「広報とよかわ」2019年8月号(特集)

更新日:2019年8月1日

食品ロス Food waste

まだ食べられるのに廃棄されてしまう食品を「食品ロス」といいます。日本では、1年間に食料消費全体の3割に当たる2,759万トンの食品が廃棄され、そのうち643万トン、1日当たりで大型トラック1,700台超の食品ロスが発生しています。(農林水産省・環境省による平成28年度推計値)
今回の特集では、国内だけでなく世界中で大きな課題となっている食品ロスの現状と合わせ、その削減に向けて家庭でできる工夫や市の取り組みなどを紹介します。詳しいことは、清掃事業課(電話:0533-89-2166)へ、お問い合わせください。

一日お茶碗一杯分の食品ロス

食品ロスの「量」

食品ロスには、売れ残りや製造ミスにより事業者から発生するものと、買い過ぎや作り過ぎなどにより家庭から発生するものがあります。国内の食品ロス643万トンのうち、飲食店や小売店などの事業者から352万トン、残りの291万トンは家庭から捨てられています。
市内の家庭から発生する可燃ごみは年間約3万7千トン、そのうち40パーセントが調理などから出た生ごみとなっています。生ごみの中には、手付かずの食品が2割、さらにその4分の1は賞味期限前にもかかわらず廃棄されたものとなっています。こうした食品ロスを一人当たりに換算すると、一日お茶碗約1杯分の食品を廃棄していることになります。

81%は水分

廃棄される食品の約8割が水分となっています。水分は悪臭の原因となるだけでなく、焼却に多くの燃料を費やすため、環境に大きな負荷をかけることになります。
食品ロスを減らすことは、大切な資源を守るだけでなく、温室効果ガスの発生や、焼却に使うエネルギーの使用量、焼却炉の維持費を減らすことにもつながります。

3つの要因

家庭から出る食品ロスの内訳は大きく3つに分けられます。一つ目は、必要以上に野菜の皮を厚くむいてしまうなどの「過剰除去」次に、期限切れなどにより手を付けずに捨ててしまう「直接廃棄」そして、作り過ぎた料理の「食べ残し」です。食品ロスを減らすために、日頃から「もったいない」を意識して、一人ひとりができることから始めてみましょう

家庭における食品ロスの内訳
過剰除去 55%
食べ残し 27%
直接廃棄 18%
出典時農林水産省 食品ロス統計調査・世帯調査(平成26年度)

買う前に、捨てる前に、考えてみよう
日本の食品ロスは、世界中で飢餓に苦しむ人々に向けた世界の食糧援助量(平成29年度で年間380万トン)の約2倍に相当する量となっています。

世界の食糧援助量 約380万トン
日本の食品ロス量 約643万トン

正しい意味を確認!消費期限と賞味期限
消費期限
袋や容器を開けないままで、書かれた保存方法を守って保存していた場合に、「安全に食べられる期限」のこと。この期限を過ぎたら食べないようにしてください。

賞味期限
袋や容器を開けないままで、書かれた保存方法を守って保存していた場合に、「品質が変わらずにおいしく食べられる期限」のこと。この期限を過ぎても、すぐに食べられなくなるわけではありません。

家庭でできる食品ロスの削減

POINT1 買い過ぎない

値段が安いからといって食材を買い過ぎたり、在庫があるのを忘れて同じ食材を買ってしまったりすることは、使い切れずに食材を捨ててしまう原因になります。買い物をする前に、 食品の在庫をメモするなどして必要な分だけを買うようにしましょう。冷蔵庫や食品棚をスマホで撮影したり、いつ購入したのか分かるように冷蔵庫にレシートを貼ったりするのも有効です。

POINT2 使い切る

一度の料理で使い切れなかった食材は、それぞれ一回分ごとに小分けにして冷凍庫で保存し、早めに食べ切りましょう。また、調理の際は、野菜の芯や皮を必要以上に取り除くのは避け、火が通りやすいように細かく切るなどして上手に利用しましょう。保存した食材が放置されないように、冷蔵庫内の棚を期限順に並べるなどの工夫をしてみましょう。

POINT3 食べ切る

料理は食べられる量だけ作りましょう。また、料理が残った場合は、別の料理にアレンジするなど、食べ切る工夫をしてみましょう。
また、外食では、料理を注文する際にボリュームを確認し、自分に合わせて調整してもらうことも有効です。もし、量が多すぎて残してしまった場合には、持ち帰りができるかどうか、お店に確認してみましょう。

消費者庁のキッチン
夕食の残りは、翌日のお弁当にリメイクするなど、余った料理は捨てる前に「消費者庁のキッチン」でレシピを検索

食べ切る量を意識してお買い物は計画的に

東部生活学校 小野 孝子さん
スーパーへ出掛ける前に冷蔵庫を見るだけでも無駄な買い物を減らすきっかけになります。少し割高でも食べ切りサイズを購入することで結果的に節約につながる場合もあります。食品ロス削減に向けて、まずは、計画的な買い物を心掛けてみましょう。

それでも出てしまう食品ロスにはキエーロ(生ごみ消滅容器)
キエーロは、土の力で生ごみを分解する生ごみ処理器です。土の中にいる微生物の働きで生ごみが分解されるため、電気を使用したり、特別な菌を投入する必要はありません。夏場は3から5日、冬場は10から14日ほどで生ごみが消滅します。市では、生ごみ消滅容器キエーロ購入費の補助をしています。お気軽にご相談ください。

食品ロスの意識をつなげる

事業者においても、製造過程の調理くずや売れ残り、破損品などによって多くの食品ロスが発生しています。事業者は、過剰な在庫を発生させないように、需要予測を向上させたり、破損や製造ミスを削減するように努める必要があります。また、小分けのメニューを採用したり、状況に応じて持ち帰りに対応するなど、消費者に合わせて工夫をすることも大切です。一方で、消費者の過度な鮮度志向や規格に対するこだわり、品揃えの要求などが、事業者の食品ロスに大きく影響しているともいわれています。消費者と事業者がそれぞれの状況を考え、食品ロスの削減という共通の課題に向けて、お互いに意識をつなげていくことが求められています。

INTERVIEW 食品を扱う会社として

香月堂 山内 一広 さん
香月堂のアウトレット販売は、お客さまにお求めやすい価格で提供すること、また、環境のためにできるだけ廃棄品を少なくしたいとの思いから始まりました。提供するのは、欠けや割れのある商品など、食べていただくには全く問題のない商品です。また、性質上、どうしても発生してしまう細かな菓子くずなども、地域の養豚農家に提供するなど、生産過程で発生する食品ロスは全て有効に利用しています。
香月堂では、1日に何万もの商品が生産されます。一つひとつの商品にお客さまの顔を浮かべ、愛情を込めることが、食べ物を大切にする意識、食品ロスを減らす取り組みにつながっていくのだと感じています。

もったいない、その気持ち

清掃事業課 課長 林 俊光
食料自給率が40パーセントを下回る日本で、毎日膨大な量の食品が捨てられています。こうした中、今年5月に「食品ロスの削減の推進に関する法律」が成立しました。法律には、食品ロスを削減していくため、まだ食べることができる食品は、廃棄することなく、できるだけ食品として活用していくことが明記されています。そして、行政や事業者、消費者がそれぞれの立場で課題に取り組み、社会全体として対応していくことが求められています。
食べ物を無駄にしてはいけないことは多くの人が知っています。その思いを行動に移すため、今一度、普段の生活を見直し、できることから始めてみてください。一人ひとりの「もったいない」の気持ちの積み重ねが食品ロスを減らすカギとなります。食品ロス、ごみの減量にご協力をお願いします。

みんなで笑顔の食事タイム 3010運動

飲食店などから出される食品ロスの多くは、お客さんの食べ残しといわれています。3010(さんまるいちまる)運動は、宴会などの際、乾杯後の30分間と終了前10分間は自席で料理を楽しむことにより、食べ残しによる食品ロスを減らす運動です。席を離れて歓談したりお酒を注ぎ合ったりしているうちに、終了の時間が来てしまい、料理に手を付けられずに帰ってしまった経験をした方もいると思います。食品ロスを減らすため、料理を残さずおいしく食べ切りましょう。
外食での食べ残し量の割合

宴会 14.2%
結婚式披露宴 12.2%
食堂・レストラン 3.6%

出典時農林水産省 食品ロス統計調査・外食調査(平成27年度)

知っていますか?フードドライブ

フードドライブとは、家庭で余っている食品を学校や職場などに持ち寄り、それらをまとめて地域の福祉団体や施設などに寄付する活動です。お中元やお歳暮でいただいたもの、買い過ぎてしまったもの、備蓄していたが使わなくなったものなど、不要になった食品は捨てるのではなく、必要としている方のために活用しましょう。

親子で食品ロス削減   クッキング講座

清掃事業課 電話:0533-89-2166
日時 8月25日(日曜) 9時45分から13時00分まで
会場 いかまい館
内容 食材を無駄なく利用する親子クッキング
講師 食育キャラバン隊・チームめだまやき
対象 小学3年生から6年生までと保護者
定員 8組(1組2人)(先着順)
費用 1組500円程度
持ち物 三角巾、エプロン、タオル、布巾
申込 8月6日(火曜)から、電話で受付
その他 参加者にはオリジナルエコバッグをプレゼント

食品ロスを減らそう 使い切りクッキングのススメ

食育キャラバン隊・チームめだまやき  石濱 厚子 さん
今回のクッキングでは、夏野菜を使ったレシピに挑戦します。食材の切り方や皮のむき方、洗い方など、ちょっとした工夫で、今まで捨てられていた芯や皮の部分を有効に活用できる方法を学びます。「もったいない」の気持ちを大切にしながら、親子一緒に食品ロスの削減にチャレンジしてみましょう。

お問い合わせ

企画部 秘書課
電話:0533-89-2121

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