「広報とよかわ」2016年9月号(MY COLOR)
更新日:2016年9月1日
MY COLOR
きらっと☆とよかわっ!輝くひとVol.18
さまざまな分野で活躍する豊川市出身のトップランナーを紹介します
感謝の気持ちを込めて私の走りをしたい
〈陸上競技選手〉蒔田 沙弥香さん
平成28年9月に開幕するリオパラリンピック。ロンドンに続き、女子1500メートルに出場する陸上競技選手・蒔田沙弥香さんとご家族にお話を伺いました。
陸上を始めたのは、小学5年生のとき。知的障害があっても、周りの子に負けないことが何かあればと家族で考え、走り始めたことがきっかけだった。
中学では陸上競技部に所属。しかし、大会に出られず、ただ走るだけの毎日を過ごした。それでも進学した養護学校高等部の陸上競技部では、本格的な指導を受けるようになり、大会を目指す陸上競技生活が始まった。
卒業後も、高等部の部活動に交じりながら練習を続け、多いときで1日30キロもの距離を走り込んだ。「きつかったけど、ライバルに勝ちたい」という思いを糧に、ひたすら練習に励み、19歳で日本ID(知的障害)陸上競技選手権大会初優勝。以降、年齢とともに着実に力をつけていき、国内の第一人者として、世界で上位に食い込むまでとなった。
27歳のとき、その実力が認められ、ロンドンパラリンピックへ出場。世界の強豪選手を相手に、堂々の5位入賞を果たす。「うれしかった」という満足感もあったが、すぐに目標をリオに定め、再び走り始めた。
その後も、日本記録を樹立するなど活躍を続ける。しかし、この絶頂期に、原因不明の膝の病気を発症し、4カ月間も走ることができなかった。完治後も、気持ちが不安定になり、自分の走りを見失ってしまう。そんな時、支えとなったのが、陸上の仲間だった。走る気分にならない時、手を引いて一緒に走ったり、声をかけたりしてくれた。再び自分の走りを取り戻し、ジャパンパラ陸上競技大会で、頂点へと返り咲いた。
そして、迎えるリオパラリンピック。これまでの功績が評価され、見事、出場の切符を手にすることができた。「勝ちたい。弱い自分にも勝ちたい」と、支えてくれた人たちへ感謝の気持ちを込めて、自分の走りをしようと意気込んでいる。
「東京パラリンピックも出たい」と目標を力強く話す蒔田さん。ひたむきに走り続ける彼女を、これからも応援していきたい。
プロフィール
蒔田 沙弥香(まきた さやか)
金屋小、金屋中、豊川養護学校(現在の豊川特別支援学校)を卒業。現在、中長距離の4種目でID(知的障害)日本記録を持つ。数々の国内外の大会で優勝。ロンドンに続き、2回目となるリオパラリンピックで、女子1500メートルへ出場する。
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