「広報とよかわ」2020年10月号(特集)

更新日:2020年10月1日

特集 高齢期の運転を考える つなげよう思いやりの心

近年、高齢運転者による痛ましい事故が全国各地で起きています。今後、さらに高齢化が進み、高齢運転者の数も増えることが予想される中、悲しい事故をなくすためにはどうしたらよいのでしょうか。 今回の特集では、高齢運転者が関わる交通事故の現状をお伝えするとともに、高齢期の運転について考えます。
詳しいことは、人権交通防犯課(電話:0533-89-2149)へ、お問い合わせください。

高齢運転者の事故

近年、全国で発生した自動車による交通事故件数は年々減少傾向にあります。令和元年(平成31年)中は35万7,821件で、平成30年と比較すると約5万件減少しました。これは、飲酒運転や運転中におけるスマホ・携帯電話使用などの罰則の強化や道路交通環境の整備、自動車の安全性能の向上などによるものとされています。しかし、65歳以上の運転者による交通事故件数が占める割合は、年々高くなっている状況です。
自動車(原付を含む)の運転者が加害者となった交通事故件数と高齢者が占める割合の推移(全国)
平成27年、自動車(原付を含む)の運転者が加害者となった交通事故件数 510,050件、65歳以上の運転者が占める割合 19.7パーセント
平成28年、自動車(原付を含む)の運転者が加害者となった交通事故件数 474,776件、65歳以上の運転者が占める割合 20.4パーセント
平成29年、自動車(原付を含む)の運転者が加害者となった交通事故件数 447,089件、65歳以上の運転者が占める割合 21.3パーセント
平成30年、自動車(原付を含む)の運転者が加害者となった交通事故件数 406,755件、65歳以上の運転者が占める割合 22.1パーセント
令和元年(平成31年)、自動車(原付を含む)の運転者が加害者となった交通事故件数 357,821件、65歳以上の運転者が占める割合 23.3パーセント
出典:警察庁「交通事故の発生状況」より作成

市内で起きている高齢運転者の事故要因

令和元年(平成31年)中に市内で起きた自動車(二輪を除く)による交通事故は705件。そのうち65歳以上の運転者による事故は157件でした。要因で最も多いのは、横切る自動車や歩行者の見落としなど「前方・左右に対する安全不確認」、次に、考え事をして運転に集中せず前をよく見ていないなどの「前方不注視」です。また、ハンドル操作誤りやブレーキ・アクセルの踏み間違いなどの操作ミスによる事故も発生しています。
令和元年(平成31年) 65歳以上運転者による交通事故の要因(市内)
65歳以上の運転者による事故 157件
安全不確認(前方・左右) 86件 54.8パーセント
前方不注視(内在) 20件 12.7パーセント
安全不確認(後方) 10件 6.4パーセント
その他 41件 26.1パーセント
その他のうち、ハンドル・ブレーキなどの操作ミス 7件
データ提供:豊川警察署

加齢に伴う身体の変化

高齢になると身体機能や認知機能が低下します。特に視力、聴力、運動能力が著しく衰え、視力では視野、運動能力では柔軟性・平衡性・瞬発力の低下が目立つようになります。また、認知機能では記憶力や判断力などが落ちてくるなど、いずれも正確で安全な運転に大きな支障を及ぼします。そのため、70歳以上になると運転免許の更新時に高齢者講習を受け、75歳以上になると、これに加えて認知機能検査を受けることとされています。高齢者講習では、交通規則や安全運転に関する知識を再確認するための講義と運転の実技講習が行われます。そして、認知機能検査では、記憶力・判断力の検査を行います。「低下している恐れがある」と判定された場合は、医師による検査を受け、認知症の診断が出ると免許取り消しなどの対象となります。

事故はこんなところで起きている!

高齢運転者に多い事故

安全に運転を続けるためのチェックリスト

高齢になっても、自動車を安全に運転するために、自身の体のことや運転時に注意することなどをあらためて確認しておきましょう。
Point1 夜間・悪天候時は運転を控える
夜間や雨天・降雪など天候が悪いときは、できるだけ運転を控えましょう。
Point2 定期的に眼科検診を
視力の低下や目の病気の早期発見・治療につなげるため、定期的に眼科検診を受けましょう。
Point3 体調不良時は運転を控える
体調がすぐれないと感じたときには、事故を起こす危険性が高まるため、運転を控えましょう。
Point4 スピードを出さない
常に速度標識やスピードメーターを確認し、速度を意識した運転をしましょう。
Point5 通り慣れた道でも油断しない
自宅近くでの事故が多発しています。通り慣れた道でも油断せず安全確認を必ず行いましょう。
Point6 身体機能を過信しない
早めにブレーキを掛けるなど、視力や運動能力などの低下を補う運転をしましょう。
Point7 家族などに自分の運転を見てもらう
家族や友人などに同乗してもらい、自分の運転に危ないところがないか、客観的に見てもらいましょう。
Point8一時停止を確実に
交差点や「止まれ」の標識がある場所では、停止線の手前で必ず一時停止し、確実に安全確認を行いましょう。

安全運転相談ダイヤル

電話:#8080
加齢に伴う身体機能の低下などで運転に不安のある高齢者や障害者、その家族を対象とした相談窓口です。ダイヤルすると発信地を管轄する都道府県警察の安全運転相談窓口につながります。
受付時間 平日 9時00分から17時00分まで
その他 通話料は利用者負担となります

65歳以上対象 後付け安全運転支援装置の設置費を補助します

後付け安全運転支援装置とは アクセルとブレーキの踏み間違いや一定範囲に障害物を検知した場合の急加速を抑制する装置などのこと
対象 次の全てに該当する方(1)市内に住民登録があり、在住(2)令和3年3月31日時点で65歳以上(3)自動車運転免許証を有する(4)市税、自動車税の滞納がない(5)装置を設置する自動車の車検証の使用者である(6)暴力団・暴力団員と密接な関係がない
対象車両 車検証に自家用と記載された自動車
補助額 購入費・設置費(支払額)の5分の4以内(障害物検知機能付き装置は3万2,000円を上限。障害物検知機能のない装置は1万6,000円を上限)
申込 領収書、申込書などをお持ちの上、直接、人権交通防犯課(北庁舎2階)へ。申込書は、人権交通防犯課、市内の装置取扱店にあります(こちらからダウンロード可)
その他 対象となる装置や取扱業者など、詳しいことは人権交通防犯課へ、お問い合わせください

Interview 絶対に過信しないこと

ユタカ豊川自動車学校教務課長 大野 雄司さん
本校では、70歳以上の方が免許更新時に受ける高齢者講習を行っており、その数は年々増加しています。
高齢になると視力や運動・認知機能が低下します。高齢運転者の行動で多く見られるのは、視野が狭くなることから標識などを見落とし、停止線を超えてしまうことです。また、止まろうと思っても足が動かずに止まれないといった、気持ちと行動のずれも生じてきます。
私たちは、高齢者講習を通してご自身の今の状況を認識してもらい、注意が必要な点をアドバイスしています。そして高齢者の皆さんに最も伝えたいのは、「自分の運転能力を過信しない」こと。基本に立ち返り、適度な緊張感を持って運転することが大切です。

「運転が不安・・・」と思っている方へ

運転免許の自主返納とは

多くの方が生活する上で必要としている自動車。中には不安を抱えつつ運転を続けている方もいるのではないでしょうか。運転に不安を感じたら、運転をやめることも一つの選択です。その際には、運転免許を返納するという制度があります。近年、免許を返納する人は増えており、返納した65歳以上の人は、この10年間で9倍にも上っています。

返納後の生活への備え

運転免許を返納した後、自動車を使わない生活に戸惑わないようにするためには、事前の準備が重要です。自動車の代わりとなる移動手段やサービス、それに掛かる費用などについて調べたり、家族や周囲の人からの協力を得たりするなど、備えておきましょう。

運転免許の自主返納とは

運転免許の有効期間内に免許の取消しを申請する制度です。運転免許を返納すると、公的な身分証明書として使える運転経歴証明書の交付を受けることができます。この証明書を提示することで、さまざまな特典を受けることができます。

返納した方の声 返納後の生活も変わらずに

中央通・女性 87歳
免許の返納を決めたのは、昨年、ニュースで見た高齢運転者による死亡事故がきっかけです。それ以前にも入院のためしばらく運転できない時期があり、自動車がなくなった場合の生活について考えていました。現在は、これまで自動車で出掛けていた買い物や通院にバスを利用しています。以前より歩くようになり、健康にも良いと感じています。運転経歴証明書の提示でタクシー運賃の割引やスーパーの配送料割引などもあり、必要に応じて利用していきたいです。

運転免許の返納を検討している方へ

運転免許の返納については、東三河運転免許センター(電話:0533-85-7181)へお問い合わせください。また、返納後の生活に不安のある方は、お近くの高齢者相談センターへご相談ください。連絡先などについては、介護高齢課(電話:0533-89-3179)へお問い合わせください。

運転免許を自主返納した方へ

運転免許自主返納支援事業
運転免許を返納した65歳以上の方を対象に、次のいずれかをお渡しします。
1 豊川市コミュニティバス回数券(100円券22枚つづり)1冊
2 反射材付き傘1本
申込 運転免許の取消通知書(発行日から1年以内)をお持ちの上、直接、人権交通防犯課(北庁舎2階)へ
高齢者交通安全サポート制度
運転経歴証明書などを対象店舗に提示することで、買い物やサービスの割引など特典が受けられます。対象店舗などは、こちらから確認できます。

事故を防ぐ思いやりの心

合言葉は 「思いやり」

まちで目にする「高齢運転者標識」。これは、高齢者が運転する自動車であることを周りに知らせ、配慮と理解を得ることを目的として生まれたものです。この標識を付けた自動車を見掛けたら、思いやりとゆとりを持った運転をすることが大切です。
交通事故は、自動車を運転する人だけでなく、歩行者や自転車など全ての人が交通ルールと交通マナーを守ることで防ぐことができます。一人ひとりが思いやりを持ちながら、安全を意識した行動をすることで交通事故のない優しい社会にしていきましょう。
高齢運転者標識
70歳以上の運転者が普通自動車を運転するときは、車体の前面と後面に表示をする努力義務があります。

Interview 高齢者の交通事故を未然に防ぐために

豊川警察署署長 齊木 敏博さん
高齢化が急速に進む中、高齢者の交通事故を減少させることが喫緊の課題です。高齢者は、事故の被害者になりやすい一方で、近年は高齢運転者が加害者となる事故も少なくありません。身体機能や認知機能の低下による事故を起こさないためにも、免許の更新時に認知機能検査や講習を実施するなど交通安全対策に務めています。
また、高齢運転者がいらっしゃるご家庭では、ご本人の運転の様子に危ないところがないか、日頃から注意して見ていただければと思います。もし、心配なことがあれば相談機関の利用や医療機関の受診をお勧めします。
高齢運転者による交通事故をなくすためには、高齢者の方はもちろん、運転をする全ての方の意識が大切です。ちょっとした気の緩みや過信が安全確認をおろそかにし、事故につながります。常に気を引き締めて、安全運転を心掛けていただくようお願いします。

お問い合わせ

企画部 秘書課
電話:0533-89-2121