「広報とよかわ」2023年1月号(モノ、ヒト、シゴト)
更新日:2023年8月17日
モノ、ヒト、シゴト TOYOKAWA PRODUCE
豊川市が誇るモノづくりと、それに携わるヒトを紹介します。
vol.45
鉄の動きを読む
津田工業株式会社 冷間鍛造部・伊佐次 正朗さん
強みは一貫生産体制
ハイブリッド車の駆動部分の部品製造などを手掛ける津田工業。部品の製造に必要な金型の設計から製品の製造まで、全てを自社で担う一貫生産体制を最大の強みとしている。「製品を生産するための金型を作る部門と製品生産部門が密に連携をとることで、品質の良い製品を安定して生産することができている」と伊佐次さんは話す。
独自の製法を極める
昭和50年代半ば、常温のまま鉄材に力を加えて成形する加工方法を業界に先駆けて取り入れた。この方法の長所は、鉄材を熱する加工方法に比べて精度の高い加工ができ、廃棄する金属が少なく、エネルギーの消費も抑えられること。しかし、金属は熱を加えた方が変形しやすいため、常温で成形すると、金型への負担が大きくなり、金型の破損や摩耗につながる。そこで、大きな力を加えても耐えられる強度を持つ金型を作ることが重要となってくる。金型自体の素材や形、加工方法を追求し、最適な金型を作り上げた。伊佐次さんは「鉄材の変形をいかにイメージできるかが金型設計に必要な技術力」という。
また、大事にしていることは部門間の連携。生産現場で生じた問題点を金型製造部門へフィードバックすることで、改善につなげる。さらに生産部門では、勉強会を定期的に行い、現場作業における意識向上を図っている。「なぜこの工程があるのか、理由を知った上で作業をするのとしないのとでは、効率も精度も変わってくる」と語る。
次世代の自動車を見据えて
創業以来、自動車部品を作り続けてきた津田工業。自動車の電動化が進む中、生産現場も変化が求められる。「高いスキルを持つ人材を育て、柔軟に対応できる生産現場を目指していきたい」と伊佐次さん。長年培ってきた技術と経験をもとに、次世代を担う部品作りに挑戦していく。
津田工業株式会社 豊川工場:東上町土橋80
1934年創業。自動車部品の開発・製造を手掛ける。豊川工場は1970年操業開始。主にハイブリッド車の駆動部分の部品を製造し、金型設計から製品製造まで一貫生産体制を強みとしている。
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