「広報とよかわ」2024年6月号(特集)
更新日:2024年5月31日
特集 あなたの命を守るもの ~自転車乗車時はヘルメットを~
自転車乗車中の事故で、命の危険から身を守る、「ヘルメット」。道路交通法の一部改正により、令和5年4月から、自転車を利用する全ての人のヘルメット着用が努力義務となりました。
今回の特集では、市内の交通事故発生状況や自転車乗車時のルール、ヘルメットの正しいかぶり方などを紹介します。詳しいことは、人権生活安全課(電話:0533-89-2149)へお問い合わせください。
市内の交通事故発生状況
市内の人身交通事故発生件数を見ると、コロナ禍における外出自粛などの影響で、令和4年までは減少傾向にありました。しかし、令和5年では、外出が増えたことなどにより、前年より192件増加しています。
また、自動車(四輪車)対自転車事故件数を見ると、コロナ禍前の令和元年が113件に対し、令和5年は138件となっています。健康意識の向上や環境への配慮などによって、自転車を利用する人が増える中、今後も、事故件数が増加していくことが予想されます。
【豊川市内の人身交通事故発生件数と 自動車(四輪車)対自転車事故件数推移】
令和元年、人身交通事故発生件数 790件、うち自動車(四輪車)対自転車事故件数 113件
令和2年、人身交通事故発生件数 584件、うち自動車(四輪車)対自転車事故件数 84件
令和3年、人身交通事故発生件数 565件、うち自動車(四輪車)対自転車事故件数 94件
令和4年、人身交通事故発生件数 515件、うち自動車(四輪車)対自転車事故件数 82件
令和5年、人身交通事故発生件数 707件、うち自動車(四輪車)対自転車事故件数 138件
【資料提供】豊川警察署
交通事故の多い時間帯
令和5年の時間帯別の人身交通事故発生件数を見ると、朝の通勤・通学の時間帯や、夕暮れ時の視界が悪くなる時間帯で多く発生しています。朝の通勤・通学の時間帯は、交通量が多く事故が起こりやすいため、道が混むことを想定し、十分な余裕を持って家を出ることを心掛けましょう。また、夕暮れ時は、周囲の視界が徐々に悪くなり、自動車や自転車、歩行者などの発見がお互いに遅れやすくなります。自転車も、日没時間前にはヘッドライトを点灯し、交通事故を防ぎましょう。
【時間帯別人身交通事故発生件数(令和5年)】
1時から3時まで、5件
4時から6時まで、33件
7時から9時まで、167件(通勤・通学時間)
10時から12時まで、125件
13時から15時まで、115件
16時から18時まで、180件(夕暮れで視界が悪くなる時間)
19時から21時まで、61件
22時から24時まで、21件
【資料提供】豊川警察署
こんな自転車事故が起きています!
自転車の一時不停止
一時停止の標識・標示を無視して、左右の安全確認をしないまま飛び出したため、車と衝突
自転車の急な進路変更
後方の安全確認をしないまま、トラックを避けようと急に進路変更したため、後方の車と衝突
車の右左折時
後方確認が不十分な車が、直進してくる自転車に気づかすに右左折したため、衝突
命を守るヘルメット
自転車利用中の交通事故の状況
【自転車死亡事故の損傷部位(平成31年から令和5年まで)】
頭部 68.4パーセント、胸部 7.7パーセント、その他 23.9パーセント
約7割が頭部に致命傷を負っています
【出典】愛知県警察ホームページ
【ヘルメット着用別の致死率(平成31年から令和5年まで)】
非着用 0.405パーセント、着用 0.237パーセント
ヘルメット着用で死亡率が半減
【出典】愛知県警察ホームページ
市内在住の方なら全員対象 自転車乗車用ヘルメット購入費補助
対象 市内に在住の方
補助対象ヘルメット SG·JCFマークなど安全性の認証を受けた自転車乗車用ヘルメットで、令和6年4月1日以降に購入したもの
補助金額 購入費の2分の1(上限2000円) (1人1個)
申込 購入したヘルメットの商品名などが記載された領収書の写し、申込書に必要書類を添えて、直接、または郵送で、人権生活安全課(〒442-8601 諏訪1丁目1)へ。申込書は、人権生活安全課(北庁舎2階)にあります(こちらからダウンロード可)
その他 必要書類など詳しいことは、こちらを確認してください
意外と知らない!?ヘルメットの正しいかぶり方
ヘルメットを正しく着用することで 、交通事故での死亡率を大きく減らすことができます。ヘルメットを選ぶ際は、実際にかぶり 、頭のサイズに合ったものを選びましょう。
正しい着用方法
- 耳元のV字部分はねじれないように
- あごとあごひもの間に、大人は指1本、子どもは指2本入る程度
- ヘルメットの先端が眉毛のすぐ上にくるように深くかぶる
- 角度を合わせ、左右均等にかぶる
誤って着用すると
- ひもがねじれていると緩みやすい
- あごひもが緩いと脱げやすい
- かぶり方が浅いと、前頭部や顔面を守れない
- かぶり方が斜めだと、側頭部を守れない
自転車安全利用五則
自転車は、道路交通法上では、軽車両に位置づけられていて、自動車や二輪車といった車両の仲間です。そのため、守らなければならない交通ルール、「自転車安全利用五則」があります。自転車に乗る際は、以下の5つのルールを守り、安全な運転をしましょう。
1 車道が原則、左側を通行 歩道は例外、歩行者を優先
歩道と車道の区別がある道路では車道通行が原則です。車道を通行する場合は、左側に寄って通行しなければなりません。
罰則 3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金
歩道を通行できる場合、車道寄りの部分をすぐに停止できる速度で通行します。歩行者の通行を防げる時は一時停止しなければなりません。
罰則 2万円以下の罰金または科料
自転車が例外的に歩道を通行できる場合
- 「普通自転車歩道通行可」の標識・表示がある
- 13 歳未満の子ども、70歳以上の高齢者、体の不自由な人が運転している
- 通行の安全確保のためにやむを得ない(例えば、道路工事している、駐車車両が続いている、交通量が多く道幅が狭い など)
2 交差点では信号と一時停止を守って、安全確認
信号機のある交差点では、信号に従って安全を確認し通行しましょう。自転車は、対面する車両用信号に従うのが原則です。「歩行者・自転車専用」と表示されている信号機がある場合や横断歩道を通行する場合は、歩行者用信号機に従わなければなりません。
道路標識などにより、一時停止すべきとされている場所では、必ず一時停止し、左右の安全を確認しましょう。
罰則 3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金
3 夜間はライトを点灯
前方の安全確認だけでなく、歩行者や自動車に自転車の存在を知らせるためにも、夜間は必ずライトを点灯しましょう。また、反射器材を備えた自転車を運転しましょう。
罰則 5万円以下の罰金
4 飲酒運転は禁止
自動車と同じく、飲酒運転は禁止です。お酒を飲んだら絶対に運転してはいけません。
罰則 5年以下の懲役または100万円以下の罰金
5 ヘルメットを着用
自転車乗車の際は、ヘルメットを着用しましょう。幼児が自転車に同乗するときも、着用させるようにしましょう。
自転車教室に参加した児童にお話を聞きました
市では、毎年4月から7月にかけて、市内の小学3年生に対して、自転車教室を実施しています。
御津南部小学校 今泉湊真さん
おばあちゃんの家に遊びに行く時、よく自転車に乗って出かけています。今まで、自転車のルールについて学ぶことがあまリなかったので、自転車教室に参加して、安全運転しようと思いました。また、交差点は事故がとても多い場所だと教えてもらったので、必ず止まって、左右と右後ろを確認してから渡りたいです。
普段から点検・整備を忘れずに
自転車事故は、交通ルール違反や運転技術だけでなく、自転車の整備不良によっても起こります。日頃から自転車に乗る前に、故障や不具合がないかをチェックし、必要に応じて整備しましょう。
- ハンドルはグラグラしないか
- ブレーキは良くきくか
- ベルは鳴るか
- ペダルはグラグラしないか
- ライトは明るく点灯するか
- タイヤに適度な空気が入っているか
- サドルの高さは合っているか
- 反射器材、尾灯は割れていないか
- チェーンはスムーズに回転するか
点検・整備の合言葉「ぶたはしゃべる」
ぶ ブレーキ
た タイヤ
は ハンドル
しゃ 車体
べる ベル
自転車損害賠償責任保険などへの加入は義務です
自転車は、多くの方が利用できる便利な乗り物ですが、他人にけがをさせた場合、高額な賠償責任を問われることがあります。自転車の利用者が未成年で、自分で契約を結び保険に加入することができない場合などは、保護者の責任で保険などに加入する必要があります。万が一に備えて、自転車損害賠償責任保険などの加入状況を確認しましょう。
Interview 交通事故ゼロを目指して
豊川警察署 署長 福田充宏さん
自転車は、運転免許証がなくても乗ることができる手軽な乗り物です。その一方で、交通ルールを守らなかったり、車体の整備が不十分だったりすると重大な事故につながってしまいます 。令和5年の県内における自転車の交通事故死者25人のうち11人に、自転車側にも信号無視などの交通違反がありました。
豊川警察署では、中学校や高校における自転車無事故無違反ラリーをはじめ、乗車用ヘルメットの着用促進に向けた広報啓発活動や悪質違反に対する交通取り締まりなど、各種取り組みを実施しています。最近では、幅広い年代でヘルメットを着用している人が増えてきたように感じますが、まだまだ、着用して いる人の方が少ないのが現状です。
交通事故を防止するためには、自動車はもちろん、道路を利用する全ての方が、交通ルールを理解し守ることが大切です。今後も地域の方と連携し、交通事故ゼロを目指していきたいと思います。