「広報とよかわ」2023年11月号(モノ、ヒト、シゴト)

更新日:2023年11月1日

モノ、ヒト、シゴト TOYOKAWA PRODUCE

豊川市が誇るモノづくりと、それに携わるヒトを紹介します。
vol.55
日本のインフラを支える技術
昭和鋼機有限会社 工場長・加藤 義文さん

昭和鋼機有限会社 工場長・加藤 義文さん

現場を支える移動式サイロ
大規模な工事や建設現場などで使われる大量のセメントを貯蔵するタンク・サイロを製造する昭和鋼機。中でも、現場から現場へ移動させることが可能な移動式サイロは国内トップシェアを誇る。「どうしたら現場で使う人たちが使いやすいかを一番に考えている」と加藤さん。実際に「使いやすい」と評価が高い昭和鋼機の移動式サイロは、全国各地の工事現場などで使用されている。
技術へのこだわり
サイロの役割は、コンクリートの材料であるセメントを貯蔵し、必要な量を量って排出すること。昭和鋼機が製造する主な移動式サイロは、直径2・5メートル、高さ8メートルの巨大な円柱型で、約30トンのセメントを貯蔵できる。
粉末状のセメントには水分を含むと固まる性質があるため、サイロ内に水の入らない気密性が求められる。サイロの外面は3ミリ程の薄い鉄板が使われており、高い溶接技術を持つ職人が丁寧につなぎ合わせている。また、貯蔵したセメントを計量するため、高速回転するスクリューによって上部へ吸い上げる際、セメントが詰まるなどの不具合が生じると現場の作業が停止してしまう。そうしたトラブルを防ぐため、スクリューにわずかなゆがみも出ないよう熟練の技術で熱を加えて調整。外観の良さだけでなく機能性も兼ね備えた製品は、現場で重宝されている。
時代に合わせたモノ作り
最近では、サイロ内のセメント残量をパソコンやスマホから遠隔で確認できるようなシステムを組み込んだサイロも製造し、現場の作業効率化に貢献している。
加藤さんは「現場の声を大切にしながら、時代の流れに合わせたより良いモノを作っていきたい」と語る。日本のインフラを支える昭和鋼機の技術は、これからも進化を続けていく。

昭和鋼機有限会社 長沢町東千束50

1973年に前身となる昭和鋼機株式会社岡崎工場を設立。工事現場などでセメントを貯蔵するサイロを製造する。現場間を移動させることが可能な移動式サイロは、国内トップシェアを誇る。

お問い合わせ

企画部 秘書課
電話:0533-89-2111

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