市長平和宣言(平成21年度 平和祈念式典)

更新日:2013年1月4日

平和宣言

 本日、豊川市平和祈念式典を挙行するにあたり、ご来賓の皆様をはじめ、ご遺族の皆様、豊川海軍工廠関係者、多くの市民の皆様のご臨席を賜りましたことを、心からお礼申し上げます。
 どこまでも続く蒼い空、照り付ける灼熱の太陽、鳴り響く蝉の声。豊川市の暑い夏が一瞬のうちに地獄と化した瞬間、昭和二十年八月七日午前十時十三分。豊川海軍工廠が突然の爆撃により瞬時にして廃墟と化し、二千五百人余りもの多くの貴い命が奪われました。六十四年前の夏の、つらく、悲しい記憶は、私たちの心に深く刻まれています。
 現在、私たちは、愛するまちで、日々平和な生活を営んでいます。しかし、世界に目を向ければ、いまだ、民族、宗教、地域の紛争、北朝鮮やイランの核問題、また国際的テロ行為が絶えず、さらには地球規模で環境破壊が進んでいます。同じ地球に住みながら、心安らぐ時をもたず、生命の危機に身をさらされている人々が数多く存在することを私たちは決して忘れてはなりません。そして憎しみの連鎖による悲劇の繰り返しは、どこかで断ち切らなければなりません。
 今年四月、アメリカのオバマ大統領は、核兵器廃絶を訴えたプラハでの演説で、アメリカが「核兵器を使用した唯一の核保有国」として、核廃絶に向けて行動する「道義的責任」を負うとの認識を表明しました。今後の各国の取組みにより、核のない平和な世界が訪れることを期待してやみません。 流れる歳月から、人々の記憶の風化を止めることはできません。今を生きる私たちの使命は、この地で起きた六十四年前の悲劇を風化させることなく、戦争の恐ろしさと平和の尊さを、これからも永遠に語り伝えていくことです。そして強い意志を持って、平和な世界が築かれるよう、不断の努力をしなくてはなりません。
 本日ここに、戦禍の犠牲となられ、郷土の発展の礎となられた多くの方々の御霊に心より哀悼の誠を捧げるとともに、あらためて、核兵器の廃絶、非人道的な戦争の根絶と世界平和に向けての絶えざる努力をしてまいります。あわせて、次世代の子どもたちに輝かしい明日を約束するために、夢と希望に満ちあふれる平和都市を築くことをお誓い申し上げます。

平成21年8月7日

豊川市長 山脇 実

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