豊川市制施行70周年記念式典式辞

平成25年6月1日　
　本日、ここに豊川市制施行70周年記念式典を挙行しましたところ、公私共にご多忙にもかかわらず、多数のご来賓並びに市民の皆様にご臨席を賜り、心より厚くお礼申し上げます。
　豊川市は、豊川海軍工廠の開設を契機として、昭和18年6月1日、3町1村の合併により、人口約7万4千人の都市として誕生いたしました。その後、誕生間もない昭和20年8月7日には、海軍工廠の被爆により2千5百人余の犠牲者を出すという大きな悲しみを体験し、終戦時には人口が半減、昭和31年から38年まで財政再建団体に指定されるなど、市政運営上まさに苦難の時代を経てまいりました。
　しかしながら、定住人口の増加を図るべく区画整理や下水道、道路などの基盤整備に努め、工廠跡地への工場誘致や東名豊川インターチェンジの開設を推進するなど、着実に発展を遂げてまいりました。さらには、地方分権改革の進展や多様化・高度化する行政需要に対応すべく「市町村合併」という時代の潮流に乗り、平成18年に一宮町、平成20年に音羽町、御津町、平成22年に小坂井町と合併を果たし、人口18万余を有する東三河の中核都市として確固たる地位を確立いたしました。
　本日は、輝かしい未来に向けて新たな一歩を踏み出した「新豊川市」としての、記念すべき最初の節目の周年日でもあります。
　昭和、平成という激動の時代のなかで、幾多の困難に直面しながらも、これを克服し、市政が発展してまいりましたのも、それぞれの時代をひたむきに精一杯生き抜いてこられた市民の皆様方の愛郷心によるご尽力の賜物であると、心から敬意を表する次第でございます。
　さて、私が担わさせていただいています市政も6年目に入りました。この間、「福祉と文化、そしてスポーツの盛んなまちづくり」を施策の柱に掲げ、様々な施策に取り組んでまいりました。特に、最大の課題でございました新市民病院の建設につきましては、利便性の高い八幡地区に、最新の医療機器を備えた地域の拠点病院としてふさわしい施設整備を行い、市民の皆様の期待を背負ってこの5月に開院したところでございます。また、子ども医療費の無料化拡大につきましても、本年４月より中学生までの医療費を全額無料とするなど、安心して子どもを生み育てることのできる環境整備を図ってまいりました。さらに、陸上競技場の全天候型への改修、桜ヶ丘ミュージアムの改築など、未来に向かって心豊かで住みよい夢のあるまちを目指してまちづくりを進めているところであります。
　70周年は、人間で言えば”古希”の節目にあたり、本市も歴史と伝統ある都市の仲間入りをすることとなります。本年は、市民一人ひとりがつながり、輪になって、さらに地域のつながりへと大きく広がり、豊川市が笑顔のあふれるまちになることを願って、「とよかわ　人の輪　地域の和」をキャッチフレーズに、様々な70周年記念事業を展開してまいります。また、この11月に開催します「B-1グランプリｉｎ豊川」においては、ご当地グルメによるまちおこしの実践と最高のおもてなしの心をもって、地域や企業、市民の皆様と一丸となり、元気のある豊川市、心温まるまち豊川市を全国に発信してまいりたいと考えています。
　今後も、「将来を担う子どもたちが希望をもてるまち」の実現のため、皆様の信頼と絆をより大切にすることを信条に、市政運営に取り組んでまいりますことをお誓い申し上げるとともに、市政発展のため市民の皆様のご理解、ご協力をお願い申し上げ、私の市制施行70周年を迎えての式辞とさせていただきます。