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豊川市空家等対策計画(案)概要版

テキスト版

 

1、計画の概要

計画の背景と目的

全国的に人口減少、少子高齢化社会が進む中で、既存家屋の老朽化等に伴い、空家等が年々増加し、長期にわたり、十分な手入れが成されず放置された結果、防災・衛生・景観等の面で周辺の生活環境に深刻な影響を及ぼしていることが、大きな社会問題となっています。こうした空家等に対する施策を進めるため、平成2611月に「空家等対策の推進に関する特別措置法(以下、「空家法」という。)」が公布され、平成275月に完全施行されました。

本市においても、平成303月に「豊川市空家等対策計画(以下、「前計画」という。)」を策定し、様々な空家等対策を展開し、問題解決に向けた取組みを進めてきました。

社会的には人口減少や高齢化のさらなる進展が予想されており、空家等の対策は、環境・防災・衛生・景観等の地域住民の良好な生活環境を保全する上で今後も継続的に取組む必要があります。そのため、これまでの空家等対策の取組みを検証しながら、総合的かつ計画的に空家等対策をより一層推進するため、「豊川市空家等対策計画(以下、「本計画」という。)」を改定しました。

位置づけ

本計画は、空家法第4条及び第6条に基づき、本市の実情を踏まえた対策を総合的かつ計画的に実施するため、国の基本指針に即して定めます。

また、市の上位計画である「第6次豊川市総合計画」との整合を図るとともに、関連計画である「豊川市都市計画マスタープラン」等との連携を図るものとします。

SDGsへの取組

本市では「第6次豊川市総合計画」の中で、近年における世界の潮流や社会情勢の変化で新たな対応が必要となる重要な課題としてSDGsへの取組を掲げ、各政策分野との関連性を明確にしながら、各種取組を推進しており、「豊川市空家等対策計画」においても、関連する目標の達成に向けて、本計画を推進していきます。

本計画に関連するSDGsの目標

11住み続けられるまちづくりを

12つくる責任つかう責任

13気候変動に具体的な対策を

17パートナーシップで目標を達成しよう

計画の対象地区、期間

対象地区、市内全域

対象期間、令和5年度からの5年間(令和5年度から令和9年度)

空家等の種類

本計画で対象とする「空家等」とは、空家法第2条第1項で定義されている「空家等」を対象とし、居住その他の使用がなされていない空家等のうち、戸建ての空家等を主な対象とします。

空家等の定義

建築物(注釈1)又はこれに附属する工作物(注釈2)であって、居住その他の使用がなされていない(注釈3)ことが常態(注釈4)であるもの及びその敷地(立木その他の土地に定着する物を含む。)をいう。ただし、国又は地方公共団体が所有し、又は管理するものを除く。

注釈1、「建築物」とは建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号の「建築物」と同義であり、土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱又は壁を有するもの(これに類する構造のものを含む)、これに附属する門又は塀等をいいます。

注釈2、「附属する工作物」とは、ネオン看板など門又は塀以外の建築物に附属する工作物が該当します。

注釈3、「居住その他の使用がなされていない」とは、人の日常生活が営まれていない、営業が行われていないなど、当該建築物等を現に意図を持って用いていないことをいいます。

注釈4、「常態」とは、おおむね年間を通して建築物等の使用実績がないことが基準となります。

 

2、現状と課題

空家等の推移と現状

「平成30年住宅・土地統計調査」(総務省)における本市の空家率の推移をみると、平成5年から平成25年までは増加傾向で推移していましたが、平成25年から平成30年にかけては減少傾向に転じています。平成30年では、空家総数が9,310戸、空家率が11.8パーセントとなっており、空家総数、空家率ともに減少傾向となり、県の空家率(11.3パーセント)に対しては若干上回っているものの、国の空家率(13.6パーセント)に対しては下回る結果となっています。

豊川市における空家の推移は次の通りです。

平成5年の住宅数35,720戸 空家数3,290戸 空家率9.2パーセント

平成10年の住宅数40,490戸 空家数4,130戸 空家率10.2パーセント

平成15年の住宅数46,630戸 空家数5,410戸 空家率11.6パーセント

平成20年の住宅数72,240戸 空家数8,400戸 空家率11.6パーセント

平成25年の住宅数73,420戸 空家数10,250戸 空家率14.0パーセント

平成30年の住宅数79,130戸 空家数9,310戸 空家率11.8パーセント

出典:平成5年以前は「住宅統計調査」(総務省)、平成10年以降は「住宅・土地統計調査」(総務省)

本市では平成28年度に実施した空家等実態調査の結果をもとに、平成29年度以降は主に空家相談での聞き取り調査や現地調査などにより、市内の空家等を随時把握し、空家データベースとして整理しています。

平成28年度当初、実態調査により把握した空家等数は1,069棟でしたが、その後461棟が空家等と判定されました。そのうち、現在までに解体等で取り壊された空家が530棟、利活用などにより再度、人の居住が認められた建物が108棟で、令和46月末時点での空家等数は892棟となっています。

本市の空家棟数の推移は、次の通りです。

当初の空家数(平成28年度の空家実態調査時点)1,069

追加された空家数(平成29年度以降に空家と判定した数)461

取り壊された空家数530

空家ではなくなった家屋数108

現在(令和46月末現在)の空家数892

となっています。

また、令和4年の家屋現況図建物データ(全棟数102,202棟)のうち、空家等の判定を行う対象である建物概要区分が住宅である建物数65,700棟に対しての空家率は1.4パーセントとなり、平成28年度調査時から空家率は0.4パーセント減少しました。

空家棟数、空家率の推移は、次の通りです。

空家棟数 

平成28年度調査時点が1,069棟で、令和46月末時点では、892棟となり177棟の減少

建物概要区分が住宅である建物の空家率

平成28年度調査時点が1.8パーセントで、令和46月末時点では、1.4パーセントとなり0.4パーセントの減少

となっております。

PDF形式の資料では、豊川市全図に空家の分布状況を示していますが、ここでは省略します。

空家等に関する課題

空家等の予防・適正管理に関する課題

65歳以上の単身高齢世帯や夫婦のみ世帯が増加しており、空家等の予防や適正管理に関する啓発を今後も継続して進める必要があります。

苦情等の改善依頼などに対応しない所有者等への対応や円滑な相続手続きなど、適正な維持管理や除きゃくの促進につながるよう所有者等への意識づけを行う必要があります。

特定空家等の対応を継続的に進めていく必要があります。

管理が難しい高齢の所有者や遠方に居住する所有者などにも対応した管理サービスなどを民間事業者と連携した仕組みづくりを行う必要があります。

空家等の利活用に関する課題

老朽度判定において、「危険なし」と判定された空家等は全体の9割程度となっていますが、利活用度が「高」となっている空家等が少ないため、バリアフリー対応や耐震補強等、住宅の質を高めるなど、中古住宅の流通を促すための対策を強化する必要があります。

空家を解消するうえで、除きゃくりつと利活用率を比べた場合、除きゃくりつが3割程度あることに対し、利活用率は1割にも届いていないことから、従来の住居としての利用に加え、地域のコミュニティ利用を進めるなど、まちの有効なストックとして中古物件の利活用の促進策を検討する必要があります。

市場性や利活用の可能性がある物件であっても、所有者にその意思がない、気づいていないケースなどもあることから、所有者等に情報提供や働きかけを行うなど、空家バンクや支援制度のさらなる利用促進を図る必要があります。

空家等の利活用を促進するためには、所有者等への情報発信に加え、空家等の利活用を検討している個人や団体、事業者に向けても、物件情報や支援制度などの情報発信を継続的に行う必要があります。

空家等の除きゃくに関する課題

老朽度判定において、「注意」「危険」と判定された空家等の割合が微増しており、倒壊や物の飛散等、地域に悪影響を及ぼす可能性の高いことから、解体や建替えを促進する必要があります。

新築に対する需要が依然高いことが考えられるため、空家等の除きゃくを促し、跡地の利活用(建て替え等)を促進する必要があります。

除きゃく後の跡地の所有者等に対し、雑草の繁茂など土地の荒地化を防ぐための管理者としての意識づけを行うとともに、空家と同様に跡地の有効利用の促進に関する取組を促進する必要があります。

現状と課題のまとめ

全国的に空家数や空家率が増加する中、本市においては空家数、空家率ともに減少傾向にあり、前計画に基づくさまざまな空家等に対する取組みにより一定の成果があげられました。一方で、少子高齢化社会を背景とした65歳以上の単身世帯や夫婦のみ世帯の増加などによる空家化へのリスクや相続問題、空家等の利活用率の低さなどの課題も残されました。

今後、施策を展開する上では、地域別の空家等の分布状況等に大きな差は大きく見られないことから、引き続き市全域を対象として、前計画からの施策に継続して取組みながら、残された課題の解決に向け、さらなる情報発信や専門家団体等、多様な主体との連けいなど、空家等の適正管理や利活用の促進に向けた取組みを進める必要があります。

 

3、空家等対策の基本的な考え方

基本理念

本計画では以下の3つの基本理念により、本市の空家等対策に取り組んでいきます。

基本理念

1、市民の安全・安心を確保するための実効性のある対応

2、地域の活性化に向けた流通・活用の促進

3、実現に向けた関係部局、地域住民、民間事業者、専門家団体など多様な主体との連携

取組方針と目標指標

本計画では以下の3つの取組方針により、本市の空家等対策に取り組んでいきます。

取組方針と目標指標

取組方針(1)空家等の予防・適正管理

項目、予防に向けた啓発、管理不全な空家等への助言、指導、特定空家等に対する措置

評価指標、建物概要区分が住宅である建物の空家率

目標値、令和9年度末時点で1.0パーセント

取組方針(2)空家等の利活用

項目、中古住宅としての流通促進、まちづくり資源としての有効活用

評価指標1、専門家による空家等の利活用等に関する相談の件数

目標値、1年間に10

評価指標2、空家バンク登録件数

目標値、令和9年度末時点で100

取組方針(3)空家等の除きゃく

項目、除きゃくの促進、跡地の積極的活用

評価指標、老朽空家等の年間除きゃく件数

目標値、1年間に50件。

主体別の役割

空家等は私有財産であるため、第一義的には所有者の責任で管理されるものでありますが、さまざまな理由により適正に管理されない空家等が、地域住民の生活環境に影響を及ぼしているため、空家等の問題を地域社会の問題と捉え、空家等の所有者等、地域住民、市、事業者等が連携し、役割をもって空家等対策に取り組みます。

4、具体的な施策

取組方針の3つの柱に基づき、次に示す具体的な施策を推進します。

施策の体系

取組方針(1)空家等の予防・適正管理

項目1、啓発

施策・具体的な取組、空家等の適正管理に関する意識啓発、空家等の所有者等への積極的な意識啓発、単身高齢世帯等に対する意識啓発、防犯に関する啓発

項目2、相談

施策・具体的な取組、相談窓口一本化のPR、所管部署における初期指導、専門家等との連携

項目3、管理不全な空家等に対する助言等

施策・具体的な取組、定期的な維持管理の指導・助言、空家等管理事業者との連携

項目4、特定空家等に対する措置

施策・具体的な取組、初期指導、特定空家等の判断、特定空家等の認定、空家法等に基づく措置

取組方針(2)空家等の利活用

項目1、中古住宅としての流通促進

施策・具体的な取組、中古住宅の流通促進、住宅ストックとしての空家等の活用、シティセールスの充実、専門家と連携した中古住宅の利活用方策等の啓発、所有者及び利活用者向けのリフォーム支援等

項目2、まちづくり資源としての有効活用

施策・具体的な取組、地域資源としての空家等の有効活用の促進、活用事例などの情報提供

取組方針(3)空家等の除きゃく

項目1、除きゃくの促進

施策・具体的な取組、除きゃく費用補助制度による支援、解体・除きゃくに関する支援、解体・除きゃくに関する支援、危険な空家等への応急措置の実施

項目2、跡地の積極的活用

施策・具体的な取組、跡地の活用に関する支援

空家等の予防・適正管理に関する施策

1)啓発

1、空家等の適正管理に関する意識啓発として、広報、ホームページ等による啓発、固定資産税納税通知書への啓発チラシの同封、遠方所有者への対応、空家等データベースによる情報管理、管理不全な空家の追跡調査の継続。

2、空家等の所有者等への積極的な意識啓発として、空き家対策セミナー・個別相談会。

3、単身高齢世帯等に対する意識啓発として、包括的支援事業(高齢者への啓発)、空き家対策セミナー・個別相談会(再掲)、空き家対策に関する出前講座。

4、防犯に関する啓発として、防犯啓発パトロール業務、防犯ボランティア団体への情報提供。

2)相談

1、相談窓口一本化のPRとして、チラシやホームページ上でPR。       

2、所管部署における初期指導として、所有者等に対する所管部署からの初期指導。

3、専門家等との連携として、空き家対策セミナー・個別相談会(再掲)。

3) 管理不全な空家等に対する助言等

1、定期的な維持管理の指導・助言として、所有者等の適正管理を促す啓発活動、苦情相談対応等      2、空家等管理事業者との連携は、空家等管理事業者登録制度。

4) 特定空家等に対する措置

1初期指導、2特定空家等の判断、3特定空家等の認定、4空家法等に基づく措置。

特定空家等について

特定空家等とは、空家法第2条第2項において次の状態にあると認められる空家等を指します。

1、そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態

2、そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態

3、適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態

4、その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

保安上危険、衛生上有害などの理由で特定空家等に指定された空家等については、右図の流れに従い措置を実施します。また、空家等の状況が「人の生命、身体又は財産に重大な損害を及ぼす危険な状態が切迫している」と認められた場合には、「空家等の適切な管理に関する条例」41項に基づき、「緊急安全措置」として、必要最低限の措置を速やかに行います。

特定空家等の判定と措置の主な流れとして、空家等の把握、所有者等の調査、立ち入り調査、特定空家等の認定、助言・指導、勧告、命令、行政代執行となります。

空家等の利活用に関する施策

1)中古住宅としての流通促進

1、中古住宅の流通促進として、豊川市空家バンク、豊川市まちなか居住補助金(拠点地区定住促進事業費補助金)、空き工場用地情報提供事業

2、住宅ストックとしての空家等の活用として、空家等を活用した新たな住宅セーフティネット制度の周知、活用促進、災害時の被災者用住宅や物資置場等としての活用

3、シティセールスの充実として、市外の方の空家等の活用も視野に入れたPRの実施、県の情報サイトの活用

4、専門家と連携した中古住宅の利活用方策等の啓発として、空き家対策セミナー・個別相談会(再掲)

5、所有者等に対するリフォーム支援等として、リフォーム補助制度の構築などの個人所有者等を対象とした支援制度(空家バンク利活用費補助金)

2) まちづくり資源としての有効活用

1、地域資源としての空家等の有効活用の促進として、市民活動団体の活動拠点としての空家等活用、空き家見学まちあるき事業、豊川市都市機能立地補助金(拠点地区都市機能立地促進事業費補助金)、チャレンジとよかわ活性化事業費補助(創業支援事業)

2、活用事例などの情報提供として、空家等活用事例の情報提供

空家等の除きゃくに関する施策

1)除きゃくの促進

除きゃく費用補助制度による支援として、老朽空家等解体費補助

解体・除きゃくに関する支援として、金融機関等との空き家に関する協定等の締結

危険な空家等への応急措置の実施として、豊川市空家等の適切な管理に関する条例に基づく緊急安全措置の実施

2) 跡地の積極的活用

跡地の活用に関する支援として、除きゃく費用補助について国の制度に照らし合わせた制度構築の検討

5.実施体制の整備・進捗状況の管理

空家等対策協議会

空家法第7条第1項の規定に基づき、空家等対策計画の策定及び変更並びに実施に関する協議を行うため、平成28413日に「豊川市空家等対策協議会設置要綱」を施行、その後、特定空家等の認定の判断や特定空家等に対する措置の方針などに関する諮問機関とするため、平成30111日から「豊川市空家等対策協議会条例(以下「条例」という)」を施行し、豊川市空家等対策協議会を設置しています。

令和4年度の協議会委員構成は、豊川市長、学識経験者、宅地建物取引業者、司法書士、

土地家屋調査士、弁護士、建築士、市民公募、シルバー人材センター職員、NPO職員

庁内体制

庁内組織である空家等対策庁内連絡会議は、本市における空家等対策を円滑に推進することを目的とし、庁内関係各課の連携により、情報及び問題を共有し連絡調整を図り、空家等の調査や所有者への助言、相談、啓発等を進めます。   

PDF形式の資料では、庁内体制のイメージを図で示していますが、ここでは省略します。