市長平和宣言(平成23年度 平和祈念式典)
更新日:2013年1月4日
平和宣言
本日、豊川市平和祈念式典を挙行するにあたり、ご来賓の皆様をはじめ、ご遺族の皆様、豊川海軍工廠関係者、多くの市民の皆様のご臨席を賜りましたことを、心からお礼申し上げます。
運命の夏、昭和20年8月7日午前10時13分。雲一つない晴天の中、豊川海軍工廠を襲った爆撃は、市の中心部を火の海と化しました。多くの市民の方々が傷つき、女子挺身隊員、動員学徒を含む2,500人余りの尊い命が奪われ、本市は身を持って戦争の悲惨さを体験しました。
昨日と今日、ここ文化会館において演劇「残された夏へ」が上演されています。これは、動員学徒で工廠に配属された女学生八人の夏の物語で、本日ご講演をいただいた石原千代子さんも演出に関わられました。あの日の悲惨な体験からの深い悲しみ、やりきれない想いを現在の私たちに伝えるものです。
今を生きる私たちにできることは、66年前にこの地で起きた戦争の恐ろしさ、無益さ、そして平和の尊さを次代へ引き継ぐことです。
今年4月、本市は、世界150カ国、約4,700の都市で構成されている平和市長会議に加盟しました。この会議は、日本を始め世界の都市が一体となり、人類の意志として核兵器廃絶を国際社会に訴えていくことが必要との考えに基づくものです。近い将来、この地球上から核の脅威がなくなり、真の平和な世界が訪れるよう力を合せてまいります。
去る3月11日には、東日本において巨大地震と津波、そして原発事故が発生しました。平穏な日常生活を一瞬にして奪い去った大災害で、被災されました皆様に謹んでお見舞い申し上げます。震災以降、日本全土から世界に広がった支援の絆は、未来を照らす光の道筋となり、復興に向けて着実に歩みを進めていけるものと確信しております。
本日ここに、戦禍の犠牲となられ、郷土の発展の礎となられた多くの方々の御霊に心より哀悼の誠を捧げるとともに、あわせて世界の恒久平和に向け、核兵器の廃絶、非人道的な戦争の根絶を訴え、次世代を担う子どもたちの輝かしい未来に向けて、夢と希望に満ちあふれる平和都市を築くことをお誓い申し上げます。
平成23年8月7日
豊川市長 山脇 実