「広報とよかわ」2018年4月号(特集)
更新日:2018年3月30日
特集1 平成30年度予算案
総額1,082億9,967万円の平成30年度予算案を第1回定例市議会に提出しました。
今回の特集では、平成30年度施政方針の概要と主要事業を掲載しています。
詳しいことは、財政課(電話:0533-89-2127)へお問い合わせください。
「子どもたちの笑顔があふれ安全安心で人にやさしいまちづくり」を進めます
豊川市長 山脇 実
私は、市長就任以来、一貫して「市民との対話」を何よりもたいせつにし、市民の皆さまとの信頼を第一に市政運営に取り組んでまいりました。
我が国は、今までに経験したことのない超高齢化、人口減少といった急激な社会構造の変化に直面しています。市では、こうした状況に対応するため、平成28年に策定した「第6次総合計画」や定住・交流施策を強く意識した「豊川市まち・ひと・しごと創生総合戦略」などに基づき諸課題に立ち向かい、将来にわたって住み続けたいと思うまちづくりに取り組んでまいります。
「豊川市まち・ひと・しごと創生総合戦略」4つの基本目標
- しごとづくり
創業支援や経営診断・相談支援の実施により、中小企業の経営基盤の強化・安定化を図ります。また、新規就農者をはじめとした農業者の育成支援に努めます。
- ひとの流れづくり
都市圏でのプロモーション事業など、観光振興をはじめとしたシティセールスを強化し、交流人口の増加を目指します。
- 結婚・出産・子育て環境づくり
安心して子を産み育てることのできる環境を整備するため、「産後ケア事業」を開始するとともに、児童クラブの受入体制の強化などを図ります。
- 安全で快適に暮らせるまちづくり
指定区域内へ転入する方に対する補助金の交付を開始するとともに、中学生以下の子を持つ世帯の場合は奨励金を交付し、定住人口の増加を図ります。
「ファシリティマネジメントの推進」
公共施設の長寿命化対策を計画的に進め、施設の統廃合などの適正配置と合わせ、将来にわたり持続可能な行財政運営を目指します。
「福祉と文化、そしてスポーツの盛んなまちづくり」
生活困窮者や障害のある方などが相談しやすく就労へつながるよう相談体制の強化を図ります。また、陸上競技場夜間照明設備の設置に向けた調査設計に着手するなど、スポーツの盛んなまちづくりを推進します。
「総合計画の6つの政策に基づく主な事業」
- 安全・安心
自然災害などに迅速に対応するため、防災センターの建設に着手するとともに、情報収集と伝達の機能強化を図るため、市町村防災情報システムを導入します。
- 健康・福祉
高精度がん検査機器「PET-CT」を導入し、質の高い医療サービスを提供します。また、集団健診のWEB予約を開始し、受診率の向上を目指します。
- 建設・整備
空き家の解体に対する補助や「地域空家等対策モデル事業費補助」を新設し、地域との協働による対策を推進します。
- 教育・文化
小学校の普通教室に空調設備を設置するとともに、英語のコミュニケーション能力を高めるため、AETの計画的な増員を進めます。
- 産業・雇用
収益力の向上を目指す農家を支援します。また、御津1区へ進出する事業者に対し「用地取得事業費補助金」を交付し企業誘致に努めます。
- 地域・行政
地域コミュニティの核となる地区市民館の改修に順次着手します。また、行政の内部統制を推進するとともに、全庁的な政策間連携や民間などとの協働を進めます。
平成30年度予算案の概要
総額 1,082億9,967万円
平成30年度予算案の一般会計は、対前年度比5.4パーセントの増、特別会計は41.6パーセントの減、企業会計は0.2パーセントの減で、全会計の総合計は11.7パーセントの減です。
一般会計 609億円
歳入 609億円
- 市税(46.6パーセント)283億7,734万円
市税内訳
個人市民税 104億8,500万円
法人市民税 15億2,720万円
固定資産税 126億5,844万円
軽自動車税 4億4,400万円
市たばこ税 10億円
特別土地保有税 970万円
入湯税 4,300万円
都市計画税 22億1,000万円
- 国庫支出金(13.6パーセント) 83億641万円
- 地方交付税(7.1パーセント) 43億円
- 県支出金(6.6パーセント) 40億140万円
- 地方消費税交付金(5.1パーセント) 31億円
- 諸収入(4.8パーセント) 29億1,371万円
- 市債(4.6パーセント) 27億8,250万円
- その他(11.6パーセント) 71億1,864万円
歳出 609億円
- 民生費(43.5パーセント) 264億9,790万円、障害者、高齢者、児童に関する福祉や生活保護などの社会保障
- 教育費(10.2パーセント) 62億4,175万円、学校・社会教育やスポーツ振興
- 総務費(9.7パーセント) 59億123万円、企画政策・文化振興、交通安全、徴税など
- 衛生費(9.2パーセント) 56億1,430万円、保健衛生や清掃
- 公債費(8.4パーセント) 51億1,328万円、市債の返済(元金、利子)
- 土木費(8.3パーセント) 50億3,733万円、道路、橋りょう、河川、市営住宅、都市計画
- 消防費(4.1パーセント) 25億2,140万円、消防、救急、防災
- その他(6.6パーセント) 39億7,281万円、議会、商工、観光など
特別会計 245億480万円
- 豊川西部土地区画整理事業会計 4億2,010万円、1.7パーセント
- 豊川駅東土地区画整理事業会計 3億4,750万円、1.4パーセント
- 公共下水道事業会計 47億3,530万円、19.3パーセント
- 農業集落排水事業会計 1億370万円、0.4パーセント
- 公共駐車場事業会計 1億1,700万円、0.5パーセント
- 国民健康保険会計 160億8,800万円、65.7パーセント
- 後期高齢者医療会計 23億8,270万円、9.7パーセント
- 土地取得会計 2億9,300万円、1.2パーセント
- 一宮財産区管理事業会計 100万円、0.0パーセント
- 赤坂財産区管理事業会計 260万円、0.0パーセント
- 長沢財産区管理事業会計 370万円、0.0パーセント
- 萩財産区管理事業会計 1,020万円、0.1パーセント
合計 245億480万円、100.0パーセント
企業会計 228億9,487万円
水道事業会計
- 収益的 31億4,162万円、13.7パーセント
- 資本的 17億6,205万円、7.7パーセント
小計 49億367万円、21.4パーセント
病院事業会計
- 収益的 158億6,780万円、69.3パーセント
- 資本的 21億2,340万円、9.3パーセント
小計 179億9,120万円、78.6パーセント
合計 228億9,487万円、100.0パーセント
歳入
個人市民税が個人所得の伸びなどにより対前年度比2.8パーセントの増、法人市民税が企業収益の回復から11.1パーセントの増となっています。一方で、固定資産税が3年毎の評価替えの影響から0.8パーセントの減を見込んでいます。この結果、市税全体では0.4パーセントの増となりました。その他、地方交付税は合併算定替の段階的縮減が進むことなどにより2.3パーセントの減、市債は財政調整基金などを活用して借入を抑制しましたが、37.2パーセントの増となっています。
歳出
一般会計は、平成28年度以来2度目の600億円を超える予算案となり、過去最大規模となりました。これは、平成30年度から介護保険事業が東三河広域連合で開始されることや、総合計画および政策ビジョンへの重点配分、普通建設事業への予算化を積極的に行ったことなどによるものです。拡大する社会保障費への対応、「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の推進、本市のまちづくりの指針となる第6次総合計画への重点的な予算配分と政策ビジョンの達成を念頭に置いた予算案となっています。
総合計画に掲げる6つの政策
主な事業を紹介
安全・安心
安全で快適な生活環境が整っているまち
- 自転車安全利用啓発事業 89万円
- 交通安全施設整備事業 8,670万円
- 消防団再編整備事業 6,513万円
- し尿処理効率化事業 2億9,027万円
- 清掃工場B棟基幹的設備改良事業 6億1,254万円
- 特定環境保全公共下水道整備事業 1億2,828万円
- 防災センター整備事業 6,919万円、災害対策本部機能や発災時に活動する各機関の拠点機能を備えるとともに、市民への研修などを行う施設として防災センターを整備します。
健康・福祉
誰もが健やかに生き生きと暮らしているまち
- ワンコインがん検診・健康診査事業 2億6,397万円
- 産後ケア事業 20万円
- 民間保育所建設費補助 3億4,375万円
- 医療機器購入事業 4億2,737万円
- 一般介護予防事業 3,359万円
- 軽度・中等度難聴児補聴器給付事業 43万円
- 放課後児童健全育成事業 3億5,790万円、中部小学校区児童クラブをはじめ4カ所の児童クラブを増設(予定)するとともに、受入れ児童数の拡大を図ります。
建設・整備
住み心地よい、訪れやすい都市環境が整備されているまち
- 宿伊奈土地区画整理事業(仮称)支援事業 650万円
- 八幡駅周辺まちづくり推進事業 5,677万円
- 拠点地区定住促進事業 1,135万円
- 愛知御津駅周辺まちづくり整備事業 2,230万円
- スポーツ公園整備事業 2億9,388万円
- 空家等対策推進事業 728万円、良好な生活環境の確保や、土地の有効活用の促進などを図るため、市内の老朽化した空き家の解体工事に要する費用の一部を補助します。
教育・文化
あらゆる世代の人が豊かな心を育んでいるまち
- 小中学校普通教室空調設備設置事業 9億5,515万円
- 部活動総合支援事業 347万円
- 英語教育推進事業 6,731万円
- 小坂井東小学校校舎改修事業 2億9,218万円
- スポーツイベント開催支援事業 290万円
- 旅籠大橋屋保存整備事業 1億2,454万円
- 文化ホール公演事業 4,023万円、質の高い舞台芸術に触れる機会として、世界的に有名な「プラハ交響楽団」をはじめ22の公演を実施します。
産業・雇用
魅力と活力があふれているまち
- 企業誘致推進事業(御津ふ頭開港記念事業等) 1,251万円
- 企業立地促進補助(用地取得補助等) 2,163万円
- 創業・起業支援事業 140万円
- 観光振興推進事業 526万円
- 産地パワーアップ補助事業 6,289万円、農産物の収益力強化に取り組む農業者などに対し、計画実現に必要な施設の整備や農業機械のリース導入などに係る経費を補助します。
地域・行政
地域と行政がしっかりと支えているまち
- 地区市民館施設整備事業 1億2,344万円
- 東三河広域連合との連携(介護保険事業) 20億1,033万円
- シティセールス推進事業 256万円
- 期日前投票所増設等整備事業 519万円
- 小坂井地区公共施設再編整備事業 4,906万円、小坂井地区における公共施設の老朽化に伴い、施設の多機能化・複合化を推進するため、新たな施設を再編整備します。
特集2 とよかわ桜図鑑
春の到来を告げる花として古くから愛されてきた桜。現在、その品種は600種類以上あり、さまざまな姿で見る人を楽しませてくれます。
今回は、市内に咲く桜のうち、主なものについて、花の特徴やその歴史、お花見スポットなどを紹介します。
ソメイヨシノ
- 花色 淡紅
- 花の大きさ 中輪
- 開花時期 4月上旬から
江戸の染井村(東京都)の植木職人が「吉野桜」として販売しましたが、吉野山のヤマザクラと区別するため、後に「染井吉野」と呼ばれるようになりました。今では、日本の桜の8割がソメイヨシノといわれているほど広く普及しています。
お花見スポット
桜トンネル(諏訪)
諏訪の桜トンネルをはじめ、豊川公園一帯にあるソメイヨシノは、豊川海軍工廠の開庁を記念して昭和16年に植樹されました。
その他 佐奈川堤、音羽川堤、御津山園地
シダレザクラ
- 花色 淡紅
- 花の大きさ 小輪
- 開花時期 3月中旬から
シダレザクラは、正常な形の桜の変種とされています。その名のとおり、枝が垂れる桜の総称で、ベニシダレ、ヤエベニシダレなど多くの品種があります。
お花見スポット
宝円寺(上長山町)
宝円寺開山記念に植樹された、樹齢約500年のシダレザクラ。昭和30年代前半に、石垣から伸びた芽を根付かせた2代目のシダレザクラが古木の横に植えられています。
その他 三明寺
ヤマザクラ
- 花色 白
- 花の大きさ 中輪
- 開花時期 4月中旬から
和歌にも多く詠まれる、山に咲く日本古来の桜。ソメイヨシノが登場するまでは花見の桜としてヤマザクラが主流でした。大きく成長することで知られ、樹高が30メートル近くになるものもあります。
お花見スポット
松沢寺(御津町)
平成4年、市の天然記念物に指定された、樹齢350年にもなる、市内で最も長寿のヤマザクラ。樹高20メートル、幹周6.6メートルにもなり、県内でも珍しい見事な巨木となっています。
その他 長福寺、赤塚山公園
エドヒガン
- 花色 白
- 花の大きさ 中輪
- 開花時期 3月中旬から
つぼみのときは薄いピンク、満開になると白色、散り際には淡い墨色になります。岐阜県本巣市にある樹齢1,500年以上の「根尾谷淡墨桜」もエドヒガンザクラで、長寿で大木になることが知られています。
お花見スポット
桜ヶ丘公園(桜ケ丘町)
岐阜県の「根尾谷淡墨桜」から苗木を分け、市制40周年を記念して昭和58年に植樹されたもので、樹齢約30年以上のエドヒガンを見ることができます。
その他 御津山園地、伊奈城趾公園
カワヅザクラ
- 花色 紫紅
- 花の大きさ 大輪
- 開花時期 3月上旬から
早咲きの桜で、開花期間が長いことで知られているカワヅザクラ。オオシマザクラとヒカンザクラの自然交配種で、濃い紅色の花をつけます。原木は昭和30年頃に静岡県河津町で発見されました。
お花見スポット
西古瀬川(八幡町)
姫街道の北側を流れる西古瀬川には、両岸約1キロにわたり157本ものカワヅザクラが植えられています。ボランティアグループ「八幡桜を育てる会」が中心となり桜を管理しています。
コヒガンザクラ
- 花色 淡紅
- 花の大きさ 小輪
- 開花時期 3月中旬から
春の彼岸頃には花が咲き始めることから名付けられました。ソメイヨシノよりも濃いピンク色の花を咲かせます。樹木としては小ぶりで、園芸品種として庭木や公園樹として親しまれています。
お花見スポット
穴観音公園(御津町)
地元有志「穴観音の桜を守る会」により、昭和59年頃、長野県高遠町からコヒガンザクラを移植したのがはじまりです。コヒガンザクラを含め、約50本の桜が植えられています。
その他 三明寺
さくらの豆知識
日本三大桜
山梨県北杜市にある「山高神代桜」(樹齢2,000年)、岐阜県本巣市にある「根尾谷淡墨桜」(樹齢1,500年)、福島県三春町にある「三春滝桜」(樹齢1,000年)が日本三大桜と呼ばれています。
桜の葉にある抗菌作用
桜の葉が生成する「クマリン」という成分は、抗菌作用があり、自らの葉を守る役割を果たしています。雨水により地面に落ちると、周りの植物の成長を阻害することがあります。
桜の開花日と満開日
開花日や満開日の基準としているのは各地の気象台などにある標本木です。開花日は5輪から6輪以上の花が咲いた日で、満開日は8割以上のつぼみが開いた日です。