「広報とよかわ」2021年6月号(モノ、ヒト、シゴト)

更新日:2021年6月1日

モノ、ヒト、シゴト TOYOKAWA PRODUCE

産業が盛んな豊川市。「モノ、ヒト、シゴト」では、豊川市が誇るモノづくりと、それに携わるヒトを紹介します。

vol.26
甘さと食べ頃を見極める
千代田電子工業株式会社 おいし果事業部 原田 昌幸さん

千代田電子工業株式会社 おいし果事業部 原田昌幸さん

新分野への挑戦
 家電製品やOA機器などに使われる電子部品の製造・販売を手掛ける千代田電子工業。東三河は農業が盛んな地域であることに着目し、全国に先駆け果物や野菜の糖度と熟度を同時に測定できる機器「おいし果」を開発した。当初から開発に携わっている原田さんは「新分野への挑戦は大変だったが、多くの人の役に立ちたいという思いで取り組んだ」と話す。
糖度と熟度を瞬時に計測
 おいし果の特徴は、農作物を傷つけずに測定できること。測定対象に光を当て、果物や野菜の内部で反射して戻ってきた光を分析することで測定している。
 苦労したのは、糖度や熟度と相関関係にある特定の光を見つけることだった。「果物や野菜にはさまざまな成分が含まれているため、光を使って糖度や熟度だけを測ることが難しい。少しずつ光の波長を変えながら最も相関のある光を探した」という。糖度や熟度の変化に応じて、反射してくる光がどのように変化するのか、12品目の果物や野菜について膨大なデータを取り、相関関係を突き止めるのに約2年かかった。
 さらに、おいし果は光を利用したことで、従来は果汁を検査機に通すなどして5分程度かかっていた測定時間を0.5秒まで短縮させた。重さも585グラムと軽量で、片手での測定が可能。その手軽さから「瞬時に収穫時期がわかったり、出荷時の選別ができたりするため手放せない」と利用者から好評を得ている。
おいしさを届ける測定器
 おいし果は、農家をはじめ、仲卸やスーパー、農業系の学校などで利用され、農作物の品質保証やブランド化に役立っている。「今後はコストを抑え、小型化を目指している。おいしい果物や野菜を届ける力になりたい」と語る原田さん。人の役に立ちたいという開発当初の思いを胸に、さらなる改良を進めていく。

千代田電子工業株式会社 穂ノ原3丁目14-4

1969年創業。ワイヤーハーネスを製造・販売。2004年から果実測定器の開発に取り組み、非破壊で糖度と熟度を同時に測れる「おいし果」を製造・販売している。

お問い合わせ

企画部 秘書課
電話:0533-89-2121

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