パブリックコメント「豊川市建築物耐震改修促進計画」テキスト版資料 第3章
更新日:2013年1月4日
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第3章建築物の耐震化の現状と目標
建築物の構造耐力に関しては、建築基準法及び建築基準法施行令で定められており、この法令が昭和56年6月に大きく改正されました。この基準(以下、「新耐震」という)によって建築された建築物は、阪神・淡路大震災等その後の大きな地震でも概ね耐震性を有するとされています。
一方、この改正の前に(以下、「新耐震以前」という)建築された建築物は阪神・淡路大震災等の地震で大きな被害を受けたものが多く耐震性に疑問があるとされています。
1.住宅の耐震化の現状と目標
(1)住宅の耐震化の現状
本市内における平成19年1月現在の住宅の耐震化の状況は、居住世帯のある住宅総数45,062戸のうち、耐震性があると判断されるものは、30,644戸となっており、68.0%の住宅で耐震性があると推計されます。耐震性がないと判断される住宅は14,418戸(32.0%)であり、これらの住宅の耐震化を促進することが住民の生命・財産の保護に重要です。
表 本市における耐震性のある住宅の割合
木造・非木造に分けて、耐震性のある住宅と耐震性のない住宅の現状を表で示しています。この場合の耐震性のある住宅とは、新耐震以降に建築された新耐震建築物と耐震化が確認されている建築物を指します。
(2)住宅の耐震化の目標
住宅については、国の基本方針及び県の耐震化目標を踏まえ、平成27年度までの耐震化の目標を90%とします。住宅は、戸建て住宅、長屋、共同住宅(賃貸・分譲)を含み全ての住宅を対象に目標を定めます。
平成19年1月現在の耐震化率約68%(30,644棟/45,062棟)から、平成27年度時点で耐震化率約90%(44,118棟/49,020棟)を目標とします。
表 住宅の目標
平成27年度までに耐震化に対する施策が必要な戸数を表で示しています。平成27年度の住宅数は49,020棟と推計され、耐震化率を90%とすると耐震性を有する住宅は44,118棟必要です。
これに対して平成19年1月現在で耐震性を有する住宅は、30,644棟です。この先平成27年までに新たに建築される住宅は、耐震性を有していることや取り壊される住宅なども考慮すると、今後施策を講じて耐震化を促進する必要がある住宅は2,548戸です。
■木造住宅無料耐震診断の結果
平成14年から平成18年までに1,926棟が耐震診断を受けており、そのうち「倒壊又は大破壊の危険性ありとされた住宅が49.7%」「やや危険とされた住宅が33.1%」「一応安全・安全とされた住宅が17.2%」です。
■木造住宅耐震改修補助の結果
平成15年から平成18年までに111棟が耐震改修補助を受けており、補助対象となる改修工事費は平均128万でした(補助制度利用上限は60万円)。
■木造住宅無料耐震診断・改修補助実績の推移
木造住宅無料耐震診断と改修補助の実績をグラフで示しています。耐震診断は平成15年の755棟が最も多く、耐震改修は平成16年の36棟がもっとも多くなっています。
【参考:国が示す「住宅・建築物の耐震化の現状と目標」】
耐震化の現状
耐震性が不十分な住宅・建築物は、住宅総数4,700万戸のうち1,150万戸(25%)、住宅以外の建築物の総数340万棟のうち120万棟(35%)、特定建築物※の総数36万棟のうち9万棟(25%)と推計。
※特定建築物:階数が3以上かつ延べ面積が1,000平方メートル以上の学校、病院、百貨店等の多数の者が利用する建築物
今後10年間の耐震化の目標
住宅の目標:耐震化率:約75%→9割
特定建築物の目標:耐震化率:約75%→9割
目標達成のために必要な戸数(棟数)
目標達成のためには、建替えについて従来よりも増加させるとともに、耐震改修のペースを従来の2~3倍で行うことが必要。現在の耐震改修は約5万戸/年のところを約10~15万戸/年にする必要があります。
出典:改正建築物の耐震改修の促進に関する法律・同施行令等の解説(平成18年2月)
【参考:愛知県による民間木造住宅耐震診断・耐震改修費補助事業の実施状況】
愛知県では、旧基準木造住宅(昭和56年5月以前着工)を対象に、平成14年度から「愛知県民間木造住宅耐震診断事業」を、平成15年度から「愛知県民間木造住宅耐震改修費補助事業」が実施されています。これにより、平成17年度の末までに約58,000棟の耐震診断が実施され、そのうち約3,000棟の耐震改修に対して補助が行われています。
その結果、耐震診断を受診した木造住宅のうち約57%が「倒壊又は大破の危険あり」と判断されています。また、耐震改修工事費は平均して約174万円という結果となっています。
2.特定建築物の耐震化の現状と目標
(1)特定建築物の耐震化の現状
1)多数の者が利用する建築物の耐震化の現状
本市における、耐震改修促進法第6条第1号に規定する用途の建築物の耐震化の現状(新耐震の建築物を含む、平成19年12月現在)は、耐震化率(それぞれの対象となる建築物の合計に対し、新耐震の建築物及び新耐震以前の建築物のうち地震に対する安全性が確保されている建築物の割合)が約78%であり、耐震性が確認されていない建築物の棟数は109棟となっています。
表 本市における耐震改修促進法第6条第1号に規定する用途の建築物の耐震化の現状
耐震改修促進法第6条第1号に規定する用途の建築物の耐震化の現状を公共建築物、市有建築物、民間建築物のそれぞれについて耐震性のある建築物、耐震性のない建築物の棟数を表で示しています。
2)危険物の貯蔵場又は処理場の用途に供する建築物の耐震化の現状
耐震改修促進法第6条第2号に規定する用途の建築物のうち、新耐震以前の建築物は、本市内に4棟あります。これらは、石油類を貯蔵又は処理する大規模な工場です。
表 本市における耐震改修促進法第6条第2号に規定する用途の建築物数
耐震改修促進法第6条第2号に規定する用途の建築物の耐震化の状況を表で示しています。
3)地震発生時に通行を確保すべき道路沿道の建築物の耐震化の現状
地震発生時に通行を確保すべき道路沿道の建築物(耐震改修促進法第6条第3号に規定する建築物)のうち、耐震性を有していない可能性がある新耐震以前の建築物は、名鉄豊川線諏訪町駅周辺や主要地方道豊川新城線沿道のうち主要地報道国府・馬場線以北に集中している。
また、棟数をみると、対象となる特定建築物は233棟あり、そのうち耐震性を有していない可能性がある建築物は86棟となっている。
表 本市における耐震改修促進法第6条第3号に規定する用途の建築物数
耐震改修促進法第6条第3号に規定する用途の建築物の状況を県が指定する道路沿道の建築物と市が設定する道路沿道の建築物のそれぞれについて表で示しています。県が指定する道路沿道の建築物は124棟あり、そのうち耐震性を有しない建築物は57棟、市が設定する道路沿道の建築物は109棟あり、そのうち耐震性を有しない建築物は29棟です。
(2)特定建築物の耐震化の目標
1)多数の者が利用する建築物の目標
多数の者が利用する建築物については、平成27年度までの耐震化の目標を約90%とします。また、用途分類毎の耐震化の目標は「表 多数の者が利用する建築物の目標」に示すとおりです。
平成19年12月現在の耐震化率約78%(387棟/496棟)から、平成27年度時点で耐震化率約90%(447棟/496棟)を目標とします。
2)危険物の貯蔵場または処理場の用途に供する建築物の目標
危険物の貯蔵場または処理場の用途に供する建築物(民間建築物)については、災害応急対策活動に必要な施設又は愛知県地域防災計画で定められた第1次、第2次緊急輸送路並びに本計画に位置づける市が設定する地震発生時に通行を確保すべき道路に隣接するものについて耐震化を進め、平成27年度までの耐震化の目標を100%とします。
平成19年12月現在の耐震化率0%(0棟/4棟)から、平成27年度時点で耐震化率100%(4棟/4棟)を目標とします。
3)地震発生時に通行を確保すべき道路沿道の建築物の目標
地震発生時に通行を確保すべき道路沿道の建築物については、緊急車両の通行や地域住民の安全な避難のために、建築物の倒壊を防ぎ道路の機能を維持する必要があることから、平成27年度までの耐震化の目標を約90%とします。
平成19年12月現在の耐震化率約63%(147棟/233棟)から、平成27年度時点で耐震化率約90%(210棟/233棟)を目標とします。
表 多数の者が利用する建築物の目標
耐震改修促進法第6条第1号に規定する建築物について、災害応急対策活動に必要な公共及び民間施設、これ以外の公共施設、民間施設のそれぞれの耐震化の現状と目標を表で示しています。