「広報とよかわ」2016年1月号(特集)
更新日:2015年12月24日
年頭のごあいさつ
初春を迎えて
豊川市長 山脇 実
新年明けましておめでとうございます。市民の皆様には、輝かしい新春をお迎えのことと心からお慶び申し上げます。
市長就任3期目の新年を迎え、市政を担う責任の重さを改めて痛感するとともに、気持ちを新たにしているところです。
昨年は、豊川海軍工廠被爆70周年事業として、平和祈念式典と小・中・高校生たちによる再現劇を行い、戦争の悲惨さと平和の尊さを語り継いでいくことの重要さを再認識いたしました。今後も、将来を担う子どもたちの明るい未来のために、恒久平和に向けて全力を尽くすことをお誓い申し上げます。
さて、本市では、確実に進行していく少子高齢化と人口減少を強く意識して、まちづくりの指針「第6次総合計画」の策定を平成26年度から進めており、本年3月に完成します。今後は、本計画に基づき、18万市民が暮らすまちとして持続可能な地域づくりを進めてまいります。特に、「子育てするなら豊川市」と言われるよう「若いお母さんが暮らしたいと感じる子育て支援の充実」や、定住人口の増加を念頭においた「雇用の創出に向けた産業の振興」と、「交流を生みだす観光、スポーツ、文化振興の盛んなまちづくり」を重要施策ととらえ、「子どもたちの笑顔があふれ安全安心で人にやさしいまち」の実現を目指してまいります。
本年も引き続き、「市民との対話」を信条に、市政に対する皆様の声をお聴きしながら、誠心誠意、市政運営に取り組んでまいりますので、ご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
結びに、本年が皆様にとりまして、ご健勝で幸多き年となりますよう心よりお祈り申し上げ、新年のごあいさつといたします。
特集1 新春とよかの初詣
お正月には、初詣で市内外から多くの方が豊川市を訪れます。
今回、市内の由緒正しい寺社の中から主な初詣スポットを紹介します。
詳しいことは、商工観光課(89局2140番)へ、お問い合わせください。
砥鹿神社
DATA
所在地 一宮町西垣内2
参拝時間 元旦は0:00~19:00 2日・3日は5:00~19:00
駐車場 330台(無料)
参拝客数 20万人(三が日)
問合せ先 93-2001
砥鹿神社は、古くから朝廷の信仰を受け、平安時代には、三河国の国司が参拝する筆頭神社「一之宮」となりました。やがて「三河国一宮」として文献に登場するようになり、これが一宮町の名前の由来にもなっています。1月3日に行われる「田遊祭」は、五穀豊穣を祈る神事で、庭に敷き詰めた榊の葉を田んぼに見立て、田打ちから稲の収穫までの行事を、氏子の扮する百姓や代官が面白く演じます。
五社稲荷社
DATA
所在地 小坂井町欠山2
参拝時間 元旦は0:00~17:00、2日~7日は7:00~17:00
駐車場 400台(無料)
参拝客数 7万人(三が日)
問合せ先 72-3062
五社稲荷社は、江戸時代の明暦年間(1656年頃)に始まると言われ、文政13(1830)年には、京都伏見稲荷大社より正式に勧請を受け、五社稲荷社と称するようになりました。五穀豊穣、商売繁盛、福徳円満の神として信仰され、年の始めにだるまの右目を描き入れ、年の終わりに成就者は感謝の儀、達成できなかった者は反省の儀として、左目を描き入れる「だるまの目入り・だるま納め」で有名です。
豊川稲荷
DATA
所在地 豊川町1
参拝時間 元旦は0:00~19:00、2日~5日は5:00~21:00(12月31日は19:00に閉門し、23:45に開門)
駐車場 普通車350台、バス30台(周辺の公共駐車場などは除く)(有料)
参拝客数 134万人(三が日)
問合せ先 85-2030
豊川稲荷(豊川閣妙厳寺みょうごんじ)は、守護神である豊川ダ枳尼真天(トヨカワダキニシンテン)が稲穂を担ぎ、白い狐にまたがっていることから、「豊川稲荷」と呼ばれるようになりました。室町時代の嘉吉元(1441)年に始まると言われ、織田信長、豊臣秀吉、大岡越前守忠相、渡辺崋山などの武人・文人の信仰を集めてきました。江戸時代後期には、商売繁盛などにご利益があるとして信仰が全国に広まり、現在では京都の伏見稲荷などとともに、日本三大稲荷の一つとしてあげられます。
財賀寺
DATA
所在地 財賀町観音山3
参拝時間 特に制限なし
駐車場 100台(無料)
参拝客数 1万人(三が日)
問合せ先 87-3494
財賀寺は、奈良時代の神亀元(724)年に聖武天皇の勅願で、行基によって開かれました。本堂内にある「厨子」と「仁王門・仁王像」が国指定重要文化財であり、厄除開運の千手観音と学業成就の文殊菩薩が信仰を集めています。元旦から25日までは、2024年の開創1300年に向けて修理が始った、市指定文化財「二十八部衆」の一部が展示されます。また、1月3日には、五穀豊穣、子孫繁栄を祈る伝統行事「お田植えまつり」が行われます。
特集2 災害に強いまちづくり
老朽化した木造の建物が密集し、地震や火災が発生した際に、延焼が拡大したり、家屋の倒壊により避難経路が寸断されたりする恐れがある地域を密集市街地といいます。市の調査では、古くから市街化が進んだ地域を中心に約14パーセントの市街地が、こうした危険性を持つ地域と考えられています。
平成26年5月、県が発表した南海トラフ巨大地震における豊川市の被害想定では、最大震度7、死者数約1千人、建物火災などにより、最大で約1万9千棟の建物が全壊・焼失するとの予測が公表されました。こうした巨大地震の発生確率が、今後30年以内に60パーセントから70パーセントにのぼると推測されるなど、これまで以上に、防災・減災に対する取り組みが必要とされています。
市では、こうした背景を踏まえ、災害時に被害の拡大が想定される密集市街地を対象に、地域住民、大学、まちづくりNPOと連携し、まちの基盤を整備するための新しい仕組みづくりを進めています。
この取り組みでは、地域住民が主体となってまちの課題を洗い出し、改善に向けた計画を住民たち自身が作り上げていきます。普段から地域で行う自主防災活動と合わせ、道路や公園の整備など、防災上必要な取り組みに優先順位を付けながら、段階的に整備を進めます。
今回の特集では、災害に強いまちを目指し、まちの未来図を描こうとする地域の取り組みを紹介します。
詳しいことは、都市計画課(89局2147番)へお問い合わせください。
密集市街地にある危険
狭い道路や老朽化した家屋など、災害時には、さまざまな要因が絡み合い、被害を拡大させます。
延燃の拡大
住宅と住宅との距離が十分に保たれていない地域や、公園や緑地帯など、延焼を防止するスペースが不足している場所では、火災が発生すると、延焼範囲が急速に拡大することが想定されます。
公園や広場など、延焼防止機能を持つスペースは、一時的な避難場所として活用することもできます。
道路の寸断
昭和56年以前の耐震基準で整備された木造建築が多い地域では、倒壊した家屋により、道路が寸断され、避難ができなくなったり、消防車両が通行できなくなったりすることが想定されます。
倒壊したブロック塀が道路をふさぎ、避難や救助、消火活動を妨げる場合もあります。
災害から地域を守るために必要なこと
豊橋技術科学大学
理事・副学長
大貝 彰さん
災害による被害を抑止し、被災後の復旧・復興を少しでも早めるための方策として、抵抗力と回復力という2つの考え方があります。
抵抗力とは、建物が倒れないようにしたり、火災の延焼を抑えたりするなど、被害そのものを少なくする力のことです。個々の建物の耐震性を高め、広い道路や公園、緑地帯など、燃え広がらないためのスペースを作ることで、被害を抑えることができます。
一方で回復力とは、災害が起こった時に、どれだけ助け合いながら、復旧・復興に向けて取り組んでいけるかという地域の力のことをいいます。消防団を強化し、住民の意識を高め、防災訓練への参加を促すなど、地域における防災活動を普段から行うことで、被災後の復旧・復興を早めることができると考えられています。
こうした力を高めるためには、まず、地域のどこに危険な場所があるのかを理解し、どうしたらまちの安全が確保できるかを、地域の目線で考えていく必要があります。その上で、どんなまちにしていきたいのか、未来のまちのイメージを描き、実現するための取り組みを継続的に進めていくことが必要です。
まちのことはまちで決める
ここでは、人口密度や老朽化した木造建築物の割合などから、災害に対する危険性が高い地区の一つとされた、牛久保地区のまちづくりについて紹介します。
牛久保地区は、古くは城下町として栄え、明治時代以降は、呉服や家具を扱う嫁入り支度のまちとして発展してきました。一方で、急速な市街化により、道路や公園などの公共用地が不足し、近年では、老朽化した建物が多くなるなど、防災上の課題が多い地区となっています。
こうした課題に対応するため、地域の住民が主体となり、「牛久保安心・安全なまちづくり協議会」を立ち上げ、防災に向けた新しいまちづくりを進めています。
まちの危険を想定する
平成27年10月、各区の代表や、大学、まちづくりNPOに、地元小学生も加わり、防災に関する知識を学ぶためのワークショップが行われました。
ここでは、延焼の危険性が高い場所を色で示した図面を見ながら、安全に避難する方法などが話し合われました。道路の混雑状況、管理されていない空き家、高齢者の居住実態など、地区に住んでいる人だけが気付くまちの危険性について、さまざまな視点で意見が交わされました。
防災の視点でまちを歩く
11月、前回のワークショップの話し合いをもとに、防災上問題のある場所を点検するまち歩きが行なわれました。歩き慣れたまちも、防災という視点で見直すことで、ブロック塀の傷み具合や道路の高低差など、地図では分からない危険性を発見することができます。また、危険な場所だけでなく、使用可能な井戸や、避難場所になる駐車場など、災害時に活用できるものについても点検が行われ、その一つ一つを図面に記録していきました。
これからのまちをつくる
協議会では、こうして作成した防災マップをもとに、平成28年度から、まちの危険な場所をどう改善していくのかを具体的に定める計画を策定していきます。住民が感じた危険や、点検によって積み上げた一つ一つの記録が、まちの計画として位置付けられ、段階的に整備されていきます。
INTERVIEW 町並みを残し災害から地域を守る
住み慣れたまちも、防災という視点で路地を一歩入ると、狭い道路が入り組み、ブロック塀に囲まれ、逃げ場のない場所が多いことがよく分かります。実際に、この地区で建物火災が発生した際、道が狭くて消防車両が進入できないということもありました。
一方で、こうした昔ながらの町並みは、地域の人たちが受け継いできた文化であり、牛久保地区の良さでもあります。
たいせつなものを残しながら、災害から住民を守るためには、地域のことを一番よく知る私たち自身が、このまちの将来を考えなければなりません。
まちづくりは、まだ始まったばかりで手探りの状況です。今回の取り組みをきっかけに、地域が一つにまとまり、牛久保地区に合ったまちづくりが進められるように取り組んでいきたいと思います。
牛久保安心・安全なまちづくり協議会会長
柴田 勝さん
まちづくりの新しいかたち
都市計画課長
増田 孝道
地域の住民を災害から守るという大きな課題に対応するためには、これまでの行政主導による画一的な手法では、時間的にも、財政的にも、全てのニーズに応えることは難しくなっています。
牛久保地区では、住民主体のまちづくりが進められています。住民の目線で捉えたまちの課題を、市のさまざまな事業を選択しながら解決していくこの手法は、新しいまちづくりのかたちになると考えています。
市では、今後もこうした取り組みを進め、多くの方に関心を持っていただくとともに、地域のあり方を考えるきっかけにしていただきたいと思います。
まちづくりに活用できる防災に関連する主な取り組み
公園等整備事業
新しく公園を整備したり、遊具やトイレなどを改修する事業
狭あい道路整備事業
道路用地として土地を市に寄附する場合、測量・分筆、登記の費用を市が負担する事業
木造住宅無料耐震診断
昭和56年5月以前に建築された木造住宅の耐震診断を無料で行う事業
民有地緑化事業
延焼防止に効果的な生垣を整備するための費用を補助する事業