1-1、改定の背景と目的

全国的に人口減少、少子高齢化社会が進む中で、既存家屋の老朽化等に伴い、空家等が年々増加し、長期にわたり、十分な手入れが成されず放置された結果、防災・衛生・景観等の面で周辺の生活環境に深刻な影響を及ぼしていることが、大きな社会問題となっています。こうした空家等に対する施策を進めるため、平成26年11月に「空家等対策の推進に関する特別措置法（以下、「空家法」という。）」が公布され、平成27年5月に完全施行されました。

本市においても、平成30年3月に「豊川市空家等対策計画（以下、「前計画」という。）」を策定し、様々な空家等対策を展開してきました。平成28年度におこなった空家等実態調査をもとにして、主に空家相談での聞き取り調査や現地調査などにより空家等に関するデータベースを整備し、市内の空家問題を把握するとともに、除きゃくや利活用の促進など問題解決に向けた取組みを進めてきました。

令和4年6月時点で、市内の空家総数は892件、空家率は1.4ﾊﾟｰｾﾝﾄと、平成28年度の実態調査結果と比べると、ともに減少傾向になっていますが、社会的には人口減少や高齢化のさらなる進展が予想されており、空家等の対策は、環境・防災・衛生・景観等の地域住民の良好な生活環境を保全する上で今後も継続的に取組む必要があります。そのため、これまでの空家等対策の取組みを検証しながら、総合的かつ計画的に空家等対策をより一層推進するため、「豊川市空家等対策計画（以下、「本計画」という。）」を改定しました。

1-2、位置づけ

本計画は、空家法第4条及び第6条に基づき、本市の実情を踏まえた対策を総合的かつ計画的に実施するため、国の基本指針に即して定めます。

また、市の上位計画である「第6次豊川市総合計画」との整合を図るとともに、関連計画である「豊川市都市計画マスタープラン」等との連携を図るものとします。

PDF形式の資料では、計画の位置づけのイメージ図を記載していますが、ここでは省略します。

1-3、SDGsへの取組

平成27年（2015年）9月の国連サミットで、地球上の誰一人として取り残さず、持続可能な世界を実現するための目標として、「SDGs（Sustainable Development Goalsの略称：和訳・持続可能な開発目標）」が採択されました。このSDGsは、平成28年（2016年）から令和12年（2030年）までの国際目標で、17のゴール・169のターゲットから構成されており、これからの環境問題、まちづくりを考える上での世界の潮流となっています。

本市においても「第６次豊川市総合計画」の中で、近年における世界の潮流や社会情勢の変化で新たな対応が必要となる重要な課題としてSDGsへの取組を掲げており、各政策分野との関連性を明確にしながら、各種取組を推進していくとしています。

その内容を踏まえ、「豊川市空家等対策計画」では、SDGsに掲げられた17の目標のうち、以下に示す目標が関連すると考えられ、これらの目標達成に向けて、本計画を推進していきます。

PDF形式の資料では、SDGsにおける17の目標一覧を図示していますが、ここでは省略します。

本計画に関連するSDGsの目標

11住み続けられるまちづくりを

12つくる責任つかう責任

13気候変動に具体的な対策を

17ﾊﾟｰﾄﾅｰｼｯﾌﾟで目標を達成しよう

本計画は、「第6次豊川市総合計画実施計画」の「政策3【建設・整備】、施策①住環境の整備」に記載されている関連する3つの目標（11、13、17）に、生活環境の環境面、衛生面を考慮した目標12を加えた4つの目標が関連します。

1-4、対象区域

空家等の発生は市内の特定の地域に限定されないため、対象区域は市内全域とします。

なお、空家等の現状分析などについては、中学校区を基本とした10区分の地域を考慮した分析を行い、各地域の現状と課題を把握した上で、施策を検討します。

PDF形式の資料では、計画の対象地区の位置を豊川市全図で表していますが、ここでは省略します。

なお、中学校区を基本とした10区分の地域とは

東部地域は東部中学校区

南部地域は南部中学校区

中部地域は中部中学校区

西部地域は西部中学校区

だいだ地域はだいだ中学校区

金屋地域は金屋中学校区

一宮地域は一宮中学校区

音羽地域は音羽中学校区

みと地域はみと中学校区

こざかい地域はこざかい中学校区です。

1-5、計画期間

本計画の対象期間は令和5年度からの5年間（令和5年度から令和9年度）とします。

ただし、社会状況の変化や国の各種施策の内容を踏まえ、必要に応じて計画の見直しを行います。

1-6、空家等の種類

本計画で対象とする「空家等」とは、空家法第2条第1項で定義されている「空家等」を対象とし、居住その他の使用がなされていない空家等のうち、戸建ての空家等を主な対象とします。

空家等の定義

建築物（注釈1）又はこれに附属する工作物（注釈2）であって、居住その他の使用がなされていない（注釈3）ことが常態（注釈4）であるもの及びその敷地（立木その他の土地に定着する物を含む。）をいう。ただし、国又は地方公共団体が所有し、又は管理するものを除く。

注釈1、「建築物」とは建築基準法（昭和25年法律第201号）第2条第1号の「建築物」と同義であり、土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱又は壁を有するもの（これに類する構造のものを含む）、これに附属する門又は塀等をいいます。

注釈2、「附属する工作物」とは、ネオン看板など門又は塀以外の建築物に附属する工作物が該当します。

注釈3、「居住その他の使用がなされていない」とは、人の日常生活が営まれていない、営業が行われていないなど、当該建築物等を現に意図を持って用いていないことをいいます。

注釈4、「常態」とは、おおむね年間を通して建築物等の使用実績がないことが基準となります。

第2章、現状と課題

2-1、空家等を取り巻く社会動向

（1）空家等に関する全国的な動向

1、空家等に関連する計画や指針等の改正等

住生活基本計画（全国計画）の改定

住宅政策の指針となる「住生活基本計画（全国計画）」が令和3年3月に改定され、新たな計画が閣議決定されました。

この計画では、「社会環境の変化」「居住者・コミュニティ」「住宅ストック・産業」の3つの視点から8つの目標が設定されており、空家等に関しては2つの目標に以下のように位置づけられました。

目標1では、空家等の既存住宅活用を重視することで、地方、郊外、複数地域での居住を推進することを基本的な施策としています。

目標7では、空家の適切な管理を促進するとともに、周辺の居住環境に悪影響を及ぼす空家の除きゃくや、立地・管理状況の良好な空家の多様な利活用を推進するための基本的な施策を定めています。

PDF形式の資料では、住生活基本計画の空家等に関する改定内容を図示していますが、ここでは省略します。

「住生活基本計画（全国計画）」における空家等対策のいちづけ

視点1、「社会環境の変化」の視点

目標1、「新たな日常」やDXの進展等に対応した新しい住まい方の実現

(1)国民の新たな生活観をかなえる居住の場の多様化及び生活状況に応じて住まいを柔軟に選択できる居住の場の柔軟化の推進

基本的施策、空き家等の既存住宅活用を重視し、賃貸住宅の提供や物件情報の提供等を進め、地方、郊外、複数地域での居住を推進

視点3、「住宅ストック・産業」の視点

目標7、空き家の状況に応じた適切な管理・除きゃく・利活用の一体的推進

(1)空き家の適切な管理の促進とともに、周辺の居住環境に悪影響を及ぼす空き家の除きゃく

基本的施策、所有者等による適切な管理の促進

周辺の居住環境に悪影響を及ぼす管理不全空き家の除きゃく等や特定空家等に係る対策の強化

地方公共団体と地域団体等が連携し相談体制を強化し、空き家の発生抑制や空き家の荒廃化の未然防止、除きゃく等を推進

所有者不明空き家について、財産管理制度の活用等の取組を拡大。

(2)立地・管理状況の良好な空き家の多様な利活用の推進

基本的施策、空き家・空き地バンクを活用しつつ、古民家等の空き家の改修・DIY等を進め、セカンドハウスやシェア型住宅等、多様な二地域居住・多地域居住を推進

中心市街地等において、地方創生やコンパクトシティ施策等と一体となって、除きゃくと合わせた敷地せいじょや、ランドバンクを通じた空き家・空き地の一体的な活用・売却等による総合的な整備を推進

空き家の情報収集や調査研究活動、発信、教育・広報活動を通じて空き家対策を行う民間団体等の取組を支援

空家法に基づく基本的指針の改正

空家等に関する施策を総合的かつ計画的に実施するため、平成27年2月に法の一部施行とともに基本的な指針が定められました。その後、法施行後の取組状況や地方公共団体からの要望等を踏まえ、空家等の発生の抑制、利活用、除きゃく等の取組を強力に推進する必要があることから、基本的指針の一部改正が令和3年6月に行われました。

改正のポイント

1、特定空家等の対象には「将来著しく保安上危険又は著しく衛生上有害な状態になることが予見される」空家等も含まれる旨を記載

ガイドラインにおいて、特定空家等の判断に際して参考となる基準に「将来著しく保安上危険又は著しく衛生上有害な状態になることが予見される場合」の参考となる考え方の例を記載

2、所有者等の所在を特定できない場合等において、民法上の財産管理制度を活用するために、市町村長が不在者財産管理人又は相続財産管理人の選任の申立てを行うことが考えられる旨を記載

3、地域の空家等対策に取り組むNPO等の団体について、協議会の構成員の例に加えるとともに、専門的な相談について連携して対応することを記載など

特定空家等に対する措置に関するガイドラインの改正

平成２７年５月に法を全面施行するとともに、市町村が特定空家等の判断の参考となる基準等及び特定空家等に対する措置に係る手続について、参考となる考え方として、「特定空家等に対する措置に関するガイドライン」を示しました。その後、法施行後の取組状況や地方公共団体からの要望等を踏まえ、特定空家等への対応を推進するため、令和３年６月にガイドラインが改正されました。

改正のポイント

1、空家等の所有者等の特定に係る調査手法、国外居住者の調査方法及び所有者等を特定できない場合の措置について記載

2、災害が発生し、又はまさに災害が発生しようとしている場合は災害対策基本法に基づく措置も考えられる旨を記載

3、外見上はいわゆる長屋等であっても、それぞれの住戸が別個の建築物である場合には、空家法の対象となる旨を記載など

2、「令和元年空き家所有者実態調査」からみた所有者意識

この実態調査は、国土交通省において、近年、空家の管理不全による地域の防災性・防犯性の低下や居住環境の悪化などの外部不経済（空家問題）が全国的に社会問題化していることに鑑み、全国の空家所有者について実態を把握し、住生活基本計画（全国計画）における空家に関する基本的施策の検討等に資する基礎資料を得ることを目的として実施されました。

人が住まなくなった理由

人が住まなくなった（空家になった）理由として、本市が含まれる「大都市圏　市部（注釈）」においては、「別の住宅への転居」が45.6ﾊﾟｰｾﾝﾄともっとも高く、次いで所有者の「死亡」の37.6ﾊﾟｰｾﾝﾄとなっています。

注釈、「大都市圏市部」の定義とは、中京大都市圏の中心市である名古屋市への5歳以上通勤・通学者数の割合が当該市町村の常住人口の1.5ﾊﾟｰｾﾝﾄ以上であり，かつ中心市と連接している市町村とされております。

人が住まなくなった理由（市町村の属性別）の内訳は次の通りです。

総数　別の住宅へ転居41.9ﾊﾟｰｾﾝﾄ　老人ホーム等の施設に入居5.9ﾊﾟｰｾﾝﾄ　転勤、入院などにより長期不在3.5ﾊﾟｰｾﾝﾄ　死亡40.1ﾊﾟｰｾﾝﾄ　不詳8.6ﾊﾟｰｾﾝﾄ

大都市圏　市部　別の住宅へ転居45.6ﾊﾟｰｾﾝﾄ　老人ホーム等の施設に入居4.7ﾊﾟｰｾﾝﾄ　転勤、入院などにより長期不在3.8ﾊﾟｰｾﾝﾄ　死亡37.6ﾊﾟｰｾﾝﾄ　不詳8.3ﾊﾟｰｾﾝﾄ

大都市圏　郡部　別の住宅へ転居48.3ﾊﾟｰｾﾝﾄ　老人ホーム等の施設に入居3.4ﾊﾟｰｾﾝﾄ　転勤、入院などにより長期不在3.4ﾊﾟｰｾﾝﾄ　死亡34.7ﾊﾟｰｾﾝﾄ　不詳10.2ﾊﾟｰｾﾝﾄ

大都市圏以外　市部　別の住宅へ転居40.5ﾊﾟｰｾﾝﾄ　老人ホーム等の施設に入居6.8ﾊﾟｰｾﾝﾄ　転勤、入院などにより長期不在3.3ﾊﾟｰｾﾝﾄ　死亡40.4ﾊﾟｰｾﾝﾄ　不詳8.9ﾊﾟｰｾﾝﾄ

大都市圏以外　郡部　別の住宅へ転居34.7ﾊﾟｰｾﾝﾄ　老人ホーム等の施設に入居5.6ﾊﾟｰｾﾝﾄ　転勤、入院などにより長期不在3.3ﾊﾟｰｾﾝﾄ　死亡49.3ﾊﾟｰｾﾝﾄ　不詳7.1ﾊﾟｰｾﾝﾄ

出典：令和元年度空き家所有者実態調査（国土交通省住宅局）

管理をする上での課題

回答者全体では「管理の作業が大変」と「課題はない」が約3割と同程度となっていますが、市町村の属性別でみると「大都市圏市部」においては、「課題がない」が36.5ﾊﾟｰｾﾝﾄともっとも高くなっています。

管理をする上での課題（回答者全体）の内訳は次の通りです。

遠方に住んでいるので管理が困難21.0ﾊﾟｰｾﾝﾄ

管理の作業が大変29.8ﾊﾟｰｾﾝﾄ

管理費用の負担が重い21.6ﾊﾟｰｾﾝﾄ

管理を頼める人や業者がいない4.4ﾊﾟｰｾﾝﾄ

住宅を利用する予定がないので管理しても無駄になる26.0ﾊﾟｰｾﾝﾄ

課題はない30.2ﾊﾟｰｾﾝﾄ

不明・不詳7.2ﾊﾟｰｾﾝﾄ

出典：令和がん年度空き家所有者実態調査（国土交通省住宅局）

管理をする上での課題（市町村の属性別）の内訳は次の通りです。

大都市圏　市部　遠方に住んでいるので管理が困難16.1ﾊﾟｰｾﾝﾄ　管理の作業が大変25.5ﾊﾟｰｾﾝﾄ　管理費用の負担が重い21.8ﾊﾟｰｾﾝﾄ　管理を頼める人や業者がいない3.6ﾊﾟｰｾﾝﾄ　住宅を利用する予定がないので管理しても無駄になる21.8ﾊﾟｰｾﾝﾄ　課題はない36.5ﾊﾟｰｾﾝﾄ

大都市圏　郡部　遠方に住んでいるので管理が困難24.0ﾊﾟｰｾﾝﾄ　管理の作業が大変33.3ﾊﾟｰｾﾝﾄ　管理費用の負担が重い24.0ﾊﾟｰｾﾝﾄ　管理を頼める人や業者がいない6.2ﾊﾟｰｾﾝﾄ　住宅を利用する予定がないので管理しても無駄になる25.6ﾊﾟｰｾﾝﾄ　課題はない26.4ﾊﾟｰｾﾝﾄ

大都市圏以外　市部　遠方に住んでいるので管理が困難21.7ﾊﾟｰｾﾝﾄ　管理の作業が大変31.7ﾊﾟｰｾﾝﾄ　管理費用の負担が重い20.9ﾊﾟｰｾﾝﾄ　管理を頼める人や業者がいない4.8ﾊﾟｰｾﾝﾄ　住宅を利用する予定がないので管理しても無駄になる28.4ﾊﾟｰｾﾝﾄ　課題はない27.5ﾊﾟｰｾﾝﾄ

大都市圏以外　郡部　遠方に住んでいるので管理が困難31.7ﾊﾟｰｾﾝﾄ　管理の作業が大変33.2ﾊﾟｰｾﾝﾄ　管理費用の負担が重い24.4ﾊﾟｰｾﾝﾄ　管理を頼める人や業者がいない4.3ﾊﾟｰｾﾝﾄ　住宅を利用する予定がないので管理しても無駄になる28.0ﾊﾟｰｾﾝﾄ　課題はない25.7ﾊﾟｰｾﾝﾄ

出典：令和がん年度空き家所有者実態調査（国土交通省住宅局）

今後の利用意向

今後の利用意向については、回答者全体、市町村の属性別ともに「空き家にしておく」が高い割合を占めていますが、大都市圏では「売却」の割合が高くなる傾向となっています。

今後の利用意向（市町村の属性別）の内訳は次の通りです。

総数　売却17.3ﾊﾟｰｾﾝﾄ　賃貸5.3ﾊﾟｰｾﾝﾄ　寄付・贈与1.3ﾊﾟｰｾﾝﾄ　住む（リフォームまたは建て替えて住む場合を含む）7.0ﾊﾟｰｾﾝﾄ　取り壊す13.2ﾊﾟｰｾﾝﾄ　セカンドハウスなどとして利用18.1ﾊﾟｰｾﾝﾄ　空き家にしておく（物置を含む）28.0ﾊﾟｰｾﾝﾄ　不明・不詳10.7ﾊﾟｰｾﾝﾄ

大都市圏　市部　売却19.2ﾊﾟｰｾﾝﾄ　賃貸6.3ﾊﾟｰｾﾝﾄ　寄付・贈与0.7ﾊﾟｰｾﾝﾄ　住む（リフォームまたは建て替えて住む場合を含む）10.1ﾊﾟｰｾﾝﾄ　取り壊す12.4ﾊﾟｰｾﾝﾄ　セカンドハウスなどとして利用18.3ﾊﾟｰｾﾝﾄ　空き家にしておく（物置を含む）23.8ﾊﾟｰｾﾝﾄ　不明・不詳9.2ﾊﾟｰｾﾝﾄ

大都市圏　郡部　売却20.2ﾊﾟｰｾﾝﾄ　賃貸4.7ﾊﾟｰｾﾝﾄ　寄付・贈与2.3ﾊﾟｰｾﾝﾄ　住む（リフォームまたは建て替えて住む場合を含む）4.7ﾊﾟｰｾﾝﾄ　取り壊す7.0ﾊﾟｰｾﾝﾄ　セカンドハウスなどとして利用20.9ﾊﾟｰｾﾝﾄ　空き家にしておく（物置を含む）28.7ﾊﾟｰｾﾝﾄ　不明・不詳11.7ﾊﾟｰｾﾝﾄ

大都市圏以外　市部　売却16.7ﾊﾟｰｾﾝﾄ　賃貸5.1ﾊﾟｰｾﾝﾄ　寄付・贈与1.2ﾊﾟｰｾﾝﾄ　住む（リフォームまたは建て替えて住む場合を含む）5.8ﾊﾟｰｾﾝﾄ　取り壊す14.5ﾊﾟｰｾﾝﾄ　セカンドハウスなどとして利用15.7ﾊﾟｰｾﾝﾄ　空き家にしておく（物置を含む）31.0ﾊﾟｰｾﾝﾄ　不明・不詳9.9ﾊﾟｰｾﾝﾄ

大都市圏以外　郡部　売却13.4ﾊﾟｰｾﾝﾄ　賃貸3.3ﾊﾟｰｾﾝﾄ　寄付・贈与3.3ﾊﾟｰｾﾝﾄ　住む（リフォームまたは建て替えて住む場合を含む）3.8ﾊﾟｰｾﾝﾄ　取り壊す10.6ﾊﾟｰｾﾝﾄ　セカンドハウスなどとして利用30.2ﾊﾟｰｾﾝﾄ　空き家にしておく（物置を含む）26.7ﾊﾟｰｾﾝﾄ　不明・不詳8.8ﾊﾟｰｾﾝﾄ

出典：令和がん年度空き家所有者実態調査（国土交通省住宅局）

賃貸・売却する上での課題

賃貸・売却する上での課題としては、「買い手・借り手の少なさ」が42.3ﾊﾟｰｾﾝﾄともっとも高く、次いで「住宅の傷み」が30.5ﾊﾟｰｾﾝﾄ、「設備や建具の古さ」が26.9ﾊﾟｰｾﾝﾄとなっています。

賃貸・売却する上での課題（回答者全体）の内訳は次の通りです。

広さや部屋数8.8ﾊﾟｰｾﾝﾄ

住宅の傷み30.5ﾊﾟｰｾﾝﾄ

設備や建具の古さ26.9ﾊﾟｰｾﾝﾄ

住宅の耐震性15.6ﾊﾟｰｾﾝﾄ

リフォーム費用21.4ﾊﾟｰｾﾝﾄ

再建築不可（道路付けの悪さなど）7.2ﾊﾟｰｾﾝﾄ

公共交通の便15.1ﾊﾟｰｾﾝﾄ

地域の高齢化や人口減少19.8ﾊﾟｰｾﾝﾄ

買い手・借り手の少なさ42.3ﾊﾟｰｾﾝﾄ

その他9.0ﾊﾟｰｾﾝﾄ

課題はない13.7ﾊﾟｰｾﾝﾄ

不詳6.6ﾊﾟｰｾﾝﾄ

出典：令和がん年度空き家所有者実態調査（国土交通省住宅局）

空き家にしておく理由

空き家にしておく理由としては、「物置として必要」が60.3ﾊﾟｰｾﾝﾄともっとも高く、次いで「解体費用をかけたくない」が46.9ﾊﾟｰｾﾝﾄ、「さら地にしても使い道がない」が36.7ﾊﾟｰｾﾝﾄとなっています。

空家にしておく理由（回答者全体）の内訳は次の通りです。

物置として必要60.3ﾊﾟｰｾﾝﾄ

仏壇など他に保管場所がないものがある23.2ﾊﾟｰｾﾝﾄ

将来、自分や親族が使うかもしれない33.1ﾊﾟｰｾﾝﾄ

資産として保有し続けたい10.2ﾊﾟｰｾﾝﾄ

労力や手間をかけたくない18.8ﾊﾟｰｾﾝﾄ

特に困っていない24.7ﾊﾟｰｾﾝﾄ

住宅の質の低さ（古い、狭いなど）33.2ﾊﾟｰｾﾝﾄ

道路付けの悪さ12.8ﾊﾟｰｾﾝﾄ

交通の便の悪さ12.9ﾊﾟｰｾﾝﾄ

満足できる価格で売れそうにない12.6ﾊﾟｰｾﾝﾄ

満足できる家賃で貸せそうにない7.0ﾊﾟｰｾﾝﾄ

リフォーム費用をかけたくない23.8ﾊﾟｰｾﾝﾄ

買い手・借り手の少なさ13.4ﾊﾟｰｾﾝﾄ

好きなときに利用や処分ができなくなる33.8ﾊﾟｰｾﾝﾄ

他人に貸すことに不安がある18.3ﾊﾟｰｾﾝﾄ

解体費用をかけたくない46.9ﾊﾟｰｾﾝﾄ

取り壊すと固定資産税が高くなる25.6ﾊﾟｰｾﾝﾄ

さら地にしても使い道がない36.7ﾊﾟｰｾﾝﾄ

不詳0.4ﾊﾟｰｾﾝﾄ

出典：令和がん年度空き家所有者実態調査（国土交通省住宅局）

（2）統計資料等からみた空家の推移と現状

1、空家の推移

「平成30年住宅・土地統計調査」（総務省）によると、全国で空家総数は約849万戸で空家率は13.6ﾊﾟｰｾﾝﾄとなっており、増加傾向となっています。一方、愛知県における空家率の推移をみると平成25年の12.3ﾊﾟｰｾﾝﾄから平成30年では11.3ﾊﾟｰｾﾝﾄと減少傾向に転じています。

本市における空家率の推移をみると、平成5年から平成25年までは増加傾向で推移していましたが、平成25年から平成30年にかけては減少傾向に転じています。平成30年では、空家総数が9,310戸、空家率が11.8ﾊﾟｰｾﾝﾄとなっており、空家総数、空家率ともに減少傾向となり、県の空家率に対しては若干上回っているものの、国の空家率に対しては下回る結果となっています。

国における空家の推移は次の通りです。

平成5年の住宅数45,878,800戸　空家数4,475,800戸　空家率9.8ﾊﾟｰｾﾝﾄ

平成10年の住宅数50,246,000戸　空家数5,764,100戸　空家率11.5ﾊﾟｰｾﾝﾄ

平成15年の住宅数53,890,900戸　空家数6,593,300戸　空家率12.2ﾊﾟｰｾﾝﾄ

平成20年の住宅数57,586,000戸　空家数7,567,900戸　空家率13.1ﾊﾟｰｾﾝﾄ

平成25年の住宅数60,628,600戸　空家数8,195,600戸　空家率13.5ﾊﾟｰｾﾝﾄ

平成30年の住宅数62,407,400戸　空家数8,488,600戸　空家率13.6ﾊﾟｰｾﾝﾄ

愛知県における空家の推移は次の通りです。

平成5年の住宅数2,414,300戸　空家数228,900戸　空家率9.5ﾊﾟｰｾﾝﾄ

平成10年の住宅数2,681,000戸　空家数298,900戸　空家率11.1ﾊﾟｰｾﾝﾄ

平成15年の住宅数2,898,800戸　空家数333,400戸　空家率11.5ﾊﾟｰｾﾝﾄ

平成20年の住宅数3,132,900戸　空家数343,600戸　空家率11.0ﾊﾟｰｾﾝﾄ

平成25年の住宅数3,439,000戸　空家数422,000戸　空家率12.3ﾊﾟｰｾﾝﾄ

平成30年の住宅数3,481,800戸　空家数393,800戸　空家率11.3ﾊﾟｰｾﾝﾄ

豊川市における空家の推移は次の通りです。

平成5年の住宅数35,720戸　空家数3,290戸　空家率9.2ﾊﾟｰｾﾝﾄ

平成10年の住宅数40,490戸　空家数4,130戸　空家率10.2ﾊﾟｰｾﾝﾄ

平成15年の住宅数46,630戸　空家数5,410戸　空家率11.6ﾊﾟｰｾﾝﾄ

平成20年の住宅数72,240戸　空家数8,400戸　空家率11.6ﾊﾟｰｾﾝﾄ

平成25年の住宅数73,420戸　空家数10,250戸　空家率14.0ﾊﾟｰｾﾝﾄ

平成30年の住宅数79,130戸　空家数9,310戸　空家率11.8ﾊﾟｰｾﾝﾄ

出典：平成5年以前は「住宅統計調査」（総務省）、平成10年以降は「住宅・土地統計調査」（総務省）

注釈、平成20年の統計情報は合併前のこざかい町を含む戸数です。

なお、「住宅・土地統計調査」（総務省）は、町村については人口15,000人以上が集計地域であるため、平成15年以前は現在の市域の集計ではありません。

参考として、豊川市における「住宅･土地統計調査」の変遷は次の通りです。

豊川市は平成5年から平成25年全て調査内容に戸数表示あり。

こざかい地区（平成22年2月1日編入合併）は、平成5年から平成20年は調査内容に戸数表示あり。平成25年は編入合併により現市域に含む。

音羽地区（平成20年1月15日編入合併）は、平成5年から平成15年が調査内容に戸数表示なし。平成20年以降は編入合併により現市域に含む。

みと地区（平成20年1月15日編入合併）は、平成5年から平成15年まで調査内容に戸数表示なし。平成20年以降は編入合併により現市域に含む。

一宮地区（平成18年2月1日編入合併）は、平成5年から平成10年まで調査内容に戸数表示なし。平成15年は調査内容に戸数表示あり。平成20年以降は編入合併により現市域に含む。

出典：平成5年以前は「住宅統計調査」（総務省）、平成10年以降は「住宅・土地統計調査」（総務省）

「住宅・土地統計調査」の結果と本計画書における空家数、空家率の相違について

「住宅・土地統計調査」（総務省）は、抽出調査からの推計値であるとともに、長屋建、共同住宅等についても推計の対象に含まれているため、市が空家相談による聞き取り調査や現地調査などから独自にまとめている空家データベースの空家数及び空家率とは異なります。

2、空家の現状

空家の構造による分類

「平成30年住宅・土地統計調査」（総務省）では、本市の空家戸数の42ﾊﾟｰｾﾝﾄが一戸建て住宅、58ﾊﾟｰｾﾝﾄが共同住宅となっています。

構造別の空家戸数の内訳を、平成25年と平成30年で比較した数値は次の通りです。

一戸建木造は、平成25年が3,500戸で、平成30年が3,670戸となり、170戸の増加

一戸建非木造は、平成25年が270戸で、平成30年が250戸となり、20戸の減少

共同住宅木造は、平成25年が1,070戸で、平成30年が940戸となり、130戸の減少

共同住宅非木造は、平成25年が5,400戸で、平成30年が4,450戸となり、950戸の減少

となっています。

出典：「住宅・土地統計調査」（平成25年、平成30年）（総務省）

注釈、「住宅・土地統計調査」は標本調査であり、統計表の数値は小数点以下を四捨五入しているため、平成25年の空家数については、空家の推移で示した空家総数（10,250戸）と内訳の合計（10,240戸）は一致していません。

空家の利用状況による分類

「住宅・土地統計調査」において、空家は「二次的住宅」「賃貸用の住宅」「売却用の住宅」「その他の住宅」に分類されています。

「二次的住宅」はさらに「別荘」と「その他」に分類されます。「二次的住宅」の「別荘」とは週末や休暇時に、避暑や避寒や保養などの目的で使用される住宅で、ふだん人が住んでいない住宅などです。「その他」とは普段住んでいる住宅とは別に残業で遅くなったときに寝泊まりするなど、たまに寝泊まりしている人がいる住宅です。

「賃貸用の住宅」とは新築中古を問わず賃貸のために空家になっている住宅です。

「売却用の住宅」とは新築中古を問わず売却のために空家になっている住宅です。

「その他の住宅」とは、上記以外の人が住んでいない住宅で、例えば転勤や入院などのため居住世帯が長期にわたって不在の住宅や建て替えなどのために取り壊すことになっている住宅などです。

これらの空家のうち、「二次的住宅」、「賃貸用の住宅」、「売却用の住宅」は現に意図をもって使用され、所有者等によって管理されていると考えられます。また管理上問題となることが多いと思われる「その他住宅」については、前回調査（平成25年）から大幅に減少しています。

空家の利用状況による分類別の空家戸数の内訳を、平成25年と平成30年で比較した数値は次の通りです。

二次的住宅は、平成25年が50戸で、平成30年が30戸となり、20戸の減少

賃貸用の住宅は、平成25年が4,550戸で、平成30年が4,470戸となり、80戸の減少

売却用の住宅は、平成25年が280戸で、平成30年が320戸となり、40戸の増加

その他の住宅は、平成25年が5,370戸で、平成30年が4,500戸となり、870戸の減少

となっています。

出典：「住宅・土地統計調査」（平成25年、平成30年）（総務省）

注釈、「住宅・土地統計調査」は標本調査であり、統計表の数値は小数点以下を四捨五入しているため、平成30年の空家数について、空家の推移で示した空家総数（9,310戸）と内訳の合計（9,320戸）は一致していません。

（3）人口の現状と将来推計

1、本市の人口推移

令和2年10月1日現在の本市の人口は、184,661人となっています。「豊川市人口ビジョン（令和元年度改訂版）」によると、本市の人口は平成27年をピークに減少傾向になるという予測がされていましたが、実際には令和2年まで増加傾向となっています。しかしながら、近年の人口動態などを勘案すると今後は減少傾向になると想定され、国立社会保障・人口問題研究所の推計（平成30年3月）によると、令和27年には約163,000人となる予想となっています。

豊川市の人口の推移と将来推計

昭和35年から令和2年までの実績値と、令和12年から令和27年までの推計値は、次の通りです。

昭和35年　105,590人

昭和45年　130,997人

昭和55年　157,084人

平成2年　168,796人

平成12年　176,698人

平成22年　181,928人

令和2年　184,661人

令和12年　176,748人

令和22年　167,953人

令和27年　163,019人

出典：「豊川市人口ビジョン」（令和元年度改訂版）一部（令和2年）変更

備考1、出典元資料　昭和35年から令和2年：国勢調査による。

令和7年～令和22年：国立社会保障・人口問題研究所による推計値（平成30年3月30日公表資料）。

備考2、合併以前の年度については旧4町（一宮町、音羽町、みと町、こざかい町）の人口を含みます。

備考3、「豊川市人口ビジョン(令和元年度改訂版)」策定時（令和2年3月時点）の令和2年の推計値は181,920人（社人研・平成30年3月推計）。

2、年齢3区分別人口の推移

本市の年齢3区分別の人口を国勢調査結果でみると、生産年齢人口（15から64歳）は、平成12年の121,520人をピークに減少傾向に転じています。老年人口（65歳以上）と年少人口（14歳以下）は、平成12年から平成17年の間に比率が逆転しており、今後、老年人口は増加を続け、令和27年には総人口の34.0ﾊﾟｰｾﾝﾄが65歳以上となると予想されています。

年齢3区分別人口割合の推移は次の通りです。

平成12年は

年少人口（0から14歳）15.9ﾊﾟｰｾﾝﾄ

生産年齢人口（15から64歳）68.8ﾊﾟｰｾﾝﾄ

老年人口（65歳以上）15.3ﾊﾟｰｾﾝﾄ

平成17年は

年少人口（0から14歳）15.3ﾊﾟｰｾﾝﾄ

生産年齢人口（15から64歳）63.8ﾊﾟｰｾﾝﾄ

老年人口（65歳以上）18.0ﾊﾟｰｾﾝﾄ

平成22年は

年少人口（0から14歳）15.0ﾊﾟｰｾﾝﾄ

生産年齢人口（15から64歳）63.5ﾊﾟｰｾﾝﾄ

老年人口（65歳以上）21.0ﾊﾟｰｾﾝﾄ

平成27年は

年少人口（0から14歳）14.3ﾊﾟｰｾﾝﾄ

生産年齢人口（15から64歳）60.4ﾊﾟｰｾﾝﾄ

老年人口（65歳以上）24.8ﾊﾟｰｾﾝﾄ

令和2年は

年少人口（0から14歳）13.8ﾊﾟｰｾﾝﾄ

生産年齢人口（15から64歳）59.8ﾊﾟｰｾﾝﾄ

老年人口（65歳以上）26.4ﾊﾟｰｾﾝﾄ

令和7年は

年少人口（0から14歳）13.1ﾊﾟｰｾﾝﾄ

生産年齢人口（15から64歳）59.2ﾊﾟｰｾﾝﾄ

老年人口（65歳以上）27.7ﾊﾟｰｾﾝﾄ

令和12年は

年少人口（0から14歳）12.6ﾊﾟｰｾﾝﾄ

生産年齢人口（15から64歳）58.7ﾊﾟｰｾﾝﾄ

老年人口（65歳以上）28.7ﾊﾟｰｾﾝﾄ

令和17年は

年少人口（0から14歳）12.3ﾊﾟｰｾﾝﾄ

生産年齢人口（15から64歳）54.6ﾊﾟｰｾﾝﾄ

老年人口（65歳以上）30.0ﾊﾟｰｾﾝﾄ

令和22年は

年少人口（0から14歳）12.3ﾊﾟｰｾﾝﾄ

生産年齢人口（15から64歳）55.0ﾊﾟｰｾﾝﾄ

老年人口（65歳以上）33.7ﾊﾟｰｾﾝﾄ

令和27年は

年少人口（0から14歳）12.2ﾊﾟｰｾﾝﾄ

生産年齢人口（15から64歳）53.7ﾊﾟｰｾﾝﾄ

老年人口（65歳以上）34.0ﾊﾟｰｾﾝﾄ

注釈、年齢不詳除く

出典：「豊川市人口ビジョン」（令和元年度改訂版）一部（令和2年）変更

3、国勢調査による高齢者世帯の状況

令和2年における持ち家のある全世帯のうち、将来、空家になる可能性の高い65歳以上の単身世帯及びともに65歳以上の夫婦のみ世帯の割合は合わせて2割強を占めており、平成22年からの推移をみても17.1ﾊﾟｰｾﾝﾄから24.6ﾊﾟｰｾﾝﾄと増加傾向にあります。

豊川市の持ち家のある世帯数の詳細は

平成22年　持ち家のある全世帯数43,796世帯のうち、65歳以上単身世帯は2,895世帯（全世帯数の6.6ﾊﾟｰｾﾝﾄ）、65歳以上の夫婦のみの世帯は4,607世帯（全世帯数の10.5ﾊﾟｰｾﾝﾄ）

平成27年　持ち家のある全世帯数46,099世帯のうち、65歳以上単身世帯は4,156世帯（全世帯数の9.0ﾊﾟｰｾﾝﾄ）、65歳以上の夫婦のみの世帯は6,105世帯（全世帯数の13.2ﾊﾟｰｾﾝﾄ）

令和2年　持ち家のある全世帯数48,514世帯のうち、65歳以上単身世帯は4,991世帯（全世帯数の10.3ﾊﾟｰｾﾝﾄ）、65歳以上の夫婦のみの世帯は6,925世帯（全世帯数の14.3ﾊﾟｰｾﾝﾄ）

出典：国勢調査

2-2、本市の空家等の現状

（1）本市の空家等の推移

本市では平成28年度に実施した空家等実態調査の結果をもとに、平成29年度以降は主に空家相談での聞き取り調査や現地調査などにより、市内の空家等を随時把握し、空家データベースとして整理しています。

平成28年度当初、実態調査により把握した空家等数は1,069件でしたが、その後461件が空家等と判定されました。そのうち、現在までに解体等で取り壊された空家が530件、利活用などにより再度、人の居住が認められた建物が108件で、令和4年6月末時点での空家等数は892件となっています。

本市の空家等数の推移は、次の通りです。

当初の空家数（平成28年度の空家実態調査時点）　1,069棟

追加された空家数（平成29年度以降に空家と判定した数）　461棟

取り壊された空家数　530棟

空家ではなくなった家屋数　108棟

現在（令和4年6月末現在）の空家数　892棟

となっています。

また、令和4年の家屋現況図建物データ（全棟数102,202棟）のうち、空家等の判定を行う対象である建物概要区分が住宅である建物数65,700棟に対しての空家率は1.4ﾊﾟｰｾﾝﾄとなり、平成28年度調査時から空家率は0.4ﾊﾟｰｾﾝﾄ減少しました。

空家棟数、空家率の推移は、次の通りです。

空家棟数　

平成28年度調査時点が1,069棟で、令和4年6月末時点では、892棟となり177棟の減少

建物概要区分が住宅である建物の空家率

平成28年度調査時点が1.8ﾊﾟｰｾﾝﾄで、令和4年6月末時点では、1.4ﾊﾟｰｾﾝﾄとなり0.4ﾊﾟｰｾﾝﾄの減少

となっております。

建物概要区分が住宅である調査建物数の推移は、次の通りです。

専用住宅（一般住宅用）

平成28年度　55,366棟　令和4年　60,720棟

専用住宅（農家住宅用）

平成28年度　2,103棟　令和4年　1,977棟

農家住宅

平成28年度　1,434棟　令和4年　1,369棟

併用住宅（一般住宅）

平成28年度　1,586棟　令和4年　1,449棟

併用住宅（農家住宅）

平成28年度　32棟　令和4年　36棟

併用住宅（その他）

平成28年度　20棟　令和4年　22棟

養蚕住宅

平成28年度　143棟　令和4年　127棟

合計

平成28年度　60,684棟　令和4年　65,700棟

老朽度判定別空家棟数

老朽度判定別では、8割強が危険のないA判定となりましたが、平成28年度調査からはA判定の割合が減り、注意が必要なB判定、危険な状態であるC判定の割合が高くなっており、棟数も増加しています。

利活用判定別では、「利活用度（中）」の空家が約7割を占めていますが、平成28年度調査からは割合が減少するなど、利活用度が高いものから低いものへの移行が進んでいることがうかがえます。

老朽度判定別の空家棟数の推移は、次の通りです。

A危険なし　平成28年度調査時点980棟（全空家棟数の91.7ﾊﾟｰｾﾝﾄ）　令和4年6月末時点747棟（全空家棟数の83.7ﾊﾟｰｾﾝﾄ）

B注意　平成28年度調査時点82棟（全空家棟数の7.7ﾊﾟｰｾﾝﾄ）　令和4年6月末時点116棟（全空家棟数の13.0ﾊﾟｰｾﾝﾄ）

C危険　平成28年度調査時点7棟（全空家棟数の0.6ﾊﾟｰｾﾝﾄ）　令和4年6月末時点11棟（全空家棟数の1.2ﾊﾟｰｾﾝﾄ）

未判定　平成28年度調査時点0棟　令和4年6月末時点18棟（全空家棟数の2.1ﾊﾟｰｾﾝﾄ）

注釈、未判定とは、敷地外からのみの調査では判定ができなかったもの。

利活用度判定別の空家棟数の推移は、次の通りです。

A利活用度（高）　平成28年度調査時点34棟（全空家棟数の3.2ﾊﾟｰｾﾝﾄ）　令和4年6月末時点30棟（全空家棟数の3.4ﾊﾟｰｾﾝﾄ）

B利活用度（中）　平成28年度調査時点857棟（全空家棟数の80.2ﾊﾟｰｾﾝﾄ）　令和4年6月末時点645棟（全空家棟数の72.3ﾊﾟｰｾﾝﾄ）

C利活用度（低）　平成28年度調査時点178棟（全空家棟数の16.6ﾊﾟｰｾﾝﾄ）　令和4年6月末時点201棟（全空家棟数の22.5ﾊﾟｰｾﾝﾄ）

未判定　平成28年度調査時点0棟　令和4年6月末時点16棟（全空家棟数の1.8ﾊﾟｰｾﾝﾄ）

注釈、未判定とは、敷地外からのみの調査では判定ができなかったもの。

空家の構造別と建築年別棟数

空家の構造別では、木造が833棟、非木造が59棟となりました。また、建築年別では、耐震基準の見直し（昭和56年）が行われる昭和55年以前の建物は690棟で、耐震基準見直し後の昭和56年以降の建物は195棟、建築年不明は7棟となり、平成28年度調査からは昭和55年以前の建物の割合は減少しています。

構造別空家棟数の推移は、次の通りです。

木造　平成28年度調査時点987棟（全空家棟数の92.3ﾊﾟｰｾﾝﾄ）　令和4年6月末時点833棟（全空家棟数の93.4ﾊﾟｰｾﾝﾄ）

非木造　平成28年度調査時点82棟（全空家棟数の7.7ﾊﾟｰｾﾝﾄ）　令和4年6月末時点59棟（全空家棟数の6.6ﾊﾟｰｾﾝﾄ）

建築年別空家棟数の推移は次の通りです。

昭和55年以前に建築されたもの　平成28年度調査時点864棟（全空家棟数の80.8ﾊﾟｰｾﾝﾄ）　令和4年6月末時点690棟（全空家棟数の77.4ﾊﾟｰｾﾝﾄ）

昭和56年以降に建築されたもの　平成28年度調査時点195棟（全空家棟数の18.2ﾊﾟｰｾﾝﾄ）　令和4年6月末時点195棟（全空家棟数の21.9ﾊﾟｰｾﾝﾄ）

建築年が不明のもの　平成28年度調査時点10棟（全空家棟数の1.0ﾊﾟｰｾﾝﾄ）　令和4年6月末時点7棟（全空家棟数の0.7ﾊﾟｰｾﾝﾄ）

注釈、建築年が不明のもの：未登記家屋のため詳細が不明なもの。

（2）地域別の分布特性

本市全体の空家の分布（令和4年6月末現在）の傾向としては、こざかい地域、東部地域、西部地域で空家の分布が多くなっており、空家率ではこざかい地域、西部地域、みと地域で比較的高くなっています。

地域別の空家棟数と空家率は、次の通りです。

東部地域　全住宅棟数10,134棟　空家棟数134棟　空家率1.32ﾊﾟｰｾﾝﾄ

南部地域　全住宅棟数8,206棟　空家棟数104棟　空家率1.27ﾊﾟｰｾﾝﾄ

中部地域　全住宅棟数5,459棟　空家棟数50棟　空家率0.92ﾊﾟｰｾﾝﾄ

西部地域　全住宅棟数8,194棟　空家棟数130棟　空家率1.59ﾊﾟｰｾﾝﾄ

だいだ地域　全住宅棟数4,281棟　空家棟数61棟　空家率1.42ﾊﾟｰｾﾝﾄ

金屋地域　全住宅棟数4,950棟　空家棟数45棟　空家率0.91ﾊﾟｰｾﾝﾄ

一宮地域　全住宅棟数5,947棟　空家棟数69棟　空家率1.16ﾊﾟｰｾﾝﾄ

音羽地域　全住宅棟数4,002棟　空家棟数60棟　空家率1.50ﾊﾟｰｾﾝﾄ

みと地域　全住宅棟数5,738棟　空家棟数93棟　空家率1.62ﾊﾟｰｾﾝﾄ

こざかい地域　全住宅棟数8,789棟　空家棟数146棟　空家率1.66ﾊﾟｰｾﾝﾄ

各地域合計　全住宅棟数65,700棟　空家棟数892棟　空家率1.36ﾊﾟｰｾﾝﾄ

となっています。

また、解体などによる除きゃく率がもっとも高い東部地域では、再度、人が居住するなど空家でなくなった家屋を含む空家解消率で、この5年間で約半数の空家が解消されており、この傾向は中心市街地に近い金屋地域や南部地域でも高くなっています。

地域別の空家の除きゃく率と利活用率は、次の通りです。

東部地域　空家棟数134棟　解体された空家124棟　空家ではなくなった家屋20棟　除きゃく率44.6ﾊﾟｰｾﾝﾄ　利活用率7.2ﾊﾟｰｾﾝﾄ　空家解消率51.8ﾊﾟｰｾﾝﾄ

南部地域　空家棟数104棟　解体された空家74棟　空家ではなくなった家屋10棟　除きゃく率39.7ﾊﾟｰｾﾝﾄ　利活用率5.3ﾊﾟｰｾﾝﾄ　空家解消率45.0ﾊﾟｰｾﾝﾄ

中部地域　空家棟数50棟　解体された空家29棟　空家ではなくなった家屋8棟　除きゃく率33.3ﾊﾟｰｾﾝﾄ　利活用率9.2ﾊﾟｰｾﾝﾄ　空家解消率42.5ﾊﾟｰｾﾝﾄ

西部地域　空家棟数130棟　解体された空家74棟　空家ではなくなった家屋16棟　除きゃく率33.6ﾊﾟｰｾﾝﾄ　利活用率7.3ﾊﾟｰｾﾝﾄ　空家解消率40.9ﾊﾟｰｾﾝﾄ

だいだ地域　空家棟数61棟　解体された空家25棟　空家ではなくなった家屋4棟　除きゃく率27.8ﾊﾟｰｾﾝﾄ　利活用率4.4ﾊﾟｰｾﾝﾄ　空家解消率32.2ﾊﾟｰｾﾝﾄ

金屋地域　空家棟数45棟　解体された空家31棟　空家ではなくなった家屋6棟　除きゃく率37.8ﾊﾟｰｾﾝﾄ　利活用率7.3ﾊﾟｰｾﾝﾄ　空家解消率45.1ﾊﾟｰｾﾝﾄ

一宮地域　空家棟数69棟　解体された空家38棟　空家ではなくなった家屋8棟　除きゃく率33.0ﾊﾟｰｾﾝﾄ　利活用率7.0ﾊﾟｰｾﾝﾄ　空家解消率40.0ﾊﾟｰｾﾝﾄ

音羽地域　空家棟数60棟　解体された空家31棟　空家ではなくなった家屋8棟　除きゃく率31.3ﾊﾟｰｾﾝﾄ　利活用率8.1ﾊﾟｰｾﾝﾄ　空家解消率39.4ﾊﾟｰｾﾝﾄ

みと地域　空家棟数93棟　解体された空家46棟　空家ではなくなった家屋9棟　除きゃく率31.1ﾊﾟｰｾﾝﾄ　利活用率6.1ﾊﾟｰｾﾝﾄ　空家解消率37.2ﾊﾟｰｾﾝﾄ

こざかい地域　空家棟数146棟　解体された空家57棟　空家ではなくなった家屋19棟　除きゃく率25.7ﾊﾟｰｾﾝﾄ　利活用率8.6ﾊﾟｰｾﾝﾄ　空家解消率34.2ﾊﾟｰｾﾝﾄ

各地区合計　空家棟数892棟　解体された空家530棟　空家ではなくなった家屋108棟　除きゃく率34.6ﾊﾟｰｾﾝﾄ　利活用率7.1ﾊﾟｰｾﾝﾄ　空家解消率41.7ﾊﾟｰｾﾝﾄ

となっています。

PDF形式の資料では、豊川市全図に空家の分布状況を示していますが、ここでは省略します。

地域別の構造別と建築年別空家棟数の状況は、次の通りです。

東部地域　昭和55年以前建築106棟　昭和56年以降建築28棟　建築年不明0棟。構造別空家棟数は、木造130棟　非木造4棟

南部地域　昭和55年以前建築85棟　昭和56年以降建築19棟　建築年不明0棟。構造別空家棟数は、木造96棟　非木造8棟

中部地域　昭和55年以前建築36棟　昭和56年以降建築14棟　建築年不明0棟。構造別空家棟数は、木造47棟　非木造3棟

西部地域　昭和55年以前建築96棟　昭和56年以降建築33棟　建築年不明1棟。構造別空家棟数は、木造122棟　非木造8棟

だいだ地域　昭和55年以前建築52棟　昭和56年以降建築9棟　建築年不明0棟。構造別空家棟数は、木造56棟　非木造5棟

金屋地域　昭和55年以前建築37棟　昭和56年以降建築8棟　建築年不明0棟。構造別空家棟数は、木造38棟　非木造7棟

一宮地域　昭和55年以前建築57棟　昭和56年以降建築9棟　建築年不明3棟。構造別空家棟数は、木造66棟　非木造3棟

音羽地域　昭和55年以前建築45棟　昭和56年以降建築15棟　建築年不明0棟。構造別空家棟数は、木造54棟　非木造6棟

みと地域　昭和55年以前建築68棟　昭和56年以降建築25棟　建築年不明0棟。構造別空家棟数は、木造87棟　非木造6棟

こざかい地域　昭和55年以前建築108棟　昭和56年以降建築35棟　建築年不明3棟。構造別空家棟数は、木造137棟　非木造9棟

各地区合計　昭和55年以前建築690棟　昭和56年以降建築195棟　建築年不明7棟。構造別空家棟数は、木造833棟　非木造59棟

注釈、建築年不明：未登記家屋のため詳細が不明なもの

地域別の老朽度及び利活用度判定別空家棟数の状況は、次の通りです。

東部地域　老朽度判定危険なし113棟、注意18棟、危険2棟、未判定1棟。利活用判定、利活用度（高）2棟、利活用度（中）92棟、利活用度（低）39棟、未判定1棟。

南部地域　老朽度判定危険なし93棟、注意9棟、危険0棟、未判定2棟。利活用判定、利活用度（高）7棟、利活用度（中）86棟、利活用度（低）10棟、未判定1棟。

中部地域　老朽度判定危険なし40棟、注意9棟、危険1棟、未判定2棟。利活用判定、利活用度（高）2棟、利活用度（中）34棟、利活用度（低）14棟、未判定0棟。

西部地域　老朽度判定危険なし110棟、注意14棟、危険2棟、未判定4棟。利活用判定、利活用度（高）2棟、利活用度（中）34棟、利活用度（低）14棟、未判定0棟。

だいだ地域　老朽度判定危険なし47棟、注意12棟、危険0棟、未判定2棟。利活用判定、利活用度（高）1棟、利活用度（中）43棟、利活用度（低）15棟、未判定2棟。

金屋地域　老朽度判定危険なし40棟、注意5棟、危険0棟、未判定0棟。利活用判定、利活用度（高）2棟、利活用度（中）38棟、利活用度（低）5棟、未判定0棟。

一宮地域　老朽度判定危険なし51棟、注意14棟、危険0棟、未判定4棟。利活用判定、利活用度（高）1棟、利活用度（中）47棟、利活用度（低）18棟、未判定3棟。

音羽地域　老朽度判定危険なし54棟、注意5棟、危険0棟、未判定1棟。利活用判定、利活用度（高）3棟、利活用度（中）39棟、利活用度（低）17棟、未判定1棟。

みと地域　老朽度判定危険なし77棟、注意13棟、危険2棟、未判定1棟。利活用判定、利活用度（高）2棟、利活用度（中）58棟、利活用度（低）32棟、未判定1棟。

こざかい地域　老朽度判定危険なし122棟、注意17棟、危険4棟、未判定3棟。利活用判定、利活用度（高）7棟、利活用度（中）108棟、利活用度（低）28棟、未判定3棟。

各地区合計　老朽度判定危険なし747棟、注意116棟、危険11棟、未判定18棟。利活用判定、利活用度（高）30棟、利活用度（中）645棟、利活用度（低）201棟、未判定16棟。

注釈、未判定：敷地外からのみの調査では判定ができなかったもの。

立地適正化計画における居住誘導区域及び都市機能誘導区域内の空家棟数

関連計画である「豊川市立地適正化計画」では、将来的な人口減少の中で都市機能施設やコミュニティが持続的に確保されるよう居住を誘導すべきエリアとして「居住誘導区域」と、都市機能施設を誘導、集約することにより効率的に各種サービスの提供を図る「都市機能誘導区域」が設定されていますが、これらの区域内に分布する空家等の状況は以下のとおりとなっています。

居住誘導区域内の空家棟数は令和4年6月末時点で662棟で、平成28年の実態調査からは154棟減っていますが、区域内外の割合については大きな変化はありません。

また、都市機能誘導区域内の空家等の分布の傾向は、平成28年度調査時と同様で、豊川地区、中央通地区、諏訪地区及びこざかい地区に多く分布がみられる結果となっており、各区域ともに減少傾向となっています。特に空家の解消率の高い東部地域を含む豊川地区、中央通地区、諏訪地区で減少数が多く、次に空家数の多いこざかい地区と同程度の空家数となっています。

立地適正化計画における居住誘導区域内外の空家棟数の推移は、次の通りです。

居住誘導区域内　平成28度調査時点816棟、76.3ﾊﾟｰｾﾝﾄ、令和4年6月末時点662棟、74.2ﾊﾟｰｾﾝﾄ

居住誘導区域外　平成28度調査時点253棟、23.7ﾊﾟｰｾﾝﾄ、令和4年6月末時点230棟、25.8ﾊﾟｰｾﾝﾄ

立地適正化計画における都市機能誘導区域内の空家棟数の推移は、次の通りです。

豊川地区、中央通地区、諏訪地区　平成28度調査時点170棟、令和4年6月末時点118棟、52棟の減少

八幡地区　平成28度調査時点29棟、令和4年6月末時点28棟、1棟の減少

国府地区　平成28度調査時点58棟、令和4年6月末時点56棟、2棟の減少

一宮地区　平成28度調査時点13棟、令和4年6月末時点12棟、1棟の減少

音羽地区　平成28度調査時点18棟、令和4年6月末時点11棟、7棟の減少

みと地区　平成28度調査時点36棟、令和4年6月末時点33棟、3棟の減少

こざかい地区　平成28度調査時点111棟、令和4年6月末時点100棟、11棟の減少

各地区合計　平成28度調査時点435棟、令和4年6月末時点358棟、77棟の減少

となっております。

立地適正化計画における誘導施策

令和2年度に改定された「豊川市立地適正化計画」の誘導施策において、居住の誘導のための施策として、「空き家や低未利用地等の適正処理による居住促進」が掲げられており、特定空家等への対応の検討や、空き地・空家等の低未利用土地の有効利用を促すため、行政のコーディネートを通じて、複数の土地の利用権等の交換・集約、区画再編等により低未利用土地を一体敷地として活用促進を図る「低未利用土地権利設定等促進計画」制度の活用検討が位置付けられています。

PDF形式の資料では、豊川市全図に立地適正化計画における居住誘導区域及び都市機能誘導区域の空家等分布状況を示していますが、ここでは省略します。

地域特性からみた空家の分布状況

1、東部地域

全住宅棟数　平成28年度調査時点9,595棟、令和4年6月末時点10,134棟、539棟の増加

空家棟数　平成28年度調査時点191棟、令和4年6月末時点134棟、57棟の減少

空家率　平成28年度調査時点1.99ﾊﾟｰｾﾝﾄ、令和4年6月末時点1.34ﾊﾟｰｾﾝﾄ、0.67ﾊﾟｰｾﾝﾄの減少

建築年別空家棟数　昭和55年以前建築、平成28年度調査時点160棟、令和4年6月末時点106棟、54棟の減少、昭和56年以降建築、平成28年度調査時点31棟、令和4年6月末時点28棟、3棟の減少

構造別空家棟数　木造、平成28年度調査時点183棟、令和4年6月末時点130棟、53棟の減少、非木造、平成28年度調査時点8棟、令和4年6月末時点4棟、4棟の減少

老朽度判定別空家棟数　危険なし、平成28年度調査時点171棟、令和4年6月末時点113棟、58棟の減少、注意、平成28年度調査時点17棟、令和4年6月末時点18棟、1棟の増加、危険、平成28年度調査時点3棟、令和4年6月末時点2棟、1棟の減少

利活用判定別空家棟数　利活用度（高）、平成28年度調査時点5棟、令和4年6月末時点2棟、3棟の減少、利活用度（中）、平成28年度調査時点147棟、令和4年6月末時点92棟、55棟の減少、利活用度（低）、平成28年度調査時点39棟、令和4年6月末時点39棟、増減なし

東部地域の空家等の特性

立地適正化計画の中で中心拠点に位置づけられている「豊川地区、中央通地区、諏訪地区」の一角をなすＪＲ豊川駅、名鉄豊川稲荷駅周辺には高度な市街地が形成されており、JR豊川駅の東側では区画整理事業も進められています。

空家棟数は134棟で平成28年度調査時から57棟減少しています。解体などによる除きゃく率は44.6ﾊﾟｰｾﾝﾄで、再居住など空家でなくなった家屋を含めると、空家解消率は51.8ﾊﾟｰｾﾝﾄと半数を超えています。

2、南部地域

全住宅棟数　平成28年度調査時点7,865棟、令和4年6月末時点8,206棟、341棟の増加

空家棟数　平成28年度調査時点129棟、令和4年6月末時点104棟、25棟の減少

空家率　平成28年度調査時点1.64ﾊﾟｰｾﾝﾄ、令和4年6月末時点1.27ﾊﾟｰｾﾝﾄ、0.37ﾊﾟｰｾﾝﾄの減少

建築年別空家棟数　昭和55年以前建築、平成28年度調査時点112棟、令和4年6月末時点85棟、27棟の減少、昭和56年以降建築、平成28年度調査時点15棟、令和4年6月末時点19棟、4棟の増加

構造別空家棟数　木造、平成28年度調査時点120棟、令和4年6月末時点96棟、24棟の減少、非木造、平成28年度調査時点9棟、令和4年6月末時点8棟、1棟の減少

老朽度判定別空家棟数　危険なし、平成28年度調査時点119棟、令和4年6月末時点93棟、26棟の減少、注意、平成28年度調査時点10棟、令和4年6月末時点9棟、1棟の減少、危険、平成28年度調査時点0棟、令和4年6月末時点0棟、増減なし

利活用判定別空家棟数　利活用度（高）、平成28年度調査時点6棟、令和4年6月末時点7棟、1棟の増加、利活用度（中）、平成28年度調査時点111棟、令和4年6月末時点86棟、25棟の減少、利活用度（低）、平成28年度調査時点12棟、令和4年6月末時点10棟、2棟の減少

南部地域の空家等の特性

立地適正化計画の中で中心拠点に位置づけられている「豊川地区、中央通地区、諏訪地区」の一角である名鉄諏訪町駅周辺から(都)姫街道線にかけての区域は、商業集積とともに、市役所や中央図書館、豊川公園などが立地する文化交流の拠点が形成されています。

ＪＲ牛久保駅周辺には、古くからの密集した市街地が形成されています。

空家棟数は104棟で平成28年度調査時から25棟減少しています。解体などによる除きゃく率は39.7ﾊﾟｰｾﾝﾄで、再居住など空家でなくなった家屋を含めると、空家解消率は45.0ﾊﾟｰｾﾝﾄとなっています。

3、中部地域

全住宅棟数　平成28年度調査時点5,022棟、令和4年6月末時点5,459棟、437棟の増加

空家棟数　平成28年度調査時点63棟、令和4年6月末時点50棟、13棟の減少

空家率　平成28年度調査時点1.25ﾊﾟｰｾﾝﾄ、令和4年6月末時点0.92ﾊﾟｰｾﾝﾄ、0.33ﾊﾟｰｾﾝﾄの減少

建築年別空家棟数　昭和55年以前建築、平成28年度調査時点47棟、令和4年6月末時点36棟、11棟の減少、昭和56年以降建築、平成28年度調査時点16棟、令和4年6月末時点14棟、2棟の減少

構造別空家棟数　木造、平成28年度調査時点58棟、令和4年6月末時点47棟、11棟の減少、非木造、平成28年度調査時点5棟、令和4年6月末時点3棟、2棟の減少

老朽度判定別空家棟数　危険なし、平成28年度調査時点57棟、令和4年6月末時点40棟、17棟の減少、注意、平成28年度調査時点4棟、令和4年6月末時点9棟、5棟の増加、危険、平成28年度調査時点2棟、令和4年6月末時点1棟、1棟の減少

利活用判定別空家棟数　利活用度（高）、平成28年度調査時点2棟、令和4年6月末時点2棟、増減なし、利活用度（中）、平成28年度調査時点46棟、令和4年6月末時点34棟、12棟の減少、利活用度（低）、平成28年度調査時点15棟、令和4年6月末時点14棟、1棟の減少

中部地域の空家等の特性

名鉄八幡駅周辺は市民病院や商業機能などが立地し、立地適正化計画では地域拠点（八幡地区）として位置づけられています。

地域西側にある立地適正化計画で居住誘導区域に位置づけられている区域では、区画整理事業が進められています。

空家棟数50棟で平成28年度調査時から13棟減少しています。解体などによる除きゃく率は33.3ﾊﾟｰｾﾝﾄで、再居住など空家でなくなった家屋を含めると、空家解消率は42.5ﾊﾟｰｾﾝﾄとなっています。

4、西部地域

全住宅棟数　平成28年度調査時点7,646棟、令和4年6月末時点8,194棟、548棟の増加

空家棟数　平成28年度調査時点158棟、令和4年6月末時点130棟、28棟の減少

空家率　平成28年度調査時点2.07ﾊﾟｰｾﾝﾄ、令和4年6月末時点1.59ﾊﾟｰｾﾝﾄ、0.48ﾊﾟｰｾﾝﾄの減少

建築年別空家棟数　昭和55年以前建築、平成28年度調査時点123棟、令和4年6月末時点96棟、27棟の減少、昭和56年以降建築、平成28年度調査時点33棟、令和4年6月末時点33棟、増減なし

構造別空家棟数　木造、平成28年度調査時点147棟、令和4年6月末時点122棟、25棟の減少、非木造、平成28年度調査時点11棟、令和4年6月末時点8棟、3棟の減少

老朽度判定別空家棟数　危険なし、平成28年度調査時点142棟、令和4年6月末時点110棟、32棟の減少、注意、平成28年度調査時点16棟、令和4年6月末時点14棟、2棟の減少、危険、平成28年度調査時点0棟、令和4年6月末時点2棟、2棟の増加

利活用判定別空家棟数　利活用度（高）、平成28年度調査時点6棟、令和4年6月末時点3棟、3棟の減少、利活用度（中）、平成28年度調査時点132棟、令和4年6月末時点100棟、32棟の減少、利活用度（低）、平成28年度調査時点20棟、令和4年6月末時点23棟、3棟の増加

西部地域の空家等の特性

広域からの玄関口である名鉄国府駅は市内で最も乗降客の多い駅で、駅周辺は立地適正化計画で地域拠点（国府地区）として位置づけられているとともに、駅の東側では区画整理事業も進められています。

空家棟数130棟で平成28年度調査時から28棟減少しています。解体などによる除きゃく率は33.6ﾊﾟｰｾﾝﾄで、再居住など空家でなくなった家屋を含めると、空家解消率は40.9ﾊﾟｰｾﾝﾄとなっています。

5、だいだ地域

全住宅棟数　平成28年度調査時点3,966棟、令和4年6月末時点4,281棟、315棟の増加

空家棟数　平成28年度調査時点60棟、令和4年6月末時点61棟、1棟の増加

空家率　平成28年度調査時点1.51ﾊﾟｰｾﾝﾄ、令和4年6月末時点1.42ﾊﾟｰｾﾝﾄ、0.09ﾊﾟｰｾﾝﾄの減少

建築年別空家棟数　昭和55年以前建築、平成28年度調査時点55棟、令和4年6月末時点52棟、3棟の減少、昭和56年以降建築、平成28年度調査時点5棟、令和4年6月末時点9棟、4棟の増加

構造別空家棟数　木造、平成28年度調査時点52棟、令和4年6月末時点56棟、4棟の増加、非木造、平成28年度調査時点8棟、令和4年6月末時点5棟、3棟の減少

老朽度判定別空家棟数　危険なし、平成28年度調査時点57棟、令和4年6月末時点47棟、10棟の減少、注意、平成28年度調査時点3棟、令和4年6月末時点12棟、9棟の増加、危険、平成28年度調査時点0棟、令和4年6月末時点0棟、増減なし

利活用判定別空家棟数　利活用度（高）、平成28年度調査時点2棟、令和4年6月末時点1棟、1棟の減少、利活用度（中）、平成28年度調査時点46棟、令和4年6月末時点43棟、3棟の減少、利活用度（低）、平成28年度調査時点12棟、令和4年6月末時点15棟、3棟の増加

だいだ地域の空家等の特性

地域東部の名鉄諏訪町駅周辺は、南部地域とまたがる中心拠点（立地適正化計画の豊川地区、中央通地区、諏訪地区）の一角として位置づけられているとともに、地域の中央部は中部地域とまたがる地域拠点（立地適正化計画の八幡地区）の一部を形成しています。

空家棟数61棟で平成28年度調査時から1棟増加しています。解体などによる除きゃく率は27.8ﾊﾟｰｾﾝﾄで、再居住など空家でなくなった家屋を含めると、空家解消率は32.2ﾊﾟｰｾﾝﾄとなっています。

6、金屋地域

全住宅棟数　平成28年度調査時点4,640棟、令和4年6月末時点4,950棟、310棟の増加

空家棟数　平成28年度調査時点49棟、令和4年6月末時点45棟、4棟の減少

空家率　平成28年度調査時点1.06ﾊﾟｰｾﾝﾄ、令和4年6月末時点0.91ﾊﾟｰｾﾝﾄ、0.15ﾊﾟｰｾﾝﾄの減少

建築年別空家棟数　昭和55年以前建築、平成28年度調査時点38棟、令和4年6月末時点37棟、1棟の減少、昭和56年以降建築、平成28年度調査時点11棟、令和4年6月末時点8棟、3棟の減少

構造別空家棟数　木造、平成28年度調査時点44棟、令和4年6月末時点38棟、6棟の減少、非木造、平成28年度調査時点5棟、令和4年6月末時点7棟、2棟の増加

老朽度判定別空家棟数　危険なし、平成28年度調査時点46棟、令和4年6月末時点40棟、6棟の減少、注意、平成28年度調査時点3棟、令和4年6月末時点5棟、2棟の増加、危険、平成28年度調査時点0棟、令和4年6月末時点0棟、増減なし

利活用判定別空家棟数　利活用度（高）、平成28年度調査時点2棟、令和4年6月末時点2棟、増減なし、利活用度（中）、平成28年度調査時点45棟、令和4年6月末時点38棟、7棟の減少、利活用度（低）、平成28年度調査時点2棟、令和4年6月末時点5棟、3棟の増加

金屋地域の空家等の特性

地域南部の(都)姫街道線沿道は立地適正化計画で中心拠点（中央通地区）に位置づけられており、JR豊川駅周辺と名鉄諏訪町駅周辺を結ぶ、一体的な中心市街地を構成しています。

市内では空家の少ない地域となっており、空家棟数は45棟で平成28年度調査時から4棟減少しています。解体などによる除きゃく率は37.8ﾊﾟｰｾﾝﾄで、再居住など空家でなくなった家屋を含めると、空家解消率は45.1ﾊﾟｰｾﾝﾄとなっています。

7、一宮地域

全住宅棟数　平成28年度調査時点5,049棟、令和4年6月末時点5,947棟、898棟の増加

空家棟数　平成28年度調査時点81棟、令和4年6月末時点69棟、12棟の減少

空家率　平成28年度調査時点1.60ﾊﾟｰｾﾝﾄ、令和4年6月末時点1.16ﾊﾟｰｾﾝﾄ、0.44ﾊﾟｰｾﾝﾄの減少

建築年別空家棟数　昭和55年以前建築、平成28年度調査時点67棟、令和4年6月末時点57棟、10棟の減少、昭和56年以降建築、平成28年度調査時点11棟、令和4年6月末時点9棟、2棟の減少

構造別空家棟数　木造、平成28年度調査時点74棟、令和4年6月末時点66棟、8棟の減少、非木造、平成28年度調査時点7棟、令和4年6月末時点3棟、4棟の減少

老朽度判定別空家棟数　危険なし、平成28年度調査時点72棟、令和4年6月末時点51棟、21棟の減少、注意、平成28年度調査時点9棟、令和4年6月末時点14棟、5棟の増加、危険、平成28年度調査時点0棟、令和4年6月末時点0棟、増減なし

利活用判定別空家棟数　利活用度（高）、平成28年度調査時点1棟、令和4年6月末時点1棟、増減なし、利活用度（中）、平成28年度調査時点67棟、令和4年6月末時点47棟、20棟の減少、利活用度（低）、平成28年度調査時点13棟、令和4年6月末時点18棟、5棟の増加

一宮地域の空家等の特性

市の北東部に位置し、市街地は地域の南部、JR飯田線沿線に形成され、JR三河一宮駅周辺は立地適正化計画で地域拠点（一宮地区）として位置づけられています。

空家棟数は69棟で平成28年度調査時から12棟減少しています。解体などによる除きゃく率は33.0ﾊﾟｰｾﾝﾄで、再居住など空家でなくなった家屋を含めると、空家解消率は40.0ﾊﾟｰｾﾝﾄとなっています。

一方で全住宅数が平成28年調査と比べると898棟増えており、新築の供給量が高い地域となっています。

8、音羽地域

全住宅棟数　平成28年度調査時点3,862棟、令和4年6月末時点4,002棟、140棟の増加

空家棟数　平成28年度調査時点81棟、令和4年6月末時点60棟、21棟の減少

空家率　平成28年度調査時点2.10ﾊﾟｰｾﾝﾄ、令和4年6月末時点1.50ﾊﾟｰｾﾝﾄ、0.60ﾊﾟｰｾﾝﾄの減少

建築年別空家棟数　昭和55年以前建築、平成28年度調査時点58棟、令和4年6月末時点45棟、13棟の減少、昭和56年以降建築、平成28年度調査時点20棟、令和4年6月末時点15棟、5棟の減少

構造別空家棟数　木造、平成28年度調査時点70棟、令和4年6月末時点54棟、16棟の減少、非木造、平成28年度調査時点11棟、令和4年6月末時点6棟、5棟の減少

老朽度判定別空家棟数　危険なし、平成28年度調査時点75棟、令和4年6月末時点54棟、21棟の減少、注意、平成28年度調査時点6棟、令和4年6月末時点5棟、1棟の減少、危険、平成28年度調査時点0棟、令和4年6月末時点0棟、増減なし

利活用判定別空家棟数　利活用度（高）、平成28年度調査時点2棟、令和4年6月末時点3棟、1棟の増加、利活用度（中）、平成28年度調査時点65棟、令和4年6月末時点39棟、26棟の減少、利活用度（低）、平成28年度調査時点14棟、令和4年6月末時点17棟、3棟の増加

音羽地域の空家等の特性

市の西北部に位置し、市街地は名鉄名古屋本線沿線に形成され、名鉄名電赤坂駅周辺は立地適正化計画で地域拠点（音羽地区）として位置づけられています。

空家棟数は60棟で平成28年度調査時から21棟減少しています。解体などによる除きゃく率は31.3ﾊﾟｰｾﾝﾄで、再居住など空家でなくなった家屋を含めると、空家解消率は39.4ﾊﾟｰｾﾝﾄとなっています。

9、みと地域

全住宅棟数　平成28年度調査時点5,538棟、令和4年6月末時点5,738棟、200棟の増加

空家棟数　平成28年度調査時点103棟、令和4年6月末時点93棟、10棟の減少

空家率　平成28年度調査時点1.86ﾊﾟｰｾﾝﾄ、令和4年6月末時点1.62ﾊﾟｰｾﾝﾄ、0.24ﾊﾟｰｾﾝﾄの減少

建築年別空家棟数　昭和55年以前建築、平成28年度調査時点78棟、令和4年6月末時点68棟、10棟の減少、昭和56年以降建築、平成28年度調査時点25棟、令和4年6月末時点25棟、増減なし

構造別空家棟数　木造、平成28年度調査時点96棟、令和4年6月末時点87棟、9棟の減少、非木造、平成28年度調査時点7棟、令和4年6月末時点6棟、1棟の減少

老朽度判定別空家棟数　危険なし、平成28年度調査時点97棟、令和4年6月末時点77棟、20棟の減少、注意、平成28年度調査時点5棟、令和4年6月末時点13棟、8棟の増加、危険、平成28年度調査時点1棟、令和4年6月末時点2棟、1棟の増加

利活用判定別空家棟数　利活用度（高）、平成28年度調査時点3棟、令和4年6月末時点2棟、1棟の減少、利活用度（中）、平成28年度調査時点71棟、令和4年6月末時点58棟、13棟の減少、利活用度（低）、平成28年度調査時点29棟、令和4年6月末時点32棟、3棟の増加

みと地域の空家等の特性

市域西部の三河湾に面する地域で、名古屋、豊橋方面へ通じるJR愛知みと駅を中心に市街地が形成され、駅周辺は立地適正化計画で地域拠点（みと地区）として位置づけられています。

空家棟数は93棟で平成28年度調査時から10棟減少しています。解体などによる除きゃく率は31.1ﾊﾟｰｾﾝﾄで、再居住など空家でなくなった家屋を含めると、空家解消率は37.2ﾊﾟｰｾﾝﾄとなっています。

10、こざかい地域

全住宅棟数　平成28年度調査時点7,501棟、令和4年6月末時点8,789棟、1,288棟の増加

空家棟数　平成28年度調査時点154棟、令和4年6月末時点146棟、8棟の減少

空家率　平成28年度調査時点2.05ﾊﾟｰｾﾝﾄ、令和4年6月末時点1.66ﾊﾟｰｾﾝﾄ、0.39ﾊﾟｰｾﾝﾄの減少

建築年別空家棟数　昭和55年以前建築、平成28年度調査時点126棟、令和4年6月末時点108棟、18棟の減少、昭和56年以降建築、平成28年度調査時点28棟、令和4年6月末時点35棟、7棟の増加

構造別空家棟数　木造、平成28年度調査時点143棟、令和4年6月末時点137棟、6棟の減少、非木造、平成28年度調査時点11棟、令和4年6月末時点9棟、2棟の減少

老朽度判定別空家棟数　危険なし、平成28年度調査時点144棟、令和4年6月末時点122棟、22棟の減少、注意、平成28年度調査時点9棟、令和4年6月末時点17棟、8棟の増加、危険、平成28年度調査時点1棟、令和4年6月末時点4棟、3棟の増加

利活用判定別空家棟数　利活用度（高）、平成28年度調査時点5棟、令和4年6月末時点7棟、2棟の増加、利活用度（中）、平成28年度調査時点127棟、令和4年6月末時点108棟、19棟の減少、利活用度（低）、平成28年度調査時点22棟、令和4年6月末時点28棟、6棟の増加

こざかい地域の空家等の特性

市域南部の豊橋市境にあり名鉄伊奈駅、JR西こざかい駅、JRこざかい駅の3駅が近接して立地し、3駅周辺は立地適正化計画で地域拠点（こざかい地区）として位置づけられています。駅周辺には商業用地が分布し、周辺部は住宅用地となっています。

空家棟数は146棟で平成28年度調査時から8棟減少しています。解体などによる除きゃく率は25.7ﾊﾟｰｾﾝﾄで、再居住など空家でなくなった家屋を含めると、空家解消率は34.2ﾊﾟｰｾﾝﾄとなっています。

一方で全住宅数が平成28年調査と比べると1,288棟増えており、新築の供給量が高い地域となっています。

（3）空家等に関する相談件数

平成31年度（令和元年度）以降は、空家等に関する相談の受付件数は減少傾向にあります。

相談内容では「環境」に関するものが依然として多く、空家等にある立木の侵入や雑草の繁茂に関する相談が多く寄せられています。

「建築」に関しては、瓦の落下や倒壊のおそれがあり危険であるというものや、台風により破損した建物の飛散を心配された相談、毛虫や蜂の巣、鳥などがすみ着いているなどの「衛生」に関する相談もありました。

空家等に関する相談件数は次の通りです。

平成29年度の受付件数は84件で、相談内容の内訳は建築38件、防火6件、環境47件、衛生8　件、防犯4件、その他7件で、合計110件。解決件数は70件で解決率は83.3ﾊﾟｰｾﾝﾄです。

平成30年度の受付件数は67件で、相談内容の内訳は建築24件、防火6件、環境28件、衛生9　件、防犯4件、その他11件で、合計82件。解決件数は47件で解決率は70.1ﾊﾟｰｾﾝﾄです。

平成31年度（令和元年度）の受付件数は41件で、相談内容の内訳は建築12件、防火0件、環境27件、衛生13件、防犯0件、その他0件で、合計52件。解決件数は23件で解決率は56.1ﾊﾟｰｾﾝﾄです。

令和2年度の受付件数は43件で、相談内容の内訳は建築11件、防火1件、環境29件、衛生6件、防犯0件、その他0件で、合計47件。解決件数は28件で解決率は65.1ﾊﾟｰｾﾝﾄです。

令和3年度の受付件数は40件で、相談内容の内訳は建築6件、防火0件、環境27件、衛生10　件、防犯1件、その他2件で、合計46件。解決件数は18件で解決率は45.0ﾊﾟｰｾﾝﾄです。

合計の受付件数は275で、相談内容の内訳は建築91件、防火13件、環境158件、衛生46件、防犯9件、その他20件で、合計337件。解決件数は186件で解決率は67.6ﾊﾟｰｾﾝﾄです。

なお、受付件数とは相談の案件数であり、実際には同案件に対し複数から相談がある場合や過年度案件の相談を受ける場合もあるため、相談数としては減少しているとは限りません。相談内容には受付1件に対し項目重複ある場合があります。解決件数とは、相談の原因が解消されたことを市が確認できた件数（草木の伐採、建物の修繕、解体など）。解決率では相談内容や所有者の状況（相続問題等）によって解決に時間を要するため、新しい年度になるほど解決率が低くなっております。なお、年度を越えて、問題等が解決した場合には相談のあった該当年度の解決件数及び解決率が変わる場合があります。

（4）空家等対策に関する今までの主な取組

1、空家等の予防・適正管理に関する取組

空家等の予防・適正管理については、「啓発」、「相談」、「管理不全な空家等に対する助言等」、「特定空家等に対する措置」の4つに関する取組を進めてきました。

啓発

市ホームページや広報における啓発記事の掲載や固定資産税納税通知書へ啓発チラシの同封を行いました。

相談

空家対策に関するセミナーと専門家による個別相談会を年1回（コロナウイルス感染症拡大の影響により、令和元年度は相談会のみ、令和2年度はセミナーを動画配信、令和3年度は相談会のみで令和4年度6月に延期）開催したほか、苦情相談があった空家等の所有者等に対する所管部署からの初期指導として、文書等による改善依頼のほか、随時の相談対応（年度ごとの相談件数は34ページ参照）を行いました。

管理不全な空家等に対する助言等

空家等対策に関する業務等を提供できる事業者との連携として、令和3年度から「空家等

対策に係る協力事業者登録制度」を開始し、協力事業者の情報を公開することで空家等に関

する問題解決の促進を図っています。

特定空家等に対する措置では、令和2年3月に「豊川市特定空家等認定基準」を策定し、令和2年度に1件、令和3年度に3件、令和4年度に2件（令和4年8月現在）の特定空家等を認定し、令和3年5月に令和2年度認定物件、令和4年7月及び8月に当該年度認定物件に対する緊急安全措置を実施しました。

2、空家等の利活用に関する取組

空家等の利活用については、中古住宅としての流通促進」、「まちづくり資源としての有効活用」の2つに関する取組を進めてきました。

中古住宅としての流通促進

平成30年3月から「豊川市空家バンク」の運用を開始し、令和3年度までの累計で登録件数が44件、成約件数が32件となっています。また、令和3年度から「豊川市空家バンク利活用費補助」事業を開始し、同年度に改修費補助で2件、家財処分費補助で2件に対し補助金を交付しました。

豊川市空家バンクの平成30年度から令和3年度までの件数は次のとおりです。

平成30年度の登録件数は28件で成約件数は10件。平成31年度（令和元年度）の登録件数は7件で、成約件数は7件。令和2年度の登録件数は3件で、成約件数は8件。令和3年度の登録件数は6件で、成約件数は7件。累計の登録件数は44件で、累計成約件数は32件です。

まちづくり資源としての有効活用

中心市街地に散見される空家・空き店舗等の遊休不動産の利活用促進を目的として、「空き家見学まちあるきIn諏訪」を関連団体と連携して令和3年度に2回開催しました。

3、空家等の除きゃくに関する取組

空家等の除きゃくについては、「除きゃくの促進」、「跡地の積極的利用」のふたつに関する取組を進

めてきました。

＜除きゃくの促進＞

「老朽空家等解体費補助金」を平成30年度から開始し、令和3年度までの4年間で老朽空家解体費補助金226件、倒壊危険空家解体費補助金32件の計258件に交付されました。前計画策定後に取り壊された空家数は519件であるため、約半数で解体費補助金が活用されました。

老朽空家等解体費補助金交付件数（H30年度から制度開始）は次の通りです。

老朽空家解体費補助件数について、平成30年度は68件、平成31年度（令和元年度）は65件、令和2年度は39件、令和3年度は54件でした。

倒壊危険空家解体費補助件数について、平成30年度は10件、平成31年度（令和元年度）は4件、令和2年度は8件、令和3年度は10件でした。

また、令和元年12月20日には、本市と「地方創生に関する包括連携協定」を締結している豊川信用金庫と「空家等の対策に関する覚書」（空家の除きゃく費、改修費等に対する融資及び借入利率の優遇）を締結し、空家等の所有者等に対する費用面での支援を実施しています。

跡地の積極的利用

密集市街地等において、除きゃく跡地を広場等として活用する場合における除きゃく費用等への助成制度について検討を行いました。当初計画策定時から現在に至るまで、跡地活用に関する相談事例はありませんでしたが、今後も引き続き、関連部署と連携し制度構築の必要性等を踏まえながら検討をします。

跡地の積極的利用

2－3、目標指標の検証

前計画で設定された評価指標と目標値について、前計画策定後の5年間で空家等対策に関する

様々な取組を行った結果、目標の達成状況は次のとおりとなりました。

前計画における評価目標、目標値及び達成状況

取組方針（1）空家等の予防・適正管理に関する目標指標は空家等に関する相談事案の解決率で、目標値は令和4年度末時点で80ﾊﾟｰｾﾝﾄ。評価値は275件のうちの186件で67.6ﾊﾟｰｾﾝﾄ。達成状況は未達成です。

取組方針（2）空家等の利活用の評価指標のひとつめは利活用に関する情報などを提供する相談会等の開催回数で、目標値は年に1回。評価値は年に1回で達成状況は達成です。ただし、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、令和3年度は令和4年度に延期しました。

二つ目は空家バンク登録件数（累計登録件数）で、目標値は令和4年度末時点で80件。評価値は令和3 年度までの累計で44件。達成状況は未達成です。

取組方針（3）空家等の除きゃくの評価指標は老朽空家等の年間除きゃく件数で、目標値は年に20件。評価値は令和3年度が年に64件。達成状況は達成です。老朽空家等の除きゃく件数は、「老朽空家等解体費補助金」の交付件数です。

検証結果

1、空家等に関する相談事案の解決率

平成29年度から令和3年度までの5年間で275件の相談事案があり、このうち186件が解決したため、令和3年度末の解決率は67.6ﾊﾟｰｾﾝﾄとなっております。目標の80ﾊﾟｰｾﾝﾄには達しておりませんが、解決率の伸びなかった主な理由として所有者に連絡が取れないものや相続問題等の理由で解決に時間を要する事案が多いことであることが分かっております。相談受付件数は、令和元年以降横ばいとなっていることなどから、空家問題に対する一定の効果が出ていると考えておりますが、今後の課題としては、相続されていない空家等の所有者に対する働きかけの方法の検討や、空家法に基づく措置の実施等を更に推進し解決率を上げていくことと考えております。

2、利活用に関する情報などを提供する相談会等の開催回数

空家対策に関するセミナーや専門家による相談会を年1回実施（令和3年度のみ次年度当初に延期）しました。近年のコロナウイルス感染症の影響により会場でのセミナーが開催できなかった年については、セミナー動画の配信も実施し、利活用に関する有効な情報を提供する機会を設けました。

今後の課題としては、相談会等を１年に複数回実施するなど、より多くの空家等の所有者に利活用に関する情報を提供できるようにすることと考えております。

3、空家バンク登録件数

「豊川市空家バンク」は平成30年3月から運用を開始し、平成30年度には28件の登録がありましたが、令和元年度から令和3年度までの3年度間では、16件の登録にとどまったため、令和3年度末では44件となりました。一方で、成約件数は32件となっており、空家バンクの需要が多いことが確認できました。

登録件数の伸び悩みの要因としては、賃貸物件は建物の維持管理等の手間や費用がかること、更地にしたほうが売却しやすいこと、調整区域の物件においては、都市計画法などの制約があり登録に至らないこと等であると考えております。

今後の課題としては、空家バンクへの物件登録のメリット等を再検討し、登録件数を増やすことで空家等の流通を促進させることと考えております。

4、老朽空家等の年間除きゃく件数

老朽空家等の年間の除きゃく件数については、「老朽空家等解体費補助金」（老朽空家解体費補助及び倒壊危険空家解体費補助）の交付件数としましたが、令和3年度では64件（老朽空家解体費補助 54件、倒壊危険空家解体費補助10件）に交付され目標値である年2 0件を大幅に上回る結果となり、危険な空家等の除きゃくや新たな土地活用等の推進を図ることができたと考えております。また、平成30年度の制度開始から累計で258件（老朽空家解体費補助226件、倒壊危険空家解体費補助32件）に交付され、解体された空家の全数（519棟）の約4割で補助金が活用されました。

今後の課題としては、補助制度の周知方法等の再検討を行い、危険な空家等の除きゃくを更に推進することと考えております。

2－4 空家等に関する課題

（1）空家等の予防・適正管理に関する課題

主な課題

65歳以上の単身高齢世帯や夫婦のみ世帯が増加しており、空家等の予防や適正管理に関する啓発を今後も継続して進める必要があります。

苦情等の改善依頼などに対応しない所有者等への対応や円滑な相続手続きなど、適正な維持管理や除きゃくの促進につながるよう所有者等への意識づけを行う必要があります。

特定空家等の対応を継続的に進めていく必要があります。

管理が難しい高齢の所有者や遠方に居住する所有者などにも対応した管理サービスなどを民間事業者と連携した仕組みづくりを行う必要があります。

（2）空家等の利活用に関する課題

主な課題

老朽度判定において、「危険なし」と判定された空家等は全体の9割程度となっていますが、利活用度が「高」となっている空家等が少ないため、バリアフリー対応や耐震補強等、住宅の質を高めるなど、中古住宅の流通を促すための対策を強化する必要があります。

空家を解消するうえで、除きゃく率と利活用率を比べた場合、除きゃく率が3割程度あることに対し、利活用率は1割にも届いていないことから、従来の住居としての利用に加え、地域のコミュニティ利用を進めるなど、まちの有効なストックとして中古物件の利活用の促進策を検討する必要があります。

市場性や利活用の可能性がある物件であっても、所有者にその意思がない、気づいていないケースなどもあることから、所有者等に情報提供や働きかけを行うなど、空家バンクや支援制度のさらなる利用促進を図る必要があります。

空家等の利活用を促進するためには、所有者等への情報発信に加え、空家等の利活用を検討している個人や団体、事業者に向けても、物件情報や支援制度などの情報発信を継続的に行う必要があります。

（3）空家等の除きゃくに関する課題

主な課題

老朽度判定において、「注意」「危険」と判定された空家等の割合が微増しており、倒壊や物の飛散等、地域に悪影響を及ぼす可能性の高いことから、解体や建替えを促進する必要があります。

新築に対する需要が依然高いことが考えられるため、空家等の除きゃくを促し、跡地の利活用（建て替え等）を促進する必要があります。

除きゃく後の跡地の所有者等に対し、雑草の繁茂など土地の荒地化を防ぐための管理者としての意識づけを行うとともに、空家と同様に跡地の有効利用の促進に関する取組を促進する必要があります。

2－5、現状と課題のまとめ

全国的に空家数や空家率が増加する中、本市においては空家数、空家率ともに減少傾向にあり、前計画に基づくさまざまな空家等に対する取組みにより一定の成果があげられました。一方で、少子高齢化社会を背景とした65歳以上の単身世帯や夫婦のみ世帯の増加などによる空家化へのリスクや相続問題、空家等の利活用率の低さなどの課題も残されました。

今後、施策を展開する上では、地域別の空家等の分布状況等に大きな差は大きく見られないことから、引き続き市全域を対象として、前計画からの施策に継続して取組みながら、残された課題の解決に向け、さらなる情報発信や専門家団体等、多様な主体との連携など、空家等の適正管理や利活用の促進に向けた取組みを進める必要があります。

第3章、空家等対策の基本的な考え方

3-1、基本理念

本計画では以下の3つの基本理念により、本市の空家等対策に取り組んでいきます。

基本理念

1、市民の安全・安心を確保するための実効性のある対応

2、地域の活性化に向けた流通・活用の促進

3、実現に向けた関係部局、地域住民、民間事業者、専門家団体など多様な主体との連携

3-2、取組方針

本計画では以下の3つの取組方針により、本市の空家等対策に取り組んでいきます。

（1）空家等の予防・適正管理

空家化を未然に位防ぐために予防に向けた啓発を行うとともに、管理不全な空家等への助言、指導等に取り組みます。

（2）空家等の利活用

中古住宅としての流通促進、賃貸物件としての活用。まちづくり資源としての活用に取り組みます。

（3）空家等の除きゃく

再利用が困難な家屋等の除きゃくを推進し、跡地等の活用に取り組みます。

3-3、目標指標

基本理念及び取組方針に基づいて計画を進めるうえで、進捗状況を把握するための目標指標を設定し、計画期間最終年度における目標値を定めます。

取組方針と評価指標、目標値は次の通りです。

取組方針（1）空家等の予防・適正管理の評価指標は、建物概要区分が住宅である建物の空家率で、目標値は令和9年度末時点で1.0ﾊﾟｰｾﾝﾄです。空家等の予防に向けた啓発及び適切に管理されていない空家等の所有者等への助言・指導等により空家等の増加が抑制されているかを検証します。

取組方針（2）空家等の利活用のひとつめの評価指標は、専門家による空家等の利活用等に関する相談の件数で、目標値は年に10件。利活用に関する流通を促進するために、所有者等に有効な情報が提供できているかを検証します。ふたつ目の目標指標は標指標は用空家バンク登録件数で、評価指標は空家バンク登録件数が令和9年度末時点で100件です。行政が支援する流通を促進する仕組みが適切に機能しているかを検証します。

取組方針（3）空家等の除きゃくの評価指標は老朽空家等の年間除きゃく件数で、目標指標は年に50件。老朽空家等の除きゃくを促進することにより、市民の生活環境への危険度が軽減されているかを検証します。

3-4、主体別の役割

空家等は私有財産であるため、第一義的には所有者の責任で管理されるものでありますが、さまざまな理由により適正に管理されない空家等が、地域住民の生活環境に影響を及ぼしているため、空家等の問題を地域社会の問題と捉え、空家等の所有者等、地域住民、市、事業者等が連携し、役割をもって空家等対策に取り組みます。

（1）空家等所有者等

所有者や相続人等は、空家等を放置した状態にしないよう適切な管理、活用（検討）等に努めるとともに、相続等が発生した場合には、必要な手続きを速やかに行うよう努めます。

（2）地域住民

地域住民は、空家等の所有者等とのコミュニケーションを心がけ、空家等問題の発生予防に努めるとともに、地域内の見回り等により、周辺住民の生活環境に影響を及ぼしている空家等を発見した場合には、市への速やかな情報提供に努めます。

（3）市

市は、空家等の実態把握に努めるとともに、空家等対策計画の作成、具体的な施策の実施、空家法に関する必要な措置を適切に講じます。

（4）事業者

事業者は、空家等の流通や活用につながる積極的な取組を行うとともに、所有者等や市などに対し、専門的な視点から助言や支援するように努めます。

（5）専門家・NPO

不動産、法務、建築、まちづくりNPO等の専門家団体は、所有者等や市などに対し、専門的な視点から相続、管理、活用に至るまで、空家等の抱える複合的な課題の解決への助言や支援するように努めます。

第4章、具体的な施策

取組方針の3つの柱に基づき、以下に示す具体的な施策を推進します。

施策の体系

取組方針（1）空家等の予防・適正管理

項目「啓発」の施策・具体的な取組として、空家等の適正管理に関する意識啓発、空家等の所有者等への積極的な意識啓発、単身高齢世帯等に対する意識啓発、防犯に関する啓発。

項目「相談」の施策・具体的な取組として、相談窓口一本化のPR、所管部署における初期指導、専門家等との連携。

項目「管理不全な空家等に対する助言等」の施策・具体的な取組として、定期的な維持管理の指導・助言、空家等管理事業者との連携。

項目「特定空家等に対する措置」の施策・具体的な取組として、初期指導、特定空家等の判断、特定空家等の認定、空家法等に基づく措置。

取組方針（2）空家等の利活用

項目「中古住宅としての流通促進」の施策・具体的な取組として、中古住宅の流通促進、住宅ストックとしての空家等の活用、シティセールスの充実、専門家と連携した中古住宅の利活用方策等の啓発、所有者及び利活用者向けのリフォーム支援等。

項目「まちづくり資源としての有効活用」の施策・具体的な取組として、地域資源としての空家等の有効活用の促進、活用事例などの情報提供。

取組方針（3）空家等の除きゃく

項目「除きゃくの促進」の施策・具体的な取組として、除きゃく費用補助制度による支援、解体・除きゃくに関する支援、危険な空家等への応急措置の実施。

項目「跡地の積極的活用」の施策・具体的な取組として、跡地の活用に関する支援。

4-1、空家等の予防・適正管理

（1）啓発

1、空家等の適正管理に関する意識啓発

空家等発生時の的確な対応や空家等の適正管理の重要性について、各種団体の協力を得ながら、広報、ホームページ、リーフレットの配布、固定資産税納税通知書の活用を通じて情報提供を行います。

具体的な事業・取組として、広報、ホームページ等による啓発。

空家等の適正管理や利活用、支援制度などの情報を広報やホームページなどにより情報提供を行いながら、所有者等への啓発を図ります。

固定資産税納税通知書への啓発チラシの同封。

固定資産税の当初納税通知書へ空家等の適正管理等に関する啓発チラシを同封し啓発を図ります。

遠方所有者への対応。

市外在住など遠方に居住している所有者に対して、固定資産税納税通知書に同封する啓発チラシのほかに、空家バンク、解体費補助金、シルバー人材センター等の案内チラシを郵送します。

空家等データベースによる情報管理。

平成28年度に行った空家等実態調査の結果を基に作成したデータベースで、空家等の現状や苦情などの相談内容等、市内の空家等に関する情報を随時更新し管理します。

管理不全な空家の追跡調査の継続

シルバー人材センターと連携し、適切に管理されていない空家の追跡調査を継続して実施します。

PDF形式の資料では、固定資産税納税通知書に同封する啓発チラシのイメージ図を載せていますが、ここでは省略します。

2、空家等の所有者等への積極的な意識啓発

空家等の管理責任は所有者等にあるため、所有者等に対し空家等の管理に関する意識を高めることを目的に、空家等対策に係るセミナー等により情報提供や啓発を行います。

具体的な事業・取組として、空き家対策セミナー・個別相談会。

学識経験者や不動産、法律、建築等の関連団体等の専門家による空家等対策に関するセミナーや個別相談会を定期的に開催します。

PDF形式の資料では、令和元年度の豊川市空き家対策セミナー・個別相談会の案内チラシのイメージ図と、平成30年度の対策セミナーの様子の写真を載せていますが、ここでは省略します。

3、単身高齢世帯等に対する意識啓発

空家等を生み出さないため、空家等となる可能性のある住宅（ひとり暮らし高齢者など）に対し、窓口面談、文書送付などにより啓発を行います。

具体的な事業・取組として、包括的支援事業（高齢者への啓発）。

市内在住の高齢者に配布する「高齢者のすまいの手引き」に空家等対策に関する情報（適正管理、利活用、相続、解体時の残置物の処理方法など）を記載して啓発を図ります。

空き家対策セミナー・個別相談会（再掲）。

学識経験者や不動産、法律、建築等の関連団体等の専門家による空家等対策に関するセミナーや個別相談会を定期的に開催します。

空き家対策に関する出前講座。

市内の老人クラブ等を対象に空家になる前の事前対策に関するお話を出前講座としてお届けします。

4、防犯に対する啓発

空家等への不審者の侵入、また危険な空家等が子どものたまり場となることによる事故を未然に防ぐため、防犯啓発パトロールを継続して実施するとともに、各地域で活動する防犯ボランティア団体と空家等に関する情報を交換しながら、防犯に関する啓発を強化します。

具体的な事業・取組として、防犯啓発パトロール業務。

防犯啓発、パトロールを継続的に行い、空家の警戒にも努めます。

防犯ボランティア団体への情報提供。

各地域で活動している防犯ボランティア団体に対し、住宅等（空家等を含む）への侵入盗に関する情報の提供を行うなど、市民や活動団体等と連携した防犯体制を構築します。

（2）相談

1、相談窓口一本化のPR

空家等に関する相談等に的確な対応を行うとともに、空家等対策の取組を分かりやすく伝えるために、建築課が総合相談窓口であることを広くPRします。

具体的な事業・取組として、チラシやホームページ上でPR。

啓発チラシや広報やホームページを通じて、建築課が一本化された空家等に関する相談窓口であることを広くPRします。

2、所管部署における初期指導

苦情の内容や空家等の状況に応じて対応部署を割り振り、所有者等に対して適正管理等の初期指導を行います。

具体的な事業・取組として、所有者等に対する所管部署からの初期指導。

空家等の現状に対し、問題ごと（建物等の安全性、防火・防犯、草木などの環境問題、ゴミの放置や害虫の発生などの衛生面など）に担当部署にて初期指導を行います。

3、専門家等との連携

空家等の所有に関する相談や賃貸・売却・管理・解体などに関する具体的な相談にも適切に対応するため、不動産や建築等の関連団体や専門家との連携を図ります。

具体的な事業・取組として、空き家対策セミナー・個別相談会（再掲）。

学識経験者や不動産、法律、建築等の関連団体等の専門家による空家等対策に関するセミナーや個別相談会を定期的に開催します。

（3）管理不全な空家等に対する助言等

1、定期的な維持管理の指導・助言

所有者自身による空家等の定期的な維持管理に向けた指導・助言を行います。

具体的な事業・取組として、所有者等の適正管理を促す啓発活動。　

広報やホームページ、チラシなどさまざまな媒体を活用した啓発活動や空家等対策セミナー・個別相談会などを通じて、所有者等の適正管理を促します。

苦情相談対応等。

空家等の現状に対し、問題ごと（建物等の安全性、防火・防犯、草木などの環境問題、ゴミの放置や害虫の発生などの衛生面など）に担当部署にて助言・指導を行います。

2、空家等管理事業者との連携

空家等対策に係る協力事業者登録制度により、空家等管理を行っている事業者等との連携を図るとともに、事業者に対して空家等管理サービス充実の働きかけを行います。

具体的な事業・取組として、空家等管理事業者登録制度。

空家所有者等が抱える問題解決の一助となるよう、空家等対策に関する業務の提供ができる事業者に、「協力事業者」として登録していただき、その情報を一覧表としてホームページや窓口で公開します。

（4）特定空家等に対する措置

1、初期指導

市民からの情報提供などにより、建築課またはその状況に応じて担当課による現地調査を実施し、所有者を特定し、適正管理についての初期指導を行います。

2、特定空家等の判断

初期指導による再三の指導にも関わらず改善が見られない場合に、特定空家等に該当するかを判断します。

特定空家等の判定基準は、国が示すガイドライン（「特定空家等に対する措置」に関する適切な実施を図るために必要な指針）を参考にして、調査票で判定します。管理不全の建物の危険性については、「外観目視による住宅の不良度判定の手引き（案）」（国土交通省住宅局住環境整備室）を参考に、職員により外観目視で評価します。評点が一定の点数以上の建物を特定空家等の候補とし、該当建物が周辺に与える影響等を勘案して総合的に判断します。

3、特定空家等の認定

特定空家等は法に基づく措置の対象となることから、認定にあたっては、空家等対策協議会の助言、指導を得て慎重に行います。ただし、空家等が人や財産に重大な損害を及ぼす危険な状態が切迫していると判断された場合は、認定後に「豊川市空家等の適切な管理に関する条例（以下「管理条例」という。）」に基づく緊急安全措置を実施し、直近の協議会にて事後報告することとします。

4、空家法等に基づく措置

特定空家等に対する措置は、以下のとおりとなります。

（1）助言・指導（適用条項空家法14条1項）特定空家等と判定された空家等の所有者に対して、法に基づき助言、指導を行います。

（2）勧告（適用条項空家法14条2項）再三の助言、指導にも関わらず改善見られない場合には、勧告の検討を行い、空家等対策協議会の助言、協力を得て勧告実施を判断します。

（3）命令（空家法14条3項から8項まで）勧告を行っても改善が見られない場合には、所有者に対し事前に意見を述べる機会を設けた上で履行期限を定めて必要な措置を講じるよう命令します。

（4）代執行

1、行政代執行（適用条項空家法14条9項）命令を行っても改善が見られない場合は、行政代執行を行います。

2、略式代執行（適用条項空家法14条10項）所有者不明で助言・指導、勧告、命令の措置が確知できなかった場合は、略式代執行を行います。

（5）緊急安全措置（適用条項管理条例14条2項）

人の生命、身体又は財産に重大な損害を及ぼす危険な状態が切迫していると認めるときは、当該危険な状態を回避するため必要な最低限度の措置を講じます。

PDF形式の資料では、特定空家等の判定と措置の流れを図で示していますが、ここでは省略します。

4-2、空家等の利活用

（1）中古住宅としての流通促進

1、中古住宅の流通促進

空家等が活用されるよう不動産事業者との連携により中古住宅の流通促進を図ります。

具体的な事業・取組

豊川市空家バンク

市内の空家等を有効活用することにより地域の活性化や定住の促進を図るための制度。市のホームページの他に、全国の空家情報を掲載している全国版空き家バンクへの登録を実施します。

豊川市まちなか居住補助金（拠点地区定住促進事業費補助金）

戦略的な定住促進による地域の活性化のため、都市機能誘導区域内に家屋を取得して転入された方及び災害想定区域に家屋を所有して居住しており、都市機能誘導区域に家屋を取得して転居された方に対する補助金。

空き工場用地情報提供事業

産業活性化と企業誘致を進めるため、市内の空き工場や遊休地などの情報について、所有者から市への登録をうけて、工場等の立地、増設、起業を検討している製造業や物流業を対象として、ホームページなどにより情報提供を行う事業。

PDF形式の資料では、空家バンク制度の仕組みを図で示していますが、ここでは省略します。

2、住宅ストックとしての空家等の活用

空家等を住宅ストックとして効果的に活用することにより、住居の確保と住生活の向上を図ります。

空家等を活用した新たな住宅セーフティネット制度の周知、活用促進

国における高齢者、障害者、子育て世帯等の住宅の確保に配慮が必要な方が今後も増加する見込みに対し、増加傾向にある民間の空家・空室を活用した、新たな住宅セーフティネット制度について、ホームページなどで紹介を行う。

災害時の被災者用住宅や物資置場等としての活用

災害時等における被災者用の住宅や支援物資等の保管場所としての利用について、関係所管課と検討します。

3、シティセールスの充実

市の住環境の魅力や暮らしのサービス水準をアピールするシティセールスを行います。

具体的な事業・取組

市外の方の空家等の活用も視野に入れたPRの実施

市ホームページでの豊川市空家バンクの紹介のほか、全国版空き家バンクへの掲載などを行い、市外に広くＰＲします。

県の情報サイトの活用

市ホームページと県（東三河県庁ポータルサイト）のホームページとのリンク設定を行い、本市の魅力を知っていただく機会を広げます。

4、専門家と連携した中古住宅の利活用方策等の啓発

建築や不動産関係団体の協力を得ながら、空家等活用によるリノベーション事例を紹介し、空家等の活用に対する関心を高めます。

具体的な事業・取組

空き家対策セミナー・個別相談会（再掲）

学識経験者や不動産、法律、建築等の関連団体等の専門家による空家等対策に関するセミナーや個別相談会を定期的に開催します。

5、所有者等に対するリフォーム支援等

空家等の所有者や利活用者に対し、リフォーム費用等への支援を推進することにより、空家等の価値を向上させ、空家等の流通促進を図ります。

具体的な事業・取組

リフォーム補助制度の構築などの個人所有者等を対象とした支援制度（空家バンク利活用費補助金）

空家の利活用を促進するため、空家バンクの登録物件を売買または賃貸借契約された方が当該空家の改修工事または家財処分を行う場合、その費用の一部に対し補助金を交付する制度。

（2）まちづくり資源としての有効活用

1、地域資源としての空家等の有効活用の促進

地域交流や地域活性化、福祉サービスの拡充等の観点から有効な利活用を図ります

具体的な事業・取組

市民活動団体の活動拠点としての空家等活用

活用できそうな物件があった場合には、関係所管課や関係団体等に情報を提供します。

空き家見学まちあるき事業

紹介可能な空き物件情報を調査し、空き家見学まちあるきイベントの開催等により有効活用の機会を創出します。

豊川市都市機能立地補助金（拠点地区都市機能立地促進事業費補助金）

本市の都市機能の集約を図り、もって都市の質を高め持続的に発展可能なまちづくりを進めるため、「豊川市立地適正化計画」に規定する都市機能誘導区域において新たに都市誘導施設を運営する者に対する補助金。

チャレンジとよかわ活性化事業費補助（創業支援事業）

特定創業支援事業の指導を受け創業をする者を対象に、店舗改装及び備品購入などに要する経費の一部を補助する制度。

2、活用事例などの情報提供

全国の様々な空家等の活用事例の情報提供を行います。

具体的な事業・取組

空家等活用事例の情報提供

空家等の活用事例を調査し、その情報をホームページ等に掲載します。

4-3、空家等の除きゃく

（1）除きゃくの促進

1、除きゃく費用補助制度による支援

市民が安心して生活することができる環境を確保するため、倒壊や建築部材などが飛散する恐れのある危険な空家等の解体工事にかかる費用の一部助成を行います。

具体的な事業・取組

老朽空家等解体費補助金

良好な生活環境の確保や土地の有効活用の促進等を図るため、市内の老朽化した空家や危険な空家の解体工事に要する費用の一部を助成する補助制度。

（コラム）解体工事などによる残置物の処分について

空家などの建築物の解体・リフォーム工事の際に残された不用家具や家電、布団、洋服等（残置物）は「一般廃棄物」となるため、一般廃棄物処理業の許可を受けていない解体業者や不用品回収業者などの業者が廃棄物の処理を行うことは法律（廃棄物の処理及び清掃に関する法律：廃棄物処理法）で禁止されています。

残置物の処理については、解体・リフォーム工事前に所有者等により、市の指定する方法で処理を行うことが必要となります。

PDF形式の資料では、廃棄物の処分についてのイメージを図で示していますが、ここでは省略します。

2、解体・除きゃくに関する支援

空家等解体ローン等金融機関等と連携した支援を行います。

具体的な事業・取組として、金融機関等との空家に関する協定等の締結。

市内の金融機関との連携により空家の除きゃく費、改修費等に対する融資及び借入利率の優遇を実施します。

3、危険な空家等への応急措置の実施

空家等の老朽化などにより、周囲に重大な損害を及ぼす危険な状態が切迫していると認められ、所有者に対応を依頼している時間がない場合は、市で必要最低限の措置を行います。

具体的な事業・取組として、豊川市空家等の適切な管理に関する条例に基づく緊急安全措置の実施。

空家等に人の生命、身体又は財産に重大な損害を及ぼす危険な状態が切迫していると認められる場合は、その危険な状態を回避するために必要な最低限度の措置を行います。

（2）跡地の積極的活用

１、跡地の活用に関する支援

密集市街地等において、除きゃく跡地が広場として活用される場合等にかかる除きゃく費用の一部助成の検討を行います。

具体的な事業・取組として、除きゃく費用補助について、国の制度に照らし合わせた制度構築の検討。

除きゃく跡地がポケットパーク等地域活性化に供される場合の除きゃく費用に対する一部助成制度を検討します。

第5章　実施体制の整備・進捗状況

5-1、豊川市空家等対策協議会

市では、空家法第７条第１項の規定に基づき、空家等対策計画の策定及び変更並びに実施に関する協議を行うため、平成28年4月13日に「豊川市空家等対策協議会設置要綱」を施行、その後、特定空家等の認定の判断や特定空家等に対する措置の方針などに関する諮問機関とするため、平成30年11月1日から「豊川市空家等対策協議会条例（以下「条例」という）」を施行し、豊川市空家等対策協議会を設置しています。

１、役割

空家等対策協議会では、空家等対策計画の策定及び変更並びに実施に関する協議のほか、市が特定空家等を認定する際に助言指導を行うとともに、勧告、命令、行政代執行等の措置を行う場合の助言・協力、協議を行います。

2、任期

委員の任期は、2年とし、再任を妨げません。ただし、委員に欠員が生じた場合の補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とします。

3、委員構成

委員については、下表に掲げる者から市長が委嘱します。委員の総数は15人以内とします。

令和4年度の協議会委員構成は次の通りです。

豊川市長（条例第4条第1項）。大学教授、宅地建物取引業者、司法書士、土地家屋調査士、弁護士、建築士（条例第4条第2項第1号、法務、不動産、建築等に関する学識経験者）。市民公募（条例第4条第2項第2号、公募により決定する者）。豊川市シルバー人材センター職員、NPO職員（条例第4条第2項第3号、その他市長が必要と認める者）。

5-2、庁内体制

庁内組織である空家等対策庁内連絡会議は、本市における空家等対策を円滑に推進することを目的とし、庁内関係各課の連携により、情報及び問題を共有し連絡調整を図り、空家等の調査や所有者への助言、相談、啓発等を進めます。

PDF形式の資料では、庁内体制のイメージを図で示していますが、ここでは省略します。

各部署の主な役割と担当部署

建築課、空家等に関する総合相談窓口、建築物に関すること（適正管理、リフォーム、特定空家等）、空家等対策計画の進捗管理。

企画政策課、総合計画と空家等施策との整合等に関すること。

資産税課、固定資産税に関すること。

介護高齢課、高齢者への啓発等に関すること。

人権交通防犯課、空家等の防犯対策等に関すること。

商工観光課、空家等を活用した創業支援等に関すること。

環境課、空家等の雑草、立木などの繁茂に関すること（対象が隣地の場合）、空家等の害虫、悪臭に関すること。

清掃事業課、空家等のゴミの不法投棄等に関すること。

道路河川管理課、空家等の雑草、立木などの繁茂に関すること（対象が道路の場合）。

都市計画課、まちづくりのための空家等の活用に関すること。

予防課、空き地等の防火対策に関すること。

部署名については、令和4年度現在のものとなっております。

5-3、多様な主体との連携

豊川市空家等対策協議会は、豊川市空家等対策計画や特定空家等に関する事項について協議するとともに、専門家団体等の多様な主体と連携し、相続登記や相続問題の解決、除草、剪定、解体、売却等の相談や実施ができる体制の整備を進めます。

5-4、進捗状況の管理と検証

より実行性・具体性のある計画となるよう、適切なPDCAサイクルにより柔軟な見直し等を実施し、効果的な空家等対策を講じます。

PDCAサイクルとは、豊川市空家等対策協議会、豊川市空家等対策庁内連絡会議を中心とし、1計画（Plan）空家等対策計画の策定、2実行（Do）計画に基づく施策の実行、3評価（Check）実施結果の効果確認、4改善（Act）事業改善の方向付け（社会情勢等変化への対応）の一連の作業をサイクル化したものを表します。

参考資料

1、計画策定の経緯

2、空家等対策の推進に関する特別措置法

3、豊川市空家等対策協議会条例

4、豊川市空家等の適切な管理に関する条例

5、豊川市特定空家等の認定及び措置に関する取扱要綱

6、用語の解説

1、計画策定の経緯

豊川市空家等対策協議会及びパブリックコメント

令和4年度

第1回書面開催、令和4年8月3日（水曜）、令和3年度事業の実績報告等について、空家等対策計画の改定について、特定空家等について

第2回、令和4年11月21日（月曜）、会長及び副会長の選任について、これまでの取組状況等について、空家等対策計画の改定について、特定空家等について

パブリックコメント、令和5年1月4日（水曜）から令和5年2月3日（金曜）、空家等対策計画（案）について

（日程、内容ともに予定）第3回令和5年3月、空家等対策計画の承認について、パブリックコメントの結果について、令和5年度の事業等について、特定空家等の認定について

豊川市空家等対策庁内連絡会議

令和4年度

第1回書面開催、令和4年7月22日（金曜）、取組状況等の報告について、特定空家等について、空家等対策計画の改定について

第2回、令和4年10月24日（月曜）、特定空家等の措置状況について、空家等対策計画（素案2）について

（日程、内容ともに予定）第3回令和5年2月、パブリックコメントの結果について、特定空家等の認定について

2、空家等対策の推進に関する特別措置法

（目的）

第1条　この法律は、適切な管理が行われていない空家等が防災、衛生、景観等の地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしていることに鑑み、地域住民の生命、身体又は財産を保護するとともに、その生活環境の保全を図り、あわせて空家等の活用を促進するため、空家等に関する施策に関し、国による基本指針の策定、市町村（特別区を含む。第十条第二項を除き、以下同じ。）による空家等対策計画の作成その他の空家等に関する施策を推進するために必要な事項を定めることにより、空家等に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって公共の福祉の増進と地域の振興に寄与することを目的とする。

（定義）

第2条　この法律において「空家等」とは、建築物又はこれに附属する工作物であって居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地（立木その他の土地に定着する物を含む。）をいう。ただし、国又は地方公共団体が所有し、又は管理するものを除く。

2　この法律において「特定空家等」とは、そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態又は著しく衛生上有害となるおそれのある状態、適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にあると認められる空家等をいう。

（空家等の所有者等の責務）

第3条　空家等の所有者又は管理者（以下「所有者等」という。）は、周辺の生活環境に悪影響を及ぼさないよう、空家等の適切な管理に努めるものとする。

（市町村の責務）

第4条　市町村は、第六条第一項に規定する空家等対策計画の作成及びこれに基づく空家等に関する対策の実施その他の空家等に関する必要な措置を適切に講ずるよう努めるものとする。

（基本指針）

第5条　国土交通大臣及び総務大臣は、空家等に関する施策を総合的かつ計画的に実施するための基本的な指針（以下「基本指針」という。）を定めるものとする。

2　基本指針においては、次に掲げる事項を定めるものとする。

(1)　空家等に関する施策の実施に関する基本的な事項

(2)　次条第1項に規定する空家等対策計画に関する事項

(3)　その他空家等に関する施策を総合的かつ計画的に実施するために必要な事項

3　国土交通大臣及び総務大臣は、基本指針を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長に協議するものとする。

4　国土交通大臣及び総務大臣は、基本指針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

（空家等対策計画）

第6条　市町村は、その区域内で空家等に関する対策を総合的かつ計画的に実施するため、基本指針に即して、空家等に関する対策についての計画（以下「空家等対策計画」という。）を定めることができる。

2　空家等対策計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。

(1)　空家等に関する対策の対象とする地区及び対象とする空家等の種類その他の空家等に関する対策に関する基本的な方針

(2)　計画期間

(3)　空家等の調査に関する事項

(4)　所有者等による空家等の適切な管理の促進に関する事項

(5)　空家等及び除きゃくした空家等に係る跡地（以下「空家等の跡地」という。）の活用の促進に関する事項

(6)　特定空家等に対する措置（第14条第１項の規定による助言若しくは指導、同条第2項の規定による勧告、同条第3項の規定による命令又は同条第9項若しくは第10項の規定による代執行をいう。以下同じ。）その他の特定空家等への対処に関する事項

(7)　住民等からの空家等に関する相談への対応に関する事項

(8)　空家等に関する対策の実施体制に関する事項

(9)　その他空家等に関する対策の実施に関し必要な事項

3　市町村は、空家等対策計画を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

4　市町村は、都道府県知事に対し、空家等対策計画の作成及び変更並びに実施に関し、情報の提供、技術的な助言その他必要な援助を求めることができる。

（協議会）

第7条　市町村は、空家等対策計画の作成及び変更並びに実施に関する協議を行うための協議会（以下この条において「協議会」という。）を組織することができる。

2　協議会は、市町村長（特別区の区長を含む。以下同じ。）のほか、地域住民、市町村の議会の議員、法務、不動産、建築、福祉、文化等に関する学識経験者その他の市町村長が必要と認める者をもって構成する。

3　前2項に定めるもののほか、協議会の運営に関し必要な事項は、協議会が定める。

（都道府県による援助)

第8条　都道府県知事は、空家等対策計画の作成及び変更並びに実施その他空家等に関しこの法律に基づき市町村が講ずる措置について、当該市町村に対する情報の提供及び技術的な助言、市町村相互間の連絡調整その他必要な援助を行うよう努めなければならない。

（立入調査等）

第9条　市町村長は、当該市町村の区域内にある空家等の所在及び当該空家等の所有者等を把握するための調査その他空家等に関しこの法律の施行のために必要な調査を行うことができる。

2　市町村長は、第14 条第1項から第3項までの規定の施行に必要な限度において、当該職員又はその委任した者に、空家等と認められる場所に立ち入って調査をさせることができる。

3　市町村長は、前項の規定により当該職員又はその委任した者を空家等と認められる場所に立ち入らせようとするときは、その5日前までに、当該空家等の所有者等にその旨を通知しなければならない。ただし、当該所有者等に対し通知することが困難であるときは、この限りでない。

4　第2項の規定により空家等と認められる場所に立ち入ろうとする者は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。

5　第2項の規定による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

（空家等の所有者等に関する情報の利用等）

第10条　市町村長は、固定資産税の課税その他の事務のために利用する目的で保有する情報であって氏名その他の空家等の所有者等に関するものについては、この法律の施行のために必要な限度において、その保有に当たって特定された利用の目的以外の目的のために内部で利用することができる。

2　都知事は、固定資産税の課税その他の事務で市町村が処理するものとされているもののうち特別区の存する区域においては都が処理するものとされているもののために利用する目的で都が保有する情報であって、特別区の区域内にある空家等の所有者等に関するものについて、当該特別区の区長から提供を求められたときは、この法律の施行のために必要な限度において、速やかに当該情報の提供を行うものとする。

3　前項に定めるもののほか、市町村長は、この法律の施行のために必要があるときは、関係する地方公共団体の長その他の者に対して、空家等の所有者等の把握に関し必要な情報の提供を求めることができる。

（空家等に関するデータベースの整備等）

第11条市町村は、空家等（建築物を販売し、又は賃貸する事業を行う者が販売し、又は賃貸するために所有し、又は管理するもの（周辺の生活環境に悪影響を及ぼさないよう適切に管理されているものに限る。）を除く。以下第13条までにおいて同じ。）に関するデータベースの整備その他空家等に関する正確な情報を把握するために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

（所有者等による空家等の適切な管理の促進）

第12条　市町村は、所有者等による空家等の適切な管理を促進するため、これらの者に対し、情報の提供、助言その他必要な援助を行うよう努めるものとする。

（空家等及び空家等の跡地の活用等）

第13条　市町村は、空家等及び空家等の跡地（土地を販売し、又は賃貸する事業を行う者が販売し、又は賃貸するために所有し、又は管理するものを除く。）に関する情報の提供その他これらの活用のために必要な対策を講ずるよう努めるものとする。

（特定空家等に対する措置）

第14条　市町村長は、特定空家等の所有者等に対し、当該特定空家等に関し、除きゃく、修繕、立木竹の伐採その他周辺の生活環境の保全を図るために必要な措置（そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態又は著しく衛生上有害となるおそれのある状態にない特定空家等については、建築物の除きゃくを除く。次項において同じ。）をとるよう助言又は指導をすることができる。

2 市町村長は、前項の規定による助言又は指導をした場合において、なお当該特定空家等の状態が改善されないと認めるときは、当該助言又は指導を受けた者に対し、相当の猶予期限を付けて、除きゃく、修繕、立木竹の伐採その他周辺の生活環境の保全を図るために必要な措置をとることを勧告することができる。

3　市町村長は、前項の規定による勧告を受けた者が正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかった場合において、特に必要があると認めるときは、その者に対し、相当の猶予期限を付けて、その勧告に係る措置をとることを命ずることができる。

4　市町村長は、前項の措置を命じようとする場合においては、あらかじめ、その措置を命じようとする者に対し、その命じようとする措置及びその事由並びに意見書の提出先及び提出期限を記載した通知書を交付して、その措置を命じようとする者又はその代理人に意見書及び自己に有利な証拠を提出する機会を与えなければならない。

5　前項の通知書の交付を受けた者は、その交付を受けた日から5日以内に、市町村長に対し、意見書の提出に代えて公開による意見の聴取を行うことを請求することができる。

6　市町村長は、前項の規定による意見の聴取の請求があった場合においては、第3項の措置を命じようとする者又はその代理人の出頭を求めて、公開による意見の聴取を行わなければならない。

7　市町村長は、前項の規定による意見の聴取を行う場合においては、第3項の規定によって命じようとする措置並びに意見の聴取の期日及び場所を、期日の3日前までに、前項に規定する者に通知するとともに、これを公告しなければならない。

8　第6項に規定する者は、意見の聴取に際して、証人を出席させ、かつ、自己に有利な証拠を提出することができる。

9　市町村長は、第3項の規定により必要な措置を命じた場合において、その措置を命ぜられた者がその措置を履行しないとき、履行しても十分でないとき又は履行しても同項の期限までに完了する見込みがないときは、行政代執行法（昭和23年法律第43号）の定めるところに従い、自ら義務者のなすべき行為をし、又は第三者をしてこれをさせることができる。

10　第3項の規定により必要な措置を命じようとする場合において、過失がなくてその措置を命ぜられるべき者を確知することができないとき（過失がなくて第1項の助言若しくは指導又は第2項の勧告が行われるべき者を確知することができないため第3項に定める手続により命令を行うことができないときを含む。）は、市町村長は、その者の負担において、その措置を自ら行い、又はその命じた者若しくは委任した者に行わせることができる。この場合においては、相当の期限を定めて、その措置を行うべき旨及びその期限までにその措置を行わないときは、市町村長又はその命じた者若しくは委任した者がその措置を行うべき旨をあらかじめ公告しなければならない。

11　市町村長は、第3項の規定による命令をした場合においては、標識の設置その他国土交通省令・総務省令で定める方法により、その旨を公示しなければならない。

12　前項の標識は、第3項の規定による命令に係る特定空家等に設置することができる。この場合においては、当該特定空家等の所有者等は、当該標識の設置を拒み、又は妨げてはならない。

13　第3項の規定による命令については、行政手続法（平成5年法律第88号）第3章（第12条及び第14条を除く。）の規定は、適用しない。

14　国土交通大臣及び総務大臣は、特定空家等に対する措置に関し、その適切な実施を図るために必要な指針を定めることができる。

15　前各項に定めるもののほか、特定空家等に対する措置に関し必要な事項は、国土交通省令・総務省令で定める。

（財政上の措置及び税制上の措置等）

第15 条　国及び都道府県は、市町村が行う空家等対策計画に基づく空家等に関する対策の適切かつ円滑な実施に資するため、空家等に関する対策の実施に要する費用に対する補助、地方交付税制度の拡充その他の必要な財政上の措置を講ずるものとする。

2　国及び地方公共団体は、前項に定めるもののほか、市町村が行う空家等対策計画に基づく空家等に関する対策の適切かつ円滑な実施に資するため、必要な税制上の措置その他の措置を講ずるものとする。

（過料）

第16条　第14条第3項の規定による市町村長の命令に違反した者は、50万円以下の過料に処する。

2　第9条第2項の規定による立入調査を拒み、妨げ、又は忌避した者は、20万円以下の過料に処する。

附則

（施行期日）

1　この法律は、公布の日から起算して3月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第9条第2項から第5項まで、第14条及び第16条の規定は、公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

（検討）

2　政府は、この法律の施行後5年を経過した場合において、この法律の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、この法律の規定について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

3、豊川市空家等対策協議会条例

（設置）

第1条　空家等対策の推進に関する特別措置法（平成26年法律第127号。以下「法」という。）第７条第１項の規定に基づき、豊川市空家等対策協議会（以下「協議会」という。）を置く。

（定義）

第2条　この条例において使用する用語の意義は、法において使用する用語の例による。

（所掌事務）

第3条　協議会は、次に掲げる事項について協議する。

(1)　空家等対策計画の作成及び変更並びに実施に関する事項

(2)　特定空家等の認定及び特定空家等に対する措置の方針に関する事項

(3)　前２号に掲げるもののほか、空家等に関する対策の実施に関し、市長が必要と認める事項

（組織）

第4条　協議会は、市長のほか、委員15人以内をもって組織する。

2、委員は、次に掲げる者のうちから市長が委嘱する。

(1)　学識経験者

(2)　公募による市民

(3)　前2号に掲げる者のほか、市長が必要と認める者

（任期）

第5条　委員の任期は、2年とし、再任を妨げない。ただし、委員に欠員が生じた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

（会長及び副会長）

第6条　協議会に会長及び副会長各１人を置く。

2　会長は委員の互選により定め、副会長は委員のうちから会長が指名する。

3　会長は、会務を総理し、協議会を代表するとともに、協議会の会議（以下「会議」という。）の議長となる。

4　副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるとき、又は会長が欠けたときは、その職務を代理する。

（会議）

第７条　会議は、会長が招集する。

2　会議は、委員及び市長（以下「委員等」という。）の半数以上が出席しなければ開くことができない。

3　会議の議事は、出席した委員等の過半数をもって決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

（意見の聴取等）

第8条　協議会は、必要があると認めるときは、委員等以外の者を会議に出席させ、その意見若しくは説明を聴き、又は資料の提出を求めることができる。

（委任）

第9条　この条例に定めるもののほか、協議会の運営に関し必要な事項は、会長が協議会に諮って定める。

附　則

この条例は、平成30年11月１日から施行する。

4、豊川市空家等の適切な管理に関する条例

（目的）

第1条　この条例は、空家等対策の推進に関する特別措置法（平成26年法律第127号。以下「法」という。）に定めるもののほか、空家等の適切な管理に関し必要な事項を定めることにより、生活環境の保全を図り、もって市民が安全に安心して暮らすことができる地域社会の実現に寄与することを目的とする。

（定義）

第2条　この条例において使用する用語の意義は、法において使用する用語の例による。

（情報提供等）

第3条　市内に居住し、若しくは滞在し、又は通勤し、若しくは通学する者（次項において「市民等」という。）は、適切な管理が行われていないと認める空家等を発見したときは、その情報を市に提供するよう努めるものとする。

2　市民等は、市の実施する空家等に関する対策に協力するよう努めるものとする。

（緊急安全措置）

第4条　市長は、特定空家等について、人の生命、身体又は財産に重大な損害を及ぼす危険な状態が切迫していると認めるときは、当該危険な状態を回避するため必要な最小限度の措置を講ずることができる。

2　市長は、前項の措置を講じたときは、当該措置の内容を当該特定空家等の所有者等に通知するものとする。ただし、当該所有者等に通知することが困難であるときは、この限りでない。

3　市長は、第１項の措置を講じたときは、当該措置に要した費用を当該特定空家等の所有者等から徴収することができる。

（公表）

第5条　市長は、法第14条第３項の規定による命令を受けた所有者等が正当な理由がなくて当該命令に従わないときは、次に掲げる事項を公表することができる。

(1)　命令に従わない所有者等の氏名及び住所（法人にあっては、その名称、代表者の氏名及び主たる事務所の所在地）

(2)　命令の対象となった特定空家等の所在地

(3)　命令の内容

(4)　前3号に掲げるもののほか、市長が必要と認める事項

2　市長は、前項の規定による公表をしようとするときは、あらかじめ当該公表の対象となる所有者等に対し、意見を述べる機会を与えなければならない。

（関係機関との連携）

第6条　市長は、法及びこの条例の施行のため必要があると認めるときは、愛知県豊川警察署その他の関係機関に協力を要請することができる。

（委任）

第７条　この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、市長が定める。

附　則

この条例は、令和2年4月1日から施行する。

5、豊川市特定空家等の認定及び措置に関する取扱要綱

（趣旨）

第1条　この要綱は、空家等対策の推進に関する特別措置法（平成26年法律第127号。以下「法」という。）第14条並びに豊川市空家等の適切な管理に関する条例（令和2年条例第17号。以下「条例」という。）第4条第2項及び第５条の規定に基づく措置に関し必要な事項を定めるものとする。

（定義）

第2条　この要綱において使用する用語の意義は、条例において使用する用語の例による。

（特定空家等の認定）

第3条　市長は、空家等が市が別に定める判定基準に照らして特定空家等に該当すると認めるときは、当該空家等を特定空家等に認定するものとする。

2　市長は、前項の規定による認定を行おうとする場合においては、豊川市空家等対策協議会条例（平成30年豊川市条例第23号）に規定する空家等対策協議会（以下「協議会」という。）において意見を聴取しなければならない。ただし、条例第4条に規定する緊急安全措置を実施する必要のある空家等については、当該措置を実施する前に市長が特定空家等に認定し、その後直近に開催される協議会において報告するものとする。

（立入調査）

第4条　法第9条第3項の規定による通知は、立入調査通知書（様式第1号）により行うものとする。

2　法第9条第4項の証明書の様式は、立入調査員証（様式第2号）とする。

（助言又は指導）

第5条　法第14条第1項の規定による指導は、指導書（様式第3号）により行うものとする。

（勧告）

第6条　法第14条第2項の規定による勧告は、勧告書（様式第4号）により行うものとする。

2　市長は、勧告を行おうとする場合においては、協議会において意見を聴取するものとする。

（命令）

第7条　法第14条第3項の規定による命令は、命令書（様式第5号）により行うものとする。

2　市長は、命令を行おうとする場合においては、協議会において意見を聴取するものとする。

3　法第14条第4項の規定による通知書の交付は、命令に係る事前の通知書（様式第６号）により行うものとし、同項の規定による意見書は、命令に係る事前の通知に関する意見書（様式第7号）とする。

4　法第14条第5項の規定による請求は、命令に係る事前の通知に対する意見聴取請求書（様式第8号）により行うものとする。

5　法第14条第７項の規定による通知は、命令に係る事前の通知書に対する意見聴取通知書（様式第９号）により行うものとする。

6　法第14条第11項の規定による標識の設置は、標識（様式第10号）により行うものとし、同項の規定による公示は、豊川市公式ウェブサイトへの掲載の方法により行うものとする。

（代執行等）

第8条　市長は、法第14条第9項の規定に基づき行政代執行法（昭和23年法律第43号）の定めるところに従い代執行（以下「代執行」という。）を行おうとする場合及び同条第10項の規定に基づく代執行（以下「略式代執行」という。）を行おうとする場合においては、協議会において意見を聴取しなければならない。ただし、行政代執行法第3条第3項の規定により代執行を行った場合は、代執行後の協議会において報告するものとする。

2　行政代執行法第3条第1項の規定による戒告は、戒告書（様式第11号）により行うものとする。

3　行政代執行法第3条第2項の規定による代執行令書は、代執行令書（様式第12号）とする。

4　行政代執行法第4条の規定による証票は、執行責任者証（様式第13号）とする。

　（緊急安全措置）

第9条　条例第4条第2項の規定による通知は、緊急安全措置実施通知書（様式第14号）により行うものとする。

　（公表）

第10条　条例第5条の規定による公表は、豊川市公式ウェブサイトへの掲載その他市長が必要と認める方法により行うものとする。

（状態の改善）

第条　市長は、第5条の規定による助言又は指導、第6条の規定による勧告若しくは第７条の規定による命令に応じ、必要な措置を講じた旨の報告を所有者等から受けた場合又は代執行若しくは略式代執行等を行った場合においては、現状の確認を行い、特定空家等の状態が改善され、特定空家等でないと認められるときは、特定空家等の認定を解除するものとする。

（雑則）

第12条　この要綱に定めるもののほか必要な事項は、市長が別に定める。

附　則

この要綱は、令和2年4月1日から施行する。

附　則

この要綱は、令和3年４月１日から施行する。

6、用語の解説

あ行

空家等対策の推進に関する特別措置法（空家法）

適切な管理が行われていない空家等が防災、衛生、景観等の地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼしていることに鑑み、地域住民の生命、身体又は財産を保護するとともに、その生活環境の保全を図り、あわせて空家等の活用を促進するため、空家等に関する施策に関し、国による基本指針の策定、市町村（特別区を含む）による空家等対策計画の作成その他の空家等に関する施策を推進するために必要な事項を定めることにより、空家等に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって公共の福祉の増進と地域の振興に寄与することを目的とした法律です。

空家等を活用した新たな住宅セーフティネット制度

平成29年4月26日に「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律の一部を改正する法律」が公布され、民間の空家等を活用して、高齢者、低額所得者、子育て世帯等の住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅の登録制度の創設、独立行政法人住宅金融支援機構による支援措置の追加など、住宅セーフティネット機能を強化する制度です。

空家バンク（空き家バンク）

自治体が定住促進などの目的で空家を紹介する制度で、空家バンクに登録する過程で各種助成金などの優遇措置の紹介や空家物件に関する情報を提供する制度です。

SDGｓ（エス・ディー・ジーズ）

「SDGｓ（持続化可能な開発目標）」とは、平成27（2015）年9月の国連サミットで採択された、平成28（2016）年から令和12（2030）年までの国際目標で、持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の誰一人として取り残さないことを誓っています。

か行

居住誘導区域

平成26年8月に施行された「都市再生特別措置法等の一部を改正する法律」に基づき定められる立地適正化計画において、人口減少の中にあっても一定のエリアにおいて人口密度を維持することにより、医療、福祉、子育て支援、商業といった都市機能施設やコミュニティが持続的に確保されるよう、居住を誘導すべき区域のことをいいます。

行政代執行

国や自治体などの行政機関の命令に従わない人に対し、その本人に代わって行政機関側が強制的に撤去や排除をすることをいいます。

行政代執行法では、他の手段では実現困難で、それを放置することが「著しく公益に反する」と認められる場合に代執行できると定められており、代執行する場合、あらかじめ期限を定め、文書で戒告しなければなりません。

国立社会保障・人口問題研究所（社人研）

人口・世帯数の将来推計や社会保障費に関する統計資料の作成・調査研究などを行う、厚生労働省の政策研究機関です。

さ行

市街化区域、市街化調整区域

すでに市街地を形成している区域及びおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域として、都市計画で定めた区域のことを「市街化区域」といいます。一方、市街化を抑制すべき区域として都市計画で定めた区域のことを「市街化調整区域」といいます。

シティセールス

多くの人に住んでもらい、訪れてもらうため、まちの魅力を地域の内外に情報発信し、「まちを売り込む」ための取組みのことを指します。豊川市では、「豊川市シティセールス戦略プラン2016から2025」を平成28年3月に策定しました。

住生活基本計画（全国計画）

「住生活基本法」（平成18年法律第61号）に基づき、国民の住生活の安定の確保及び向上の促進に関する基本的な計画で、国民の住生活の安定の確保及び向上の促進に関する目標や基本的な施策などを定め、目標を達成するために必要な措置を講ずるよう努めることとされています。

住宅・土地統計調査

我が国の住宅とそこに居住する世帯の居住状況、世帯の保有する土地等の実態を把握し、その現状と推移を明らかにするために、5年ごとに実施される調査のことをいいます。

シルバー人材センター

昭和61年の高年齢者雇用安定法によって法制化された組織で、労働意欲をもつ高年齢者に対して、地域社会の臨時的、短期的な仕事についての情報を提供する組織です。

総合計画

都市が目指す将来像を描くとともに、その実現のためのまちづくりの方向性や主な施策を定めた長期的なまちづくり計画で、市政運営の基本指針となり、全ての計画の最上位に位置づけられる計画です。豊川市では「第6次総合計画」を平成28年3月に策定しました。

耐震基準の見直し

昭和53年の宮城県沖地震を契機に昭和56年に建築基準法が改正され、建物を新築する際は「震度5強で損傷しない」に加え、「震度6強～7でも倒壊しない」耐震性が義務化されました。昭和56年よりも前の基準を旧耐震基準、以降を新耐震基準と呼びます。さらに、平成7年の阪神大震災でも多くの木造建物に被害が出たことから、平成12年にも同法を改正、新基準をベースに柱を固定する金具の設置などの規定が強化されました。

宅地建物取引業協会（宅建協会）

愛知県では、公益社団法人愛知県宅地建物取引業協会が組織されており、この協会は県下最大の宅建業者団体であり、宅地建物取引業務の適正な運営と公正な取引を確保し、会員の品位の保持および資質の向上に努め、宅建業の健全な発展を図ることを目的に設立されています。

地方人口ビジョン

地方人口ビジョンは、地方版総合戦略において、まち・ひと・しごと創生の実現にむけて効果的な施策を企画立案する上で重要な基礎と位置づけられています。各地方公共団体における人口の現状を分析し、人口に関して地域住民の方の認識を共有することにより、今後目指すべき将来の方向と人口の将来の展望を提示するものです。

都市機能誘導区域

立地適正化計画で定められる居住誘導区域内において設定されるものであり、医療、福祉、子育て支援、商業等の都市機能施設を都市の骨格構造上の拠点に誘導し集約することにより、これらの各種サービスの効率的な提供を図る区域のことをいいます。

都市計画マスタープラン

今後の都市計画の指針として都市全体及び地区別の将来のあるべき姿をより具体的に明示し、地域における都市づくりの課題とこれらに対応した整備等の方針を明らかにした計画です。豊川市では、「豊川市都市計画マスタープラン」を平成23年3月に策定し、平成29年3月に改訂しました。

PDCAサイクル

Plan（計画）、Do（実施）、Check（評価）、Action（改善）の4つの視点をプロセスの中に取り込むことで、プロセスを不断のサイクルとし、継続的な改善を推進するマネジメント手法のことをいいます。

非木造（住宅）

住宅の構造上の分類では使用する材料により大きく木造と非木造に区分されます。非木造のでは、鉄骨構造、鉄筋コンクリート構造、鉄骨鉄筋コンクリート構造およびコンクリートブロック構造などがあり、木構造が比較的小規模の建物に用いられることが多いのに対し、非木造である鉄骨構造では高層建築、鉄筋コンクリート構造では中規模の建物、鉄骨鉄筋コンクリート構造では大規模の建物の建造に用いられることが多くなっています。

立地適正化計画

平成26年8月に都市再生特別措置法等の一部を改正する法律が施行され、住宅及び都市機能施設の立地の適正化を図るために市町村が作成・公表する計画であり、都市全体の観点から、居住機能や商業・医療等の都市機能施設の立地、公共施設の充実等に関する包括的なマスタープランです。豊川市では、「豊川市立地適正化計画」を平成29年2月に策定し、令和3年3月に改定しました。

リノベーション

建築物の古い部分の補修や内外装の変更程度にとどまるリフォームに対し、増築・改築や建物の用途変更などにより、建物の性能を向上させたり価値を高めたりするための大規模な改造のことを指します。

リフォーム

住宅用語では住宅の増改築、内部の改装のことを指します。間取りの変更や外回りの模様替えの意味としても広く使われるようになり、和風から洋風へ、畳からフローリングへといったことから、壁や床、天井の断熱性、遮音性を高める、台所や浴室の器具を替えるなども一種のリフォームといえます。