「広報とよかわ」2020年10月号(モノ、ヒト、シゴト)
更新日:2020年10月1日
モノ、ヒト、シゴト TOYOKAWA PRODUCE
産業が盛んな豊川市。「モノ、ヒト、シゴト」では、豊川市が誇るモノづくりと、それに携わるヒトを紹介します。
vol.18
綿の優しさをカタチに
株式会社シバタ代表取締役・柴田 陽一さん
安心の無添加ガーゼ
明治18年創業、綿製品の加工・販売を行うシバタ。平成12年に添加物を含まないガーゼケットを開発。現在、寝具を中心に製品を展開し、インターネットなどで反響を呼んでいる。開発者の柴田さんは「無添加の安全性だけでなく、綿本来の肌触りと吸水性を多くの人に伝えたい」と語る。
無添加への挑戦
開発のきっかけは、綿製品が肌に優しいと紹介するテレビ番組を見たことだった。一般的な綿製品には、織る・縫うなど、加工をするため、製造過程で糊やろうなどの油分を含む添加物が使われている。「天然繊維の綿に化学物質を添加することなく加工できないか。綿本来の性質を生かした肌に優しい無添加ガーゼ製品を作りたい」と考えた。添加物を取り除くため役立ったのは、先代から受け継いだ高圧釜を用いたキヤー精錬という製法。高温高圧で時間をかけて加工することで、綿花からガーゼになるまでに使われた添加物を高度に除去した。
「苦労したのは、ガーゼの縫製。添加物が付いた布を縫うことが常識の中、手探りで進めていった」と話す。柔らかい布は、ミシンを使うと針と一緒に押し込まれて縫製できない。無添加ガーゼも柔らかいため、ガーゼ同士を縫い合わせられず試行を重ねた。その結果、油分を取り除いたことで生まれたガーゼの摩擦を生かし、重ね縫いの方法を作り出した。こうして生まれた無添加ガーゼケットは、柔らかな肌触りと抜群の吸水性から快眠できると顧客から評価を得ている。
寄せられる声が原動力
ガーゼケットの販売後、顧客から多くの要望が寄せられた。その声をきっかけに、寝具だけでなく衣類やマスクも製造。「無添加ガーゼ製品で、今後も快適さや快眠を求める人の力になりたい」と語る柴田さん。綿の優しさを生かしたシバタのものづくりは続く。
株式会社シバタ 御油町一町田18
1885年創業。綿製品の加工・販売を行う寝具メーカー。独自の方法で無添加仕上げしたガーゼを用いた寝具などを、寝具工房「松並木」として販売。インターネットなどで注目を集めている。
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企画部 秘書課
電話:0533-89-2121