「広報とよかわ」2017年7月号(MY COLOR)

更新日:2017年6月30日

MY COLOR

きらっと☆とよかわっ!輝くひとVol.28
さまざまな分野で活躍する豊川市出身のトップランナーを紹介します

自分の思い描く感動を脚本を通して伝えていく

〈脚本家〉長坂 秀佳さん

長坂秀佳さんの写真

「特捜最前線」を始め、「仮面ライダー」、「アガサ・クリスティ『そして誰もいなくなった』」など、幅広いジャンルの脚本を手がけてきた長坂秀佳さんにお話を伺いました。

高校生のとき、黒澤明映画に感銘を受け、映画の世界に憧れを抱いた。卒業後、東宝を目指して上京。東宝撮影所へ粘り強く就職を申し入れた結果、撮影の裏方として採用され、夢への一歩を踏み出した。

撮影所では小道具係電飾を担当。「東宝に入って最初の仕事が、あの黒澤明監督の『用心棒』だった。毎日、世界の黒澤を見ることができて幸せだった」と当時を振り返る。
撮影所を5年間勤めた後、本社のテレビ部へ異動。テレビドラマのさまざまな脚本に携わる中で、脚本家として必要な短期間で面白く書き上げる能力が開花する。NHKシナリオドラマコンクールに応募して入賞。2年後、フリーの脚本家へ転身した。

独立後は、テレビの企画書や学習雑誌の紙芝居などを制作していたが、そんな中、東宝と並ぶ映画会社の東映から脚本制作の話があり、ドラマ「刑事くん」を手掛けることに。その後、この作品を通して得た人脈から、「ウルトラマン」や「怪傑ズバット」、「キカイダー」シリーズ、ラジオドラマ「火の鳥」、「宮本武蔵」など、次々に依頼が舞い込むようになる。

この流れで手掛けたのが、10年間にわたり放映された人気刑事ドラマ「特捜最前線」。全509話のうち109本の脚本を書き上げ、タイトルには「長坂秀佳シリーズ」と冠がついた。「『太陽にほえろ』の派手なアクションをする刑事とは違う、人間くさい正統派刑事の姿を描きたかったんだよね」と話す。

その後、小説「浅草エノケン一座の嵐」で江戸川乱歩賞を受賞。大ヒットしたゲームソフト「弟切草」、「街」などの原作・脚本も務めるなど、ドラマ脚本にとどまらず挑戦を続けた。

「自分が描いた脚本の狙い通りに感動が伝わったときが一番うれしい」と目を輝かせる。精力的に活動する長坂さんをこれからも応援していきたい。

プロフィール

長坂 秀佳(ながさか しゅうけい)

1941年生まれ。牛久保小、南部中、豊橋工業高校を卒業。東宝を経て、1970年にフリーの脚本家となり、テレビドラマの他、映画やラジオの脚本を制作。代表作は「人造人間キカイダー」、「特捜最前線」、「刑事・野呂盆六シリーズ」、「竜馬がゆく」など多数。その他、ゲームソフト、小説などを手掛け、1989年には江戸川乱歩賞を受賞。2004年、自伝エッセイ「長坂秀佳 術」出版。

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