「広報とよかわ」2023年8月号(特集)

更新日:2023年8月1日

ICTでつなぐ地域の輪 インフォメーションアンドコミュニケーションテクノロジー

ICTって?
ICTとは情報通信技術のことを指し、スマホやパソコン、インターネットなどを経由して、人と人とをつなぎ、情報伝達・共有の役割を果たす技術の総称です。
身近な例でいうとスマホを用いてのSNS・メールでの連絡や情報共有など、人同士のコミュニケーションを手助けするものなどがICTと呼ばれています。
清掃活動や子どもたちの見守りなど、地域で暮らす人が安心して生活できるよう、さまざまな問題を解決するために活動する町内会。町内会運営の負担軽減や利便性向上を図るため、近年、電子回覧板をはじめとしたICT(情報通信技術)の活用を進めています。
今回の特集では、町内会へのICT導入について紹介するとともに、ICTを活用する地域の方たちの声を紹介します。詳しいことは、市民協働国際課(電話:0533-89-2165)へお問い合わせください。

地域を支える町内会活動

私たちの暮らす地域では、ごみ処理・交通安全・災害に関することなど、生活する上でさまざまな問題が多く発生しています。こうした問題に対し、住民が協力し合い、解決するための取り組みを行っているのが町内会活動です。
市内には185の町内会があり、ごみステーションの管理や防犯灯の設置をはじめ、清掃活動や防災訓練などを通して、安全で暮らしやすい地域づくりを担っています。また、回覧板を通じての情報共有の他、地域住民が楽しめるお祭りやイベントの開催、子どもや高齢者の見守りなど、行政のサービスだけでは行き届かないような地域に密着した活動を行っています。

町内会の現状

近年、町内会では共働き世帯の増加や若い世代の関心の薄れによる活動者の減少が課題となっています。また、役員の負担の大きさや責任の重さに加え、定年延長などにより役員の担い手も不足しています。
こうした課題を解決するため、幅広い世代に活動内容や加入のメリットをアピールするとともに、負担を軽減し、働きながら活動できる環境の整備が求められています。これらの解決の糸口になると考えられているのがICT(情報通信技術)の活用です

町内会とICT

ICTとは、スマホやパソコン、インターネットなどを用いて、情報伝達・共有の役割を果たすものです。町内会活動では、主に電子回覧板やホームページ、メールを用いた情報共有などで活用されています。
ICTの導入では、回覧板配布にかかる労力の削減をはじめ、行事への出欠確認や意見の集約をスムーズに行うことができるなど、負担の軽減が期待されています。また、リアルタイムで情報を取得できたり、いつでもどこでも情報を見ることができたりする他、災害時には安否確認が行えるなど、利用する住民にとってもメリットがあります。さらに、活動報告を電子回覧板などで情報共有することで、若い世代も町内会活動を身近に感じられるようになり、活動への参加促進につながります。
ICTの活用により、町内会活動の負担軽減と活性化を図るため、市では、令和3年7月から電子回覧板「結ネット」の試験的な運用を実施し、令和5年4月から本格運用を開始しました。現在は、導入などにかかる費用の補助や、事業所と協定を締結して高齢者などへのスマホの操作支援を行うなど、町内会活動へのICT普及に向け、さまざまな取り組みを進めています。

インタビュー 電子回覧板 災害時 地域の安全を守るために 小田渕町内会  古市 修康さん

6月の豪雨の際、電子回覧板「結ネット」を使って防災情報や近所の川の状況などを発信しました。緊急時には、状況に応じて町内会独自の情報を共有でき、大いに役立つことを実感しました。また、発信した情報の既読・未読が分かるので、安否確認にもつながります。災害時には、迅速な情報伝達が重要になります。日頃から、結ネットを利用し、使い方に慣れておくと、緊急時も慌てず必要な情報の共有ができると思います。

災害時の活用方法

市の支援情報を共有

市が実施する支援の内容を共有。アンケート機能で家屋などの消毒が必要な人を募り、約90人分を取りまとめて市へ申請を行うことができました。

被災した場合にとるべき行動を発信

罹災証明書などの発行や被害状況の把握のため、被災状況の写真を撮影し、記録するよう発信しました。被害状況の早期把握につながりました。

電子回覧板でできること

電子回覧板は、町内会が発信した情報を、スマホなどで見ることができるアプリです。市内では、現在2つの連区と26の町内会で電子回覧板「結ネット」が利用されています。利用している町内会など詳しいことは、市民協働国際課へお問い合わせください。

町内会行事

町内会行事の日程や案内を見ることができます
年間活動計画、祭りなどのイベント情報、清掃活動のお知らせなど

回覧板

町内会の回覧板を見ることができます
町内会費集金のお知らせ、工事、通行止めのお知らせなど

防災防犯情報

町内の防災や防犯に関する情報を見ることができます
台風接近のお知らせ、避難所開設のお知らせ、空き巣の注意喚起など
他にも…
ごみカレンダーなどのごみ出しに関する情報が見られます
掲示板で地域の情報を発信できます
町内会に対し、直接、質問や要望ができます
子ども会や老人会の情報などが見られます
メニューは町内会によって自由に選択できます
市・警察からの情報や「広報とよかわ」も見ることができます

電子回覧板にはメリットがたくさん

労力の削減

情報を一斉に配信できるとともに、回覧板の作成や配布の労力削減が期待できます。

意見などの集約が簡単

行事の出欠確認や意見の募集に対し、住民が回答や意見を送信。確認と集約が簡単にできます。

過去の情報が残る

投稿された内容が残るので、いつでもどこでも、過去の情報を見返すことができます。

素早い情報共有

不審者出没や通行止めなど、地域の重要な情報を住民同士ですぐに共有できます。

災害時にも役立つ

災害時、安否確認や避難情報などの重要な情報を迅速に伝達できます。また、救助要請も送信できます。
他にも活動内容を共有できるので、町内会活動への理解が深まったりするなどさまざまなメリットがあります。

ICTを活用している地域の皆さんの声

市内の町内会では、電子回覧板「結ネット」を活用し、行事・イベントの案内や出欠の集計、意見の集約、情報の一斉送信を行っています。また、ホームページを活用した情報発信も行っています。
町内会活動で実際にICTを活用している皆さんに、便利な点やおすすめの使い方などについてお聞きしました。

行事の連絡や集計が簡単になりました 光輝町内会  鈴木 尚美さん  乙部 明恵美さん

普段は結ネットで、広報とよかわやごみ当番の日程を見ています。スマホ1つでさまざまな情報を見ることができるため便利です。
子ども会では、行事の案内などを結ネットで共有しています。中止連絡などの緊急のお知らせも、素早く皆さんに行き渡るので助かっています。また、行事の参加・不参加も結ネット上で回答でき、簡単に参加人数の集計ができるところも魅力だと思います。
子どもたちに子ども会のイベントや地域の情報をすぐに共有できます。

過去の情報もいつでも見られるので便利です 南山町内会  丸山 博康さん

知人から回覧板がいつでも見られるので便利だと聞き、1年程前に結ネットのアプリをスマホにインストールしました。
紙の回覧板では行事の予定を忘れないようにメモをとる必要がありましたが、結ネットだと過去の情報をいつでも見返すことができます。行事の予定などを忘れてしまったときでもすぐに確認できるところがとても便利だと感じています。
集会所などで開催されるイベント情報が見られるのも便利です。

活動の負担軽減につながっています 国府中町町内会 区長 渡邊 淳さん

結ネットで住民の皆さんに意見を募集し、町内会活動の改善につなげています。例えば、紙の回覧板が必要かどうかを尋ね、不要とする世帯には電子のみとすることで、回覧板配布の負担や作成経費を削減することができています。
地域の皆さんからは、「町内のお知らせがすぐに見られて便利」、「回覧板を回す手間が省けた」と好評の声を多くいただいています。
高齢者向けスマホ教室
高齢の方がスマホを活用して情報共有ができるよう、結ネットなどのアプリの操作方法を教えるスマホ教室を実施しました。

住民に一斉に情報が行き渡ります 上宿町内会 区長 杉田 茂さん 竹腰 幸子さん

一斉発信により、登録している方全員に一度で情報が行き渡るので、情報伝達に時間差が生じないところが魅力だと感じます。また、情報が配信されると通知がくるので、町内会の大事なお知らせも見逃しにくいです。
子ども会では、回覧板や行事の出欠確認を原則結ネットで行っており、役員や会員の皆さんから「情報の伝達や集計が楽になった」ととても好評です。
町内会活動の報告
美化活動などの活動報告を発信。より多くの住民に町内会活動について知ってもらい、興味を持つきっかけ作りをしています。

ホームページで町内会の魅力を発信しています 八幡町内会 区長 五味 靖仁さん

町内放送や回覧板での情報を逃した人にも情報が行き渡るようにホームページでの情報発信をしています。費用がほとんどかからなかったのも導入の決め手です。
主に町内放送や回覧板の内容を掲載していますが、町内会のお知らせや会議の議事録などさまざまな情報を掲載することで、住民の皆さんに町内会の活動内容を伝えています。
活動報告などのブログも掲載しています。毎年、春に掲載する西古瀬川の桜の情報が好評です。

町内会活動のICT化を応援しています!

町内会電子回覧板 結ネット応援事業所

電子回覧板「結ネット」の運用を支援していただける事業所からの寄附を募集しています。
応援していただいた事業所を「結ネット応援事業所」として登録し、結ネット内のバナーで紹介します。また、登録票(ステッカー)の配布も行います。
申込 申込書を、直接、または郵送(〒442ー8601諏訪1丁目1)で、市民協働国際課(北庁舎2階)へ。申込書は市民協働国際課にあります
その他 詳しいことは、市民協働国際課にお問い合わせください

アイシンシロキ 総務部 竹村 浩一さん

町内会活動の活性化に大切なのは、住民同士のつながりだと感じています。結ネットの普及により、町内会活動がさらに盛り上がっていくよう、今後も支援を続けていきたいと思います。 

町内会ICTボランティア

電子回覧板やLINEなどの利用方法を、町内会の方たちに伝える「町内会ICTボランティア」を募集しています。要望があった町内会に市職員と一緒に出向き、操作説明のサポートを行っていただきます。
申込 直接、または電話で、市民協働国際課(北庁舎2階)へ。こちらでも受付

豊川高校 3年  西 海音さん

町内会のお祭りで設置された結ネットのブースで、約20人に操作方法を伝えました。参加者から「教えてもらえて助かった」という感謝の言葉をもらい、やりがいを感じました。専門的な知識は必要ないので、興味のある方は一緒に活動してみませんか。

ICTを活用して時代に合わせた町内会活動を

皆さんが当たり前だと感じている安全で安心な地域は、美化・防犯・防災活動などを行う町内会によって支えられています。しかし、近年は負担の大きさなどの理由から、加入率の低下や役員の担い手不足といった課題があります。この課題の解決策の一つとして、ICT化を一刻も早く進めることが重要だと考えています。
令和2年、感染症の影響により町内会の集まりが制限される中、ラインでグループを作り、町内会の情報を発信し始めました。紙だと全ての人に情報が行き渡るのに時間と労力を要しますが、ICTを活用すると一斉に伝達することができ、負担の軽減につながると気付きました。また、いつでもどこでも情報を発信・確認することができるというメリットも実感しています。
ICTを導入して感じるのは、若い世代と交流する機会が増えたこと。核家族化が進み、地域とのつながりが希薄になっていくことが予想される現代社会において、幅広い世代とのつながりは町内会の活性化には大切です。
連区長会としても、今後、市と協力しながら、ICTの普及活動を進めていこうと考えています。今年は、祭りや行事が再開される町内会も多いと思います。この機会に、負担軽減と町内会活動の活性化のために、ICTの導入を考えてみてはいかがでしょうか。
豊川市連区長会 会長 佐野川 恭任さん

町内会にICTを導入しませんか

地域コミュニティICT活用促進事業補助金

町内会活動に「結ネット」などの電子回覧板やホームページを導入する町内会に導入費用や利用料を補助しています。
対象 市内の連区、町内会
補助対象経費 地域住民の情報の共有と発信などを目的とするもので次のいずれかに該当するもの(1)「結ネット」などの電子回覧板アプリを利用するための初期設定費用、利用料(2)ホームページを新規に制作するための委託料、ソフト購入費
補助金額 (1)補助対象経費の4分の3(登録世帯数によって上限あり)(2)補助対象経費の2分の1(上限10万円)
その他 申込方法など詳しいことは、こちらを確認してください
お気軽にご相談ください
市民協働国際課 本田 勇輝

お問い合わせ

企画部 秘書課
電話:0533-89-2111

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