「広報とよかわ」2017年12月号(MY COLOR)

更新日:2017年12月1日

MY COLOR

きらっと☆とよかわっ!輝くひとVol.33
さまざまな分野で活躍する豊川市出身のトップランナーを紹介します

不器用でも不完全でもいい 感じたままを表現する

〈俳優・映画監督〉加藤 啓さん

加藤啓さんの写真1

小さい頃は、外で遊ばず絵本ばかりを読んでいたという加藤さん。家族の誕生日に兄妹で劇を作り、両親に披露していたことを覚えていると話す。

高校では演劇部に入部。人前で何かを表現することに魅力を感じていた。入部して間もなく出演した夏の発表会。緞帳が上がると、自分だけが舞台に立っているという喜劇のワンシーンから始まった。発した台詞で客席から笑いが生まれた瞬間、「緊張感は楽しさに変わった。自分の表現にお客さんが反応してくれたことが嬉しかった」と振り返る。

次第に芝居にのめり込み、演劇が盛んな東京の大学に進学。大学2年の時には、学内の友人を中心に劇団「拙者ムニエル」を結成。当時、多くの劇団が乱立する中、「笑いに特化した自由な演劇を目指したかった」という。学内の劇場で公演を始めた頃は客席も閑散としていたが、上演を重ねるごとに動員数を伸ばし、劇場に入りきらない状態となる。

大学卒業後も精力的に活動を続け、2001年には、演劇のメッカである下北沢本多劇場での公演を果たす。笑いの絶えないステージングで若者層を中心に圧倒的な支持を得る中、芝居を観覧した演劇・テレビ関係者から出演のオファーが掛かるようになる。宮本亜門氏演出の音楽劇やシリアスな人間性を描いた長塚圭史氏演出作品など、これまでに経験がない役にも積極的に挑戦した。「不器用でも不完全でもいい、自分が感じたままを表現するように心掛けている」と話す。

舞台での活躍にとどまらず、映画やドラマなど、活動の幅を広げる中、2016年からは映画制作にも取り組む。豊川市内でも撮影が行われた「ねえこの凹(あなぼこ)にハマる音をちょうだい」は、東京、名古屋、沖縄などで公開。「舞台では表現できない細かな描写を映していきたい」と新たな挑戦に向けて意欲をみせる。

劇団旗揚げから23年。出演した舞台は100を超え、「演じることの醍醐味は、自分の表現で人が笑ったり喜んだりする姿を見られること」と語る。「芝居に興味を持つ地元の若い世代を後押しする活動もしていきたい」と話す加藤さんの今後を応援したい。

加藤啓さんの写真2

プロフィール

加藤 啓(かとう けい)

1974 年生まれ。八南小、中部中、時習館高校、早稲田大学を卒業。1994年、大学在学中に劇団「拙者ムニエル」を結成し、看板俳優として活躍。 数多くの舞台をはじめ、映画やドラマに出演。最近の主な出演作は、テレビ朝日系ドラマ 「女囚セブン」、鈴木おさむ 作・演出舞台「三途会 私の人生は罪ですか?」などがある。

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