するとともに、迅速な輸送経路啓開に向けて、関係機関の連携等により装備資機材の充実、情報収集・共有、情報提供、継続的な訓練、事業継続計画(BCP)の策定など必要な体制整備を推進する必要がある。

 

(幹線交通分断に伴うリスクの想定及び対策の推進)

・大規模自然災害発生時において、陸・海の基幹的交通ネットワークを機能停止に陥らせないよう、地震や津波、洪水、高潮等の浸水想定を踏まえ、幹線道路が分断するリスクの想定とともに対策の検討を進めていく必要がある。

 

(基幹インフラ復旧等の大幅な遅れへの対応)

・基幹インフラの広域的な損壊により復旧・復興が大幅に遅れる事態を想定した対策について、関係機関と連携を図りながら総合的な取組を行っていく必要がある。

 

(代替輸送手段の確保)

・大規模災害発生時において、鉄道利用者の中には遠距離を移動する必要がある帰宅困難者が発生することが想定される。このため、こうした帰宅困難者の帰宅支援のため、鉄道不通時の代替輸送手段の確保等について、鉄道会社など公共交通事業者と事前に対応方法の検討を行っておく必要がある。

 

(帰宅困難者等支援対策の推進)

・東日本大震災時には、都市部における帰宅困難者対策が大きな問題として指摘された。帰宅困難者対策は、行政、事業所、学校など多岐にわたる分野に課題が及ぶ問題である。大規模災害発生時に帰宅困難者を発生させないため、各事業所や学校に従業員や児童・生徒をその場に留めるなど従業員や児童・生徒の保護について啓発し、帰宅困難者発生を少しでも低減させるための取組が必要である。

・電車不通により発生する帰宅困難者に対する支援として、現在JR豊川駅及び名古屋鉄道国府駅の2箇所に帰宅困難者用防災倉庫を設置し、食料であるビスケット、飲料水、防寒用ブランケット、徒歩帰宅支援マップを配備しているが、市内にある他の駅についても、乗降客数の動向も踏まえた検討及び配備を図っていく必要がある。

 

(物資調達体制の強化・受援体制の構築)

・「豊川市広域受援マニュアル」に基づき、被災者に物資を確実かつ迅速に届けられるよう、要員の確保、民間事業者への協力依頼方法の確立などを含む、物資の要請体制、調達体制、輸送体制等、供給の仕組みを整備する必要がある。

 

(御津臨海部の整備)

・御津1区及び2区については、1区・2区とも橋梁の耐震性に不安があり、各企業の迅速な避難行動や復旧・復興のための物資輸送を実現するため、1区及び2区をつなぐ臨港道路東三河臨海線の早期事業化を進める必要がある。

 

(8)農林水産についての脆弱性評価結果は次のとおりです。

(農林水産業に係る生産基盤等の災害対応力の強化)

・農林水産業に係る生産基盤等の災害対応力強化のため、農業水利施設の耐震化、老朽化対策等の災害対応力強化のためのハード対策と、地域コミュニティと連携した施設の保全・管理や施設管理者の体制整備等のソフト対策を組み合わせた対策を推進する必要がある。

 

(農地や農業水利施設等の保全管理と体制整備)

・地域の主体性・協働力を活かした農地・農業水利施設等の地域資源の適切な保全管理や、自立的な防災・復旧活動のための体制整備を構築していく必要がある。

 

(農業用ため池の安全性の向上)

・周辺住民の生命・財産を守るため、農業用ため池や調整池について老朽化対策や地震対策の必要性に応じ、順次整備を推進する必要がある。

・豪雨や地震の発生などにより堤体が決壊した場合に人家等に大きな被害を与えるおそれのある農業用ため池について、周辺住民の防災意識の向上を図るため、ハザードマップを作成・配布していく必要がある。

 

(食料の確保)

・大規模災害が発生した際、避難生活を送る市民等の生活を確保するため、食料や飲料水などを計画的に備蓄していく必要がある。また、備蓄した食料だけでなく、事業者等との連携による食料等の安定的な供給を行うため、協定締結により食料等の確保を進めていく必要がある。

 

(9)環境についての脆弱性評価結果は次のとおりです。

(災害廃棄物処理計画の推進)

・豊川市災害廃棄物処理計画に基づき適正かつ円滑・迅速に災害廃棄物処理を行う実行性を高めるため、教育・訓練による人材育成等を行い、災害廃棄物処理体制の充実を図る必要がある。

(災害時の廃棄物の処理体制の整備)

・豊川市災害廃棄物処理計画に基づき、平時からし尿等の処理を適正かつ円滑に実施できる体制を整備しておく必要がある。

 

(廃棄物処理施設の災害対応力の強化)

・大規模自然災害発生時に、処理施設の能力の維持を図るため、老朽化したごみ焼却施設の計画的な改修を推進する必要がある。

・大規模自然災害発生時に円滑・迅速に災害廃棄物の処理を行う対応力を強化するため、廃棄物の広域的な処理体制の整備を推進する必要がある。

 

(マンホールトイレの整備)

・東日本大震災や平成28年熊本地震における避難所の多くで、トイレ不足の問題が発生した。今まで各避難所用として簡易トイレを備蓄してきているが、衛生面や利用者予測を考慮し、多数の避難者が予測される避難所については規模の大きい仮設トイレの整備が必要となってきている。このため、大規模地震における避難所のトイレ不足に対応するため、多くの避難者を想定している避難所である小中学校に災害用マンホールトイレの整備を早期に進めていく必要がある。

 

(漂流物防災対策の推進)

・災害時、コンテナ、船舶、石油タンク等が流出し、二次災害が発生するおそれがあるため、漂流物防止対策を推進する必要がある。

(有害物質の漏えい等の防止対策の推進)

・有害物質の大規模拡散・流出等による健康被害や環境への悪影響を防止するため、企業における化学物質の管理方法や事故発生時の対応計画策定等の事前対策の強化に対する啓発や、大規模な出火や有害物資の流出した際の周知体制の強化を図っていく必要がある。

 

(10)土地利用及び地域保全についての脆弱性評価結果は次のとおりです。

(河川・海岸施設の強化)

・津波・高潮による浸水を防ぐため、地盤沈下及び老朽化した堤防護岸の補強、堤防高の低い箇所の嵩上げについて、関係機関への働きかけなどを含めた積極的な取組が必要である。

・河川の河口部や海岸にある水門等について、地震発生時においても操作が可能となるような耐震補強、耐震対策や、地震後の地域の排水機能を確保するため排水機場等の耐震対策について、関係機関への働きかけなどを含めた積極的な取組が必要である。

 

(土砂災害対策の推進)

・台風や集中豪雨等による土砂災害に対し、人的被害を防止するため土石流対策施設、急傾斜地崩壊防止施設、地すべり防止施設といった土砂災害防止施設の整備についての働きかけなど、国・県・市が連携して事業を着実に実施していく必要がある。

・土砂災害警戒区域の指定がなされた地区について、土砂災害の危険性や避難の重要性について周知を図るため、土砂災害ハザードマップを作成するとともに、影響地区の各世帯への配布を実施していく必要がある。

・土砂災害の危険性や避難の重要性について周知を図るため、住民説明会の開催や、県・市・地域の連携のもと土砂災害を想定した避難訓練を実施するなど、住民の防災意識の向上を図る必要がある。

・土砂災害警戒区域内にある、要配慮者利用施設の所有者又は管理者は、要配慮者利用施設の利用者の洪水時等の円滑かつ迅速な避難の確保を図るため、避難確保計画の策定、避難訓練の実施が義務化された。このため、市内土砂災害警戒区域内にある要配慮者利用施設における避難確保計画の策定、避難訓練の実施を支援していく必要がある。

 

(治山対策の推進)

・市街地等の周辺にある保安林の機能を高度に発揮させ、山地災害の防止等と併せて生活環境を保全・形成するため、森林の造成改良整備等を実施していく必要がある。

 

(森林の整備・保全)

・森林が有する多面的機能を発揮するため、間伐等の適切な森林整備や治山対策など、効果的・効率的な手法による災害に強い森林づくりを進めていく必要がある。

・森林が有する防災上の機能が有効に発揮されるよう、地域コミュニティ等との連携を図りつつ、森林の保全活動や環境教育を推進していく必要がある。

 

(効果的な教育・啓発の推進)

・住民が的確な避難行動を取ることができるようにするため、避難地、避難所、災害危険地域等を明示した防災マップ、洪水時の浸水想定区域及び浸水深を示した洪水ハザードマップを作成・配布することで、住民への意識啓発を図る必要がある。

 

2、横断的分野

(1)リスクコミュニケーションについての脆弱性評価結果は次のとおりです。

(地域コミュニティ力の強化に向けた支援)

・地域コミュニティである町内会や自主防災会の大規模災害発生時の対応力を向上させるため、防災訓練・教育、防災リーダーの養成などの支援を継続して実施していく必要がある。

 

(避難所運営体制の整備)

・大規模自然災害発生時に開設する避難所の運営については、長期の避難生活となることも想定し、避難者によるコミュニティの形成が必要となってくる。このため、市は、地域が主体的に避難所の運営管理ができるよう避難所運営マニュアルを整備し、活用・周知する必要がある。

・町内会や自主防災会等と避難所運営に関する訓練を通し、地域が主体的に避難所の管理運営が行えるよう意識啓発に取り組む必要がある。

 

(避難所用備蓄品及び救助用資機材の確保)

・大規模自然災害発生時に共助の中心として活動する各自主防災会にはその地域特性を踏まえた資機材や備蓄品の確保が必要である。このため、自主防災会が整備する災害対応用備蓄品や資機材について、市から自主防災会へ積極的に支援することで、地域における備蓄品や資機材の確保を図っていく必要がある。

 

(地域防災力・企業防災力の強化)

・災害時発災直後の減災効果を高めるためには、地域の防災力の充実・強化が大切である。このため地域防災力の要となる自主防災会や複数の自主防災会組織をまとめた小学校区単位による防災訓練・初期消火訓練等を充実・強化していく必要がある。

・地域防災力向上のため活動してもらう防災リーダーの養成に努力するとともに、防災リーダーの知識・技術の維持・増進のため、防災リーダーフォローアップ研修を毎年実施していく必要がある。

 また、避難所運営をスムーズに実施できるようにするため、女性防災リーダーの養成にも取り組んでいく必要がある。

・企業の防災意識の向上を図るとともに、企業の防災力を向上させるため、市、消防、事業所が連携した防災訓練・消防訓練に取り組んでいく必要がある。

・企業と地域が連携した自発的な防災活動に取り組む必要がある。このため、企業を地域コミュニティの一員としてとらえ、地域で行われる防災訓練等への積極的な参加を推進していく必要がある。

 

(御津臨海部における防災対策の推進)

・御津1区、2区工業用地に進出している企業で組織された「御津臨海企業懇話会」では、地震や津波に対する防災訓練や防災研修会を定期的に実施している。避難行動などにおける企業間連携についても継続的な話し合いが行われてきており、今後も「御津臨海企業懇話会」が行う、地震及び津波等に対応するための防災訓練及び防災研修会を積極的にサポートすることで、避難体制などの構築を進めていく必要がある。

 

(要配慮者等への支援体制の整備)

・避難所運営を行う人と高齢者や障害者の人とのコミュニケーションを手助けするものとして、コミュニケーション支援ボードを各避難所に整備し、高齢者や障害者、外国人の避難所生活を支援していく必要がある。

 

(効果的な教育・啓発の推進)

・平成2812月に「避難準備情報」が「避難準備・高齢者避難開始」に、「避難指示」が「避難指示(緊急)」に名称及び対応が変更され、災害発生時の早期避難と的確な避難行動への取組が重要な課題となっている。このため、とよかわ安心メール、広報とよかわ、SNS、ホームページ等を活用した広報活動により、災害発生時の早期避難などについて住民の意識啓発を進めていく必要がある。

・若い世代に対し、災害に対する知識と的確な避難行動の知識を教育・啓発することは、迅速な避難行動の開始や、教育・啓発を受けた生徒等が家庭で話題とすることによる知識の拡散など、大きな効果が期待できることが東日本大震災でも報告されている。このため、中学生などを対象とした教育・啓発を実施していく必要がある。

 

(備蓄の推進)

・家庭内での食料・飲料水等の備蓄については、「3日程度」を啓発してきたが、現在は「3日間(できれば1週間分)」となっている。このため、家庭内での食料・飲料水等の備蓄量の増強を図るため、防災訓練、防災講話、防災教育における啓発をしっかり行っていく必要がある。

 

(帰宅困難者等支援対策の推進)

・東日本大震災時には、都市部における帰宅困難者対策が大きな問題として指摘された。帰宅困難者対策は、行政、事業所、学校など多岐にわたる分野に課題が及ぶ問題である。大規模災害発生時に帰宅困難者を発生させないため、各事業所や学校に従業員や児童・生徒をその場に留めるなど従業員や児童・生徒の保護について啓発し、帰宅困難者発生を少しでも低減させるための取組が必要である。

 

(災害時防犯体制の強化)

・災害時、留守宅への「空き巣」や、休業中の商店などに侵入する「店舗荒らし」「自販機荒らし」などの街頭犯罪の多発を抑制し、地域の安全・安心を確保するためには、警察機能だけでなく、地域による見回りなどの防犯活動が有効な手段となってくる。このため、平常時より地域の自主防犯団体への支援を行うことで、地域における防犯活動の強化を図っていく必要がある。

 

(風評被害を防止する的確な情報発信のための体制強化)

・災害発生時において、風評被害等に対応するため、マニュアルの作成や情報発信手段の確保など、的確な情報発信のための体制強化を図っていく必要がある。

 

(災害ボランティアの円滑な受け入れ・活動体制の構築)

・大規模自然災害発生時には、全国からボランティアが本市を訪れ、活動することとなるが、被災者の様々なニーズを把握し、手助けするボランティアを円滑に受け入れるため、ボランティアセンターの運営を担う防災ボランティアコーディネーターの養成を継続的に推進する必要がある。

・ボランティアによる適切な支援が行われるよう、ボランティアを受け入れるボランティアセンターの体制の整備を図る必要がある。

 

(津波・高潮に強い地域づくり)

・津波浸水想定区域においては、その地区の自主防災会と市が協働し、津波避難経路図を作成するとともに、南海トラフ地震における理論上最大想定モデルによる「津波ライン」「津波標識」の設置を行ってきた。今後は、津波避難経路図を活用し、早期避難を目指した避難訓練を各自主防災会と実施していく必要がある。

 

(河川氾濫からの減災に係る取組の実施)

・「水防災意識社会再構築ビジョン」に基づき、河川の減災に係る取組方針に沿った継続的な取組を国・県・市が連携して推進していく必要がある。

 

(ハード・ソフトを組み合わせた浸水対策の推進)

・大規模水害を未然に防ぐため、土地利用と一体となった減災対策や、洪水時の避難を円滑かつ迅速に行うための洪水ハザードマップなどの作成支援、防災情報の高度化、地域水防力の強化、自らの生命及び生活を守ることができるよう災害に対する意識の醸成と地域で助け合えるような地域防災力の向上といったソフト対策をハード事業と組み合わせて実施することにより、より効果的な浸水対策を国・県・市・地域が連携して実施していく必要がある。

 

(土砂災害対策の推進)

・土砂災害の危険性や避難の重要性について周知を図るため、住民説明会の開催や、県・市・地域の連携のもと土砂災害を想定した避難訓練を実施するなど、住民の防災意識の向上を図る必要がある。

 

(2)老朽化対策についての脆弱性評価結果は次のとおりです。

(避難所施設の老朽化対策及び耐震化の推進)

・東日本大震災や平成28年熊本地震において、避難所となる公共施設の内外壁の落下や非構造部材の落下により避難所として使用できなかった公共施設が見受けられた。避難者の安全な避難所生活を確保するためには、避難所に指定されている学校施設等の老朽化対策及び内外壁の落下等を防止するための非構造部材の耐震化を推進する必要がある。

 

(河川・海岸施設の強化)

・津波・高潮による浸水を防ぐため、地盤沈下及び老朽化した堤防護岸の補強、堤防高の低い箇所の嵩上げについて、関係機関への働きかけなどを含めた積極的な取組が必要である。

 

(市街地における河川・海岸施設等の強化)

・河川・海岸施設、水門等の耐震化・機能強化のための改修、排水機場や管渠、貯留施設等の浸水対策施設の整備など耐震化・老朽化対策を「水防災意識社会再構築ビジョン」に基づき、国・県・市が連携して推進する必要がある。

・本市が管理する河川は、準用河川を始めとし末端水路にまで至るが、堤防の損傷に起因する浸水を未然に防止するため、堤防背後の低い地区の河川堤防の老朽程度を把握するとともに、河川の維持水位を低下させるための河川改修を計画的に促進する必要がある。

・市街地における雨水排除を図るため、ポンプ場、下水管渠の新設又は改修を行い、予想される被害を未然に防止する必要がある。

 

(水道施設の老朽化対策等の推進)

・大規模地震等の災害発生時においても迅速に水道施設を稼動させ、安全・安心な給水を確保するため、水道施設の老朽化対策と合わせて耐震化、液状化対策を推進する必要がある。

・大規模自然災害発生時における水の供給体制を確立するため、給水拠点となる配水池の耐震性を強化するとともに、水道配水管において強度が低下している老朽管の更新を計画的に推進する必要がある。

 

(下水道施設の耐震化等の推進)

・災害時の下水道施設の機能停止による公衆衛生問題や破損による交通障害の発生を防止するため、幹線管渠施設等の下水道施設の耐震化及び老朽化した下水道管の更新を計画的に進めていく必要がある。

 

(農業集落排水施設の耐震化等の推進)

・本市における農業集落排水施設は、4地区において整備済みであるが、施設の耐震性や老朽化状況等の診断を実施し、これに基づく耐震化対策、老朽化対策等を推進する必要がある。

 

(農林水産業に係る生産基盤等の災害対応力の強化)

・農林水産業に係る生産基盤等の災害対応力強化のため、農業水利施設の耐震化、老朽化対策等の災害対応力強化のためのハード対策と、地域コミュニティと連携した施設の保全・管理や施設管理者の体制整備等のソフト対策を組み合わせた対策を推進する必要がある。

 

(廃棄物処理施設の災害対応力の強化)

・大規模自然災害発生時に、処理施設の能力の維持を図るため、老朽化したごみ焼却施設の計画的な改修を推進する必要がある。

 

(3)産学官民・広域連携についての脆弱性評価結果は次のとおりです。

(ライフラインの災害対応力強化)

・災害発生時におけるライフライン機能の維持・確保や早期復旧を図るため、電気、ガス等ライフライン関係機関との協力体制を構築する必要がある。

 

(復旧体制の強化)

・大規模自然災害発生時の早期供給を図るためには、上水道等の応急処置や復旧を行う要員及び資機材を確保しておく必要がある。このため、平時から関係業者の協力体制の整備を行っておく必要がある。

 

(迅速な輸送道路啓開に向けた体制整備)

・臨海部の企業への物資輸送や復旧資機材を確実に確保できるよう、南海トラフ地震対策中部圏戦略会議が策定・公表している「中部版くしの歯作戦」について、関係機関の役割を具体化し、計画の実効性向上を図っていく必要がある。

 

(災害時の広域連携の推進)

・「豊川市広域受援マニュアル」では、国からのプッシュ型支援による物資が豊川地区防災倉庫へ届き、その後拠点防災倉庫、各避難所へと輸送することとなっている。この輸送を確実に実施するため、産官民の連携により、災害発生時に広域的な応援を受けられるよう、関係機関、他の自治体との協定を締結することで災害時に物資調達がスムーズに実施できるような体制を構築する必要がある。

・市は、災害発生時に円滑に国等からの広域的な応援を受けることができるよう、自衛隊・警察・消防・テックフォース(緊急災害対策派遣隊)を始めとする応援部隊等の展開及び宿営の拠点、資機材・物資の集結・集積に必要となる拠点、緊急輸送ルートの確保などについてまとめた広域受援計画を策定しておく必要がある。本市では平成2812月に「豊川市広域受援マニュアル」を策定しているが、災害対応の研究の進捗や、実際の訓練などによる問題点を洗い出し、随時見直しを行っていくことで、広域における連携体制を構築していく必要がある。

 

(広域的な応援体制の確立)

・大規模自然災害発生時に避難所など地域への水道供給が止まってしまう事態を想定し、水道水供給について速やかに対応するため、他都市からの給水車の受け入れ体制の確保など広域的な応援体制を確立していく必要がある。

 

(廃棄物処理施設の災害対応力の強化)

・大規模自然災害発生時に円滑・迅速に災害廃棄物の処理を行う対応力を強化するため、廃棄物の広域的な処理体制の整備を推進する必要がある。

 

(災害時の廃棄物の処理体制の整備)

・豊川市災害廃棄物処理計画に基づき、平時からし尿等の処理を適正かつ円滑に実施できる体制を整備しておく必要がある。

 

(4)将来的課題についての脆弱性評価結果は次のとおりです。

(迅速な輸送道路啓開に向けた体制整備)

・「豊川市広域受援マニュアル」では、国からのプッシュ型支援による物資を広域物資輸送拠点である豊橋市総合体育館から地域内輸送拠点である豊川地区防災倉庫への輸送ルート、地区内輸送拠点から拠点防災倉庫を経由して各避難所までの輸送ルートを指定している。各避難所へ迅速に物資を輸送するためには、通行不能となった輸送ルートの道路啓開を迅速に実施することが重要であり、この迅速な輸送道路啓開に向けて、「豊川市広域受援マニュアル」に掲載されている緊急輸送ルートの情報共有、道路啓開に必要な体制を整備する必要がある。

・大規模自然災害発生時に、道路上の放置車両や立ち往生車両によって救助活動、緊急物資輸送等災害応急対策に支障が生じることが懸念されるため、道路管理者や警察等が連携して、放置車両などの移動を行うなど、緊急車両等通行ルートの早期啓開を行う体制整備を行う必要がある。

・臨海部の企業への物資輸送や復旧資機材を確実に確保できるよう、南海トラフ地震対策中部圏戦略会議が策定・公表している「中部版くしの歯作戦」について、関係機関の役割を具体化し、計画の実効性向上を図っていく必要がある。

 

(道路等の災害対策の推進)

・各避難所へ迅速に物資を輸送するため、また、救助・救急、医療活動のためのエネルギーを円滑に輸送するためには、通行不能となった輸送ルートの道路啓開を迅速に実施することが重要であり、この迅速な輸送道路啓開に向けて、「豊川市広域受援マニュアル」に掲載されている「中部版くしの歯作戦」で指定されている幹線道路や緊急輸送ルートの情報共有、道路啓開に必要な体制を整備する必要がある。

 

(沿道の通行障害建築物の耐震化の促進)

・緊急輸送道路等沿道の通行障害建築物の耐震化については、建物所有者の努力義務となっているが、緊急輸送道路や避難路等の機能及び安全を確保するため、道路等に面する建築物の耐震診断、耐震改修の実施やブロック塀・屋外看板等の耐震対策、落下防止対策に対する所有者への指導・助言を進めていく必要がある。

 

(幹線交通分断に伴うリスクの想定及び対策の推進)

・大規模自然災害発生時において、陸・海の基幹的交通ネットワークを機能停止に陥らせないよう、地震や津波、洪水、高潮等の浸水想定を踏まえ、幹線道路が分断するリスクの想定とともに対策の検討を進めていく必要がある。

(基幹インフラ復旧等の大幅な遅れへの対応)

・基幹インフラの広域的な損壊により復旧・復興が大幅に遅れる事態を想定した対策について、関係機関と連携を図りながら総合的な取組を行っていく必要がある。

 

(ライフラインの災害対応力強化)

・災害発生時におけるライフライン機能の維持・確保や早期復旧を図るため、電気、ガス等ライフライン関係機関との協力体制を構築する必要がある。

 

(土砂災害対策の推進)

・土砂災害警戒区域内にある、要配慮者利用施設の所有者又は管理者は、要配慮者利用施設の利用者の洪水時等の円滑かつ迅速な避難の確保を図るため、避難確保計画の策定、避難訓練の実施が義務化された。このため、市内土砂災害警戒区域内にある要配慮者利用施設における避難確保計画の策定、避難訓練の実施を支援していく必要がある。

 

(河川・海岸施設の強化)

・津波・高潮による浸水を防ぐため、地盤沈下及び老朽化した堤防護岸の補強、堤防高の低い箇所の嵩上げについて、関係機関への働きかけなどを含めた積極的な取組が必要である。

 

(高潮対策の検討)

・産業集積地である御津1区・2区臨海工業用地が浸水した場合、甚大な被害の発生が懸念され、企業の撤退、雇用喪失、経済衰退につながるおそれがあることから、この地域の産業・経済を守るため、更なる高潮対策を検討していく必要がある。

 

(御津臨海部の整備)

・御津1区及び2区については、1区・2区とも橋梁の耐震性に不安があり、各企業の迅速な避難行動や復旧・復興のための物資輸送を実現するため、1区及び2区をつなぐ臨港道路東三河臨海線の早期事業化を進める必要がある。

 

(漂流物防災対策の推進)

・災害時、コンテナ、船舶、石油タンク等が流出し、二次災害が発生するおそれがあるため、漂流物防止対策を推進する必要がある。

 

(水道施設の老朽化対策等の推進)

・大規模自然災害発生時における水の供給体制を確立するため、給水拠点となる配水池の耐震性を強化するとともに、水道配水管において強度が低下している老朽管の更新を計画的に推進する必要がある。

 

(下水道施設の耐震化等の推進)

・災害時の下水道施設の機能停止による公衆衛生問題や破損による交通障害の発生を防止するため、幹線管渠施設等の下水道施設の耐震化及び老朽化した下水道管の更新を計画的に進めていく必要がある。

 

(農業集落排水施設の耐震化等の推進)

・本市における農業集落排水施設は、4地区において整備済みであるが、施設の耐震性や老朽化状況等の診断を実施し、これに基づく耐震化対策、老朽化対策等を推進する必要がある。

 

(火災に強いまちづくりの推進)

・市街地の地震災害に対する脆弱性を客観的かつ定量的に評価した「市街地の防災性能評価」を踏まえ、災害時に大きな被害が想定される密集市街地を対象に、防災対策に資する計画的な都市基盤整備を展開するとともに、地域住民が実施する防災対策に資する事業を助成することにより、市街地の防災空間の拡大に取り組んでいく必要がある。

・現在誰も生活していない空家については、地震による倒壊の危険性や管理の不徹底による防火・防犯上の問題などが指摘されている。本市においてもこれらの空家に対する取組として、空家等対策計画を策定し、倒壊や火災の危険性のある空家等に対し、適正管理及び除去等を進める必要がある。

 

(応急仮設住宅・復興住宅の迅速な確保に向けた取組)

・被災者が早期に住居を確保することができるよう、県や民間企業との連携により、公営住宅や民間賃貸住宅等の情報を迅速に把握し、既存ストックの活用を図ることができる体制整備を図る必要がある。

 

(公共施設等の非構造部材の耐震化等の推進)

・大規模地震発災時の災害対応拠点や避難所となる公共施設等において、内外壁や吊り天井等の落下により施設が使用困難とならないよう非構造部材の落下防止対策を推進していく必要がある。

 

(消防力の強化)

・消防署所の各施設について、適切な維持管理を行うとともに、通信機能など時代に合わせ積極的な機能強化を図る必要がある。また、機能の不足や老朽化した施設については、災害発生時にその機能が維持できるよう計画的な移転・建替えについて検討していく必要がある。

 

(避難場所・避難路の確保・整備等)

・現在、市では指定避難場所として避難地、避難所を指定しているが、災害の種類に応じたものとなっていない。このため、災害対策基本法施行令に定める基準に従って、災害の種類に応じ、その危険性の及ばない場所・施設を指定緊急避難場所として新たに指定するとともに、ピクトグラムを使った分かりやすい表示を行うことで、災害の危機が切迫した場合における住民の安全な避難先を確保する必要がある。

 

(避難所運営体制の整備)

・町内会や自主防災会等と避難所運営に関する訓練を通し、地域が主体的に避難所の管理運営が行えるよう意識啓発に取り組む必要がある。

(要配慮者等への支援体制の整備)

・災害時において避難行動要支援者の安否確認や避難誘導が円滑に行えるよう、日頃から市と地域が連携して避難行動要支援者の把握に努めるとともに、災害時要援護者の登録制度の普及、登録者拡大に向けた啓発活動を進めていく必要がある。

 

(物資調達体制の強化・受援体制の構築)

・「豊川市広域受援マニュアル」に基づき、被災者に物資を確実かつ迅速に届けられるよう、要員の確保、民間事業者への協力依頼方法の確立などを含む、物資の要請体制、調達体制、輸送体制等、供給の仕組みを整備する必要がある。

 

(災害時の広域連携の推進)

・「豊川市広域受援マニュアル」では、国からのプッシュ型支援による物資が豊川地区防災倉庫へ届き、その後拠点防災倉庫、各避難所へと輸送することとなっている。この輸送を確実に実施するため、産官民の連携により、災害発生時に広域的な応援を受けられるよう、関係機関、他の自治体との協定を締結することで災害時に物資調達がスムーズに実施できるような体制を構築する必要がある。

 

(事前復旧・復興計画等の策定)

・事前復旧・復興計画等を策定し、施設整備や訓練等を行いながら復旧・復興体制の強化を図る必要がある。

 

(専用通信における事前予防対策)

・発災時の通信機能を確保するため、衛星通信回線の設定、バックアップ回線の設定、通信ルートの二重化等を進めるとともに、移動無線、可搬式無線機、携帯電話等の資機材の充実整備により災害への備えに取り組んでいく必要がある。

 

(情報提供手段の多様化)

・観光地や防災拠点等において、無料公衆無線ランを整備することは、情報を的確に伝達することに有効である。災害時においても災害発生状況、警報等の発令情報などの情報収集機能として有効に機能する無料公衆無線ランについて、検討・整備を進めていく必要がある。

 

(企業BCP策定の促進等)

・災害時、市内企業の事業資産の損害を最小限に留め、事業継続や早期復旧を可能とするため、事業所業務継続計画(企業BCP)策定に関し、愛知県等で実施しているBCP策定に関する支援策などの情報提供や周知・啓発を進めていく必要がある。

 

(災害廃棄物処理計画の推進)

・豊川市災害廃棄物処理計画に基づき適正かつ円滑・迅速に災害廃棄物処理を行う実行性を高めるため、教育・訓練による人材育成等を行い、災害廃棄物処理体制の充実を図る必要がある。

 

(罹災証明書の発行体制の整備)

・早期の復旧・復興を図るためには、罹災証明書発行業務の迅速性と的確性の確保を図っていく必要がある。このため、従事者を対象とするシステム操作研修や住家の被害認定調査業務研修の実施に取り組む必要がある。

 

豊川市地域強靱化計計画(案) 平成30年  月

豊川市企画部防災対策課 郵便番号442-8601 豊川市諏訪1丁目1番地

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