「広報とよかわ」2023年12月号(モノ、ヒト、シゴト)

更新日:2023年12月4日

モノ、ヒト、シゴト TOYOKAWA PRODUCE

豊川市が誇るモノづくりと、それに携わるヒトを紹介します。
vol.56
化学で支えるモノ作り
日本メカケミカル株式会社 研究開発部・岩原 憲信さん

昭和鋼機有限会社 工場長・加藤 義文さん

さび取り剤トップシェア
自動車部品工場などで使用される工業用化学薬品の開発・製造を手掛ける日本メカケミカル。工作機械用の洗浄剤や潤滑油など多種多様な製品を取り扱う中、設立当初から製造している金型用のさび取り剤は、国内トップシェアを誇る。「金属製品を扱う現場では避けられない存在の『さび』。これを落とす技術に自信を持っている」と研究開発部の岩原さんは語る。
開発へのこだわり
日本メカケミカルのさび取り剤は、主に自動車部品の金型を製造する工場で活躍している。工場では水中に入れた金属を、電気を流したワイヤーで切断する工法をとっており、精密な加工ができる反面、水に触れるため切断面にさびが発生しやすいことが課題だった。先代社長が独自に研究を重ねた結果、金属を傷めることなく、さびだけを除去できる製品の開発に成功。その後、改良を重ね、多くの現場で使用されている。
現在は、顧客の要望に合わせた開発を行っている。成分の組み合わせはもちろん、微量で性能が変わるため、800回にも及ぶ試験を行ったこともある。試作品は顧客の現場でテストを実施し、フィードバックされた意見をもとにさらに改良を加え、温度や湿度など、異なる現場環境に合わせて精度の高いものを追求している。岩原さんは「開発に苦労は多いが、生み出した製品が世に広がっていくことは、うれしくやりがいを感じる」と話す。
環境に優しい製品を
近年では環境への配慮から、使用できる成分の規制が厳しくなっている。製品に使っていた成分に制限がかかることもあり、試行錯誤しながら改良を行っている。「現場の声を大切に、環境に優しいものを作っていきたい」と岩原さん。モノ作りを支える日本メカケミカルは、これからも技術に磨きをかけていく。

日本メカケミカル株式会社 穂ノ原3丁目2番23

1975年設立。自動車部品工場などで使用される工業用化学薬品の開発・製造を手掛ける。中でも、設立当初から製造している金型用のさび取り剤は、国内トップシェアを誇る。

お問い合わせ

企画部 秘書課
電話:0533-89-2111

AIチャットボット
閉じる