図録「飯田線展 三遠南信を結ぶレイルロードヒストリー」

更新日:2013年1月4日

図録「飯田線展 三遠南信を結ぶレイルロードヒストリー」

内容

飯田線は、愛知県豊橋市から長野県辰野町までの三遠南信地域を結ぶ、総延長が約196キロメートルの地方線としては長距離な路線です。その成り立ちは、当初から現在のルートを計画したのではなく、様々な歴史的要因により4つの鉄道会社が一本の鉄道線として結ばれるに至ったものです。その始まりは、豊川稲荷の参詣客輸送を目的とした豊川鉄道株式会社が豊橋-豊川駅間の営業を始めた明治30(1897)年までさかのぼり、明治33(1900)年には大海駅まで路線を延ばしました。その後、奥三河方面への路線の延長はすぐには実現しませんが、鳳来寺鉄道株式会社が山間部の資源開拓や鳳来寺参詣客輸送を目的とし、大正12(1923)年に豊川鉄道と接続して三河川合駅まで路線を敷設します。一方北からは、中央線敷設を果たせなかった伊那谷地域の人々らにより伊那電車軌道(のちに伊那電気鉄道と改称)株式会社が設立され、明治42(1909)年に辰野-松島駅間の営業を開始し、昭和2(1927)年には天竜峡駅まで路線を延ばしました。そして、豊川・鳳来寺・伊那電気鉄道を一本の路線として結ぶことを目的とした三信鉄道株式会社が設立され、幾多の難工事の末に昭和12(1937)年に全線開通し、4鉄道会社の連絡路線が完成しました。その後、この鉄道線は太平洋戦争下の昭和18(1943)年、戦時輸送体制強化の国策により政府に買収され、現在の路線名称である飯田線として開業し、現在に至ります。

飯田線は、私たちの身近な生活の中に存在しますが、皆さんはこの鉄道線について何をイメージするのでしょうか。通勤・通学の手段、奥三河・信州方面の観光路線など人それぞれに様々なイメージを思い起こすと思います。また、鉄道に興味のある方などは、昭和時代の終わり頃まで、関東や関西で活躍した旧国電が走る動く鉄道博物館的路線であったことを思い起こすでしょう。しかし、この鉄道線が先にも述べたように百年以上の歴史を有すること、飯田線として開業してから本年で60周年を迎えることを知る人は少ないのではないでしょうか。
この展覧会では、4つの鉄道会社の創立・発展から飯田線開業、そして現在に至るまでの飯田線の歴史を、様々な資料を通して紹介します。本展が、あらためて身近な生活の中に存在するこの鉄道線の歴史について知っていただく機会となれば幸いです。
最後に、本展を開催するにあたり、貴重な資料を出品していただいた関係各位、ならびにご指導・ご協力を賜りました方々に厚くお礼申し上げます。(あいさつ文より)

図録飯田線展の写真1

図録飯田線展の写真2

図録飯田線展の写真3

図録飯田線展の写真4

ページ数:108、価格:700円、刊行年月日:平成15年10月25日

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