「広報とよかわ」2022年8月号(モノ、ヒト、シゴト)
更新日:2023年8月17日
モノ、ヒト、シゴト TOYOKAWA PRODUCE
豊川市が誇るモノづくりと、それに携わるヒトを紹介します。
vol.40
プレス加工で未来を創る
株式会社デンソープレステック 技術部・塚本 敦彦さん
業界最速のプレス加工
自動車のモーター部品などのプレス加工を専門に行うデンソープレステック。小物・精密部品を高速で加工する技術は、業界トップクラスを誇る。金型設計から部品の製造までを手掛け、顧客への技術提案も行うなど、新技術の開発にも積極的に取り組んでいる。
金型設計を担当する塚本さんは「精度と速さを追求したプレス加工に自信を持っている」と話す。
高精度と加工速度の両立
プレス加工は、金属板材を金型で抜くなどして、さまざまな形状の製品を生み出す加工方法のこと。鋳造・切削加工に比べ大量生産に向いているが、精度の面で課題があった。自動車が走ったり止まったりする基本性能を安全に機能させるためには、部品の精度が重要。大量生産される部品に一つでも不具合が生じると命に関わるため、金型を千分の1ミリ単位で調整し精度を追求した。さらに、従来のものより小型化したプレス機を組み合わせた独自のラインを開発。金属板材の無駄を削減することに加え、連続した高速加工を実現し、生産性の向上にもつなげている。金型の設計に留まらず、金型の製造や製品が安定して生産できるところまで現場で立ち合い、最後まで責任を持って見届けるという塚本さん。「開発の仕事は未知数で、試行錯誤してもうまくいかないことが多い。常に、人の命に関わる製品を作っているという意識を持ち取り組んでいる」と語る
未来へつながる発想力
電動化や自動化など、大きな変革期を迎えている自動車業界では、顧客からの要望に応えるための発想力が求められる。塚本さんは「新しく開発したものが世に出たときにやりがいを感じる。今後も、未来につながる製品を生み出していきたい」という。これまで培ってきた技術を生かし、新開発に挑戦し続ける。
株式会社デンソープレステック:萩町ゲンザウ11丁目16番地
1953年に前身である協栄製作所を設立。自動車のモーター部品などのプレス加工を専門に行う。高精度の技術を持ち、小物・精密部品のプレス加工速度は業界最速を誇る。