「広報とよかわ」2020年12月号(モノ、ヒト、シゴト)

更新日:2020年12月1日

モノ、ヒト、シゴト TOYOKAWA PRODUCE

産業が盛んな豊川市。「モノ、ヒト、シゴト」では、豊川市が誇るモノづくりと、それに携わるヒトを紹介します。

vol.20
時代に合わせた花づくり
JAひまわり鉢物部会 部会長・辻一郎さん

JAひまわり鉢物部会 部会長・辻一郎さん

シクラメン生産の先駆け

 シクラメンやカーネーション、観葉植物などの生産を手掛けるJAひまわり鉢物部会。中でもシクラメンは全国においてトップクラスの売上を誇っている。「昭和50年代、先代たちが全国に先駆けて温室や給水などの設備を確立し、この地域のシクラメン作りが盛んになった」と部会長の辻さんは語る。

人の手と科学の力の融合

 高温多湿な環境に弱いとされるシクラメン。栽培する上では夏の暑さに強い、品質の安定した花に育てることが一番の課題だった。
 シクラメンの成長は、温度や湿度などその年の気候に大きく左右されるため、肥料の配合を変えることで対応してきた。研究が進むにつれ成長段階に適した窒素量があることが判明。今では茎から採取した汁液の窒素量を計測することで、肥料配合の目安にすることが可能となった。「シクラメンは肥料の与え方などが他の花きに比べて繊細。良質な花にするため、栽培技術など部会内での情報交換を大切にしている」という。
 また、シクラメンの見栄えを左右する作業として葉組み作業がある。中央から花が咲く美しい鉢に仕上げるため、不要な葉を取り除き花芽を寄せていく。辻さんのハウスでは毎日一万を超える鉢一つひとつを見て回り、手作業で行っている。
 人の手と科学の力を融合し、一年の歳月を掛けて育てられたシクラメン。美しさが長持ちする丈夫な花として全国の市場へ出荷される。「お客さんから、花が長持ちしたと喜ぶ声を聞いたときはうれしい」と話す。

花もオーダーメイドの時代へ

 数えきれないほど多くの品種があるシクラメン。「これからは花もオーダーメイドの時代。毎年同じではなく、お客さんの声を聞きながら望まれる色や形の花を作っていきたい」と語る。シクラメンで人を笑顔にするため、これからも生産農家たちの挑戦は続く。

JAひまわり鉢物部会 三上町雨谷口34

2006年設立。市内でシクラメン、ポットカーネーション、花苗、観葉植物を生産する農家により構成される。中でも、シクラメンは全国トップクラスの売上を誇る。

お問い合わせ

企画部 秘書課
電話:0533-89-2121

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