注意書

このページは、視覚障害のある方などで、音声読み上げソフトを使って閲覧される方のために、図、表等を控えて作成したページです。省略した図、表、その他内容の詳細は、所管課へお問合せください。

 

3期豊川市教育振興基本計画(案)概要版(令和4年 月 )

 

目次

 

項目1 計画の位置づけ

項目2 計画の期間

項目3 第3期豊川市教育振興基本計画の骨子

項目4 計画推進のために

 

以下、本文

 

項目1 計画の位置づけ

この計画は、教育基本法第17条第2項の規定に基づく本市の教育振興のための施策に関する基本的な計画であり、第6次豊川市総合計画を上位計画とし、各種計画と連携する教育分野の総合的な計画です。

 

項目2 計画の期間

この計画は、令和4年度から令和8年度までの5年間を計画期間とします。

 

項目3 第3期豊川市教育振興基本計画の骨子

 

1 基本理念

 

本市は、第1期計画で定めた基本理念「ともに学び 生きる力を育み 未来を拓く豊川の人づくり」を第2期計画においても継承し、教育分野の様々な施策や取組を展開してきました。

この基本理念は、今後における社会情勢の変化へ対応できる人づくりにおいても必要な教育の方向性を示しています。

また、第6次豊川市総合計画で定めるまちの未来像「光・緑・人 輝くとよかわ」と、同計画の政策分野「教育・文化」におけるまちづくりの目標「あらゆる世代の人が豊かな心を育んでいるまち」の実現に寄与するものです。

従って、本計画でも、これまでの基本理念を引き続き継承します。

 

基本理念

ともに学び生きる力を育み未来を拓く豊川の人づくり

 

「ともに学び」は、人々が生涯にわたり、家庭や地域、学校といったそれぞれの場で関わり合い、互いの人格を尊重しながら幅広い知識や考え方を学び合う主体的な活動と、それを支える教育のあり方を示しています。

「生きる力を育み」は、人々が社会の変化に対応しながらたくましく生きていくための豊かな人間性、社会性を育む主体的な活動と、それを支える教育のあり方を示しています。

そして、「未来を拓く豊川の人づくり」は、人々がともに学び、生きる力を育む中で、生きる喜びを感じながら支え合って生きていく明るい「未来(社会)を(切り)拓く人」を育成するという、豊川市の教育が目指す方向性を示しています。

 

2 基本理念を実現するための基本目標

 

基本理念の実現のため、本市における教育の方向性を示す4つの基本目標を定めます。

 

基本目標1 豊かな心と健やかな体を育む教育を実現します

 

自己肯定感を高めるとともに、家庭や地域などとの連携の中で自分と他者をともに大切にできる心を育むことや、自分の健康について主体的に考え健康の保持増進の基礎をつちかうことが重要です。

そのため、地域社会との様々な関わりの中で、他者を思いやり自分の行動を見つめ直す活動を充実させるとともに、体力や運動能力の向上に向けた取組を行います。

 

基本目標2 新しい時代に活躍できる確かな学力を育成します

 

超スマート社会(Society5.0)の到来や、グローバル化が一層進展する中、子どもたちが新たな時代の担い手として、変化を前向きに受け止め、予測困難な時代を自立的に生きていく資質・能力を育んでいくことが重要です。

そのため、多様な教育課題へのきめ細かな対応を進め、子どもたち一人ひとりの状況や適性に応じた教育を行います。

 

基本目標3 豊かな人生を自らが築く学習社会を確立します

 

人口減少や少子高齢化が進行していく中、人生100年時代を迎えようとしています。その中で、ライフステージに応じた学習機会の確保や学習成果の地域への還元が課題です。

そのため、すべての人々が生涯にわたって学び、活躍できるように、学習活動や文化・芸術・スポーツ活動などに参加するきっかけづくりを支援します。

 

基本目標4 安全安心で持続可能な教育環境づくりを進めます

 

社会や経済の情勢は大きく変化し、教育に求められるニーズが日々、多様化・複雑化する中、学校教育環境を充実させるとともに、あらゆる世代の人々がスポーツや生涯学習、読書などに親しむ環境を整備することが求められています。

そのため、学校をはじめとした教育環境を充実させ、魅力ある取組を展開していくとともに、次世代を担う子どもたちのため、安全安心に学べる教育環境を将来にわたって確保します。

 

3 施策の展開にあたっての視点

 

基本目標に基づく施策を効果的に展開していくにあたり、必要と捉える視点を示します。

 

1)地域ぐるみで教育の推進

家庭、地域、学校、行政は、従前から、それぞれに果たすべき教育的な役割に応じて協働して教育活動に取り組んでいますが、社会情勢の変化や地域の実情に応じた活動を展開するため、今後は、大学、企業、NPOなどの関係機関とも相互に連携しながら、地域ぐるみで豊川の人づくりを進めていきます。

 

1 家庭の役割

家庭は、すべての教育の出発点です。家族のふれあいを通して、子どもの基本的な生活習慣や倫理観、自制心や自立心などが育まれることから、教育の第一義的な責任を有する保護者は、子どもたちを温かな心で優しく包みながら、一般社会生活の基本を教える責務があります。

 

2 地域の役割

地域は、子どもたちが社会の一員としての自覚を育む場であることから、地域ぐるみで子どもたちの健全な育成を支える立場により、家庭教育や学校教育を支援していくことが望まれます。また、近年の家庭環境の多様化に伴い、子育てについての不安や困難を抱えた家庭が地域で孤立しないよう、地域ぐるみで家庭教育を支える仕組みづくりが一層求められます。

加えて、人々の生涯にわたる学びの実践の場は地域にも数多くあり、個人の学習成果が地域における市民活動として還元されるような仕組みづくりが望まれます。

 

3 学校の役割

学校は、すべての子どもたちが社会で生きていく上で必要な「知・徳・体」を育む場であり、発達段階に応じた教育をバランスよく実践し、健やかな心身の育成を図る役割を担っています。

 

4 行政の役割

行政は、家庭や地域、学校がそれぞれの教育機能を十分に発揮できるよう、様々な支援を計画的に進めていく責務があります。

また、教育行政を担う教育委員会のみならず、子育て支援や保健、福祉、交通安全、防犯、防災などを担う各行政機関が互いに連携し、活動していくことが求められています。

 

5 大学・企業・NPOなどとの連携

大学・企業・NPOなど、多様な主体と協働・連携し、各主体の強みを生かしながら、子どもたちの学びや成長を支えるとともに、市民の多様なニーズに応じた学習機会を提供することが求められています。

 

2)質の高い教育の実現に向けた人材・財源の効果的な活用

教育は、個人の社会参加の基礎を育むと同時に、その成果が社会全体に還元され、社会の活力増進の原動力となります。

教育を未来への投資と捉え、人材や財源を効果的に活用しながら、すべての市民の学習機会の確保や個人の発達段階などに配慮した質が高く切れ目のない教育活動を目指していきます。

 

3)多様性理解の推進

すべての人が自分らしく生きていくことができるよう、多様な価値観を理解し、年齢や性別、国籍、障害の有無などにかかわらず、「ともに生きる社会」に向けて取組を進めていきます。

 

4ICTなどの積極的な利活用

GIGAスクール構想の実現に向け、11台端末や高速大容量ネットワークなどを利活用した個別最適な学びと協働的な学びを進めていきます。

また、超スマート社会(Society5.0)を生きていくために必要な資質・能力を育むため、生活や生涯学習など様々な場面においてICTなどの利活用を進めていきます。

 

5)施設の適正な管理

学校施設は、児童生徒の学習と生活の場であることから、安心して勉学に集中でき、充実した学校生活が送れるような環境を整えるため、安全安心を重視した学校施設の改修や環境改善に重点的に取り組んでいきます。

また、昭和40年代の高度経済成長時代に整備が進んだ数多くの学校施設や社会教育施設、スポーツ施設について、著しく老朽化が進んでおり、その対策が急務となっています。施設を最適な状態で持続可能なものとしていくため、限られた行政資源を最大限に活用し、質の高い行政サービスを提供する行政経営改革の視点に立ち、少子化の動向も踏まえた施設総量の適正化と長寿命化に取り組んでいきます。

 

6)非常時への備え

災害や感染症発生時などの緊急事態においても、必要な教育活動を継続するため、「新しい生活様式」を踏まえ、一人ひとりの健康に対する意識を向上させるとともに、健やかに学習できるような衛生環境の整備や新しい時代に応じた教育環境、持続可能な施設・設備の整備を進めていきます。

 

4 施策の展開

 

基本目標1 豊かな心と健やかな体を育む教育を実現します

 

施策1 家庭教育・子育ての支援

主な取組

家庭教育活動の支援、親子参加の講座などの開催、幼児教育研究会の開催、乳幼児期からの保護者への支援、子育てへの支援・相談の実施、放課後児童クラブの充実

 

施策2 道徳教育の充実

主な取組

「特別の教科道徳」を核にした道徳教育の推進、家庭・地域・学校の連携による開かれた道徳教育の推進、体験活動を通した道徳性の育成

 

施策3 人権教育・多様性理解の推進

主な取組

豊川市小中学校人権教育研究会の充実、教育活動全体を通して行う人権教育・多様性理解の推進、人権に関する講座・研修会への教職員の参加、人権尊重意識の啓発、障害者の権利擁護に関する取組の実施     

 

施策4 いじめ・不登校などへの対応

主な取組

早期発見・早期対応に向けた取組の推進、臨床心理士などによる教育相談の充実、豊川市不登校対策委員会の取組の推進、適応指導教室「さくらんぼ」における支援、豊川市要保護児童対策地域協議会の開催   

 

施策5 学校における体験活動の充実

主な取組

異年齢との交流活動の実施、人や社会との関わり方を考える体験活動の実施、文化的行事・宿泊的行事の実施、ふるさと教育の推進、子どもの文化芸術体験機会の提供       

 

施策6 読書活動の推進

主な取組

読書活動の実施、学校図書館巡回司書の配置、「マイブックプロジェクト」の推進、子ども読書活動の推進、「うち読」の普及・啓発の推進、絵本との出会い「ブックスタート」の実施、「絵本の読み聞かせ」の実施              

 

施策7 子どもの体づくりの推進

主な取組

学校体育の充実、地域における子どものスポーツ活動への支援、生活習慣病予防の推進、食に関する指導の充実、学校保健の充実 

 

基本目標2 新しい時代に活躍できる確かな学力を育成します

 

施策1 楽しくわかる授業の実践

主な取組

主体的・対話的で深い学びの推進、きめ細かな指導の推進

 

施策2 英語教育の推進

主な取組

英語指導助手の配置、英語力向上へ向けた活動の推進       

 

施策3 理数教育の推進

主な取組

理数教科への関心を高める授業の実施、理数教育支援員の配置、子どもものづくり教室の支援

 

施策4 11台端末配備による教育の充実

主な取組

ICTの活用による個別最適な学びと協働学習の推進、デジタル教科書・教材を活用した授業の実施、情報モラル教育の推進

 

施策5 環境教育・SDGsの理念を踏まえた教育の推進

主な取組

身近な地域の環境を守る環境学習、SDGsの理念を取り入れた学習活動の推進、エコ活動に関する学習の推進、緑のカーテン事業の実施           

 

施策6 日本語指導が必要な児童生徒への教育の充実

主な取組

日本語指導が必要な児童生徒への日本語教育の実施、日本語指導助手の配置、こぎつね教室の充実

 

施策7 配慮が必要な児童生徒への対応の充実

主な取組

特別支援教育の充実、特別支援教育支援員の配置、学級運営支援員の拡充、就学援助の実施、学習支援・相談体制の充実 

 

施策8 進路指導の充実

主な取組

キャリアパスポートを活用したキャリア教育の実施、働くことの意義を体感する職場体験学習の実施、地元高校生・地域企業との連携強化

 

施策9 社会の担い手となるための教育の推進

主な取組

主権者教育の推進、小学校プログラミング教育の実施、科学や技術に興味をもつ児童生徒の育成

 

施策10 教職員のさらなる資質の向上

主な取組

教職員研修の充実、教職員国内研修派遣の実施

 

基本目標3 豊かな人生を自らが築く学習社会を確立します

 

施策1 生涯学習の振興

主な取組

多様なニーズに対応した学習メニューの展開、学びを広げる学習情報・学習機会の充実、学習成果の発表・活用による人材育成、学習成果が生きるまちづくりの支援、ジオスペース館を有効活用した学習支援と情報発信 

 

施策2 生涯の健康を支える力の育成

主な取組

地域とつながる食育の推進、喫煙・飲酒・薬物乱用の防止、健康づくり意識の啓発

 

施策3 生涯スポーツの振興

主な取組

地域スポーツの推進、スポーツイベントの開催支援、スポーツ選手・団体への活動支援、トップレベルに触れる機会の充実、スポーツツーリズムの推進     

 

施策4 図書館サービスの充実

主な取組

図書館資料の充実、コラボ展示・コラボイベントの実施、電子図書館サービスの充実、図書館体験会の実施、「図書館まつり」や「図書館検定」などのイベントの実施       

 

施策5 文化遺産の継承と新たな文化の創造

主な取組

文化遺産の保護・活用の環境づくり、文化遺産継承の取組の推進、平和学習の推進、文化芸術の独自性の確立          

 

基本目標4 安全安心で持続可能な教育環境づくりを進めます

 

施策1 児童生徒の安全安心の確保

主な取組

防災教育の推進、教職員の防災意識の向上、交通安全教育の推進、通学路の安全管理への取組、学校安全緊急情報共有化広域ネットワークの活用、防犯・防災設備の充実、学校給食における衛生・安全管理の徹底、学校生活における新しい生活様式の取組による感染防止意識の向上、登下校の見守り活動の推進     

 

施策2 開かれた学校づくりを目指す教育活動

主な取組

特色ある学校づくりの推進、開かれた学校づくり、学校からの情報発信、学校サポーターによる学校支援、学校評価の公表、部活動の外部講師の活用

 

施策3 学校教育環境の整備

主な取組

老朽校舎などの計画的な整備、学習環境の整備、教育用ICT機器などの適正な運用管理、学校図書の充実、学校給食施設の長寿命化と適正な管理   

 

施策4 地域教育力の向上支援

主な取組

地域人材の活用による交流活動や体験活動などの充実、子ども・若者への各種支援

 

施策5 スポーツ環境の整備

主な取組

スポーツ施設の整備、スポーツ施設の適正な管理運営、学校施設の開放推進

 

施策6 生涯学習環境の整備

主な取組

生涯学習施設の活用、高等教育機関との連携

 

施策7 読書環境の充実

主な取組

図書館と学校などとの連携強化の推進、図書館施設などの整備

 

施策8 学校における働き方改革

主な取組

ICT機器・校務支援システムの有効活用、専門スタッフ・地域人材などとの連携・分担による業務の削減、休日部活動の地域移行への検討、文化事業の開催方法などの見直し、教職員のメンタルヘルス維持への取組     

 

施策9 将来を見据えた学校施設の整備

主な取組

複式編成回避に向けた小規模校の支援、35人学級への対応

 

項目4 計画推進のために

 

1 計画の振興管理

本計画の実効性を確保するためには、各施策の取組の状況や成果を点検・評価し、次なる取組に生かしていくことが重要です。

計画の進行管理として、計画(Plan)実施(Do)点検・評価(Check)改善(Action)のPDCAサイクルにより、点検・評価の結果と改善すべき内容を反映しながら、各施策の取組を進めていきます。

点検・評価については、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第26条の規定に基づく「教育に関する事務の管理及び執行の状況の点検・評価」として毎年度実施します。

また、関係する数値を捉えた目標指標を施策ごとに設定し、計画期間前の実績値を基準としながら、計画期間の最終段階における目標値を定めます。この目標値に対する達成度を点検・評価における一つの参考として改善に生かしながら、各施策の効果を高めていくことを目指します。

 

2 情報の発信と収集

計画の推進にあたっては、地域ぐるみの視点にたって、本市が目指す教育の方向性や施策の内容などを、ホームページなどの活用により分かりやすく情報発信していきます。

また、変化を続ける社会情勢の中で、教育に関する市民のニーズが多様化・複雑化していることから、引き続き、市民意識調査や各種アンケート調査などにより市民や児童生徒の意識、実態を把握するとともに、教育全般にわたる最新の情報を収集し、柔軟な発想により新たな課題にも対応しながら、豊川の人づくりを進めていきます。