「広報とよかわ」2024年9月号(特集)
更新日:2024年9月3日
特集 豊かな時間を、このまちで。-シニアライフの楽しみ方-
皆さんは、自分や家族の老後の過ごし方について考えたことはありますか。会社を定年退職したり、子どもが自立して手が離れたりするなど、これまで少なかった自由な時間が増え、今後の過ごし方に悩む方もいるのではないでしょうか。令和6年版高齢社会白書によると、健康的な生活を送ることができる期間「健康寿命」の平均は、男性が72.68年、女性が75.38年です。健康寿命を延ばすためには、若いうちから運動をしたり栄養に気を使ったりするだけでなく、社会活動への参加も重要だといわれています。
今回の特集では、老後を楽しく自分らしく過ごしている方の声や、市内で行われている社会活動などを紹介します。詳しいことは、介護高齢課(電話:0533-89-2105)へお問い合わせください。
「自分のための活動が誰かの役にも立っている」
夏目 和夫さん(83歳)
趣味は、石に篆書体(てんしょたい)の文字を彫り、はんこを作ること。毎年の年賀状にも押しているそう。
認知症に対する正しい知識と理解を持ち、地域で認知症の人やその家族に対してできる範囲で手助けする「認知症サポーター」。年齢を感じさせない軽いフットワークで活躍する夏目さんにお話を伺いました。
- 地域の人とのつながりが大切
光学用品の備品取り付けの会社を営んでいた夏目さん。70歳頃、病気の影響で会社をたたみました。「病気が分かり手術をしたが、当時はとても落ち込んだ」と夏目さんは振り返ります。
家で過ごす時間が多くなっていた中、町内会の仕事を任され地域住民と接するようになると「このまま家にいるだけではいけない。もっと外に出て誰かと関わろう」と思うようになったと話します。民生委員を約4年務めるなど外に出ることも多くなった夏目さんは、誰かと話す機会を増やし、自分の認知症予防も兼ねることができればと、市の認知症サポーター養成講座や介護予防サポーター養成講座を受講。また、今年から発足した認知症サポーターと認知症当事者やその家族などからなる「チームオレンジとよかわ」の一員としても活動しています。
- 誰かと関わると自分も元気になれます
「自分のためと思って始めたこの活動が、誰かの役にも立っている」と話す夏目さん。人と接することで気持ちが晴れ、良い気分転換にもなるといい、夏目さんの明るい人柄で周囲の人も自然と笑顔に。中央図書館で修理本ボランティアとしても活動するなど、活躍の場を広げている夏目さんの目標は「中途半端にせず自分が動けるうちは続ける」。これからも夏目さんの活動は続きます。
「いつまでも楽しく元気に過ごしていきたい」
白井 俊子さん(71歳)
趣味は編み物をすること。その他にも畑で野菜を育てたり、昨年4月からは卓球にもチャレンジしたりしている。
点字ボランティアサークル「あめんぼうの会」の立ち上げメンバーとして、現在も活動を続けている。地域のふれあいサロンでも定期的に催しを行うなど、忙しい毎日を過ごす白井さんの元気の秘密を探りました。
- 生まれ育った豊川でできることを
教員として、30歳半ばまで中学校に勤めていた白井さん。家族の体調悪化のため退職したものの、どんな形でも地域と関わることは続けていました。幼い頃、近所に目の不自由な方がいたことがきっかけで点字に興味を持ち、「いつか点字を読めるようになりたい」と思っていた白井さんは、退職後に点字講座を受講し、点字ボランティアサークル「あめんぼうの会」の立ち上げメンバーに。あめんぼうの会では、小学校の福祉実践教室で点字を教えたり、広報とよかわなどを点字に訳す作業をしたりしています。白井さんは「時代が変わるにつれて新しい言葉も増える。みんなで話し合って、どう点字に訳すかを相談している」と話します。
- 好きなことを見つけて楽しく過ごしています
ボランティア活動以外にも、地域のふれあいサロンで季節の催しや、警察や保健センターなどからゲストを招いての講演を企画しています。また、子どもの通学を見守る活動なども行い、毎日を忙しく過ごしています。
「小さなことでも続けていくことが大切。無駄なことは一つもない。どうせ一日を過ごすのなら、楽しく過ごした方がいいじゃないですか」と、人生をとことん楽しむ白井さん。これからもあふれるパワーで活動し続けます。
「新しい世界を知ったことで第二の人生が始まりました」
三木 操さん(77歳)
テニス・釣り・山登りなど、趣味はたくさん。趣味の一つとして行う養蜂で採れる蜂蜜にはファンも多い。
豊川市シルバー人材センターの会員として約13年間活動。6月から新たに、電球の取り替えやお墓の清掃など、高齢者世帯の生活支援を担う「ちょこさぽ隊」の隊長となった三木さんにお話を伺いました。
- 趣味に近い仕事なので楽しく行えています
60歳まで、化学繊維会社の研究員だった三木さん。「何か新しいことを始めてみたい」という気持ちが芽生え、退職後は市外のシルバー人材センターに嘱託員として勤務しました。小さい頃からミツバチに興味があったという三木さんは、蜂の巣駆除の業務をしていた会員さんにハチの生態などを教わり蜂の巣駆除の技術を習得。64歳の時に豊川市シルバー人材センターで初めて、蜂の巣駆除業務を担当する会員になりました。今では、年間約150件の駆除を行っています。
- 新しいことに挑戦して世界が広がった
シルバー人材センターで令和3 年から始まった、高齢者世帯を対象に屋外清掃や買い物などの生活支援を行う「ちょこっとサポート事業」。三木さんも「ちょこさぽ隊」として活動し、自宅周辺エリアの高齢者宅を訪問して電球の取り替えやお墓の清掃などを行っています。「つらいと感じることはほとんどなく、楽しく仕事をしている。自分が少しでも役に立てることがあればいいと思う」と三木さんは話します。
定年退職してから、活躍する場所や職種を変え「たくさんの人と知り合ったことで世界が広がった」という三木さん。これからも仕事に趣味に、盛りだくさんな日々は続いていきます。
何か始めてみようと思っているあなたに
気になる活動があれば、各問い合わせ先に連絡してください。
認知症サポーター講座
- 養成講座
時間 午後1時30分から午後3時00分まで
内容 「認知症の基礎理解と対応」と題した講座
対象 市内に在住、または在勤の方
- ステップアップ講座
時間 午後3時15分から午後4時45分まで
内容 「認知症サポーターの資質向上」と題した講座
対象 市内に在住、または在勤で、過去に養成講座を
受講した方
【共通事項】
期日 10月25日(金曜)
会場 ウィズ豊川
定員 各25人(先着順)
費用 無料
申込 9月10日(火曜)午前9時00分から、電話で、介護高齢課(電話:0533-89-3179)へ
シルバー人材センター
工場内軽作業や草刈り・清掃作業など、その人の知識・経験・技能を生かすことができる、さまざまな仕事を紹介します。また、気の合う仲間や趣味を見つけることができ、生きがいや居場所づくりにもつながります。
対象 豊川市の住民基本台帳に登録されている60歳以上の方
問合せ シルバー人材センター(電話:0533-84-1851)
- 入会説明会
日時 9月18日(水曜)午後1時30分から
会場 シルバー人材センター
申込 電話で、シルバー人材センターへ
その他 入会説明会は、毎月第3水曜日に開催。参加には事前申込が必要です
老人クラブ
仲間づくりを通して、生きがいや健康づくりなどにつなげる自主的な団体です。お住まいの地域に老人クラブがない方は、「いなりクラブ」に参加することができます。
対象 市内に在住のおおむね60歳以上の方
問合せ 豊川市老人クラブ連合会事務局(電話:0533-83-5211)
活動の例
環境活動・・・歩道の花壇の整備など
文化・学習サークル活動・・・短歌、書道、詩吟、陶芸などの文化活動など
スポーツサークル活動・・・グラウンドゴルフ、健康体操、歩こう会など
安全活動・・・交差点での交通安全運動など