パブリックコメント「豊川市人口ビジョン(令和元年度改訂版)(案)」テキスト版資料
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令和2年 月
豊川市
目次
はじめに
1 人口問題をめぐる豊川市の現状と見通し
(1)豊川市の人口推移と見通し
(2)年齢3区分別人口の推移
(3)合計特殊出生率の推移
(4)人口減少が経済社会に与える影響
2 豊川市の人口ビジョン
(1)豊川市の将来の総人口に関するシミュレーション
(2)人口シミュレーションの結果
(3)目指すべき将来の方向
(4)人口の将来見通し
はじめに
平成20年(2008年)に始まった日本の人口減少は、このままが続けば、経済規模の縮小や生活水準の低下を招き、国として持続性が危うくなる可能性があります。
そのため、政府は平成26年(2014年)12月に「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン」を策定し、日本の人口の現状と将来の姿を示し、人口減少に伴う問題などを整理するとともに、今後の目指すべき将来の方向性を展望しました。
その後、国立社会保障・人口問題研究所(以下「社人研」という。)の推計では、当時よりも人口減少のスピードはやや遅くなっているものの、人口減少は続いていることから、国は令和元年(2019年)12月に「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン(令和元年度改訂版)」(以下、「国の長期ビジョン(令和元年度改訂版)」)として改訂しました。
これを受け、本市においても人口の現状を分析しつつ、将来の目指すべき方向を示す「豊川市人口ビジョン」を改訂します。
1 人口問題をめぐる豊川市の現状と見通し
(1)豊川市の人口推移と見通し
本市の人口は平成27年(2015年)の182,436人をピークに減少していく人口推計が、社人研による「日本の地域別将来推計人口(平成30(2018)年推計)」より出されており、令和27年(2045年)には163,019人まで低下することが見込まれています。
(2)年齢3区分別人口の推移
本市の年齢3区分別の人口の推移と推計について、生産年齢人口(15から64歳)は平成12年(2000年)の121,520人(人口割合68.8%)をピークに減少し、令和27年(2045年)には87,620人(人口割合53.7%)になると推計されています。
年少人口(0から14歳)も昭和55年の40,989人(人口割合26.1%)をピークに減少し、令和27年(2045年)には19,902人(人口割合12.2%)まで減少する推計となっています。
一方、老年人口(65歳以上)については、増加傾向にあり、令和27年(2045年)には55,497人(人口割合34.0%)となります。その際、老年人口1人を生産年齢人口1.58人で支えることが見込まれます。
(3)合計特殊出生率の推移
1人の女性が一生に産む子どもの数に相当する「合計特殊出生率」の推移について、本市では国や県と比較してわずかに高い水準で推移しており、平成29年(2017年)では、1.55となっています。
(4)人口減少が経済社会に与える影響
国の長期ビジョン(令和元年度改訂版)にも記載されているように、人口減少に対する国民の意識や危機感が高まっています
また、人口減少と高齢化の進展は、働き手の減少が生じ、経済の縮小、一人当たりの国民所得の低下、社会保障費などの増大による働き手一人当たりの負担の増加などが懸念されます。また、人口減少に伴って消費市場の縮小による地域経済の縮小や、日常の買い物や医療などの生活サービスの低下を引き起こし、それによって更に都市部への人口流出などの人口減少を加速させるという悪循環に陥ることになるなど、人口減少は地域の経済社会に甚大な影響を与えていくことになります。
そのため、少子高齢化を抑制しつつ、人口減少に歯止めをかけていくには、出生数を増やすために合計特殊出生率を高めること、健康でながいきできるように生残率を高めること、転出を抑制し、転入を促進させ、移住・定住を図るように純移動率を高めることが必要不可欠であり、次章の「2 豊川市の人口ビジョン」では、人口の目指すべき方向を検討します。
2 豊川市の人口ビジョン
(1)豊川市の将来の総人口に関するシミュレーション
国の長期ビジョン(令和元年度改訂版)において、2060年に約1億人の人口を維持するには、合計特殊出生率を2030年までに1.80、2040年までに2.07まで回復するモデルが示されています。また、本市では2005年の1.34から2010年に1.58、2015年に1.62へと上昇しているものの、直近における2016年には1.58、2017年には1.55と下降している状況にあります。
国および本市の状況を踏まえ、国の長期ビジョン(令和元年度改訂版)に基づく長期的に合計特殊出生率の引き上げを図るとともに、過去の推移状況を鑑みながら、次のような合計特殊出生率をはじめ、せいざん率、純移動率を設定し、これらを組み合わせた3つのパターンにより本市の将来の総人口に関するシミュレーションを行います。
1 合計特殊出生率の設定
合計特殊出生率については、以下の2つの合計特殊出生率を設定します。
設定1 社人研で推計している合計特殊出生率を設定します。【社人研推計準拠】
2020年1.66536、2025年1.64834、2030年1.65460、2035年1.66217、2040年1.66592、2045年以降2060年まで1.66936
設定2 2015年の現状1.62から2060年までに2.07まで平均的に上昇させていく合計特殊出生率を設定します。【出生率上昇(按分)】
2020年1.67、2025年1.72、2030年1.77、2035年1.82、2040年1.87、2045年1.92、2050年1.97、2055年2.02、2060年2.07
2 せいざん率の設定
せいざん率については、社人研が推計した男女・5歳階級別のせいざん率を設定します。
3 純移動率の設定
純移動率については、以下の2つを設定します。
設定1
これまでの本市の実績に基づいて社人研が推計した男女・5歳階級別の純移動率を設定します。
設定2
本市では今後も性別年齢によっては転出超過が続くことから、純移動率がマイナスになることがあるため、移住・定住施策の充実により、子どもから若者、子育て世代の転入を促進し、転出超過を無くすように、社人研が推計した男女・5歳階級別の純移動率のうち、0歳から44歳までの純移動率がマイナスの場合にゼロになるように設定します。なお、2025年および2030年の純移動率については、0歳から44歳までの純移動率が0.02未満の場合に、0.02まで引き上げるように設定します。
4 3つのパターンのシミュレーション
パターン1
社人研の推計による「合計特殊出生率」および「純移動率」を採用。
パターン2
2015年の現状1.62から2060年までに2.07まで平均的に上昇する「合計特殊出生率【出生率上昇按分】」を採用し、社人研の推計による「純移動率」を採用。
パターン3
2015年の現状1.62から2060年までに2.07まで平均的に上昇する「合計特殊出生率【出生率上昇按分】」を採用。
また、社人研が推計した男女・5歳階級別の純移動率のうち、0歳から44歳までの純移動率がマイナスの場合にゼロ、かつ2025年および2030年の純移動率が0.02未満の場合に、0.02まで引き上げるように設定すると仮定。
(2)人口シミュレーションの結果
3パターンでの人口シミュレーションの結果は、以下の通りになります。
パターン1の総人口
2015年182,436人、2020年181,924人、2025年179,922人、2030年176,748人、2035年172,657人、2040年167,953人、2045年163,021人、2050年157,842人、2055年152,114人、2060年145,772人
パターン2の総人口
2015年182,436人、2020年181,947人、2025年180,261人、2030年177,580人、2035年174,148人、2040年170,294人、2045年166,401人、2050年162,489人、2055年158,251人、2060年153,652人
パターン3の総人口
2015年182,436人、2020年182,671人、2025年183,107人、2030年182,734人、2035年180,496人、2040年177,956人、2045年175,537人、2050年173,184人、2055年170,550人、2060年167,584人
また、3パターンを比較する上で、人口増減数、自然増減数、社会増減数は、以下の通りになります。
パターン1
人口増減は2015年から2060年で6,342人の減少、自然増減数は2015年から2060年で6,789人の減少、社会増減数は2015年から2060年で447人の増加
パターン2
人口増減は2015年から2060年で4,599人の減少、自然増減数は2015年から2060年で5,061人の減少、社会増減数は2015年から2060年で462の増加
パターン3
人口増減は2015年から2060年で2,966人の減少、自然増減数は2015年から2060年で4,068人の減少、社会増減数は2015年から2060年で1,102人の増加
(3)目指すべき将来の方向
本市の人口は現状のままでは社人研の推計のように、出生数の減少、死亡数の増加によって自然動態による減少が大きくなっていくことが予想されます。一方、社会動態については、近年、豊橋市や新城市などの近隣市町村を中心に転入超過になっているものの、名古屋市や東京都などへの転出超過が続いています。しかし今後は、近隣市町村の人口減少も予想されるため、近隣市町村からの転入も期待できなくなる可能性があります。
こうした状況を踏まえ、本市では以下の3つを、目指すべき将来の方向として定めます。
1 定住・交流・関係人口の増加を図る
外国人も含め、就業者の多い製造業や建設業などの既存産業に加え、新たな産業集積を図りながら、雇用の場を確保する施策を推進します。
市内事業所と連携し、若い世代の地元就職率を高められるような施策や起業支援などを実施するとともに、地元で暮らしたいと思える魅力的なまちづくりのための施策を推進します。
歴史、文化や自然などの地域資源の魅力化を図りながら、国内外への情報発信を強化し、観光・交流の促進、関係人口の創出・拡大につなげるための施策を推進します。
2 若い世代の希望を実現する
若い世代が将来に不安なく結婚し、安心して出産や子育てができる支援施策を推進します。
男女ともに、子育てと仕事を両立できる子育て環境の整備と就労環境の充実に向けた施策を推進します。
3 本市の特徴を生かして時代にあった地域をつくる
誰もが安心して健やかに暮らし続けることができる、安全で快適なまちづくりのための施策を推進します。
緑豊かなで歴史・文化が豊富な市の特徴を生かし、住みたい、住み続けたいと思う地域づくりのための施策を推進します。
女性、高齢者、障害者、外国人など、誰もが活躍できる地域づくりのための施策を推進します。
(4)人口の将来見通し
前述の(3)目指すべき将来の方向に基づく施策を推進することで、2060年において人口17万人程度の維持を目指します。
1 合計特殊出生率の見通し
合計特殊出生率については、国の長期ビジョン(令和元年度改訂版)に基づき、2030年に1.80、2040年に2.07へ上昇させるモデルが示されています。しかし、本市の合計特殊出生率は、2005年から上昇し、2015年には1.62まで回復していますが、直近の2016年、2017年ではともに下降しているため、国のモデルに少しでも近づけるように、今後より一層の少子化対策を積極的に推進することで、2030年に1.77、2040年に1.87、2060年に2.07に達成することを目指します。
合計特殊出生率の見通し
基準値2015年1.62、推計値2020年1.67、2030年1.77、2040年1.87、2050年1.97、2060年2.07
2 社会動態と年齢区分別人口の見通し
若い世代が希望を叶うような雇用、就労環境を確保するとともに、結婚、出産、子育て環境の充実を図ることで、若者世代が転入超過となる社会動態の安定化を目指します。
年齢別人口の見通し
総人口
2015年182,436人、2020年182,671人、2030年182,734人、2040年177,956人、2050年173,184人、2060年167,584人
0から14歳人口
2015年26,184人(14.4%)、2020年25,207人(13.8%)、2030年24,448人(13.4%)、2040年24,455人(13.7%)、2050年24,816人(14.3%)、2060年24,836人(14.8%)
15から64歳
2015年110,768人(60.7%)、2020年108,728人(59.5%)、2030年107,572人(58.9%)、2040年98,380人(55.3%)、2050年92,570人(53.5%)、2060年90,808人(54.2%)
65歳以上
2015年45,484人(24.9%)、2020年48,735人(26.7%)、2030年50,714人(27.8%)、2040年55,121人(31.0%)、2050年55,799人(32.2%)、2060年51,940人(31.0%)
人口増減の見通し
人口増減は2015年から2060年で2,966人の減少
自然増減数は2015年から2060年で4,068人の減少
社会増減数は2015年から2060年で1,102の増加
発行:豊川市企画部企画政策課
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