パブリックコメント「とよかわ文化芸術創造プラン(案)」概要テキスト版資料
更新日:2013年1月4日
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とよかわ文化芸術創造プラン(案)概要 テキスト版
1 プラン策定の経緯
「文化芸術振興基本法」第4条には、「地方公共団体は、基本理念にのっとり、文化芸術の振興に関し、国との連携を図りつつ、自主的かつ主体的に、その地域の特性に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する」と規定されています。
この規定は、計画の策定を義務付けているものではありませんが、合併後の文化振興を一体的・総合的に進めるうえで、文化芸術の持つ創造性が地域振興や地域の課題解決に寄与することを認識するとともに、新豊川市としての文化振興の取組の方向性を示す必要が生じたため、本プランを策定することとしたものです。
2 プラン策定の目的
本プランは、文化政策を「未来への投資」として位置づけ、市民との協働により、文化の可能性を認識し、合併後の新市一体感の醸成とともに文化芸術の環境を整え、さらなる発展を目指し、文化芸術にかかわる課題とその取組の指針を総合的・体系的に明らかにすることを目的としています。
3 プランの期間・評価
1 目標期間
平成24年度から平成33年度までの10年間とし、概ね5年の経過をめどに、必要に応じて見直しを行います。
短期3年・中期5年・長期10年の3段階を設け、事業の推進計画を策定します。
2 評価
短期・中期・長期の段階で検証
内部評価と外部評価を行います。
4 本市の文化芸術の課題
1 ホール・ミュージアムの活用
複数のホールの果たすべき役割の明確化と周知及び活用
2 地域アイデンティティの形成
地元ならではの文化を掘り起こす目をもち、文化を介した人とのつながりの連鎖から、新たなまちのとしての一体感のもとに共有できる地域アイデンティティの形成
3 文化度の向上
文化度の向上のため、子どもへの視点、各部門との連携、文化事業の周知による文化芸術への喚起の長期的な取り組み
5 プランの基本理念
「ハートをつなぎアートで育む未来、とよかわ」を基本理念とし、未来への投資としてさらなる文化芸術の発展を目指します。
6 将来像と基本方針
1 将来像
・多くの文化情報が身近で手に入りやすい環境が整っている。
・文化芸術の役割を理解し、さまざまにつながって生き生きと生活している
・文化施設がアーティストの活動を支え、地域の人とつながってまちづくりの中核を担っている
・文化芸術と他の分野が連携し、経済の活性化・生活環境の向上により、豊川市に住みたい、子育てをしたいという人が増えている
・市民一人ひとりが目を輝かせて、コミュニティの中で生き生きと暮らし、世界に向けてかつやくするアーティストが文化芸術の振興、創造、発信に取り組んでいる
2 基本方針
(1)そだてる
文化芸術に親しむ人を増やし、文化の担い手を育てます
(2)ささえる
市民・企業・芸術家・行政が力を合わせて文化の基盤を支えます
(3)つなぐ
異なる世代・分野・地域、合併したまちを文化でつなぎます
(4)つくりだす
新たな地域文化や文化芸術の場をつくりだします
(5)すすめる
さまざまな取り組みを総合的に進めます
7 施策
1 課題と取り組み
・そだてる
(1) 文化芸術に親しむ人の育成
(1)-1 アウトリーチ事業やワークショップなどの取り組みを充実させます
(1)-2 いろいろな場所でのロビーコンサートを実施します
(1)-3 レクチャーコンサートを実施します
(1)-4 美術品や歴史遺産鑑賞のため、どの年代にも分かりやすい学芸員解説等の充実を図ります
(2) 子どもの時から文化芸術に親しむことのできる環境整備
(2)-1 こどもや青少年を対象にした展示事業や舞台公演を充実させます
(2)-2 学校や青少年団体などと連携をしやすい環境を整えます
(2)-3 少人数を対象とした体験型事業を実施します
(2)-4 学校が必要とするアーティストに関する情報を提供します
(2)-5 合唱や吹奏楽等の練習にホールを利用できる環境を整えます
(2)-6 児童生徒の美術等の作品展示に桜ヶ丘ミュージアムでの利用促進を図ります
(2)-7 学校や保育所・幼稚園等の教職員・保育士を対象とした研修の機会を設けます
(3) 専門家との関わりを深める
(3)-1 優れたアーティストとのフランチャイズ契約による市民との交流を図ります
(3)-2 アーティストへ活動拠点の提供による定住化を促進し、アートと地域を結びます
・ささえる
(1) ホール・ミュージアムを支え、主体的に文化に関わる市民を増やす
(1)-1 ホール・ミュージアムのサポートボランティアの横断的な応援体制をつくります
(1)-2 市全体の文化サポーター組織を立ち上げます
(1)-3 市民の才能を活かす仕組みをつくります
(1)-4 演劇祭などの文化事業への参加呼びかけによるボランティア活動のきっかけをつくります
(2) 文化活動団体等への支援の充実
(2)-1 稽古場や楽器・道具を保管する場所の提供について検討します
(2)-2 公演開催等のノウハウ・指導者の情報提供などさまざまな相談に応じます
(2)-3 公共・民間を問わず補助や助成事業について紹介し、手続きを援助します
(3) アーティストへの支援
(3)-1 アーティストに対する住環境を含めた一体型の事業展開の可能性を探ります
(3)-2 市との提携事業により、アーティストに発表の場を提供します
(4) 市民に愛される施設へ
(4)-1 施設職員の利用者に対する接遇の向上に取り組みます
(4)-2 利用できる時間について検討します
(4)-3 音羽文化ホールの可動席の特徴を活かしてパーティ・レセプションが可能な会場として使えるようにします
(5) ホール・ミュージアムの整備
(5)-1 桜ヶ丘ミュージアムの課題解消のための改修を実施します
(5)-2 安全・安心・快適なホール・ミュージアム維持のため、ファシリティマネジメントの観点に則った修繕計画を立案します
(5)-3 音羽文化ホールについて社交ダンスや舞踊に対応できる床の改修を検討します
・つなぐ
(1) 他の分野との連携
(1)-1 生涯学習施設での公演事業を引き続き実施します
(1)-2 福祉施設等へのアウトリーチを実施します
(1)-3 観光イベントと多様な連携に取り組みます
(2) ホール・ミュージアムと他の施設との連携
(2)-1 他施設との機能面での補完、情報交換・発信などの相互利用を進めます
(2)-2 文化事業と図書館での企画と連携することで相乗効果を狙います
(3) 高齢者や障害のある人、外国人への事業展開
(3)-1 ホール・ミュージアムのユニバーサルデザインを推進します
(3)-2 外国人向けの文化情報を発信します
(3)-3 福祉施設などに出向くアウトリーチ事業を実施します
(3)-4 個々の状況に適したさまざまな手段・媒体を活用し、文化活動の情報を提供します
(4) 情報の発信
(4)-1 携帯電話の利用など新しい手法に取り組みます
(4)-2 インターネットを利用した広報手段の拡充を図ります
(4)-3 くちこみネットワークをつくります
(4)-4 ホール・ミュージアムへ市民文化情報が集まる仕組みを構築します
(4)-5 シティセールスや近隣市と連携した情報発信を実施します
・つくりだす
(1) 独自性の確立
(1)-1 歴史的建造物等におけるコンサート、ダンスパフォーマンス、伝統芸能などの実施に取り組みます
(1)-2 若い地元のアーティストを発掘するための情報を収集します
(1)-3 豊川市ならではの演劇やミュージカル等を創造します
・すすめる
(1) 人材の確保と協力体制
(1)-1 音楽・演劇・ダンス等の舞台公演をマネジメントできる職員を育成します
(1)-2 文化芸術でまちのイメージアップを図るため、組織を横断的に活用します
(1)-3 学校、福祉施設、市民病院などで文化的事業をスムーズに実施するため、各課の連携を図ります
(2) 効率化
(2)-1 地域との連携確保、施設の独自性に配慮し、利便性の向上と効率的な運営を行います
(2)-2 保守管理等の委託についてスケールメリットを活かします
(2)-3 デザイン、データ処理などの分野について臨時職員、有償ボランティアを活用します
(2)-4 ホール・ミュージアムの効率的な管理形態について検討します
(3) 財政基盤の確保
(3)-1 国県の補助・助成や民間資金の活用を検討します
(3)-2 事業や運営に対する市民や企業からの協賛・協力を得られるシステムを活用します
(4) 総合的な文化政策を展開、推進を担うシステムの構築
(4)-1 文化芸術のセンター機能を担うシステムを構築します
(4)-2 センター機能のシステムを有効に機能させるための文化コーディネーターを育成します
2 センター機能と文化コーディネーター
(1) センター機能
「結束」
(1)-1 文化芸術に関する人・モノ・場所等の情報を整理し、それを必要とする人とを結びつける
(1)-2 文化ボランティアのマネジメントを行う
(1)-3 観光、福祉、教育等、異なる分野との連携、民間企業との連携、広域的な連携を図る
「発信」
(1)-1 文化芸術に関するきめ細かな情報を、センター機能のネットワークを活用して発信する
(1)-2 学校施設等へのアウトリーチや、体験型のワークショップ事業を実施する
(1)-3 コンサートなどの公演事業を実施する
(2) 文化コーディネーター
(1)-1 地元のアーティストに関する情報を収集する
(1)-2 多様な文化芸術を社会に紹介する場であるホール・ミュージアムと市民をつなぐ
(1)-3 文化政策を遂行するため、アイディアを提供する
(1)-4 人的ネットワークをつくり、従来文化芸術に疎遠であった人たちをアートの世界へ導く機会をつくる
8 担い手
プランを実行し、実りあるものとするため、多様な立場の人たちが、それぞれの役割を担っていくことが必要です。行政だけで推進するのではなく、互いに補いあう関係を維持することが重要です。
1 行政
施設の維持管理、事業の企画運営、人材の育成とともに事業費助成や活動場所の提供など柔軟な発想のもとで進める必要があります。他部門との連携では、行政組織を横断的に活用する発想や、広域展開などを探ることなどが重要となります。
2 NPO・ボランティア団体
地域の中で積極的かつ多種多様な文化事業を実施している団体と行政が連携・協働することで文化芸術の市民への意識高揚を図ります。また、地域の伝統を支え、伝えることにおいても重要な役割を果たすことを期待します。
3 アーティスト
自身のパフォーマンスによる効果のほか、文化事業へのアドバイス、普及事業など多岐にわたる活動を担い、市民に及ぼす影響も大きいと期待します。
4 企業
企業がメセナとして行う支援や自らが主体となる事業の展開を期待します
5 研究機関
大学等の研究機関が有する高度な専門知識や技術の提供を期待し、まちづくりでの提携などを今後の参考とします
6 個人
一人ひとりが文化を楽しみ親しむこと、日頃文化情報への目配りを心がけるなどにより担い手となります
9 ホール・ミュージアムの使命
1 共通する使命
(1) 優れた舞台芸術・アートの鑑賞と交流の機会を提供します
(2) 豊川市独自の舞台芸術を創造し、地域の文化振興を推進します
(3) 音楽や演劇、ダンス、造形等を体験することで、表現する喜びや楽しみ、むずかしさを体験できる機会を提供します
(4) 教育や福祉等の分野と連携し、子どもや青少年の健全育成、高齢者の元気の源となる事業を展開します
(5) 市民や文化団体の主体的な文化活動を育成、支援します
(6) ホール・ミュージアムの運営によって、豊川市の価値を高めます
(7) 近隣の地域との連携や交流を図り、地域全体の文化芸術の振興を支えます
(8) ホール・ミュージアムの貸館利用者に対して、きめ細かいサービスの提供をします
(9) 誰もが気軽に利用でき、快適な時間を過ごせる場を提供します
(10)訪れる全ての人が、安全に安心して利用できる施設環境と運営体制を整えます
2 それぞれの施設の特徴とその使命
(1) 桜ヶ丘ミュージアム
(1)-1 美術作品や歴史資料の鑑賞・学習の機会を提供します
(1)-2 貴重な作品や資料を収集・保存し、後世に伝えます
(1)-3 市民の広範な創作活動を発表するための「場」を提供します
(2) 豊川市文化会館
(2)-1 大ホールを活用し、大勢の集客を見込める事業を行います
(2)-2 市の中央部にあることを活かして、市民参加の事業を行います
(3) 音羽文化ホール
(3)-1 小ホール、可動席であることを活かして、芝居、ライブ等の事業のほか、パーティ会場とするなど新しい利用方法を広げます
(3)-2 立地条件から、和太鼓などの大きな音が出るものの稽古場として提供します
(4) 御津文化会館
(4)-1 東三河演劇祭等、地元の演劇愛好者との協働による事業を実施します
(4)-2 リハーサル室や会議室など、部屋のバリエーションが多いことなどから、コミュニティ施設の役割を果たします。
(4)-3 図書館との複合施設であることを活かして、連携した企画を実施します
(5) 小坂井文化会館
(5)-1 東三河随一の優れた音響施設を誇るホールとして、良質のクラシック音楽を提供します
(5)-2 優れたアーティストとのレジデンス契約を結ぶなどして、アウトリーチやワークショップを実施して、クラシック音楽の拠点としての役割を果たします