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豊川市立小中学校の規模に関する基本方針()概要版(平成301226日現在)

 

基本方針策定の趣旨

 

少子化や人口減少が進行する中、本市では、豊川市教育大綱に基づき、「ともに学び 生きる力を育み 未来を拓く豊川の人づくり」を基本理念とする様々な教育施策を展開しており、子どもたちの成長を支える学校教育についても多くの取組を進めています。中でも学校教育施設については、少子化の動向を捉えた管理が求められており、市公共施設全体の適正配置や長寿命化の方針を踏まえた老朽校舎の改修などに取り組んでいます。

引き続き、子どもたちの健やかな成長を支えていくためには、児童生徒が安全な環境の中で、安心して学校生活を送ることができるような小中学校の環境整備が必要です。また、児童生徒が集団の中で多様な考えに触れ、認め合い、協力し合い、切磋琢磨しながら、思考力や表現力、判断力などを育んでいけるような学校規模を維持していく視点も重要です。

将来にわたって子どもたちの「生きる力」を育む学校教育環境を維持・向上させていくため、本市における小中学校の規模に着目した課題整理を行うとともに、その解決に向けた基本的な考え方や対応方針などを明らかにする「豊川市立小中学校の規模に関する基本方針」を策定します。

 

学校規模に関する現状と見通し

 

本市には、小学校が26校、中学校が10校あります。

児童生徒数は、少子化の進行に伴い減少傾向が続いています。

学級数については、戦後の児童生徒数と連動しながら増減してきましたが、近年では、児童生徒数が減少傾向にある中で、2011(平成23)年度以降は小学校12年生や中学校1年生において35人学級が編制されていること、また、特別支援学級の児童生徒数が増加傾向にあることから、横ばいの状況となっています。

今後は、児童生徒数が引き続き減少していく見込みですが、学級数については、児童生徒数の減少に比較し、緩やかな減少で推移していくものと予測されます。

 

PDF形式の資料では、児童生徒数と学級数の全体的推移に関する棒グラフ・折れ線グラフを掲載していますが、ここでは省略します。

 

豊川市としての基本的な考え方

 

(1)市立小中学校規模の標準

本市においては、「@教育活動に配慮する観点」「A児童生徒数の推移」「B学校規模の推移」「C通学距離の状況」の4点を踏まえ、小中学校の標準規模について、国と同様、小中学校ともに「12から18学級」とします。

小規模校のうち、クラス替えができない学級数(小学校は6学級、中学校は3学級)以外の規模の学校(小学校は7から11学級、中学校は4から11学級)については、実際に望まれる対応方法に差異が生じることが見込まれるため、準小規模として分類します。

 

市の区分による整理

市として設定する市立小中学校規模の区分により、各小中学校の現状と見通しに基づいて分類すると、次のとおり整理することができます。

 

以下、整理表

 

1 小学校

1から5学級 過小規模(複式学級あり)

2018年度なし

2028年度1校 萩(4学級)

2038年度2校 萩(4学級)、長沢(5学級)

6学級 小規模

2018年度5校 千両(6学級)、一宮南部(6学級)、萩(6学級)、長沢(6学級)、御津北部(6学級)

2028年度7校 天王(6学級)、千両(6学級)、一宮東部(6学級)、一宮南部(6学級)、長沢(6学級)、赤坂(6学級)、御津北部(6学級)

2038年度8校 豊川(6学級)、桜木(6学級)、天王(6学級)、千両(6学級)、一宮東部(6学級)、一宮南部(6学級)、赤坂(6学級)、御津北部(6学級)

7から8学級 準小規模

20182028年度なし

2038年度1校 金屋(7学級)

9から11学級 準小規模

2018年度3校 天王(10学級)、平尾(11学級)、一宮東部(11学級)

2028年度3校 豊川(11学級)、平尾(11学級)、金屋(11学級)

2038年度なし

12から18学級 標準規模

2018年度15校 豊川(12学級)、東部(13学級)、桜木(12学級)、豊(13学級)、牛久保(13学級)、中部(18学級)、八南(18学級)、御油(18学級)、桜町(12学級)、代田(15学級)、金屋(12学級)、一宮西部(18学級)、赤坂(12学級)、御津南部(18学級)、小坂井東(17学級)

2028年度12校 東部(12学級)、桜木(12学級)、豊(12学級)、牛久保(12学級)、中部(18学級)、御油(13学級)、桜町(12学級)、代田(14学級)、一宮西部(18学級)、御津南部(15学級)、小坂井東(15学級)、小坂井西(12学級)

2038年度13校 東部(12学級)、豊(12学級)、牛久保(12学級)、中部(17学級)、平尾(12学級)、御油(12学級)、桜町(13学級)、代田(14学級)、三蔵子(18学級)、一宮西部(18学級)、御津南部(12学級)、小坂井東(12学級)、小坂井西(12学級)

19から30学級 大規模

2018年度3校 国府(22学級)、三蔵子(19学級)、小坂井西(20学級)

2028年度3校 八南(21学級)、国府(23学級)、三蔵子(20学級)

2038年度2校 八南(20学級)、国府(24学級)

 

2 中学校

1から2学級 過小規模(複式学級あり)

201820282038年度なし

3学級 小規模

201820282038年度なし

4から5学級 準小規模

20182028年度なし

2038年度1校 音羽(4学級)

6から8学級 準小規模

2018年度なし

2028年度1校 音羽(6学級)

2038年度なし

9から11学級 準小規模

2018年度2校 音羽(9学級)、御津(11学級)          

2028年度1校 御津(9学級)

2038年度2校 一宮(10学級)、御津(9学級)

12から18学級 標準規模

2018年度6校 中部(15学級)、西部(15学級)、代田(12学級)、金屋(14学級)、一宮(13学級)、小坂井(16学級)

2028年度6校 中部(16学級)、西部(18学級)、代田(13学級)、金屋(14学級)、一宮(12学級)、小坂井(15学級)

2038年度7校 東部(16学級)、南部(15学級)、中部(15学級)、西部(16学級)、代田(12学級)、金屋(13学級)、小坂井(12学級)

19から30学級 大規模

2018年度2校 東部(23学級)、南部(19学級)

2028年度2校 東部(22学級)、南部(19学級)

2038年度なし

31学級以上 過大規模

201820282038年度なし

 

(2)課題検討を行う学校規模

学校規模に関する課題については、小規模校のみならず、児童生徒の急激な増加等により発生する過大規模校の課題も全国的には見られます。しかし、引き続き少子化の進行が予測される中、本市においては、今後も過大規模となる小中学校は発生しないものと見込んでいます。

こうした状況を踏まえ、市として設定する標準規模に満たない小規模校や準小規模校に関する課題に着目し、課題解決に向けた対応方針や手順などを明らかにします。

 

小規模校等の課題

クラス替えが全部又は一部の学年でできない。

クラス同士が切磋琢磨する教育活動ができない。

クラブ活動や部活動の種類が限定される。

体育科の球技や音楽科の合唱・合奏のような集団学習の実施に制約が生じる。

経験年数、専門性、男女比等バランスのとれた教職員配置やそれらを生かした指導の充実が困難となる。

免許外指導の教科が生まれる可能性がある。(中学校)

児童生徒の人間関係や相互の評価が固定化しやすい。など

 

(3)小規模校と準小規模校におけるメリットの最大化等

小規模校と準小規模校については、一層きめ細かな指導や児童生徒が活躍できる機会を充実させて学校規模によるメリットを最大化していくこと、また、児童生徒が多様な考えに触れたり、切磋琢磨したりする機会を充実させて学校規模によるデメリットを緩和していくことが重要です。

豊川市教育大綱の基本理念に基づく教育施策を展開する中で、小規模校と準小規模校におけるメリットを最大化し、デメリットを緩和できるよう、各校における教育活動などを支援していきます。

 

(4)複式編制の回避

本市においては、将来的に、一部の小学校について、複式学級が編制される過小規模校への移行が見込まれます。

 

小学校で複式学級を編制する場合

教職員が複数学年を行き来しながら直接指導と間接指導を組み合わせて授業を行う際に、児童の集中力が途切れやすくなったり、単式学級の場合と比較して直接指導の時間が少なくなったりすることなどが想定されます。

 

市としては、市内の児童生徒を対象とする学校教育の機会均等やその水準の維持・向上の観点から、複式編制を回避するという方向性の中で、小規模の小学校に関する課題解決に向けた対応を進めていきます。

その対応においては、次のようないくつかの具体的な取組を想定し、複数の取組を段階的に実施することも念頭に、地域住民の十分な理解と協力を得ながら協議していきます。

1 学校統合(隣接する学校と統合し、学校規模を維持)

2 通学区域の見直し(通学区域の一部について、隣接する学校の通学区域に編入)

3 学校選択制の導入(入学する学校を選べるようにする制度)

4 関連する取組としての小中一貫教育(9年間を通じた教育課程を編成し、系統的な教育を目指す教育)

 

(5)学校教育施設の適正管理

市立小中学校の規模に関する課題解決にあたっては、教育活動に配慮する観点に加え、児童生徒が過ごす学校教育施設の安全性や機能を、将来にわたって持続的に確保していく適正管理の観点も重要と捉え、具体的な対応を進めていきます。

 

課題解決に向けた対応方針                        

 

市立小中学校の規模に関する課題解決に向けた検討などを円滑に進めていくため、教育委員会としての対応方針や手順を明らかにします。

 

課題解決に向けた対応の手順

 

教育委員会・豊川市立小中学校の規模に関する基本方針

 

1年度目

毎年度、小学校区別に未就学年齢の人口(前年度末現在)を把握。

児童生徒数の推計により、次年度以降6年間における学校規模の見通しを把握。

市長部局と連携・協議しながら、小規模校や準小規模校に関して対応。

 

小規模校

 

複式編制が見込まれる小学校

1年度目

児童数の将来見通しや小規模化に関する課題などを関係者へ説明。

関係者と行政がともに議論する場を設けることを提案。  

(関係者の合意)

 

2から3年度目

学校運営協議会又は別に設置する検討組織と協議しながら、学校統合、学校選択制などの取組について検討。

必要に応じて意見聴取やアンケートを実施。

検討状況や選択しようとする取組の内容によっては、同一中学校区内の小学校又は中学校の関係者に伝達すべき情報を提供し、協議するなどの対応を実施。

 

4年度目

具体的な取組の実施に係る計画を策定

 

5から6年度目

各種手続き等

市総合教育会議における協議、市立小・中学校通学区域審議会における審議、市教育委員会における関係規則の議決等、市議会における関係条例の議決等、その他必要な各種協議(関係者との協議など)

7年度目以降

具体的な取組の実施又は準備着手

準備に要する期間は、具体的な取組の内容や状況により異なるものと想定

 

6学級で推移する小学校

学校規模によるメリットの最大化とデメリットの緩和に寄与する学校教育活動を支援。

1学級当たりの児童数にも着目した学校規模の推移と更なる小規模化の動向を把握し、複式編制の可能性について注視。

 

3学級が見込まれる中学校

学校規模によるメリットの最大化とデメリットの緩和に寄与する学校教育活動を支援。

1学級当たりの生徒数にも着目した学校規模の推移と更なる小規模化の動向を把握し、生徒の学習活動に与える影響について注視。

 

準小規模校

 

7から11学級で推移する小学校

学校規模によるメリットの最大化とデメリットの緩和に寄与する学校教育活動を支援。

児童数の推移と更なる小規模化の動向を把握。

 

4から11学級で推移する中学校

学校規模によるメリットの最大化とデメリットの緩和に寄与する学校教育活動を支援。

生徒数の推移と更なる小規模化の動向を把握。

 

地域住民等で構成する組織から、学校統合などの取組に向けた検討を希望する申し出があった場合には、「複式編成が見込まれる小学校」に係る方針に準じて対応。

 

留意すべき事項

 

小中学校の小規模化に関する課題解決にあたっては、次のような事項に留意しながら対応を進めていきます。

 

教育上、学校運営上の最適化

通学距離・時間への配慮

保護者や地域住民との連携

将来見通しを踏まえた学校教育施設の改修

行政内の連携

個別の学校の状況把握

 

以上