「広報とよかわ」2019年7月号（モノ、ヒト、シゴト）

モノ、ヒト、シゴト TOYOKAWA PRODUCE

産業が盛んな豊川市。「モノ、ヒト、シゴト」では、豊川市が誇るモノづくりと、それに携わるヒトを紹介します。

vol.04

トップシェアの芝刈機
芝・草刈機製造メーカーとして業界から注目される共栄社。中でもゴルフ場用芝刈機は国内トップシェアを誇っている。開発から製造まで全てを手掛ける共栄社で、製品開発を担当する春田さん。「使い手の課題を捉え解決するために、開発を続けることが私の役割」と話す。

世界に誇れる技術力
共栄社の芝刈機の特徴は、優れた耐久性をもつ切れ味抜群の刃だ。製造工程には、日本刀の鋳造技術「焼き入れ」を採用。高温に熱した鋼を急速に冷やすことで、硬さと粘りのある刃ができあがる。また、刃は機械を使用し本体に組み付けるのが一般的であるのに対し、共栄社では刃1枚ずつ職人が組み付けを行っている。職人の熟練の技と感性により、精密な刃が完成する。「時間と手間のかかる製法を守り続けるのは高い品質を保つため」と言う。
さらに、使いやすさにもこだわりをみせる。昨今、ゴルフ場では芝刈作業者の高齢化や人手不足の課題を抱える一方、起伏のある芝をムラなく刈るのは、経験が浅い作業者には至難の業とされていた。こうした中、作業経験の有無にかかわらず美しく刈り上げられる独自の機構を開発。「使い手を選ばない芝刈機は、ゴルフ場に従事する皆さんの負担と課題を少しでも解消したいと開発されたもの。開発者たちは、常にその一心で取り組んでいる」この技術が評価され、今では海外からも注目を集めている。

開発者としての使命
「使う人から楽になったと言われることが一番うれしい。現場の声を聴きながら、求められるものを作っていきたい」と話す。一層の負担軽減を追求し、現在は、無人芝刈機の実用化に向け準備を進めている。
　たいせつにしていることは「伝統と革新」。創業100年を超える伝統を守りながら、さらなる進化を続けている。

株式会社共栄社 本社 美幸町1－26

1910年創業。開発から製造までを一貫して行う芝・草刈機製造メーカー。中でもゴルフ場用芝刈機は国内プロゴルフツアーの会場となるコースの約8割で使用されている