平和宣言(平成25年 平和祈念式典)

更新日:2013年8月16日

平和宣言

 
 本日、豊川市平和祈念式典を挙行するにあたり、ご来賓の皆様をはじめ、ご遺族の皆様、豊川海軍工廠関係者、多くの市民の皆様のご臨席を賜りましたことを、心からお礼申し上げます。
 今年、本市は市制施行70周年を迎えました。海軍工廠の開設を契機に誕生した本市にとって、市の歴史はまさに豊川海軍工廠の歴史といっても過言ではありません。誕生間もない昭和20年8月7日、朝から雲ひとつない快晴であったこの日は、不思議なことに、毎朝せわしなく鳴いていたセミの声が聞こえなかったといいます。午前10時13分、突然の爆撃を受けて炎に包まれた豊川海軍工廠は一瞬のうちに壊滅し、2,500人余りもの尊い命が奪われました。68年前の、夏の悲しい記憶は、私たちの心に深く刻まれています。
 本市がこの大きな悲しみと戦後の苦難を乗り越え、東三河の中核都市としてめざましい発展を遂げてこられたのは、戦火に散ったすべての方々の御霊に報いるよう、先人が懸命に努めてきた結果に他なりません。ここに改めて深く敬意を表します。
 現在、私たちは愛する郷土で、平和な生活を営んでいます。しかし、世界に目を向ければ、各地で地域紛争や国際的なテロ行為が絶え間なく起こり、多くの人を不安に陥れています。さらには、近隣海域における領土情勢や核実験強行など、近年、日本を取り巻く環境は、紛争の危険をはらみつつあります。
 そのような中で、今を生きる私たちに課せられた使命は、68年前の悲惨な記憶を風化させることなく、戦争の恐ろしさと平和の尊さをこれからも語り継ぎ、訴え続けることです。誇るべき平和都市宣言を持つ私たちは、平和祈念式典が市民すべてにおける鎮魂の、そして平和の道しるべとなるよう、毎年、新たな気持ちで臨み、後世に伝えていかなければなりません。
 本日ここに、戦禍の犠牲となられた方々の御霊に心から哀悼の誠を捧げるとともに、将来を担う子どもたちの明るい未来に向けて、戦争のない世界、核兵器のない世界の実現を目指し、恒久平和に向けて全力を尽くすことをお誓い申し上げます。
     平成25年8月7日                 
                       豊川市長 山脇 実

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