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豊川市空家等対策計画(案)
テキスト版
平成30年 月、豊川市
目次、はじめに
第1章、計画の概要
1-1、背景と目的
1-2、位置づけ
1-3、対象地区
1-4、計画期間
1-5、空家等の種類
第2章、現状と課題
2-1、統計資料等からみた空家等の現状
(1)空家の推移と現状
(2)人口の現状と将来推計
2-2、空家等実態調査
(1)調査概要
(2)調査結果
(3)地域特性及び課題
(4)空家等実態調査の総括
2-3、所有者等意向調査
(1)アンケート調査の概要
(2)調査結果
2-4、空家等の発生要因と課題
(1)空家等の発生要因
(2)空家等対策に係る課題
第3章、空家等対策の基本的な考え方
3-1、基本理念
3-2、取組方針
3-3、目標指標
3-4、主体別の役割
第4章、具体的な施策
4-1、空家等の予防・適正管理
(1)啓発
(2)相談
(3)管理不全な空家等に対する助言等
(4)特定空家等に対する措置
4-2、空家等の利活用
(1)中古住宅としての流通促進
(2)まちづくり資源としての有効活用
4-3、空家等の除却
(1)除却の促進
(2)跡地の積極的活用
第5章、実施体制の整備・進捗状況の管理
5-1、豊川市空家等対策協議会
5-2、庁内体制
5-3、多様な主体との連携
5-4、進捗状況の管理と検証
参考資料
1.計画策定の経緯
2.空家等対策の推進に関する特別措置法(平成26年法律第127号)
3.豊川市空家等対策協議会設置要綱(平成28年4月13日施行)
4.「特定空家等に対する措置」に関する適切な実施を図るために必要な指針(ガイドライン)における参考となる基準
5.外観目視による住宅の不良度判定の手引き(案)
6.用語の解説
本計画では、「空家」と「空き家」の表記については、「空家等対策の推進に関する特別措置法」の表記に従い、「空家」で統一しています。
第1章、計画の概要
1-1、背景と目的
近年、全国的に人口減少、少子高齢化社会が進む中で、既存家屋の老朽化等に伴い、空家等が年々増加しています。長期にわたり、十分な手入れが成されず放置された結果、防災・衛生・景観等の面で周辺の生活環境に深刻な影響を及ぼし、大きな社会問題となっています。こうした空家等に対する施策を進めるため、平成26年11月に「空家等対策の推進に関する特別措置法(以下、「空家法」という。)」が公布され、平成27年5月に完全施行されました。
本市においては、宝飯郡4町(旧一宮町、旧音羽町、旧御津町、旧小坂井町)との合併が平成22年2月に完了し、新たなまちづくりを進めていく中で、空家法の完全施行に伴い、平成28年度に空家等実態調査及び所有者等意向調査を実施し、空家等に関するデータベースの整備を行ってきました。この実態調査やデータベースの整備などを通して、本市においても、適切に管理されていない空家等が環境、防災、衛生、景観等の地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしていることなどの問題が顕在化し始めていることが分かりました。
このような背景を踏まえて、本市における空家等対策を総合的かつ計画的に実施するため、市が取り組むべき空家等対策の基本的な考え方を示す「豊川市空家等対策計画」を策定しました。
1-2、位置づけ
本計画は、空家法第4条及び第6条に基づき、本市の実情を踏まえた対策を総合的かつ計画的に実施するため、国の基本指針に即して定めます。
また、市の上位計画である「第6次豊川市総合計画」との整合を図るとともに、関連計画である「豊川市都市計画マスタープラン」等との連携を図るものとします。
PDF形式の資料では、計画の位置づけを図示していますが、本文の補足ですのでここでは省略します。
1-3、対象地区
空家等の発生は市内の特定の地域に限定されないため、対象地区は市内全域とします。なお、空家等の現状分析などについては、中学校区を基本とした10区分の地域を考慮した分析を行い、各地域の現状と課題を把握した上で、施策を検討します。
PDF形式の資料では、計画の対象地区の位置を豊川市全図で表していますが、ここでは省略します。
なお、中学校区を基本とした10区分の地域とは
東部地域は東部中学校区
南部地域は南部中学校区
中部地域は中部中学校区
西部地域は西部中学校区
代田地域は代田中学校区
金屋地域は金屋中学校区
一宮地域は一宮中学校区
音羽地域は音羽中学校区
御津地域は御津中学校区
小坂井地域は小坂井中学校区です。
1-4、計画期間
本計画の対象期間は平成30年度からの5年間平成30年度から平成34年度)とします。 ただし、社会状況の変化や国の各種施策の内容を踏まえ、必要に応じて計画の見直しを行います。本計画の対象期間は平成30年度からの5年間(平成30年度から平成34年度)とします。
1-5、空家等の種類
本計画で対象とする「空家等」とは、空家法第2条第1項で定義されている「空家等」を対象とし、居住その他の使用がなされていない空家等のうち、戸建ての空家等を主な対象とします。
【空家等の定義】
建築物(注釈1)又はこれに附属する工作物(注釈2)であって、居住その他の使用がなされていない(注釈3)ことが常態(注釈4)であるもの及びその敷地(立木その他の土地に定着する物を含む。)をいう。ただし、国又は地方公共団体が所有し、又は管理するものを除く。
注釈1、「建築物」とは建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号の「建築物」と同義であり、土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱又は壁を有するもの(これに類する構造のものを含む)、これに附属する門又は塀等をいいます。
注釈2、「附属する工作物」とは、ネオン看板など門又は塀以外の建築物に附属する工作物が該当します。
注釈3、「居住その他の使用がなされていない」とは、人の日常生活が営まれていない、営業が行われていないなど、当該建築物等を現に意図を持って用いていないことをいいます。
注釈4、「常態」とは、おおむね年間を通して建築物等の使用実績がないことが基準となります。
第2章、現状と課題
2-1、統計資料等からみた空家等の現状
(1)空家の推移と現状
1、空家の推移
全国の空家の推移は年々増加傾向にあり、「平成25年住宅・土地統計調査」(総務省)によると、空家総数は約820万戸で空家率は13.5%となっています。また愛知県における空家率の推移をみると平成20年に減少傾向となったものの、平成25年には再び増加傾向となり空家総数約42万戸空家率12.3%となっています。
本市における空家率の推移をみると、昭和63年から平成15年までは増加傾向で推移しており、平成15年から平成20年にかけては一度横ばいとなりましたが、平成20年から平成25年までは再び増加傾向となっています。また本市における空家数の推移をみると、昭和63年から平成25年まで増加傾向で推移しています。
平成25年では空家総数が10,250戸空家率が14.0%となっており国や県の空家率を上回る結果となっています。
国における空家の推移は次の通りです。
昭和63年の住宅数42,007,300戸 空家数3,940,400戸 空家率9.4%
平成5年の住宅数45,878,800戸 空家数4,475,800戸 空家率9.8%
平成10年の住宅数50,246,000戸 空家数5,764,100戸 空家率11.5%
平成15年の住宅数53,890,900戸 空家数6,593,300戸 空家率12.2%
平成20年の住宅数57,586,000戸 空家数7,567,900戸 空家率13.1%
平成25年の住宅数60,628,600戸 空家数8,195,600戸 空家率13.5%
愛知県における空家の推移は次の通りです。
昭和63年の住宅数2,181,700戸 空家数210,900戸 空家率9.7%
平成5年の住宅数2,414,300戸 空家数228,900戸 空家率9.5%
平成10年の住宅数2,681,000戸 空家数298,900戸 空家率11.1%
平成15年の住宅数2,898,800戸 空家数333,400戸 空家率11.5%
平成20年の住宅数3,132,900戸 空家数343,600戸 空家率11.0%
平成25年の住宅数3,439,000戸 空家数422,000戸 空家率12.3%
豊川市における空家の推移は次の通りです。
昭和63年の住宅数33,730戸 空家数2,890戸 空家率8.6%
平成5年の住宅数35,720戸 空家数3,290戸 空家率9.2%
平成10年の住宅数40,490戸 空家数4,130戸 空家率10.2%
平成15年の住宅数46,630戸 空家数5,410戸 空家率11.6%
平成20年の住宅数72,240戸 空家数8,400戸 空家率11.6%
平成25年の住宅数73,420戸 空家数10,250戸 空家率14.0%
出典:平成5年以前は「住宅統計調査」(総務省)、平成10年以降は「住宅・土地統計調査」(総務省)
注釈、平成20年の統計情報は合併前の「小坂井町」を含む戸数です。
なお、「住宅・土地統計調査」(総務省)は、町村については人口15,000人以上が集計地域であるため、平成15年以前は現在の市域の集計ではありません。
参考として、豊川市における「住宅土地統計調査」の変遷は次の通りです。
豊川市は昭和63年から平成25年全て調査内容に戸数表示あり。
小坂井地区(平成22年2月1日編入合併)は、昭和63年は調査内容に戸数表示なし。平成5年から平成20年は調査内容に戸数表示あり。平成25年は編入合併により現市域に含む。
音羽地区(平成20年1月15日編入合併)は、昭和63年から平成15年が調査内容に戸数表示なし。平成20年以降は編入合併により現市域に含む。
御津地区(平成20年1月15日編入合併)は、昭和63年から平成15年まで調査内容に戸数表示なし。平成20年以降は編入合併により現市域に含む。
一宮地区(平成18年2月1日編入合併)は、昭和63年から平成10年まで調査内容に戸数表示なし。平成15年は調査内容に戸数表示あり。平成20年以降は編入合併により現市域に含む。
出典:平成5年以前は「住宅統計調査」(総務省)、平成10年以降は「住宅・土地統計調査」(総務省)
【「住宅・土地統計調査」の結果と本計画書における空家数、空家率の相違について】
「住宅・土地統計調査」(総務省)は、抽出調査からの推計値であるとともに長屋建、共同住宅等についても推計の対象に含まれているため、市が独自に実施した平成28年度空家等実態調査(この調査の詳細は「2-2空家等実態調査」にあります)の結果(空家数及び空家率)と異なります。
国が実施した調査結果と市が独自で実施した調査結果を客観的に分析し、本市における今後の空家等対策の具体的な施策を検討します。
2、空家の現状
【空家の構造による分類】
本市において、空家戸数の37%が一戸建て住宅、63%が共同住宅となっています。
構造別の空家戸数の内訳は、一戸建木造が3,500戸(34.2%)、一戸建非木造は270戸(2.6%)、共同住宅木造は1,070戸(10.5%)、共同住宅非木造は5,400戸(52.7%)です。
出典:「平成25年住宅・土地統計調査」(総務省)
注釈「住宅・土地統計調査」は標本調査であり、統計表の数値は小数点以下を四捨五入しているため、空家の推移で示した空家総数(10,250戸)と内訳の合計(10,240戸)は一致していません。
【空家の利用状況による分類】
「住宅土地統計調査」において、空家は「二次的住宅」「賃貸用の住宅」「売却用の住宅」「その他の住宅」に分類されています。
「二次的住宅」はさらに「別荘」と「その他」に分類されます。「二次的住宅」の「別荘」とは週末や休暇時に、避暑や避寒や保養などの目的で使用される住宅で、ふだん人が住んでいない住宅などです。「その他」とは普段住んでいる住宅とは別に残業で遅くなったときに寝泊まりするなど、たまに寝泊まりしている人がいる住宅です。
「賃貸用の住宅」とは新築中古を問わず賃貸のために空家になっている住宅です。
「売却用の住宅」とは新築中古を問わず売却のために空家になっている住宅です。
「その他の住宅」とは、上記以外の人が住んでいない住宅で、例えば転勤や入院などのため居住世帯が長期にわたって不在の住宅や建て替えなどのために取り壊すことになっている住宅などです。
これらの空家のうち「二次的住宅」「賃貸用の住宅」「売却用の住宅」は現に意図をもって使用され、所有者等によって管理されていると考えられます。問題となっている空家、また将来的に問題となりうる空家は、全体の半数以上を占める「その他の住宅」に存在すると推察されます。
豊川市の空家の利用状況による分類別の空家戸数は「二次的住宅」が50戸(0.5%)、「賃貸用の住宅」が4,550戸(44.4%)、「売却用の住宅」が280戸(2.7%)、「その他の住宅」が5,370戸(52.4%)となっています。
出典:「平成25年住宅・土地統計調査」(総務省)
3、空家等に関する相談件数
平成28年度の空家等に関する相談61件の中で最も多かった相談は環境に関する35件で、草木が茂り始める初夏には、空家等にある立木の侵入や雑草の繁茂に関する相談が多く寄せられました。
建物に関する相談19件には倒壊のおそれがあり危険であるというものや、台風により破損した建物の飛散を心配された相談がありました。
毛虫などの発生や鳥などがすみついているなどの衛生に関する相談は4件。
枯れ草による火災の心配などの防火に関する相談は6件。防犯に関する相談は1件。その他の相談は2件ありました。
相談内容には、受付1件に対し複数項目該当するものもあります。
(2)人口の現状と将来推計
1、本市の人口推移
「豊川市人口ビジョン」によると、本市の人口は平成20年をピークに減少傾向にあります。自然動態は出生数が減少傾向、死亡数が増加傾向にあり、平成26年は自然動態がマイナスになりました。社会動態は平成20年の世界的金融危機(リーマンショック)後の転出超過から転入超過へと回復しましたが不安定な状態であり、市内に居住が認められない人の住民登録からの消除や外国人労働者などの二重国籍の解消などの要因により減少は続いている状況です。
その結果、平成27年5月1日現在の人口は、約181,000人となっており、国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、今後も減少が続き、平成52年には約159,000人となる予想です。
豊川市の人口の推移と将来推計
昭和35年から平成22年までの実績値と、平成32年から平成52年までの推計値は、次の通りです。
昭和35年 105,590人
昭和45年 130,997人
昭和55年 157,084人
平成2年 168,796人
平成12年 176,698人
平成22年 181,928人
平成32年 178,343人
平成42年 169,936人
平成52年 158,772人
備考1、出典元資料 昭和35年から平成22年:国勢調査による。平成27年から平成52年:国立社会保障・人口問題研究所による中位推計値(平成25年3月27日発表資料)。
備考2、合併以前の年度については旧4町(一宮町、音羽町、御津町、小坂井町)の人口を含みます。
出典:「豊川市人口ビジョン」(平成28年3月)
なお、平成27年の国勢調査による10月1日現在の人口は182,436人。
2、年齢3区分別人口の推移
本市の年齢3区分別の人口を国勢調査結果でみると、生産年齢人口(15から64歳)は、平成12年の121,520人をピークに減少傾向に転じています。老年人口(65歳以上)と年少人口(14歳以下)は、平成12年から平成17年の間に比率が逆転しており、今後、老年人口は増加を続け、平成52年には総人口の33.2%が65歳以上となり、生産年齢人口約1.65人で老年人口1人を支えることとなります。
豊川市の年齢3区分別人口割合の推移は次のとおりです。
平成12年は
年少人口(0から14歳)15.9%
生産年齢人口(15から64歳)68.8%
老年人口(65歳以上)15.3%
平成17年は
年少人口(0から14歳)15.3%
生産年齢人口(15から64歳)63.8%
老年人口(65歳以上)18.0%
平成22年は
年少人口(0から14歳)15.1%
生産年齢人口(15から64歳)63.9%
老年人口(65歳以上)21.1%
平成27年は
年少人口(0から14歳)14.4%
生産年齢人口(15から64歳)60.5%
老年人口(65歳以上)25.1%
平成32年は
年少人口(0から14歳)13.6%
生産年齢人口(15から64歳)59.4%
老年人口(65歳以上)27.0%
平成37年は
年少人口(0から14歳)12.8%
生産年齢人口(15から64歳)59.2%
老年人口(65歳以上)28.0%
平成42年は
年少人口(0から14歳)12.1%
生産年齢人口(15から64歳)58.9%
老年人口(65歳以上)29.0%
平成47年は
年少人口(0から14歳)11.9%
生産年齢人口(15から64歳)57.7%
老年人口(65歳以上)30.4%
平成52年は
年少人口(0から14歳)11.9%
生産年齢人口(15から64歳)54.9%
老年人口(65歳以上)33.2%
出典:「豊川市人口ビジョン」(平成28年3月)
3、高齢者の状況
本市のひとり暮らし高齢者数は、平成23年度から平成28年度までに580人増加しており、その推移をみると、平成23年度から平成27年度まで増加傾向にあり、平成28年度では平成27年度と比べて若干の減少となっています。
また、高齢者のみ世帯、高齢者数はともに増加しており、ひとり暮らし高齢者同様、支援や見守りが必要な世帯が増加していることがうかがえます。
ひとり暮らし高齢者数の状況の詳細は
平成23年度 3,081人
平成24年度 3,260人
平成25年度 3,423人
平成26年度 3,508人
平成27年度 3,678人
平成28年度 3,661人
出典:介護高齢課調べ(民生委員による実態把握調査)
注釈、上記の表は、民生委員の協力による実態把握調査によるものであり、実際には、この把握数が全てではありません。
高齢者のみ世帯数とその高齢者数の状況の詳細は
平成24年度 6,476世帯 13,097人
平成25年度 6,890世帯 14,018人
平成26年度 7,311世帯 14,890人
平成27年度 7,628世帯 15,552人
平成28年度 7,985世帯 16,278人
出典:介護高齢課調べ(住民基本台帳)
注釈、上記の表は、住民基本台帳から抽出した数値であり、世帯分離していても実際は子や孫と同居している場合があります。
2-2、空家等実態調査
(1)調査概要
1、調査目的
本調査は、空家等対策計画の作成及びこれに基づく空家等に関する対策の実施に向けて、空家等に関するデータベースの整備を行うものであり、豊川市における空家等の実態を把握するとともに、庁内における情報共有と施策検討時の有効利用が可能な空家データベースを構築することが目的です。
2、調査期間
本調査は平成28年6月16日から平成29年3月15日までの期間で実態調査を実施しました。
3、調査対象
本調査の調査対象(平成28年度)は以下のとおりです。
(1)対象地域 豊川市全域(161.14平方キロメートル)
(2)調査対象数 117,203棟
(3)机上調査数 3,739棟
(4)現地調査数 3,463棟
(5)所有者意向調査数 1,834棟
4、実態調査の流れ
本調査では、机上調査により抽出した空家候補の建物について外観目視による現地調査を行いました。現地調査の流れ及び調査項目は以下のとおりです。
1、利用判断
利用判断は、不明、居住中、利用中、更地、管理にわけられます。このうち空家候補となるのは利用判断不明のみで、あとは空家とはみなさないので調査不要となります。
2、建物種類
空家候補の建物が居宅(専用住宅、併用住宅)の場合と、集合住宅、店舗事務所、倉庫・ビル、工場・作業所、車庫・小屋、その他に分けられます。
3、判定区分
2の建物種類で居宅と判定された場合、空家判定、老朽度判定、利活用判定をします。空家判定項目は、表札、郵便受け、売り物件看板、カーテン、電気メーター、ガスメーター、植木等の手入れ、窓ガラス、駐車や駐輪の状況、出入口の閉鎖状況、ゴミの投棄、害虫の発生。老朽度判定項目は、建物の傾斜の状況、基礎の状況、外壁の状況、屋根の状況、窓ガラス、門扉柱。利活用判定項目は、建物の階数、バルコニー、駐車場門扉、屋根材、雨樋、道路からの高低差、道路舗装、道路幅員、歩道です。2の建物種類で居宅以外と判断された場合は老朽度判定のみとなります。
判定は点数化され建物の危険度や利活用の判断基準となります。
PDF形式の資料では、この判定をするための「空家等実態調査委託 現地調査結果調書」の書式と、その書式を使用した判定例を載せておりますが、ここでは省略します。
【机上調査の内容について】
平成28年の家屋現況図建物データ(全棟数117,203棟)のうち、机上調査の対象とする建物は次に示す建物概要区分が住宅である7つの区分の建物(棟数60,684棟)としました。
1、専用住宅(一般住宅用)の棟数は55,366棟、机上調査数は3,275棟。
2、専用住宅(農家住宅用)の棟数は2,103棟、机上調査数は118棟。
3、農家住宅の棟数は1,434棟、机上調査数は123棟。
4、併用住宅(一般住宅用)の棟数は1,586棟、机上調査数は208棟。
5、併用住宅(農家住宅)は32棟、机上調査数は3棟。
6、併用住宅(その他)の棟数は20棟、机上調査数は2棟。
7、養蚕住宅の棟数は143棟、机上調査数は10棟です。
合計の棟数は、60,684棟、机上調査数は3,739棟です。
机上調査では、まず水栓情報や家屋台帳などを用いて抽出した3,739棟に対象を絞り込みました。さらに同一画地に複数の建物があるものを1棟にするなどの精査をし、現地調査の対象を3,463棟まで絞り込みました。
家屋現況図建物データの建物を空家であると判定するまでの全体の流れです。
1、机上調査
家屋現況図建物データの117,203棟が調査対象数となります。そのうち水道年間使用量12立方メートル未満の建物であり、家屋台帳が住宅である建物が3,739棟でした。水道使用量の調査には、水栓施設情報データ、給水位置データ、地番参考図を使用しました。
2、現地調査
1の机上調査の3,739棟のうち、同一敷地内に複数の建物が存在するものを1棟として精査し、現地調査の対象を3,463棟まで絞り込みました。現地調査は外観目視にて利用判断をし、居住、利用、更地、管理が確認された建物を除きます。
その結果空家候補は1,834棟となりました。
3、意向調査
空家候補の1,834棟については、意向調査及びカルテ判定で、「空家である」「空家でない」「再調査必要」と判断され「再調査必要」は再度現地調査が行われました。
その結果、「空家である」が1,069棟と判断されました。
(2)調査結果
調査の結果、空家として判断した空家棟数は1,069棟となり、空家率(平成28年の家屋現況図建物データの全棟数117,203棟に対する空家率)は0.9%となっています。また、今回、空家等の判定を行う対象である建物概要区分が住宅である建物数60,684 棟に対しては、空家率が1.8%となります。
空家判定された1,069棟の老朽度判定及び利活用度判定の内訳は次のとおりです。老朽度判定はA判定は危険無し、B判定は注意、C判定は危険と判定され、9割以上の980棟がA判定となりました。B判定は82棟(7.7%)、危険であるC判定は7棟(0.6%)となりました。
利活用判定別では、利活用度が(高)、(中)、(低)と判定され、利活用度が高いとされる利活用度(高)は34棟(3.2%)にとどまり、利活用度(中)の空家が約8割の857(80.2%)棟を占め、利活用度(低)の空家は178棟(16.6%)となりました。
空家の構造別では、木造が987棟(92.3%)、非木造が82棟(7.7%)となりました。また、建築年別では、耐震基準の見直し(昭和56年)が行われる以前の昭和55年以前の建物は864棟(80.8%)で、耐震基準見直し後の昭和56年以降の建物は195棟(18.2%)、建築年不明は10棟(1%)となりました。
PDF形式の資料では、豊川市全図に空家の分布状況を示していますが、ここでは省略します。
本市全体の空家の分布の傾向としては、東部地域、南部地域、小坂井地域、西部地域に多く分布がみられる結果となっています。
【立地適正化計画における居住誘導区域及び都市機能誘導区域内の空家棟数】
関連計画である「豊川市立地適正化計画」では、将来的な人口減少の中で都市機能施設やコミュニティが持続的に確保されるよう居住を誘導すべきエリアとして「居住誘導区域」と、都市機能施設を誘導、集約することにより効率的に各種サービスの提供を図る「都市機能誘導区域」が設定されていますが、これらの区域内に分布する空家等の状況は以下のとおりとなっています。
立地適正計画における居住誘導区域内の空家棟数は816棟、区域外は253棟。
都市機能誘導区域内の地区別の空家棟数は、豊川地区・中央地区・諏訪地区が170棟、八幡地区は29棟、国府地区は58棟、一宮地区は13棟、音羽地区は18棟、御津地区は36棟、小坂井地区は111棟でした。
立地適正化計画とは
平成26年8月に都市再生特別措置法等の一部を改正する法律が施行され、住宅及び都市機能施設の立地の適正化を図るために市町村が作成・公表する計画であり、都市全体の観点から、居住機能や商業・医療等の都市機能施設の立地、公共交通の充実等に関する包括的なマスタープランです。
居住誘導区域とは
人口減少の中にあっても一定のエリアにおいて人口密度を維持することにより、医療、福祉、子育て支援、商業といった都市機能施設やコミュニティが持続的に確保されるよう、居住を誘導すべき区域のことをいいます。
都市機能誘導区域とは
居住誘導区域内において設定されるものであり、医療、福祉、子育て支援、商業等の都市機能施設を都市の骨格構造上の拠点に誘導し集約することにより、これらの各種サービスの効率的な提供を図る区域のことをいいます。
資料、「豊川市立地適正化計画」平成29年3月
PDF形式の資料では、豊川市全図に立地適正化計画における居住誘導区域及び都市機能誘導区域の空家等分布状況を示していますが、ここでは省略します。
本市の立地適正化計画における都市機能誘導区域内の空家等の分布の傾向は、豊川地区、中央通地区、諏訪地区及び小坂井地区に多く分布がみられる結果となっています。
地域別空家棟数(空家率)、建築年別空家棟数及び構造別空家棟数は、
東部地域は全住宅棟数9,595棟、空家棟数191棟(空家率1.99%)。建築年別空家棟数は昭和55年以前160棟、昭和56年以降31棟、建築年不明0棟。構造別空家棟数は木造183棟、非木造8棟。
南部地域は全住宅棟数7,865棟、空家棟数129棟(空家率1.64%)。建築年別空家棟数は昭和55年以前112棟、昭和56年以降15棟、建築年不明2棟。構造別空家棟数は木造120棟、非木造9棟。
中部地域は全住宅棟数5,022棟、空家棟数63棟(空家率1.25%)。建築年別空家棟数は昭和55年以前47棟、昭和56年以降16棟、建築年不明0棟。構造別空家棟数は木造58棟、非木造5棟。
西部地域は全住宅棟数7,646棟、空家棟数158棟(空家率2.07%)。建築年別空家棟数は昭和55年以前123棟、昭和56年以降33棟、建築年不明2棟。構造別空家棟数は木造147棟、非木造11棟。
代田地域は全住宅棟数3,966棟、空家棟数60棟(空家率1.51%)。建築年別空家棟数は昭和55年以前55棟、昭和56年以降5棟、建築年不明0棟。構造別空家棟数は木造52棟、非木造8棟。
金屋地域は全住宅棟数4,640棟、空家棟数49棟(空家率1.06%)。建築年別空家棟数は昭和55年以前38棟、昭和56年以降11棟、建築年不明0棟。構造別空家棟数は木造44棟、非木造5棟。
一宮地域は全住宅棟数5,049棟、空家棟数81棟(空家率1.60%)。建築年別空家棟数は昭和55年以前67棟、昭和56年以降11棟、建築年不明3棟。構造別空家棟数は木造74棟、非木造7棟。
音羽地域は全住宅棟数3,862棟、空家棟数81棟(空家率2.10%)。建築年別空家棟数は昭和55年以前58棟、昭和56年以降20棟、建築年不明3棟。構造別空家棟数は木造70棟、非木造11棟。
御津地域は全住宅棟数5,538棟、空家棟数103棟(空家率1.86%)。建築年別空家棟数は昭和55年以前78棟、昭和56年以降25棟、建築年不明0棟。構造別空家棟数は木造96棟、非木造7棟。
小坂井地域は全住宅棟数7,501棟、空家棟数154棟(空家率2.05%)。建築年別空家棟数は昭和55年以前126棟、昭和56年以降28棟、建築年不明0棟。構造別空家棟数は木造143棟、非木造11棟。
合計は全住宅棟数60,684棟、空家棟数1,069棟(空家率1.76%)。建築年別空家棟数は昭和55年以前864棟、昭和56年以降195棟、建築年不明10棟。構造別空家棟数は造987棟、非木造82棟です。
注釈、「全住宅棟数」とは、平成28年の家屋現況図建物データのうち、「机上調査の内容について」で示した、建物概要区分が住宅である7つの区分の建物の棟数の合計です。
地域別老朽度判定別空家棟数及び利活用判定別空家棟数は、
東部地域の空家棟数191棟のうち老朽度判定危険なし171棟、注意17棟、危険3棟。利活用判定、利活用度(高)5棟、利活用度(中)147棟、利活用度(低)39棟。
南部地域の空家棟数129棟のうち老朽度判定危険なし119棟、注意10棟、危険0棟。利活用判定、利活用度(高)6棟、利活用度(中)111棟、利活用度(低)12棟。
中部地域の空家棟数63棟のうち老朽度判定危険なし57棟、注意4棟、危険2棟。利活用判定、利活用度(高)2棟、利活用度(中)46棟、利活用度(低)15棟。
西部地域の空家棟数158棟のうち老朽度判定危険なし142棟、注意16棟、危険0棟。利活用判定、利活用度(高)6棟、利活用度(中)132棟、利活用度(低)20棟。
代田地域の空家棟数60棟のうち老朽度判定危険なし57棟、注意3棟、危険0棟。利活用判定、利活用度(高)2棟、利活用度(中)46棟、利活用度(低)12棟。
金屋地域の空家棟数49棟のうち老朽度判定危険なし46棟、注意3棟、危険0棟。利活用判定、利活用度(高)2棟、利活用度(中)45棟、利活用度(低)2棟。
一宮地域の空家棟数81棟のうち老朽度判定危険なし72棟、注意9棟、危険0棟。利活用判定、利活用度(高)1棟、利活用度(中)67棟、利活用度(低)13棟。
音羽地域の空家棟数81棟のうち老朽度判定危険なし75棟、注意6棟、危険0棟。利活用判定、利活用度(高)2棟、利活用度(中)65棟、利活用度(低)14棟。
御津地域の空家棟数103棟のうち老朽度判定危険なし97棟、注意5棟、危険1棟。利活用判定、利活用度(高)3棟、利活用度(中)71棟、利活用度(低)28棟。
小坂井地域の空家棟数154棟のうち老朽度判定危険なし144棟、注意9棟、危険1棟。利活用判定、利活用度(高)5棟、利活用度(中)127棟、利活用度(低)22棟。
合計は、空家棟数1,069棟のうち老朽度判定危険なし980棟、注意82棟、危険7棟。利活用判定、利活用度(高)34棟、利活用度(中)857棟、利活用度(低)178棟です。
(3)地域特性及び課題
1.東部地域
【土地利用に関する区域設定の状況】
東部地域のうち、市街化区域が43.0%、市街化調整区域が57.0%となっています。
立地適正化計画における居住誘導区域は地域全体の39.8%、都市機能誘導区域18.9%を占めています。
都市計画マスタープランにおける地域の特性、地域の課題
【地域の特性】
・4小学校区で構成され、市街地から郊外部まで地域内でも地区ごとに特徴が多様です。
・豊川稲荷を中心にした中心市街地であり、JR豊川駅、豊川稲荷を中心に商業・業務施設が集積し、歴史ある街なみを形成する中心拠点となっています。
・豊川稲荷表参道地区計画の区域内において店舗ファサード整備が進んでいます。
・東名高速道路豊川インターチェンジ、(都市計画道路)前芝豊川線(国道151号)が通過し、広域的な本市の東の交通結節点となっています。
・豊川駅東土地区画整理事業が施行中であり、住宅地としての基盤整備が進んでいます。
・(都市計画道路)前芝豊川線以東の多くの地域が農用地となっています。
・(都市計画道路)前芝豊川線東側の市街化区域で、計画的な下水道整備を推進しています。
【地域の課題】
・豊川駅東土地区画整理事業の早期完成と関連する幹線道路の整備促進
((都市計画道路)姫街道線、(都市計画道路)豊川牧野線など)
・JR豊川駅周辺地区(中心拠点)の活性化策の推進と防災性の向上
・市の観光資源としての豊川稲荷の活用
・(都市計画道路)豊川新城線(国道151号バイパス)の整備にあわせた東名高速道路豊川インターチェンジ周辺への産業施設の集積
・広域幹線道路の立体交差化の事業化
・三上緑地をはじめとした河川緑地などの活用
・河川改修による治水事業の充実
・市街化区域内の下水道整備の推進
・街なかの公園の多機能化
【空家等の分布状況からみる地域の現状と課題】
・空家棟数が191棟で地域全体の空家率は1.99%となっています。ほかの地域と比較すると、空家棟数が最も多い地域であり、空家率は4番目に高くなっています。
・昭和55年以前の古い木造の空家等が多く分布しており、老朽度判定において「危険」または「注意」と判定した空家等がほかの地域に比べて最も多くなっています。
・利活用度判定においても「利活用度(低)」と判定した空家等がほかの地域に比べて最も多くなっています。
・豊川稲荷周辺では建築年が古い老朽家屋が目立っており、また東光町周辺では豊川海軍工廠寄宿舎後の住宅密集地があり、近隣に影響を与える空家等が存在しているため、空家化の予防や危険な空家等の除却が必要です。
2、南部地域
【土地利用に関する区域設定の状況】
南部地域のうち、市街化区域が52.3%、市街化調整区域が47.7%となっています。
立地適正化計画における居住誘導区域は地域全体の48.9%、都市機能誘導区域17.1%を占めています。
都市計画マスタープランにおける地域の特性、地域の課題
【地域の特性】
・市街化区域においては、中心拠点および幹線道路沿道をはじめとした商業・業務施設が集積する地区と、その周辺部の住宅地から形成されています。
・市街化区域の南側の市街化調整区域の多くは、優良な農地が広がっています。
・牛久保地区は、JR牛久保駅を中心に歴史ある街なみや商業地を形成しています。
・(都市計画道路)豊橋豊川線、(都市計画道路)中通線沿道で商業施設の増加がみられます。
・佐奈川沿いでは、ベンチなどの設置や散策路整備が進んでいます。
・地震災害時における危険性の高い地区となるJR牛久保駅周辺において、地域主体の災害に強いまちづくりへの取組が進んでいます。
【地域の課題】
・中心拠点の整備促進とにぎわい創出
・JR牛久保駅へのアクセス確保
・広域幹線道路の立体交差化の事業化
・JR牛久保駅周辺における防災性の向上と地域への支援
・河川流域の排水改善
・幹線道路である(都市計画道路)豊橋豊川線、(都市計画道路)中通線、(都市計画道路)姫街道線にふさわしい景観・環境の整備
・旧城下町に残る歴史資産の活用と街なみの保全
【空家等の分布状況からみる地域の現状と課題】
・空家棟数が129棟で地域全体の空家率は1.64%となっています。ほかの地域と比較すると、空家棟数は4番目に多い地域であり、空家率は低い方から数えて5番目となっています。
・地域内の空家等の中で、昭和55年以前の古い建物の割合が8割を超えており、市内で2番目に高い割合となっています。老朽度判定において「危険」と判定した空家等はありませんが、平成28年の実態調査対象外の「危険」と思われる腐朽した工作物が確認されており、注意が必要です。
・利活用度判定において「利活用度(高)」の空家等がほかの地域に比べて多くなっています。
・牛久保町などの住宅密集地で空家等が多くみられるため、地震による倒壊や火災などの災害に備えて防災面を考慮した対策が必要となる一方で、利活用しやすい空家等も多く、効果的な利活用策の検討が必要となります。
3、中部地域
【土地利用に関する区域設定の状況】
中部地域のうち、市街化区域が9.5%、市街化調整区域が90.5%となっています。
立地適正化計画における居住誘導区域は地域全体の7.1%、都市機能誘導区域3.6%を占めています。
都市計画マスタープランにおける地域の特性、地域の課題
【地域の特性】
・千両、平尾地区を中心に山林が広がるほか、地域内に幅広く優良な農地が広がっています。
・山林部から地域拠点(八幡地区)まで幅広い土地利用が広がっています。
・八幡地区は市民病院への表玄関となる地区であり、新たなにぎわいが期待されます。
・赤塚山公園や豊川市スポーツ公園など、本市を代表する公園・緑地施設が立地し、平和公園(仮称)の整備が進んでいます。
・平尾地区の清掃工場、千両地区の一般廃棄物最終処分場など、市の重要な廃棄物処理施設が配置されています。・国分寺・尼寺跡、財賀寺などの史跡・文化財が点在しています。
・地域内に穂ノ原工業団地と南千両工業団地の一部が配置されています。
・名鉄八幡駅周辺の下水道整備やバリアフリー化、豊川西部土地区画整理事業が進んでいます。
【地域の課題】
・市民病院の立地を活かした地域拠点としての機能充実
・豊川工業団地(野路地区)における企業撤退後の跡地利用
・廃棄物処理施設の適正管理
・地域内外をつなぐ道路ネットワークの構築
・低未利用地の有効活用に向けた検討
・市街化区域内の下水道整備の推進と河川改修の促進
・歴史性のある遺構の保全と活用(国分寺・尼寺跡など)
・豊川市スポーツ公園の整備推進
・赤塚山公園などの主要な緑地を連携させた憩い・レクリエーションの拠点づくり
【空家等の分布状況からみる地域の現状と課題】
・空家棟数が63棟で地域全体の空家率は1.25%となっています。ほかの地域と比較すると、空家棟数は少ない方から数えて3番目、空家率は低い方から数えて2番目となっています。
・地域内の空家等の中で、昭和55年以前の古い建物の割合が約7割で、市内で2番目に低い割合となっています。空家棟数が比較的少ない中で、老朽度判定において「危険」と判定した空家等が2棟存在しており、地域内の空家棟数に対する「危険」な空家等の割合が最も高い地域になっています。
・東名高速道路以北の市街化調整区域内に危険と思われる空家等が存在しており、周辺に深刻な影響を及ぼさないように除却等の対策が必要です。
4、西部地域
【土地利用に関する区域設定の状況】
西部地域のうち、市街化区域が50.3%、市街化調整区域が49.7%となっています。
立地適正化計画における居住誘導区域は地域全体の45.6%、都市機能誘導区域21.5%を占めています。
都市計画マスタープランにおける地域の特性、地域の課題
【地域の特性】
・本市で最も乗車人員の多い名鉄国府駅は、名古屋・豊橋方面への玄関口となっており、国府地区を地域拠点に位置づけています。
・(都市計画道路)国道1号線、(都市計画道路)名豊道路(国道23号バイパス)、同豊川為当インターチェンジなど広域的な道路交通基盤が集中し、交通結節点となっています。
・豊川西部土地区画整理事業が施行中であり、駅至近に優良な住宅地形成が進んでいます。
・音羽川は市街地の貴重な緑であり、桜並木など親水空間としても親しまれています。
・国府駅周辺のバリアフリー化が進んでいます。
・天然記念物である御油のマツ並木と調和した御油松並木公園の整備が進んでいます。
・旧東海道御油宿など歴史的な景観資源を有しています。
【地域の課題】
・(都市計画道路)名豊道路(国道23号バイパス)、豊川為当インターチェンジ開通、東三河ふるさと公園へのアクセスなどに伴い、関連する道路ネットワークの整備
・地域拠点である名鉄国府駅周辺への商業・業務機能の集積
・主要幹線道路である(都市計画道路)名豊道路開通による既存住宅地への環境負荷の低減とともに、インターチェンジ配置の利便性を活かした地域の活性化
・老朽建物の改善と市街化区域内の下水道整備の推進
・低未利用地の有効活用に向けた検討
・豊川西部土地区画整理事業の早期完成と関連する幹線道路の整備促進((都市計画道路)大池線など)
・基盤未整備地区の整備推進
・御油のマツ並木の保全・活用と周辺の住環境との調和の確保
【空家等の分布状況からみる地域の現状と課題】
・空家棟数が158棟で地域全体の空家率は2.07%となっています。ほかの地域と比較すると、空家棟数が2番目に多く、空家率は2番目に高くなっています。
・地域内の空家等の中で、昭和55年以前の古い建物の数が市内で3番目に多くなっています。老朽度判定において「危険」と判定した空家等はありませんが、空家棟数が比較的多い地域であるため、「危険」な空家になる前の予防対策が必要です。
・利活用度判定では「利活用度(高)」の空家等がほかの地域に比べて多くなっています。
・国府町や御油町などの住宅密集地で空家等が多くみられるため、地震による倒壊や火災などの災害に備えて防災面を考慮した対策が必要となります。
5、代田地域
【土地利用に関する区域設定の状況】
代田地域のうち、市街化区域が79.0%、市街化調整区域が21.0%となっています。
立地適正化計画における居住誘導区域は地域全体の51.6%、都市機能誘導区域23.8%を占めています。
都市計画マスタープランにおける地域の特性、地域の課題
【地域の特性】
・諏訪地区には、本市の中心的な商業・業務機能が集まっています。
・(都市計画道路)国道1号線、(都市計画道路)東三河環状線が交差する交通結節点となっています。
・市民病院が立地する八幡地区とともに桜町地区は、医療機能を核にしたにぎわいある地域拠点に位置づけています。
・穂ノ原地区の工業団地に大規模な工場が集積しています。
・名鉄八幡駅および市民病院周辺のバリアフリー化や道路、下水道などの基盤整備が進んでいます。
・市民病院へ接続するバス路線網が構築されています。
・諏訪地区において、にぎわい創出に向けた活性化施策が展開されています。
【地域の課題】
・中心拠点である諏訪地区における空洞化への対策
・名鉄諏訪町駅周辺の交通結節点の機能強化
・地域拠点の形成に向けた道路環境の整備と、周辺住宅地への環境保全の確保
・市民病院の立地を活かした名鉄八幡駅周辺の地域拠点(八幡地区)としての機能充実
・豊川工業団地(野路地区)における企業撤退後の跡地活用
・広域幹線が交差する立地の活用策の検討
・佐奈川や白川などの自然環境の保全と活用
・街なかの公園の多機能化
【空家等の分布状況からみる地域の現状と課題】
・空家棟数が60棟で地域全体の空家率は1.51%となっています。ほかの地域と比較すると、空家棟数が少ない方から数えて2番目、空家率が低い方から数えて3番目となっています。
・地域内の空家等の中で、昭和55年以前の古い建物の割合が9割を超え、市内で最も高い割合となっています。一方で、老朽度判定において「危険なし」と判定した空家等が空家棟数全体に占める割合が市内で最も高くなっています。
・諏訪や蔵子など住宅密集地に比較的空家数が多く分布しており、空家等が近隣の住宅に深刻な影響を及ぼさないように予防対策が必要となります。
6、金屋地域
【土地利用に関する区域設定の状況】
金屋地域のうち、市街化区域が63.0%、市街化調整区域が37.0%となっています。
立地適正化計画における居住誘導区域は地域全体の42.8%、都市機能誘導区域7.4%を占めています。
都市計画マスタープランにおける地域の特性、地域の課題
【地域の特性】
・豊川公園、自衛隊豊川駐屯地、穂ノ原工業団地など主要な施設群が立地しています。
・(都市計画道路)姫街道線沿道には、商業・業務施設が集積し、本市の中心拠点の一角を構成しています。
・佐奈川沿いには、ふれあい公園から金屋橋までの区間に散策路が整備され、豊川公園・桜トンネル、(都市計画道路)公園線と連続性のある桜の名所になっているほか、日常における憩いの空間となっています。
・(都市計画道路)東三河環状線の整備が進んでいます。
・豊川市資源化施設が稼働を開始しています。
【地域の課題】
・公共交通ネットワークの整備
・広域的な幹線道路である(都市計画道路)東三河環状線の早期整備完了とこれに通じる周辺道路の整備
・豊川地区と諏訪地区を結ぶ沿道型中心拠点の活性化
・東名高速道路豊川インターチェンジ周辺への産業施設の集積
・(都市計画道路)東三河環状線整備に伴うスプロール的な市街化の抑制
・工場の住宅地への影響緩和
・豊川公園や佐奈川につながる緑のネットワークの充実
・街なかの公園の多機能化
【空家等の分布状況からみる地域の現状と課題】
・空家棟数が49棟で地域全体の空家率は1.06%となっています。ほかの地域と比較すると、空家棟数が最も少なく、空家率は最も低くなっています。
・老朽度判定において「危険なし」と判定した空家等が空家棟数全体に占める割合が市内で3番目に高くなっています。
・利活用度判定において「利活用度(中)」と判定した空家等が空家棟数全体に占める割合が市内で最も高くなっています。
・本地域は、地域別空家率が最も低く、「利活用度(中)」と判定した空家等の割合が最も高いことから、今後、空家等の利活用度を高めるための維持管理に関する対策や、空家等の積極的な利活用のための対策が必要となります。
7、一宮地域
【土地利用に関する区域設定の状況】
一宮地域のうち、市街化区域が4.3%、市街化調整区域が95.7%となっています。
立地適正化計画における居住誘導区域は地域全体の3.7%、都市機能誘導区域2.1%を占めています。
都市計画マスタープランにおける地域の特性、地域の課題
【地域の特性】
・最も広い地域面積を有しており、本宮山、豊川など本市を象徴する自然景観を持っています。
・新東名高速道路新城インターチェンジへのアクセス確保や医療圏の広域化など、東三河北部地域とのつながりが増しており、広域的な道路ネットワークの形成が進んでいます。
・内陸工業団地の整備が推進されています。
・一宮大木土地区画整理事業、(都市計画道路)豊川新城線の整備が進んでいます。
・地域内を循環するバス路線網が構築されています。
・JR三河一宮駅周辺は、地域住民の生活を支える地域拠点に位置づけています。
【地域の課題】
・JR三河一宮駅周辺の地域拠点としての機能向上
・快適で安心して過ごせる生活環境基盤の整備の推進
・市街化区域内の公共下水道整備の推進
・広域的な道路ネットワーク形成にあわせて、地域活性につながるまちづくりの推進
・(都市計画道路)豊川新城線(国号151号バイパス)の整備にあわせた東名高速道路豊川インターチェンジ周辺への産業施設の集積
・豊かな自然環境の保全と、調和した生活環境の整備推進
・本宮山周辺施設の活用
【空家等の分布状況からみる地域の現状と課題】
・空家棟数が81棟で地域全体の空家率は1.60%となっています。ほかの地域と比較すると、空家棟数が少ない方から数えて4番目、空家率は低い方から数えて4番目となっています。
・地域内の空家等の中で、昭和55年以前の古い建物の割合が8割を超え、市内では4番目に高くなっています。老朽度判定において「危険」と判定した空家等はありませんが、「注意」と判定した空家等の占める割合がほかの地域に比べ最も高くなっています。
・利活用度判定では「利活用度(高)」の空家等が地域別で最も少なく、1棟しかありません。
・地域の9割以上が市街化調整区域となっており、老朽度判定において「注意」と判定した空家等は東上町などの市街化調整区域に多く分布しています。今後これらが危険な空家等にならないように、予防等対策が必要となります。
8、音羽地域
【土地利用に関する区域設定の状況】
音羽地域のうち、市街化区域が6.1%、市街化調整区域が93.9%となっています。
立地適正化計画における居住誘導区域は地域全体の3.4%、都市機能誘導区域1.3%を占めています。
都市計画マスタープランにおける地域の特性、地域の課題
【地域の特性】
・市街地を挟み込むように森林が形成されています。
・(都市計画道路)国道1号線が地域の中央を通過しており、東名高速道路音羽蒲郡インターチェンジがあり、広域的な交通結節点となっています。
・赤坂地区や萩地区には大規模な工業地が形成されています。
・旧東海道赤坂宿など歴史的景観と居住地域が共存しています。
・地域拠点である名鉄名電赤坂駅と音羽支所を結ぶ区域への商業機能集積は進んでいません。
・萩地区には優良な農地が広がっています。
・宮路山をはじめとした観光資源を有しています。
【地域の課題】
・地域内外を結ぶコミュニティバスの維持
・旧豊川市街地と音羽地域を結ぶ道路ネットワークの整備推進
・名電赤坂駅および支所周辺の地域拠点(音羽地区)としての機能向上
・広域的な交通ネットワークの結節点となる本地域の特性を活かした地域活性化
・旧東海道の宿場町という地域特性を活かした道路環境整備
・赤坂宿の歴史的資源の保全と活用
・適切な森林育成・保全
・市街化調整区域における既存集落からの排水対策を通じた環境保全
・計画的な下水道整備の推進
【空家等の分布状況からみる地域の現状と課題】
・空家棟数が81棟で地域全体の空家率は2.10%となっています。ほかの地域と比較すると、空家棟数が少ない方から数えて4番目ですが、空家率は最も高くなっています。
・地域内の空家等の中で、昭和55年以前の古い建物の割合が約7割と市内で最も低い割合となっています。また、木造住宅が占める割合についても市内で最も低い割合となっています。
・地域の9割以上が市街化調整区域であり、残り1割の市街化区域内に空家等が多く存在しており、住宅団地である赤坂台で空家等が比較的多くみられます。住宅団地などでは、同じ時期に建てられた建物が多く、空家等になる時期が重なる可能性があるため、周辺住民と一体となって予防対策が必要となります。
9、御津地域
【土地利用に関する区域設定の状況】
御津地域のうち、市街化区域が22.5%、市街化調整区域が77.5%となっています。
立地適正化計画における居住誘導区域は地域全体の12.3%、都市機能誘導区域5.0%を占めています。
都市計画マスタープランにおける地域の特性、地域の課題
【地域の特性】
・(都市計画道路)名豊道路(国道23号バイパス)や(都市計画道路)東三河環状線など、広域的な交通結節点としての重要性が増加しつつあります。
・臨海部には、企業立地や公園・緑地スペースとして埋立てが進んでいます。また、(都市計画道路)名豊道路の整備により、産業施設の立地など今後の開発が期待されます。
・JR愛知御津駅が名古屋、豊橋両方面への広域交通結節点となり、本地域の拠点地区を形成しています。
・居住地域の周辺に、恵まれた水(臨海緑地、御津川)と緑(東三河ふるさと公園、御津山、南部中心に広がる農村地域)が配置されています。
・三河湾臨海部には、マリーナや緑地などが整備され、親水レクリエーション機能の集積地となっています。
・臨海部は津波想定区域となっています。
・JR愛知御津駅へのアクセス路線の整備が進んでいます。
【地域の課題】
・JR愛知御津駅および周辺地区の基盤整備の推進(都市計画道路の整備など)と地域活性化
・道路整備による地域コミュニティの分断対策
・地域拠点周辺における防災性の向上
・主要幹線道路の整備推進
・幹線道路整備に伴う周辺住宅地の環境保全および基盤整備
・臨海部の開発促進と産業集積
・臨海部の開発、東三河ふるさと公園の早期完成
・親水レクリエーション機能の集積の活用
・津波・浸水対策の推進
【空家等の分布状況からみる地域の現状と課題】
・空家棟数が103棟で地域全体の空家率は1.86%となっています。ほかの地域と比較すると、空家棟数が多い方から数えて5番目、空家率も高い方から数えて5番目となっています。
・地域内の空家等の中で、昭和55年以前の古い建物の割合が約75%と市内で3番目に低い割合となっています。老朽度判定において「危険なし」と判定した空家等が空家棟数全体に占める割合が市内で2番目に高くなっています。
・利活用度判定において「利活用度(低)」と判定した空家等の割合がほかの地域に比べて最も多くなっています。
・本地域では、空家等周辺におけるゴミの散乱や不法投棄による苦情がほかの地域に比べ、多くみられます。このことから衛生面など周辺地域に配慮した空家等の管理が必要となります。
10、小坂井地域
【土地利用に関する区域設定の状況】
小坂井地域のうち、市街化区域が38.5%、市街化調整区域が61.5%となっています。
立地適正化計画における居住誘導区域は地域全体の32.5%、都市機能誘導区域23.8%を占めています。
都市計画マスタープランにおける地域の特性、地域の課題
【地域の特性】
・比較的人口密度が高くなっています。
・比較的狭い市街地の中に3鉄道駅が存在し、各方面へのアクセスにあたって利便性が高くなっています。
・主要幹線道路(都市計画道路)名豊道路(国道23号バイパス)小坂井御津インターチェンジの完成により、交通結節点としての機能が高まっています。
・市街化区域における公共下水道(汚水)の整備は、ほぼ完了していますが、雨水対策が脆弱な地区があります。
・地域拠点である3鉄道駅周辺への商業機能集積は進んでいません。
・支所や学校などの老朽化した公共施設が数多く立地しており、支所を中心とした適正配置が検討されています。
【地域の課題】
・下水道などの生活基盤施設の整備推進
・各鉄道駅の機能強化と周辺整備による地域拠点の形成
・公共施設の再編整備
・低未利用地の有効活用に向けた検討
・(都市計画道路)名豊道路小坂井御津インターチェンジへのアクセス道路の整備推進
・主要幹線道路の立体交差化の事業化
・住民に身近な緑地の確保および河川改修
・用途混在への適切な土地利用の規制・誘導
・快適な居住空間の整備
【空家等の分布状況からみる地域の現状と課題】
・空家棟数が154棟で地域全体の空家率は2.05%となっています。ほかの地域と比較すると、空家棟数が多い方から数えて3番目、空家率も高い方から数えて3番目となっています。
・地域内の空家等の中で、昭和55年以前の古い建物の割合は約8割と市内で5番目に高くなっています。老朽度判定において「危険なし」と判定した空家等が空家棟数全体に占める割合が比較的高い一方、「危険」と判定した空家等が1棟存在しています。
・利活用度判定において「利活用度(高)」と判定した空家等は比較的多く、市内で2番目に多い数となっています。
・本地域では、JR西小坂井駅の南側や名鉄伊奈駅の北側の住宅密集地に空家等が多くみられるため、地震による倒壊や火災などの災害に備えて防災面を考慮した空家等対策が必要となります。
(4)空家等実態調査の総括
・平成28年の家屋現況図建物データに基づく空家等実態調査の結果から分かる空家等の分布の傾向は以下のとおりです。
市内の空家等の棟数は1,069棟で、建物概要区分が住宅である建物の棟数の1.8%を占めています。
市内には1,069棟の空家等が分布しており、市内にある全ての建物数(全棟数117,203棟)に対しては0.9%、専用住宅など本計画の対象となる建物概要区分が住宅である建物数(棟数60,684棟)に対しては1.8%の空家率となっています。
・老朽度判定において、「注意」または「危険」と判定した空家等が1割程度あります。
現地調査における老朽度判定において、約9割の空家等を「危険なし」と判断しましたが、一方で、「注意」または「危険」と判断した空家等を合わせると1割程度存在します。地域別では東部地域や西部地域でほかの地域に比べ、その数が多くなっています。
・利活用度判定において、「利活用度(高)」と判定した空家等は1割を満たしません。
現地調査における利活用度判定において、約8割の空家等を「利活用度(中)」と判断しましたが、「利活用度(高)」については1割に満たない状況です。「利活用度(高)」の空家は、地域別では南部地域と西部地域で6棟、東部地域と小坂井地域で5棟と鉄道沿線の地域でほかの地域に比べ、その数が多くなっています。
・旧耐震基準で建てられた建物が多く、構造別では木造が9割以上を占めています。 空家等を建築年別でみると、耐震基準見直し前の昭和55年以前に建てられた建物が約8割を占め、構造別では9割以上が木造となっています。
・主要な鉄道駅のある地域に空家等が多く分布しています。
地域別の空家の分布状況をみると、市内の鉄道駅の中で2番目に乗降客の多いJR豊川駅(平成27年度:一日平均乗車人員3,199人、出典:「平成28年版豊川市の統計」)や名鉄豊川稲荷駅(同2,524人)のある東部地域で191棟、市内の鉄道駅の中で1番目に乗降客の多い名鉄国府駅(同4,902人)のある西部地域で158棟と多く分布しており、特に豊川稲荷界隈や旧東海道御油宿など鉄道駅周辺の住宅密集地に多く分布しています。
・今後のまちづくりにおいて居住を誘導すべき居住誘導区域に約8割の空家等が分布しています。
関連計画である「豊川市立地適正化計画」で定められている居住誘導区域内に8割弱にあたる816棟の空家等が分布しています。特に居住誘導区域内に設けられる都市機能誘導区域のうち、豊川地区、中央通地区、諏訪地区で170棟と最も多く、次いで小坂井地区の111棟となっています。
2-3、所有者等意向調査
平成28年度の空家等実態調査に基づき、空家等と思われる建物の管理状況及び今後の利活用に関する意向等を確認するためのアンケート調査を実施しました。
(1)アンケート調査の概要
アンケート対象者は、平成28年度に行った空家等実態調査を基に、空家等と思われる建物の所有者(1,834件)としました。そのうち、返信件数は、1,105件であったため、回収率は60.3%でした。
空家等と思われる建物(1,834件)の中から、アンケート調査の回答内容及び空家等実態調査の現地調査結果調書(一部、現地を再調査。)により、その利用状況を判断し、最終的に1,069件の建物を「空家である」と判定しました。
「空家である」と判定の建物に限ってみると、アンケートの返信件数は588件で、回収率は55.0%でした。
(2)調査結果
最初に、アンケートに返信いただいた方全体(対象数1,105件)について、調査結果を示します。
【回答者の年齢】
「60代」が30.5%で最も多く、60代以上で約7割を占めるなど、高齢の所有者が多くなっています。
詳しくは
「29歳以下」が0.4%
「30代」が2.0%
「40代」が6.6%
「50代」が15.9%
「60代」が30.5%
「70代」が24.3%
「80代以上」が17.2%
「複数選択」が0.1%
「未回答」が3.0%でした。
【回答者の年齢 地域別】
PDF形式の資料では、「回答者の年齢 地域別」をグラフで示していますが、ここでは省略します。
金屋地域で、29歳以下及び30代といった若い年齢層がいない一方で、80歳以上が地域別では一番割合が高くなっています。
【回答者の現在の居住地】
「豊川市内」に居住の方が約7割を占めており、遠方所有者となる「愛知県外」は1割程度で静岡県や神奈川県、東京都在住が各10名前後と多く、海外在住も2名ほどいます
詳しくは
「豊川市内」が68.5%
「豊川市以外の愛知県内」が22.8%
「愛知県外」が7.1%
「未回答」が1.6%でした。
【回答者と所有者との続柄】
所有者「本人」が8割弱を占めており、次いで「子供」が約1割となっています。
詳しくは
「本人」が76.8%
「配偶者」が1.8%
「子供」が11.5%
「孫」が0.3%
「兄弟姉妹」が2.5%
「その他」が4.0%
「複数選択」が1.3%
「未回答」が1.8%でした。
【所有の状況】注釈、「心当たりはない」を含む。
「自分または関係者のものである」と回答した方が9割弱を占めています。
詳しくは
「自分または関係者のものである」が88.7%
「自分または関係者には心当たりはない」が1.0%
「既に売却、譲渡または解体済みである」が3.4%
「未回答」が6.9%でした。
【建物の現在の利用状況】
「利用していない(空家状態である)」が28.9%で最も多く、次いで「物置・倉庫等として利用している」が27.6%となっています。
詳しくは
「自分、家族が居住している」が16.0%
「借家としている」が3.6%
「物置や倉庫等として利用している」が27.6%
「仕事場や作業場として利用している」が2.7%
「季節限定で正月やお盆のみなど時々利用している」が9.1%
「利用していない(空家状態である)」が28.9%
「その他」が6.5%
「複数選択」が5.4%
「未回答」が0.2%でした。
ここからは、「空家である」と判定した建物で、アンケートに返信いただいた方(対象数588件)に関する調査結果を示します。
【空家等になってからの経過年】
「1年から3年経過」が33.8%と最も多く、比較的空家等になってから年数が経過していない空家等が多くなっています。
詳しくは
「1年から3年経過」が33.8%
「4年から6年経過」が18.5%
「7年から9年経過」が12.4%
「10年以上経過」が22.6%
「経過年不明」が1.4%
「複数選択」が0.2%
「未回答」が11.1%でした
【空家等の発生要因】
「住んでいた人が死亡したため空家となった」が34.0%で最も多く、次いで「住んでいた人の入院、施設入所等により空家となった」が17.0%となっています。
発生要因を大きく分類すると、居住者が「死亡」したことによるものが約3割、転勤、親や子世帯に移り住んだといったような居住者自身の都合により「移動」したものも約3割と同程度の割合となっており、建物自体の老朽化による「住み替え」は1割に満たない結果となりました。
詳しくは
「通勤通学の関係や手狭になった等の理由で住み替えた」が2.0%
「建物が老朽化したため住み替えた」が4.9%
「転勤等、遠方に転居することになった」が3.2%
「親や子の世帯と一緒に住むことになった」が8.3%
「住んでいた人の入院や施設入所等により空家となった」が17.0%
「住んでいた人が死亡したため空家となった」が34.0%
「店舗や作業所等として利用していたが仕事を辞めたため空家となった」が1.7%
「賃借人が転居したため」が7.8%
「その他」が9.2%
「複数選択」が1.9%
「未回答」が10.0%でした。
【空家等の発生要因 地域別】
PDF形式の資料では、空家等発生要因 地域別をグラフで示していますが、ここでは省略します。
地域別でみると、代田地域や金屋地域、御津地域などでは、建物が老朽化したことにより、住み替えたと回答した割合がほかの地域より割合が高くなっています。逆に東部地域、南部地域、中部地域では低くなっています。
金屋地域では、居住者の死亡によるものの割合がほかの地域に比べ割合が低くなっています。
【空家等の発生要因 年齢別】
PDF形式の資料では、空家等の発生要因 年齢別をグラフで示していますが、ここでは省略します。
年齢別でみると、特に29歳以下、30代といった若い世代で居住者の「死亡」による割合が高くなっています。60代以上と40代で「親や子の世帯と一緒に住むことになった」と回答した割合が多く、40代の世帯が60代以上の親を受け入れていることも考えられます。
【空家等の発生要因 空家等の経過年別】
PDF形式の資料では、空家等の発生要因 空家等の経過年別をグラフで示していますが、ここでは省略します。
各経過年ともに居住者の死亡による割合が高くなっていますが、「10年以上経過」した古い空家等については、「老朽化による住み替え」がほかに比べて割合が高くなっており、「1年から3年経過」といった空家等になってからあまり年数が経過していないものについては、「住んでいた人が入院、施設入所」といった要因がほかに比べて高くなっています。
【維持管理の頻度】
「月に1回程度」が31.8%で最も多く、次いで「1年に1回程度」が20.4%となっており、比較的維持管理の頻度は低い傾向にあります。
詳しくは
「週に1回以上」が12.1%
「2週間に1回程度」が12.6%
「月に1回程度」が31.8%
「1年に1回程度」が20.4%
「ほとんどしていない」が11.4%
「1度もしたことがない」が2.2%
「わからない」が1.4%
「複数選択」が0.3%
「未回答」が7.8%でした。
【維持管理の頻度 回答者居住地別】
PDF形式の資料では、維持管理の頻度 回答者居住地別をグラフで示していますが、ここでは省略します。
回答者の居住地別にみると、豊川市内に在住の方の維持管理の頻度は高くなっていますが、居住地と空家等の所在地が離れるにつれて、維持管理の頻度は下がる傾向にあります。
【維持管理の頻度 建物の経過年数別】
PDF形式の資料では、維持管理の頻度 建物の経過年数別をグラフで示していますが、ここでは省略します。
空家等になった経過年数別にみると、空家等になってからあまり年数が経っていないものほど維持管理の頻度は高く、年数が経過するにつれ、頻度が下がる傾向にあります。
【維持管理の内容】注釈、複数回答
「庭の手入れ、草刈り」と回答した方が最も多く、回答者の約7割を占めています。次いで「空気の入れ替え」や「家屋内の清掃」が多くなっており、複数の項目を選択する方が多くなっています。
詳しくは
「庭の手入れや草刈り」が418件
「家屋内の清掃」が229件
「空気の入れ替え」が340件
「破損個所の補修や修繕」が110件
「何もしていない」が54件
「わからない」が7件
「その他」が18件
「未回答」が46件でした。
【維持管理の主体】
「所有者」本人が41.0%と最も多く、「所有者の家族・親族」を含めると、約8割を占めています。
詳しくは
「所有者」が41.0%
「所有者の家族や親族」が37.9%
「近所の人」が1.0%
「近所の人以外の知人や友人」が0.3%
「その他」が2.2%
「誰も管理していない」が4.1%
「複数選択」が3.1%
「未回答」が10.4%でした。
【維持管理をする上での問題】注釈、複数回答
「管理の手間が大変」と回答した方が最も多く、回答者の4割弱を占めています。「特にない」と回答した方も比較的多く、回答者の3割強となっています。
所有者の高齢化が要因と思われる「身体的・年齢的に大変」や、遠方所有者など「現住所から建物までの距離が遠い」も多くなっています。
詳しくは
「管理の手間が大変」が207件
「管理の費用が高い」が57件
「身体的や年齢的に大変」が124件
「現住所から建物までの距離が遠い」が132件
「管理者を探すのが難しい」が12件
「特にない」が194件
「未回答」が63件でした。
【維持管理をする上での問題 年齢別】
PDF形式の資料では、維持管理をする上での問題 年齢別をグラフで示していますが、ここでは省略します。
年齢層が下がるにつれ、「管理の手間が大変」と回答した割合が高くなっています。また、「管理の費用が高い」と回答した割合は年齢層が低い世代で多くなり、年齢層が高くなると「身体的・年齢的に大変」と回答した割合が高くなっています。
【維持管理をする上での問題 居住地別】
PDF形式の資料では、維持管理をする上での問題 居住地別をグラフで示していますが、ここでは省略します。
愛知県外在住といったように、空家等と居住地の距離が遠くなるにつれ、「現住所から建物までの距離が遠い」と回答した割合が高くなっています。一方で、市内在住のように、距離が近い所有者では問題は「特にない」と回答した割合が高くなっています。
【今後の活用意向】
「売却したい、または売却してもよい」が25.3%で最も多く、次いで「特に利用の予定はなく、現状のまま維持したい」が17.9%となっています。
「数年以内に自分または家族等が住む」や「セカンドハウス等として、時々滞在するために維持する」といったように、現在の建物を所有者本人または家族で活用するとした方は約1割にとどまっています。
詳しくは
「数年以内に自分または家族等が住む(新築、改築を含む)」が7.5%
「セカンドハウス等として、時々滞在するために維持する」が6.0%
「賃貸したい、または賃貸してもよい」が4.6%
「売却したい、または売却してもよい」が25.3%
「建物を解体して、駐車場や資材置き場などとして活用したい」が6.5%
「地域のために、有効活用してもらいたい」が1.2%
「特に利用の予定はなく、現状のまま維持したい」が17.9%
「家族(子や孫等)に任せる」が7.8%
「その他」が9.7%
「複数選択」が4.6%
「未回答」が8.9%でした。
【今後の活用意向 年齢別】
PDF形式の資料では、今後の活用意向 年齢別をグラフで示していますが、ここでは省略します。
29歳以下では全ての所有者が「売却」の意向を示す反面、40代は「売却」すると回答した割合が低くなっています。この2つの年齢層を除く年齢層では「売却」意向に対する割合はほぼ同程度になっています。また、新築や改築などで「自分または家族等で住む」という割合が年齢層が上がるにつれ、下がる傾向にあります。
【今後の活用意向 空家等の経過年別】
PDF形式の資料では、今後の活用意向 空家等の経過年別をグラフで示していますが、ここでは省略します。
「地域のために、有効活用してもらいたい」と回答した割合は10年以上経過した空家等でその意向が高くなっています。「4年から6年経過」と「7年から9年経過」では、「時々滞在するために維持する」と「家族(子や孫)に任せる」と回答した割合が逆転しており、その他の項目については、各経過年ともに、ほぼ同じ傾向になっています。
【今後の活用意向 地域別】
PDF形式の資料では、今後の活用意向 地域別をグラフで示していますが、ここでは省略します。
地域別の傾向として、御津地域、小坂井地域、西部地域では、自分もしくは家族等で使用する意向(「数年以内に自分または家族等が住む」と「セカンドハウス等として、時々滞在するために維持する」)の割合がほかの地域に比べ高くなっています。
一方、代田地域では、売却意向がほかの地域より高くなっており、一宮地域、音羽地域では、「地域のために、有効活用してもらいたい」という意向がほかの地域に比べ高くなっています。
【活用する上での問題点】注釈、複数回答
「解体して更地になることで、固定資産税が上がるため解体できない」と回答した方が3割弱と最も多く、いわゆる固定資産税の減免措置がなくなることを危惧する人が多くなっています。次いで「解体したいが、解体費用の支出が困難で解体できない」と回答した方が多く、今後の活用意向として「建物を解体して、駐車場や資材置場などとして活用したい」とした人で多くみられるが、金銭的な理由で解体に踏み切れない方が多くなっていることがうかがえます。
詳しくは
「解体したいが、解体費用の支出が困難で解体できない」が150件
「解体して更地になることで、固定資産税が上がるため解体できない」が155件
「賃貸・売却したいが相手が見つからない」が114件
「賃貸・売却により、知らない住民が入居することが心配である」が15件
「愛着があるため、他人に貸したり売ったりしたくない」が59件
「相続問題等で、権利者間で意見が一致していない」が28件
「リフォームしないと使用できない状態である」が108件
「荷物(仏壇等)の処分に困っている」が80件
「先祖代々からの建物なので、自分だけでは判断できない」が35件
「今後どうすればよいかわからないので困っている」が90件
「困っていることは特にない」が101件
「その他」が56件
「未回答」が64件でした。
「賃貸したい、または賃貸してもよい」、「売却したい、または売却してもよい」と回答した方の中では、「賃貸・売却したいが相手が見つからない」という問題があるとした方が多くみられます。
PDF形式の資料では、活用する上での問題点を今後の活用意向別に分析したものをグラフで示していますが、ここでは省略します。
【空家等対策に関する市への要望】
活用する上での問題点として、金銭的な理由で解体などに踏み切れない方が多くなっていることに関連して、「空家の解体・除却に対する補助がほしい」と回答した方が最も多くなっています。
また、「賃貸・売却したいが相手が見つからない」と回答した方が多くなっていることに関連して、「賃貸・売却する仲介先の情報がほしい」という回答が多くなっています。
詳しくは
「空家の解体・除去に対する補助がほしい」が191件
「空家の修繕や改修に関する補助がほしい」が81件
「空家の有効活用に関する情報がほしい」が94件
「空家を賃貸・売却する仲介先(不動産業者等)の情報がほしい」が122件
「空家を管理する業者等の情報がほしい」が34件
「特にない」が173件
「その他」が36件
「未回答」が77件でした
PDF形式の資料では、空家等対策に関する市への要望を維持管理をする上での問題別に分析したものをグラフで示していますが、ここでは省略します。
【空家バンクの活用意向】
「利用しない」と回答した方が29.1%と最も多くなっていますが、「利用したい」、「興味はある」の2つを合わせると35.0%となっており、「利用しない」の割合を若干上回っています。
詳しくは
「利用したい」が13.9%
「興味はある」が21.1%
「利用しない」が29.1%
「わからない」が24.7%
「複数選択」が0.3%
「未回答」が10.9%でした。
PDF形式の資料では、空家バンクの活用意向を今後の活用意向別に分析したものをグラフで示していますが、ここでは省略します。
「賃貸したい、または賃貸してもよい」、「売却したい、または売却してもよい」と回答した方の中では、「利用したい」、「興味はある」があると回答した方が特に多くなっています。
2-4、空家等の発生要因と課題
(1)空家等の発生要因
・居住者の死亡によるもの、居住者の移動によるものがそれぞれ約3割と同程度となっています。
居住者の死亡によるものと住んでいた方の住み替えや転居など居住者の移動に伴うものが、ともに3割程度でほぼ同程度となっています。
・居住者の移動によるものでは、高齢者の移動に伴う要因の割合が高くなっています。
居住者の移動に伴う要因として、60代以上の高齢者では、「子供の世帯と一緒に住む」や「入院・施設への入所」の割合が高い傾向にあります。このことから、将来的に高齢者単身世帯や高齢者夫婦のみ世帯の持ち家が、今後空家等となる可能性が高いことがうかがえます。
・若い年齢層では、親の死亡による相続や40代世帯での親の受入れなどの要因も考えられます。
所有者の年齢別の傾向でみると、29歳以下と30代で居住者の死亡による要因の割合が多いことから、親などの親族が死亡し相続で空家等を受け継いだことが想定されます。金屋地域では、アンケート回答者の年齢別で29歳以下及び30代がおらず、80歳以上の割合が地域別で最も高くなっています。このような地域では、居住者の死亡による要因の割合が低い傾向にありますが、一方で、「住んでいた人の入院、施設入所等により空家となった」の割合がそのほかの地域に比べ高いことから、将来的に居住者の死亡による要因の割合が高くなっていくことが想定されます。
また、60代以上と40代で「親や子の世帯と一緒に住むことになった」とする要因が多くなっており、60代以上の親が年齢的身体的な理由などにより、40代の子世帯に移動していることも想定されます。
(2)空家等対策に係る課題
課題1、空家等所有者に対して、空家等の適正管理に関する意識づけを行う必要があります。
空家等の老朽化を防ぐためには適切な維持管理が必要ですが、適切な維持管理を持続するためには、維持管理をする上での問題を抱えやすい高齢の所有者や、遠方所有者への対応などを適切に行う必要があります。また、所有者等の中では解体して更地になることで、固定資産税が上がるため解体できないと考える方がおり、空家等を放置することにより空家等が老朽化して危険な状態になった場合には、固定資産税特例措置の解除もあり得ることを所有者等に周知して空家等の長期化を防ぐ必要もあります。
このように、空家等の所有者等に対し、空家等の管理責任が第一義にあることを啓発し、適正な維持管理、除却の促進を図れるように意識づけを行うことが必要になります。
課題2、空家等の増加を抑制するため、市民全体に対する空家等対策に関する啓発が必要です。
空家等の発生要因のうち、居住者の死亡に関して、親等の死亡で相続が発生する際、相続人になる予定の方が、親等の死亡後の建物の利活用方法や管理方法をあまり検討していなかった場合、相続後も適正に利活用や管理がされないまま空家等となる可能性があります。
また、空家等の発生要因のうち、居住者の移動に関するものも同様に、居住者がいなくなった後の建物の利活用方法や管理方法が検討されていない場合、空家等になる可能性があります。
上記のようなケースに限らず、今後、空家等になる可能性がある建物の空家化の予防や利活用・除却促進は、市民全体の空家等対策に関する意識の向上により実現すると考えられるため、市民全体へ向けた空家等に関する情報の提供や啓発を行う必要があります。
課題3、空家等の立地特性にあわせた適正管理や利活用の方策を検討する必要があります。
鉄道駅周辺などの住宅密集地で比較的多くの空家等がみられるため、地震や火災などの災害に備えた防災面での対策が必要になります。また、関連計画である「豊川市立地適正化計画」で定められている居住誘導区域内にある空家等については、移住・定住を促進させるための有効な住宅ストックとして、または、まちのにぎわいを創出するための資源としての活用が期待されます。
このように、空家等を適正に管理または利活用を促進するためには、空家等の立地特性にあわせた適正管理や利活用の方策を検討する必要があります。
課題4、所有者等の負担軽減や利活用を促進するための制度設計を図る必要があります。
空家等対策に関する支援の中で「解体や除却に対する補助」といった金銭的な支援のほかに、「賃貸・売却する仲介先の情報がほしい」という要望も多く、流通を促進する上で、所有者等の負担を軽減するとともに、不動産業者、物件管理業者などの民間事業者との連携の促進、支援を進める新たな制度設計を検討する必要があります。
また、流通を促進する上で市が主導する空家バンクが有効であると考えられますが、空家バンクの利用意向については、「利用したい」、「興味がある」と回答した方が3割程度であり、今後は、これらの利用意向を高めるために、具体的な空家バンク制度の運営を検討する場合には、魅力的な制度・運用、普及啓発の促進などについて、十分検討する必要があります。
第3章、空家等対策の基本的な考え方
3-1、基本理念
本計画では以下の3つの基本理念により、本市の空家等対策に取り組んでいきます。
基本理念
・市民の安全・安心を確保するための実効性のある対応
・地域の活性化に向けた流通・活用の促進
・実現に向けた関係部局、地域住民、民間事業者、専門家団体など多様な主体との連携
3-2、取組方針
空家等対策に取り組む上で、「空家等の予防・適正管理」、「空家等の利活用」、「空家等の除却」の3つを柱として、状況に応じたきめ細かな取組を進めます。
(1)空家等の予防・適正管理
空家化を未然に防ぐため予防に向けた啓発を行うとともに、管理不全な空家等への助言、指導等に取り組みます。
(2)空家等の利活用
中古住宅としての流通促進、賃貸物件としての活用、まちづくり資源としての活用に取り組みます。
(3)空家等の除却
再利用が不可能な危険家屋を除却し、跡地等の活用に取り組みます。
3-3、目標指標
基本理念及び取組方針に基づいて計画を進めるうえで、進捗状況を把握するための目標指標を設定し、計画期間最終年度における目標値を定めます。
取組方針(1)の空家等の予防・適正管理の評価指標は「空家等に関する相談事案の解決率」で、所有者等から寄せられる空家等に対するさまざまな相談事案に対し、関連各課で連携して適切に対応がなされているかを検証します。目標とする解決率は平成34年度末時点で80%とします。
取組方針(2)の空家等の利活用の評価指標は、「利活用に関する情報などを提供する相談会等の開催回数」と「空家バンク登録件数」で、利活用に関する流通を促進するために、所有者等に有効な情報が提供できているかの検証と、行政が支援する流通を促進する仕組みが適切に機能しているかを検証します。「利活用に関する情報などを提供する相談会等の開催回数」の目標値は1年に1回の開催。「空家バンク登録件数(累計登録件数)」の目標値は平成34年度末時点で80件とします。
取り組み方針(3)の空家等の除却の目標指標は、「老朽空家等の年間除却件数」で、
老朽空家等の除却を促進することにより、市民の生活環境への危険度が軽減されているかを検証します。目標値は年間20件とします。
3-4、主体別の役割
空家等は私有財産であるため、第一義的には所有者の責任で管理されるものでありますが、さまざまな理由により適正に管理されない空家等が、地域住民の生活環境に影響を及ぼしているため、空家等の問題を地域社会の問題と捉え、空家等の所有者等、地域住民、市、事業者等が連携し、役割をもって空家等対策に取り組みます。
(1)空家等所有者等
所有者や相続人等は、空家等を放置した状態にしないよう適切な管理、活用(検討)等に努めるとともに、相続等が発生した場合には、必要な手続きを速やかに行うよう努めます。
(2)地域住民
地域住民は、空家等の所有者等とのコミュニケーションを心がけ、空家等問題の発生予防に努めるとともに、地域内の見回り等により、周辺住民の生活環境に影響を及ぼしている空家等を発見した場合には、市への速やかな情報提供に努めます。
(3)市
市は、空家等の実態把握に努めるともに、空家等対策計画の作成、具体的な施策の実施、空家法に関する必要な措置を適切に講じます。
(4)事業者
事業者は、空家等の流通や活用につながる積極的な取組を行うとともに、所有者等や市などに対し、専門的な視点から助言や支援するように努めます。
(5)専門家・NPO
不動産、法務、建築、まちづくりNPO等の専門家団体は、所有者等や市などに対し、専門的な視点から相続、管理、活用に至るまで、空家等の抱える複合的な課題の解決への助言や支援するように努めます。
第4章、具体的な施策
4-1、空家等の予防・適正管理
(1)啓発
1、空家等の適正管理に関する意識啓発
空家等発生時の的確な対応や空家等の適正管理の重要性について、各種団体の協力を得ながら、広報、ホームページ、リーフレットの配布、固定資産税納税通知書の活用を通じて情報提供を行います。
【想定される手法】
・広報、ホームページ、リーフレットによる啓発
・固定資産税納税通知書への啓発文の印刷または同封
・遠方所有者への対応
・空家等データベースの構築
・管理不全な空家の追跡調査の継続
・地域主体の取組への支援
2、空家等の所有者等への積極的な意識啓発
空家等の管理責任は所有者等にあるため、所有者等に対し空家等の管理に関する意識を高めることを目的に、空家等対策に係る情報提供やセミナー等により啓発を行います。
【想定される手法】
・施策の情報提供及び関係団体との連携による空家等を生み出さないためのセミナーイベントの開催
3、空家等予備軍に対する意識啓発
空家等を生み出さないため、空家等となる可能性のある住宅(ひとり暮らし高齢者など)に対し、窓口面談、文書送付などにより啓発を行います。
【想定される手法】
・高齢者に対しての啓発及び実態調査
・相続等の相談会の開催
4、防犯に関する啓発
空家等への不審者の侵入、また危険な空家等が子どものたまり場となることによる事故を未然に防ぐため、防犯啓発パトロールを継続して実施するとともに、各地域で活動する防犯ボランティア団体と空家等に関する情報を交換しながら、防犯に関する啓発を強化します。
【想定される手法】
・防犯啓発パトロールの継続実施、体制強化の検討
・各地域で活動する防犯ボランティア団体との情報交換
(2)相談
1、相談窓口一本化のPR
空家等に関する苦情に的確な対応を行うとともに、空家等対策の取組を分かりやすく伝えるために一本化された相談窓口を広くPRします。
【想定される手法】
・一本化された相談窓口のPR
2、所管部署における初期指導
苦情の内容や空家等の状況に応じて対応部署を割り振り、所有者等に対して適正管理等の初期指導を行います。
【想定される手法】
・所有者等に対する所管部署からの初期指導
3、専門家等との連携
空家等の所有に関する相談や賃貸・売却・管理・解体などに関する具体的な相談にも適切に対応するため、不動産や建築等の関連団体や専門家との連携を図ります。
【想定される手法】
・協議会委員選出団体をはじめとする各種関係団体、専門家と連携した相談体制の構築
(3)管理不全な空家等に対する助言等
1、定期的な維持管理の指導・助言
所有者自身による空家等の定期的な維持管理に向けた指導・助言を行います。
【想定される手法】
・所有者等の適正管理を促す啓発活動
・所有者等からの相談に対する適切な指導・助言
2、空家等管理事業者との連携
シルバー人材センターなど空家等管理を行っている事業者との連携を図るとともに、事業者に対して空家等管理サービス充実の働きかけを行います。
【想定される手法】
・シルバー人材センターとの協定による連携
・民間の空家等管理事業者との連携のあり方(登録制など)の検討
(4)特定空家等に対する措置
「特定空家等」とは、空家法第2条第2項において以下の状態にあると認められる「空家等」を指します。
(1)そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
(2)そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態
(3)適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態
(4)その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態
1、初期指導
・市民からの情報提供などにより、建築課またはその状況に応じて担当課による現地調査を実施し、所有者を特定し、適正管理についての初期指導を行います。
2、特定空家等の判断
・初期指導による再三の指導にも関わらず改善が見られない場合に、特定空家等に該当するかを判断します。
・特定空家等の判定基準は、国が示すガイドライン(「特定空家等に対する措置」に関する適切な実施を図るために必要な指針)を参考にして、チェックリストで判断します。管理不全の建物の危険性については、「外観目視による住宅の不良度判定の手引き(案)」(国土交通省住宅局住環境整備室)を参考に、職員により外観目視で評価します。評点が一定の点数以上の建物を特定空家等の候補とし、該当建物が周辺に与える影響等を勘案して総合的に判断します。
・特定空家等は法に基づく措置の対象となることから、空家等対策協議会の助言、指導を得て慎重に行います。
3、特定空家等に対する措置
特定空家等に対する措置は、以下のとおりとなります。
(1)助言・指導(適用条項空家法14条1項)特定空家等と判定された空家等の所有者に対して、法に基づき助言、指導を行います。
(2)勧告(適用条項空家法14条2項)再三の助言、指導にも関わらず改善見られない場合には、勧告の検討を行い、空家等対策協議会の助言、協力を得て勧告実施を判断します。
(3)命令(空家法14条3項から8項まで)勧告を行っても改善が見られない場合には、所有者に対し事前に意見を述べる機会を設けた上で履行期限を定めて必要な措置を講じるよう命令します。
(4)代執行
1.行政代執行(空家法14条9項)命令を行っても改善が見られない場合は、行政代執行を行います。
2.略式代執行(空家法14条10項)所有者不明で助言・指導、勧告、命令の措置が確知できなかった場合は、略式代執行を行います。
PDF形式の資料では、特定空家等の判定と措置の流れを図で示していますが、ここでは省略します。
4-2、空家等の利活用
(1)、中古住宅としての流通促進
1、中古住宅の流通促進
空家等が活用されるよう不動産事業者との連携により中古住宅の流通促進を図ります。
【想定される手法】
・民間事業者へ空家等の売買などを依頼することに不安のある所有者に対し、市場流通のひとつの手段として市が主導する空家バンクの開設。(公益社団法人愛知県宅地建物取引業協会東三河支部(以下、「宅建協会」という。)との協定の上での連携した事業の推進 )
・立地適正化計画に定める都市機能誘導区域内に、中古住宅を購入する方に対しての補助制度の活用促進
・不動産事業者が空家等を買い取ってリフォームを行う場合の敷地の取得費用に対する補助などの事業者向け支援制度の検討
2、住宅ストックとしての空家等の活用
空家等を住宅ストックとして効果的に活用することにより、住居の確保と住生活の向上を図ります。
【想定される手法】
・空家等を活用した新たな住宅セーフティネット制度(高齢者、低額所得者、子育て世帯等の住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅の登録制度の創設など)の周知、活用促進
・災害時において、空家等を被災者住宅や物資置場等として活用
3、シティセールスの充実
市の住環境の魅力や暮らしのサービス水準をアピールするシティセールスを行います。
【想定される手法】
・シティセールス所管部署が主体となって、市外の方の空家等の活用も視野に入れたPRの実施
・国、県の情報サイトの活用
4、専門家と連携した中古住宅の利活用方策の検討
建築や不動産関係団体の協力を得ながら、空家等活用によるリノベーション事例を紹介し、空家等の活用に対する関心を高めます。
【想定される手法】
・セミナー開催などで事例紹介をし、中古住宅の利活用についての関心を高めるための啓発活動
5、関係団体と連携したリフォーム支援の検討
関係団体と連携し、リフォームに対する支援を検討します。
【想定される手法】
・リフォーム補助制度の構築などの個人所有者向けの支援制度の検討
空家バンクの開設(案)
空家等の有効活用による地域活性化等を図るため、豊川市空家バンク制度を創設し、宅建協会と連携しながら、市内の空家等情報の集約及び公開をすることで、空家等の利活用を促進します。
PDF形式の資料では、空家バンクの業務内容と市と宅建協会の役割分担、空家バンクの運用イメージを図で示していますが、ここでは省略します。
(2)まちづくり資源としての有効活用
1、地域資源としての空家等の有効活用の促進
地域交流や地域活性化、福祉サービスの拡充等の観点から有効な利活用を図ります。
【想定される手法】
・空家等を資源として捉え、地域交流や福祉関係の所管部署や関係団体と協力した資源の有効活用への取組
・中心市街地に散見される空家等の遊休不動産を利活用する、リノベーション事業の活用促進
2、活用事例などの情報提供
全国の様々な空家等の活用事例の情報提供を行います。
【想定される手法】
・全国の事例の情報を収集し、情報提供及び施策の展開
3、活用方法の提案募集
空家等をまちづくり資源として捉えた新しい活用方法の提案を募集し、その提案を実現するために必要な費用の一部を助成します。
【想定される手法】
・提案型空き家利活用リフォーム助成事業(事例、大阪府豊中市)などの先進事例を参考にした制度構築の検討
・空家等を活用したシェアハウス(学生向け、高齢者向け、単身者向けなど幅広い層に対応)に関する支援の検討
【事例紹介】平成29年度 提案型空き家利活用リフォーム助成事業(大阪府豊中市)
豊中市では空き家の利活用の促進を図るため、公益性のある新しい活用方法の提案募集を行っています。人が居住しない、もしくは使用していない住宅(店舗等の用途を兼ねているものも可)などを対象に、「地域の活性化や賑わいづくりに」、「地域の人たちが集う」、「高齢者や子育て中の人が使える」、「子供たちの居場所」等、公益性・先駆性のある事業や取組みを実現するために必要な改修費用を助成しています。
(種別及び助成額)
一戸建て住宅・長屋住宅の助成金額は上限200万円。共同住宅・寄宿舎の助成金額は上限500万円(助成対象事業を実施するための改修は上限200万。上記と合わせて実施する共用部分の改修は上限300万)
【取組事例】豊川市中心市街地におけるまちなか再生検討事業
豊川市の中心市街地に位置する豊川地区において、商店街組織の代表者やまちづくり関係者で構成されるまちづくり会議、また、まちづくり会議から選出されたメンバーで構成されるワーキンググループが主体となり、地区の課題を整理・分析し、地域が主体的にまちなかを再生させる事業を実施する環境を整えるとともに、若手人材の育成を図ることを目的とした「中心市街地におけるまちなか再生検討事業」を実施しています。
平成28年度に会議での話しあいや各種調査等の実施を踏まえ、中心市街地豊川地区におけるまちづくりの課題を抽出し、平成29年度から、抽出された課題整理を踏まえた3つのモデル事業として、リノベーションモデル事業、既存店舗内スペース貸しモデル事業、ポケットパークモデル事業を実施します。
資料、「豊川市中心市街地におけるまちなか再生検討事業2016」豊川市開発ビル株式会社
【取組事例】牛久保安心・安全なまちづくり協議会における空家等対策の検討
JR牛久保駅の西側に形成される牛久保地区では、平成27年7月に地区の住民で組織する「牛久保安心・安全なまちづくり協議会」を設立し、まち歩きやワークショップなどを通して、地震に対する牛久保地区のまちづくりの検討を重ねています。
その中で、空家等の対策については、「地震・火災に強い建物づくり」ということで、所有者個人の適切な管理等を促すとともに、空家等の状況把握や環境を保つためのルールづくりなど、空家等の発生抑制や利活用、除却・建替えの促進などの検討を地域と市が連携して行っていくとしています。また、「安全性を高める空間づくり」においては、除却後の跡地の活用など、空家等対策と連携したスペース(ポケットパークなど)の確保を市に働きかけるとしています。
資料、「牛久保安心・安全な防災まちづくり計画」牛久保安心・安全なまちづくり協議会
4-3、空家等の除却
(1)除却の促進
1、除却費用補助制度の構築
市民が安心して生活することができる環境を確保するため、倒壊や建築部材などが飛散する恐れのある危険な空家等の解体工事にかかる費用の一部助成を行います。
【想定される手法】
・除却費用補助についての制度構築
2、解体・除去に関する支援の検討
空家等解体ローン、支払利息の一部助成の検討を行います。また、解体除却を行った所有者等に対し、一定期間、固定資産税の減免措置を継続するなどの税の優遇措置を検討します。
【想定される手法】
・利子補給補助(事例、春日井市)などの先進事例を参考にした制度構築の検討
・固定資産税の減免に関する優遇措置の検討
3、緊急安全措置等に関する条例の制定の検討
空家等の老朽化等により、人の生命、身体又は財産に重大な損害を及ぼす危険な状態が切迫していると認められる場合は、その危険な状態を回避するために、必要な最小限度の措置を講ずることが考えられるため、空家法とは別に、緊急安全措置等に関する条例の制定の検討を行います。
【想定される手法】
・空家等が人の生命、身体又は財産に重大な損害を及ぼさないため、緊急安全措置等を講ずるための条例の検討
(2)跡地の積極的活用
1、跡地の活用に関する支援の検討
密集市街地等において、除却跡地が広場として活用される場合は、除却費用の一部助成の検討を行います。
【想定される手法】
・除却費用補助について、国の制度に照らし合わせた制度構築の検討
第5章、実施体制の整備・進捗状況の管理
5-1、豊川市空家等対策協議会
空家法第7条第1項の規定に基づき、空家等対策計画の策定及び変更並びに実施に関する協議を行うための空家等対策協議会について、市では「豊川市空家等対策協議会設置要綱」を平成28年4月13日から施行し、豊川市空家等対策協議会を設置しています。
1、役割
空家等対策協議会では、空家等対策計画の策定及び変更並びに実施に関する協議のほか、市が特定空家等を判断する際に助言指導を行うとともに、勧告、命令、行政代執行等の措置を行う場合の助言・協力、協議を行います。
2、任期
委員の任期は2年とし、再任を妨げません。ただし、委員に欠員が生じた場合の補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とします。
3、委員構成
委員については、次に掲げる者から市長が委嘱します。委員の総数は15人以内とします。
議会委員構成(平成28、29年度)
豊川市長、大学准教授、宅地建物取引業者、司法書士、土地家屋調査士(適用条項、要綱第4条第2項第1号。法務、不動産、建築等に関する学識経験者)。豊川市議会議員(適用条項、要綱第4条第2項第2号。市議会の議員)。市民公募(適用条項、要綱第4条第2項第3号。公募により決定する者)。豊川市シルバー人材センター職員(適用条項、要綱第4条第2項第4号。その他市長が必要と認める者)。オブザーバー。
5-2、庁内体制
庁内組織である空家等対策庁内連絡会議は、本市における空家等対策を円滑に推進することを目的としています。総合窓口を建築課とし、人権交通防犯課、商工観光課、道路維持課、都市計画課、予防課、清掃事業課、環境課、企画政策課、資産税課、介護高齢課など関係各課と情報及び問題を共有し連絡調整を図り、空家等の調査や所有者への助言、相談、啓発等を進めます。
PDF形式の資料では、庁内体制を図で示していますが、ここでは省略します。
各部署の役割と主な担当部署は、空家等に関する総合相談窓口、建築物に関すること(適正管理・リフォーム・特定空家等)空家等対策計画の進捗管理を建築課。
固定資産税に関することを資産税課。
空家等の防犯対策等に関することを人権交通防犯課。
空き店舗情報提供事業に関することを商工観光課。
空家等の雑草、立木などの繁茂に関すること(対象が隣地の場合)、空家等の害虫、悪臭に関することを環境課。
空家等のゴミの不法投棄等に関することを清掃事業課。
空家等の防火対策に関することを予防課。
空家等の雑草、立木などの繁茂に関すること(対象が道路の場合)を道路維持課としています。
5-3、多様な主体との連携
豊川市空家等対策協議会は、豊川市空家等対策計画の作成、変更、実施に関する事項について協議するとともに、専門家団体等の多様な主体と連携し、相続登記や相続問題の解決、除草、剪定、解体、売却等の相談や実施ができる体制の整備を進めます。
5-4、進捗状況の管理と検証
より実行性・具体性のある計画となるよう、適切なPDCAサイクルにより柔軟な見直し等を実施し、効果的な空家等対策を講じます。
PDCAサイクルとは、豊川市空家等対策協議会、豊川市空家等対策庁内連絡会議を中心とし、1計画(Plan)空家等対策計画の策定、2実行(Do)計画に基づく施策の実行、3評価(Check)実施結果の効果確認、4改善(Act)事業改善の方向付け(社会情勢等変化への対応)の一連の作業をサイクル化したものを表します。
参考資料
1、計画策定の経緯
2、空家等対策の推進に関する特別措置法(平成26年法律第127号)
3、豊川市空家等対策協議会設置要綱(平成28年4月13日施行)
4、「特定空家等に対する措置」に関する適切な実施を図るために必要な指針(ガイドライン(注釈1))における参考となる基準(注釈2)
注釈1、ガイドライン:国土交通省及び総務省作成(平成27年5月)
注釈2、基準:市作成
5、外観目視による住宅の不良度判定の手引き(案)(注釈3)
注釈3、国土交通省作成(平成23年12月)
6、用語の解説
1、計画策定の経緯
豊川市空家等対策協議会及びパブリックコメント
平成28年度
第1回、平成28年8月2日(火曜)、内容、委員委嘱、豊川市空家等対策協議会について、会長及び副会長の選任、豊川市における空家の状況とこれまでの取組みについて。
第2回、平成28年11月18日(金曜)、内容、第1回協議会での主な意見について、第1回協議会以降の経過について、空家等実態調査の進捗状況について、豊川市空家等対策計画骨子案について、意見交換。
第3回、平成29年2月3日(金曜)、内容、第2回協議会での主な意見について、第2 回協議会以降の経過について、空家等実態調査について、豊川市空家等対策計画施策(案)について、特定空家等の措置(案)について、意見交換。
平成29年度
持ち回り開催、平成29年6月13日(火曜)から平成29年6月15日(木曜)、内容、空家等所有者意向調査結果について、今年度のスケジュールについてを協議会委員に個別説明、意見聴取。
第1回、平成29年8月10日(木曜)、内容、平成28年度第3回協議会以降の経過について、空家等対策計画(構成案)について、特定空家等の取扱方針、空家バンク及び空家解体補助制度の案について、意見交換。
第2 回、平成29年11月16日(木曜)、内容、空家等対策計画(案)について、パブリックコメントについて。
パブリックコメント、平成30年1月4日(木曜)から平成30年2月2日(金曜)、内容、空家等対策計画(案)について。
第3回、平成30年2月下旬予定、内容、空家等対策計画の承認について、パブリックコメント結果について、今後の協議会のあり方について
豊川市空家等対策庁内連絡会議
平成27年度
第1回、平成28年2月12日(金曜)、内容、空家等対策庁内連絡会議について、空家等に関する相談・苦情調査について、今後のスケジュールについて。
平成28年度
第1回、平成28年7月22日(金曜)、内容、空家等対策協議会の設置及び第1回議題について、空家等に関する相談・苦情処理について。
第2 回、平成28年9月20日(火曜)、第1回豊川市空家等対策協議会における主な意見について、豊川市空家等対策計画骨子(案)について、各課からの提案及び意見について、空家等実態調査の経過報告について、空家等に関する苦情件数の報告について。
第3回、平成29年1月17日(火曜)、内容、2回豊川市空家等対策協議会での主な意見について、2回協議会以降の経過について、家等実態調査について、豊川市空家等対策計画について、特定空家等の措置について、今後の予定について。
平成29年度
第1回、平成29年7月14日(金曜)。内容、豊川市空家等対策計画(構成案)について、苦情・相談処理について、今後の予定について。
第2回、平成29年9月27日(水曜)、内容、第1回協議会での主な意見について、豊川市空家等対策計画(構成案)について。
2、空家等対策の推進に関する特別措置法(平成26年法律第127号)
(目的)
第1条 この法律は、適切な管理が行われていない空家等が防災、衛生、景観等の地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしていることに鑑み、地域住民の生命、身体又は財産を保護するとともに、その生活環境の保全を図り、あわせて空家等の活用を促進するため、空家等に関する施策に関し、国による基本指針の策定、市町村(特別区を含む。第10条第2項を除き、以下同じ。)による空家等対策計画の作成その他の空家等に関する施策を推進するために必要な事項を定めることにより、空家等に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって公共の福祉の増進と地域の振興に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この法律において「空家等」とは、建築物又はこれに附属する工作物であって居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地(立木その他の土地に定着する物を含む。)をいう。ただし、国又は地方公共団体が所有し、又は管理するものを除く。
2 この法律において「特定空家等」とは、そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態又は著しく衛生上有害となるおそれのある状態、適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にあると認められる空家等をいう。
(空家等の所有者等の責務)
第3条 空家等の所有者又は管理者(以下「所有者等」という。)は、周辺の生活環境に悪影響を及ぼさないよう、空家等の適切な管理に努めるものとする。
(市町村の責務)
第4条 市町村は、第1条第1項に規定する空家等対策計画の作成及びこれに基づく空家等に関する対策の実施その他の空家等に関する必要な措置を適切に講ずるよう努めるものとする。
(基本指針)
第5条 国土交通大臣及び総務大臣は、空家等に関する施策を総合的かつ計画的に実施するための基本的な指針(以下「基本指針」という。)を定めるものとする。
2 基本指針においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
(1) 空家等に関する施策の実施に関する基本的な事項
(2) 次条第1項に規定する空家等対策計画に関する事項
(3) その他空家等に関する施策を総合的かつ計画的に実施するために必要な事項
3 国土交通大臣及び総務大臣は、基本指針を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長に協議するものとする。
4 国土交通大臣及び総務大臣は、基本指針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
(空家等対策計画)
第6条 市町村は、その区域内で空家等に関する対策を総合的かつ計画的に実施するため、基本指針に即して、空家等に関する対策についての計画(以下「空家等対策計画」という。)を定めることができる。
2 空家等対策計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
(1) 空家等に関する対策の対象とする地区及び対象とする空家等の種類その他の空家等に関する対策に関する基本的な方針
(2) 計画期間
(3) 空家等の調査に関する事項
(4) 所有者等による空家等の適切な管理の促進に関する事項
(5) 空家等及び除却した空家等に係る跡地(以下「空家等の跡地」という。)の活用の促進に関する事項
(6) 特定空家等に対する措置(第14条第1項の規定による助言若しくは指導、同条第2項の規定による勧告、同条第3項の規定による命令又は同条第9項若しくは第10項の規定による代執行をいう。以下同じ。)その他の特定空家等への対処に関する事項
(7) 住民等からの空家等に関する相談への対応に関する事項
(8) 空家等に関する対策の実施体制に関する事項
(9) その他空家等に関する対策の実施に関し必要な事項
3 市町村は、空家等対策計画を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
4 市町村は、都道府県知事に対し、空家等対策計画の作成及び変更並びに実施に関し、情報の提供、技術的な助言その他必要な援助を求めることができる。
(協議会)
第7条 市町村は、空家等対策計画の作成及び変更並びに実施に関する協議を行うための協議会(以下この条において「協議会」という。)を組織することができる。
2 協議会は、市町村長(特別区の区長を含む。以下同じ。)のほか、地域住民、市町村の議会の議員、法務、不動産、建築、福祉、文化等に関する学識経験者その他の市町村長が必要と認める者をもって構成する。
3 前2項に定めるもののほか、協議会の運営に関し必要な事項は、協議会が定める。
(都道府県による援助)
第8条 都道府県知事は、空家等対策計画の作成及び変更並びに実施その他空家等に関しこの法律に基づき市町村が講ずる措置について、当該市町村に対する情報の提供及び技術的な助言、市町村相互間の連絡調整その他必要な援助を行うよう努めなければならない。
(立入調査等)
第9条 市町村長は、当該市町村の区域内にある空家等の所在及び当該空家等の所有者等を把握するための調査その他空家等に関しこの法律の施行のために必要な調査を行うことができる。
2 市町村長は、第14 条第1項から第3項までの規定の施行に必要な限度において、当該職員又はその委任した者に、空家等と認められる場所に立ち入って調査をさせることができる。
3 市町村長は、前項の規定により当該職員又はその委任した者を空家等と認められる場所に立ち入らせようとするときは、その5日前までに、当該空家等の所有者等にその旨を通知しなければならない。ただし、当該所有者等に対し通知することが困難であるときは、この限りでない。
4 第2項の規定により空家等と認められる場所に立ち入ろうとする者は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。
5 第2項の規定による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(空家等の所有者等に関する情報の利用等)
第10条 市町村長は、固定資産税の課税その他の事務のために利用する目的で保有する情報であって氏名その他の空家等の所有者等に関するものについては、この法律の施行のために必要な限度において、その保有に当たって特定された利用の目的以外の目的のために内部で利用することができる。
2 都知事は、固定資産税の課税その他の事務で市町村が処理するものとされているもののうち特別区の存する区域においては都が処理するものとされているもののために利用する目的で都が保有する情報であって、特別区の区域内にある空家等の所有者等に関するものについて、当該特別区の区長から提供を求められたときは、この法律の施行のために必要な限度において、速やかに当該情報の提供を行うものとする。
3 前項に定めるもののほか、市町村長は、この法律の施行のために必要があるときは、関係する地方公共団体の長その他の者に対して、空家等の所有者等の把握に関し必要な情報の提供を求めることができる。
(空家等に関するデータベースの整備等)
第11条 市町村は、空家等(建築物を販売し、又は賃貸する事業を行う者が販売し、又は賃貸するために所有し、又は管理するもの(周辺の生活環境に悪影響を及ぼさないよう適切に管理されているものに限る。)を除く。以下第13条までにおいて同じ。)に関するデータベースの整備その他空家等に関する正確な情報を把握するために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
(所有者等による空家等の適切な管理の促進)
第12条 市町村は、所有者等による空家等の適切な管理を促進するため、これらの者に対し、情報の提供、助言その他必要な援助を行うよう努めるものとする。
(空家等及び空家等の跡地の活用等)
第13条 市町村は、空家等及び空家等の跡地(土地を販売し、又は賃貸する事業を行う者が販売し、又は賃貸するために所有し、又は管理するものを除く。)に関する情報の提供その他これらの活用のために必要な対策を講ずるよう努めるものとする。
(特定空家等に対する措置)
第14条 市町村長は、特定空家等の所有者等に対し、当該特定空家等に関し、除却、修繕、立木竹の伐採その他周辺の生活環境の保全を図るために必要な措置(そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態又は著しく衛生上有害となるおそれのある状態にない特定空家等については、建築物の除却を除く。次項において同じ。)をとるよう助言又は指導をすることができる。
2 市町村長は、前項の規定による助言又は指導をした場合において、なお当該特定空家等の状態が改善されないと認めるときは、当該助言又は指導を受けた者に対し、相当の猶予期限を付けて、除却、修繕、立木竹の伐採その他周辺の生活環境の保全を図るために必要な措置をとることを勧告することができる。
3 市町村長は、前項の規定による勧告を受けた者が正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかった場合において、特に必要があると認めるときは、その者に対し、相当の猶予期限を付けて、その勧告に係る措置をとることを命ずることができる。
4 市町村長は、前項の措置を命じようとする場合においては、あらかじめ、その措置を命じようとする者に対し、その命じようとする措置及びその事由並びに意見書の提出先及び提出期限を記載した通知書を交付して、その措置を命じようとする者又はその代理人に意見書及び自己に有利な証拠を提出する機会を与えなければならない。
5 前項の通知書の交付を受けた者は、その交付を受けた日から5日以内に、市町村長に対し、意見書の提出に代えて公開による意見の聴取を行うことを請求することができる。
6 市町村長は、前項の規定による意見の聴取の請求があった場合においては、第3項の措置を命じようとする者又はその代理人の出頭を求めて、公開による意見の聴取を行わなければならない。
7 市町村長は、前項の規定による意見の聴取を行う場合においては、第3項の規定によって命じようとする措置並びに意見の聴取の期日及び場所を、期日の3日前までに、前項に規定する者に通知するとともに、これを公告しなければならない。
8 第6項に規定する者は、意見の聴取に際して、証人を出席させ、かつ、自己に有利な証拠を提出することができる。
9 市町村長は、第3項の規定により必要な措置を命じた場合において、その措置を命ぜられた者がその措置を履行しないとき、履行しても十分でないとき又は履行しても同項の期限までに完了する見込みがないときは、行政代執行法(昭和23年法律第43号)の定めるところに従い、自ら義務者のなすべき行為をし、又は第三者をしてこれをさせることができる。
10 第3項の規定により必要な措置を命じようとする場合において、過失がなくてその措置を命ぜられるべき者を確知することができないとき(過失がなくて第1項の助言若しくは指導又は第2項の勧告が行われるべき者を確知することができないため第3項
に定める手続により命令を行うことができないときを含む。)は、市町村長は、その者の負担において、その措置を自ら行い、又はその命じた者若しくは委任した者に行わせることができる。この場合においては、相当の期限を定めて、その措置を行うべき旨及びその期限までにその措置を行わないときは、市町村長又はその命じた者若しくは委任した者がその措置を行うべき旨をあらかじめ公告しなければならない。
11 市町村長は、第3項の規定による命令をした場合においては、標識の設置その他国土交通省令・総務省令で定める方法により、その旨を公示しなければならない。
12 前項の標識は、第3項の規定による命令に係る特定空家等に設置することができる。この場合においては、当該特定空家等の所有者等は、当該標識の設置を拒み、又は妨げてはならない。
13 第3項の規定による命令については、行政手続法(平成5年法律第88号)第3章(第12条及び第14条を除く。)の規定は、適用しない。
14 国土交通大臣及び総務大臣は、特定空家等に対する措置に関し、その適切な実施を図るために必要な指針を定めることができる。
15 前各項に定めるもののほか、特定空家等に対する措置に関し必要な事項は、国土交通省令・総務省令で定める。
(財政上の措置及び税制上の措置等)
第15 条 国及び都道府県は、市町村が行う空家等対策計画に基づく空家等に関する対策の適切かつ円滑な実施に資するため、空家等に関する対策の実施に要する費用に対する補助、地方交付税制度の拡充その他の必要な財政上の措置を講ずるものとする。
2 国及び地方公共団体は、前項に定めるもののほか、市町村が行う空家等対策計画に基づく空家等に関する対策の適切かつ円滑な実施に資するため、必要な税制上の措置その他の措置を講ずるものとする。
(過料)
第16条 第14条第3項の規定による市町村長の命令に違反した者は、50万円以下の過料に処する。
2 第9条第2項の規定による立入調査を拒み、妨げ、又は忌避した者は、20万円以下の過料に処する。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から起算して3月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第9条第2項から第5項まで、第14条及び第16条の規定は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(平成27年政令第50号で、本文に係る部分は、平成27 年2月26日から、ただし書に係る部分は、平成27年5月26日から施行)
(検討)
2 政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、この法律の規定について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
3、豊川市空家等対策協議会設置要綱(平成28年4月13日施行)
(設置)
第1条 空家等対策の推進に関する特別措置法(平成26年法律第127号。以下「法」という。)第7条第1項の規定に基づき、豊川市空家等対策協議会(以下「協議会」という。)を設置する。
(定義)
第2条 この要綱における用語の意義は、法において使用する用語の例による。
(所掌事務)
第3条 協議会は、次に掲げる事務を所掌する。
(1) 空家等対策計画の策定及び変更に関する事務
(2) 空家等対策計画の実施に関する事務
(3) その他空家等対策の推進に関し、協議会において必要と認める事務
(組織)
第4条 協議会は、委員及び市長(以下「委員等」という。)をもって組織する。
2 委員は、次に掲げる者のうちから市長が委嘱する。
(1) 法務、不動産、建築等に関する学識経験者
(2) 市議会の議員
(3) 公募により決定する者
(4) その他市長が必要と認める者
3 委員の総数は、15人以内とする。
(任期)
第5条 委員の任期は、2年とし、再任を妨げない。ただし、委員に欠員が生じた場合の補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。
(会長及び副会長)
第6条 協議会に会長及び副会長を置く。
2 会長は委員の互選により定め、副会長は委員のうちから会長が指名する。
3 会長は、会務を総理し、協議会を代表するとともに、協議会の会議(以下「会議」という。)の議長となる。
4 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるとき、又は会長が欠けたときは、その職務を代理する。
(会議)
第7条 会議は、会長が招集する。
2 会議は、委員等の半数以上が出席しなければ開くことができない。
3 会議の議事は、出席した委員等の過半数をもって決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。
4 市長がやむを得ない事情により会議に出席できないときは、市長があらかじめ指名する市の職員が市長に代わって会議に出席し、議事に参与し、及び議決に加わることができる。
(意見の聴取等)
第8条 協議会は、必要があると認めるときは、委員等以外の者を会議に出席させ、その説明又は意見を聴くことができる。
(委員への謝金の支払)
第9条 委員には、協議会への出席に対する謝金として、日額8,600円を支給する。
(庶務)
第10条 協議会の庶務は、建設部建築課において処理する。
(委任)
第11条 この要綱に定めるもののほか、協議会の運営に関し必要な事項は、協議会が定める。
附則
この要綱は、平成28年4月13日から施行する。
4、「特定空家等に対する措置」に関する適切な実施を図るために必要な指針(ガイドライン)における参考となる基準
PDF形式の資料では、特定空家等に対する措置」に関する適切な実施を図るために必要な指針(ガイドライン)における参考となる基準を表で示していますが、ここでは省略します。
5、「外観目視による住宅の不良度判定の手引き(案)」
PDF形式の資料では、「住宅の不良度の測定基準(木造住宅等)」(外観目視により判定できる項目)を表で示していますが、ここでは省略します。
6.用語の解説
あ行
空家等対策の推進に関する特別措置法(空家法)
適切な管理が行われていない空家等が防災、衛生、景観等の地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしていることに鑑み、地域住民の生命、身体又は財産を保護するとともに、その生活環境の保全を図り、あわせて空家等の活用を促進するため、空家等に関する施策に関し、国による基本指針の策定、市町村(特別区を含む)による空家等対策計画の作成その他の空家等に関する施策を推進するために必要な事項を定めることにより、空家等に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって公共の福祉の増進と地域の振興に寄与することを目的とした法律です。
空家等を活用した新たな住宅セーフティネット制度
平成29年4月26日に「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律の一部を改正する法律」が公布され、民間の空家等を活用して、高齢者、低額所得者、子育て世帯等の住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅の登録制度の創設、独立行政法人住宅金融支援機構による支援措置の追加など、住宅セーフティネット機能が強化されました。
空家バンク
自治体が定住促進などの目的で空家を紹介する制度で、空家バンクに登録する過程で各種助成金などの優遇措置の紹介や空家物件に関する情報を提供する制度です。
か行
居住誘導区域
平成26年8月に施行された「都市再生特別措置法等の一部を改正する法律」に基づき定められる立地適正化計画において、人口減少の中にあっても一定のエリアにおいて人口密度を維持することにより、医療、福祉、子育て支援、商業といった都市機能施設やコミュニティが持続的に確保されるよう、居住を誘導すべき区域のことをいいます。
行政代執行
国や自治体などの行政機関の命令に従わない人に対し、その本人に代わって行政機関側が強制的に撤去や排除をすることをいいます。
行政代執行法では、他の手段では実現困難で、それを放置することが「著しく公益に反する」と認められる場合に代執行できると定められており、代執行する場合、あらかじめ期限を定め、文書で戒告しなければなりません。
国立社会保障・人口問題研究所(社人研)
人口・世帯数の将来推計や社会保障費に関する統計資料の作成・調査研究などを行う、厚生労働省の政策研究機関です。
固定資産税特例措置
固定資産税は、土地、家屋、償却資産(事業のために使用する物で、かつ土地や家屋以外で構築物、機械や器具、船舶や航空機、車両や運搬具、備品や工具などの資産)といった固定資産に対する税金で、その固定資産の評価に応じて納めていただく税金です。
住宅用地(居住用家屋の敷地として、その家屋を維持し、またはその効用を果たすために使用されている一画地)では、固定資産税に係る税負担を軽減することを目的に、その面積の広さによって小規模住宅用地と一般住宅用地に分けて特例措置が適用されます。
小規模住宅用地(住戸数1戸に対して200平方メートル以下の住宅用地)では、課税標準額を価格の6分の1とし、小規模住宅用地以外での一般住宅用地では、課税標準額を価格の3分の1とする特例措置があります。
さ行
市街化区域
すでに市街地を形成している区域及びおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域として、都市計画で定めた区域のことをいいます。
市街化調整区域
市街化を抑制すべき区域として都市計画で定めた区域のことをいいます。
シェアハウス
一つの住宅を複数の人と共用し生活する居住形態、またはその賃貸住宅のことを指します。リビング、キッチン、バス・トイレは共有スペース、寝室は各人の占有スペースとすることが一般的です。
シティセールス
多くの人に住んでもらい、訪れてもらうため、まちの魅力を地域の内外に情報発信し、「まちを売り込む」ための取組みのことを指します。豊川市では、「豊川市シティセールス戦略プラン2016から2025」を平成28年3月に策定しました。
住宅・土地統計調査
我が国の住宅とそこに居住する世帯の居住状況、世帯の保有する土地等の実態を把握し、その現状と推移を明らかにするために、5年ごとに実施される調査のことをいいます。
シルバー人材センター
昭和61年の高年齢者雇用安定法によって法制化された組織で、労働意欲をもつ高年齢者に対して、地域社会の臨時的、短期的な仕事についての情報を提供する組織です。
総合計画
都市が目指す将来像を描くとともに、その実現のためのまちづくりの方向性や主な施策を定めた長期的なまちづくり計画で、市政運営の基本指針となり、全ての計画の最上位に位置づけられる計画です。豊川市では「第6次総合計画」を平成28年3月に策定しました。
た行
耐震基準の見直し
昭和53年の宮城県沖地震を契機に昭和56年に建築基準法が改正され、建物を新築する際は「震度5強で損傷しない」に加え、「震度6強から7でも倒壊しない」耐震性が義務化されました。昭和56年よりも前の基準を旧耐震基準、以降を新耐震基準と呼びます。さらに、平成7年の阪神大震災でも多くの木造建物に被害が出たことから、平成12年にも同法を改正、新基準をベースに柱を固定する金具の設置などの規定が強化されました。
宅地建物取引業協会(宅建協会)
愛知県では、公益社団法人愛知県宅地建物取引業協会が組織されており、この協会は県下最大の宅建業者団体であり、宅地建物取引業務の適正な運営と公正な取引を確保し、会員の品位の保持および資質の向上に努め、宅建業の健全な発展を図ることを目的に設立されています。
地方人口ビジョン
地方人口ビジョンは、地方版総合戦略において、まち・ひと・しごと創生の実現にむけて効果的な施策を企画立案する上で重要な基礎と位置づけられています。各地方公共団体における人口の現状を分析し、人口に関して地域住民の方の認識を共有することにより、今後目指すべき将来の方向と人口の将来の展望を提示するものです。
都市機能誘導区域
立地適正化計画で定められる居住誘導区域内において設定されるものであり、医療、福祉、子育て支援、商業等の都市機能施設を都市の骨格構造上の拠点に誘導し集約することにより、これらの各種サービスの効率的な提供を図る区域のことをいいます。
都市計画マスタープラン
今後の都市計画の指針として都市全体及び地区別の将来のあるべき姿をより具体的に明示し、地域における都市づくりの課題とこれらに対応した整備等の方針を明らかにした計画です。豊川市では、「豊川市都市計画マスタープラン」を平成23年3月に策定し、平成29年3月に改訂しました。
は行
PDCAサイクル
Plan(計画)、Do(実施)、Check(評価)、Action(改善)の4つの視点をプロセスの中に取り込むことで、プロセスを不断のサイクルとし、継続的な改善を推進するマネジメント手法のことをいいます。
非木造(住宅)
住宅の構造上の分類では使用する材料により大きく木造と非木造に区分されます。非木造のでは、鉄骨構造、鉄筋コンクリート構造、鉄骨鉄筋コンクリート構造およびコンクリートブロック構造などがあり、木構造が比較的小規模の建物に用いられることが多いのに対し、非木造である鉄骨構造では高層建築、鉄筋コンクリート構造では中規模の建物、鉄骨鉄筋コンクリート構造では大規模の建物の建造に用いられることが多くなっています。
ら行
立地適正化計画
平成26年8月に都市再生特別措置法等の一部を改正する法律が施行され、住宅及び都市機能施設の立地の適正化を図るために市町村が作成・公表する計画であり、都市全体の観点から、居住機能や商業・医療等の都市機能施設の立地、公共施設の充実等に関する包括的なマスタープランです。豊川市では、「豊川市立地適正化計画」を平成29年2月に策定し、3月に公表しました。
リノベーション
建築物の古い部分の補修や内外装の変更程度にとどまるリフォームに対し、増築・改築や建物の用途変更などにより、建物の性能を向上させたり価値を高めたりするための大規模な改造のことを指します。
リフォーム
住宅用語では住宅の増改築、内部の改装のことを指します。間取りの変更や外回りの模様替えの意味としても広く使われるようになり、和風から洋風へ、畳からフローリングへといったことから、壁や床、天井の断熱性、遮音性を高める、台所や浴室の器具を替えるなども一種のリフォームといえます。