「広報とよかわ」2017年1月号(特集)

更新日:2016年12月28日

年頭のごあいさつ

初春を迎えて
豊川市長  山脇 実

新年明けましておめでとうございます。皆様には、清々しく新春をお迎えのことと心からお慶び申し上げます。
昨年は、リオ・オリンピック・パラリンピックの年でした。競泳、陸上競技で、豊川市ゆかりの選手が出場されたことは、スポーツの盛んなまちづくりを進める本市にとって、たいへん喜ばしい出来事でした。
市政においては、子育て支援、災害対応、ファシリティマネジメントなどの強化を見据え、機構改革を実施し、本市のまちづくりの指針となる第6次総合計画の取り組みを進めてまいりました。
この総合計画におけるまちの未来像である「光・緑・人 輝くとよかわ」の実現に向け、本年も、様々な施策を展開してまいります。
わが国では少子高齢化を伴う人口減少が進行しており、地方自治体はこれに、柔軟に対応していく必要があります。「子育てするなら豊川市」と誰もが思えるよう、児童クラブ室の増設や中学校の空調整備など、特に子育て支援の充実や教育環境の整備、教育内容の充実などを進めます。
また、東日本大震災や熊本地震、各地での台風被害などを教訓とし、防災の拠点施設となる防災センターの整備など危機管理体制の強化に向けた取り組みも進めていく必要があります。
本年も引き続き、市政に対する皆様の声をお聴きしながら、「子どもたちの笑顔があふれ安全安心で人にやさしいまち」の実現のため、市政運営に取り組んでまいりますので、ご理解、ご協力をお願い申し上げます。
結びに、本年が皆様にとりまして、幸多き年となりますよう心よりお祈り申し上げ、新年のごあいさつといたします。

特集 バラの咲くまち豊川

豊川市は、多くの農産物を生産する、農業の盛んなまちです。その中でも、バラは日本一の出荷量を誇り、市内では、バラを通じたまちおこしの取り組みが展開されています。
そこで、今回の特集では、豊川のバラの魅力を紹介します。
詳しいことは、農務課(0533-89-2138)まで、お問い合わせください。

全国で愛される豊川のバラ

豊川市は全国屈指のバラの産地であり、出荷量・作付面積ともに日本一となっています。また、高い品質が評価され、都市圏を中心に市外・県外へ多く出荷されています。
市内のバラのほとんどを生産しているJAひまわりバラ部会は、昭和56年から生産を開始し、現在、部会員は38人、年間約1,700万本のバラを全国の市場へ出荷しています。その品質が認められ、平成19年に日本農業賞で大賞を、平成26年に関東東海花の展覧会で農林水産大臣賞を受賞しました。また、花き日持ち品質管理認証を取得し、環境に配慮した生産についても認められたところです。
豊川のバラは、花束、アレンジフラワーなど、さまざまな形で全国各地の皆さんに愛されています。

花き日持ち品質管理認証制度
花きの日持ち性向上対策を行っている生産者に対して授与される認証。花き業界全体の日持ち性向上に対する意識を高め、品質の良さをアピールして消費拡大を目指している。

バラの出荷量・作付面積

出荷量・作付面積ともに、都道府県別では愛知県が第1位、県内では豊川市が第1位となっています。

都道府県別(平成27年)

1位 愛知県 4,910万本
2位 静岡県 2,290万本
3位 山形県 1,950万本
4位 福岡県 1,770万本
5位 愛媛県 1,370万本

1位 愛知県 5,040アール
2位 静岡県 3,640アール
3位 福岡県 1,980アール
4位 山形県 1,840アール
5位 群馬県 1,670アール

出典 農林水産省「農林水産統計」

県内市町村別(平成26年)

1位 豊川市 1,700万本
2位 田原市 1,180万本
3位 西尾市 688万本
4位 豊橋市 486万本
5位 知多市 75万本

1位 豊川市 1,800アール
2位 田原市 1,160アール
3位 西尾市 766アール
4位 豊橋市 623アール
5位 知多市 75アール

出典 愛知県「平成26年産花き生産実績」

豊川のバラの主な出荷先

豊川のバラの出荷先は、主に北海道・東北・北信越・関東・関西地方で、中でも、東京都や大阪府などの都市圏への出荷数が多くなっています。

平成27年度実績

日本一へのこだわり

豊川のバラが全国で愛されている背景には、生産に携わる方たちの日々の努力や挑戦があります。
ここでは、バラを栽培し届けるまでの、生産者たちのこだわりを紹介します。

栽培のこだわり

JAバラ部会部会長 辻村 浩淑さん

私たちバラ部会では、ハウス栽培を行っています。バラが育つ適温は16度から25度で、暑すぎたり、日照不足になったりすると品質が落ちてしまいます。そのため、ハウス内の温度、湿度、光合成に必要な炭酸ガスといった環境を整えることがもっとも重要です。また、バクテリアの繁殖を抑えるため、はさみをこまめに消毒するなど、細かなことにも気を配っています。
バラは植えてから100日ほどで花をつけ、1株につき年間で7回ほど花を咲かせます。ほぼ毎日、朝と夕方の涼しい時間帯に収穫作業を行い、一年中、コンスタントに出荷しています。部会全体を通して同じ品質のものを提供できるよう、年に2回、部会員たちで花の目ぞろい会を行っている他、出荷の際には、部会員自身が当番で検査を行うなど、一丸となって品質の維持・向上に努めています。
他の産地では後継者不足も問題となっているようですが、私たちの部会は、若手の部会員が積極的に新しい知識や技術を取り入れるなど、若い力に引っ張ってもらっている状況です。
近年、輸入バラも増えているため、市場への安定供給が今まで以上に求められていると感じています。また、海外への輸出も視野に入れて活動を進めています。
これからも、日本一のブランドであることに誇りを持って、手にした方に喜んでもらえるバラを育てていきたいと思います。

品種のこだわり

豊川市では、一輪咲きのバラと、1本の茎にいくつも花を咲かせるスプレーバラを栽培しています。その品種は実に150種を数え、他では手に入りにくい希少な品種やオリジナル品種の育成にも積極的に取り組んでいます。
バラエティに富んだ色や形のバラは、さまざまな場面で利用されています。 

スタンダードな赤いバラ。JAバラ部会の作付面積ナンバーワンで、人気も高い定番品種。

情熱的で洗練された香りのピンクのバラ。芳香剤をイメージさせるような強くよい香りがある。

日本一の市場・大田花きで、平成27年に最優秀賞を受賞したスプレーバラ。

20年以上前に誕生し、今では希少となった朱赤のバラ。

ふんわりと咲くかわいらしいソフトピンクのスプレーバラ。病気にも強い。

人気の高い大輪のバラ。花の中心と外側で色が違う複色の品種。

JAバラ部会で研究・開発されたバラ。現在は5品種。

出荷のこだわり

高い品質を保つために、出荷の際には、28のチェック項目を確認し、出荷基準を満たさないものは生産者に返品されるなど、厳正な検査が行われています。
また、品質を落とさず出荷するため、日本で初めて、水の入った縦型の箱を採用しました。産地から消費地まで、冷蔵の状態で流通させるコールドチェーンを徹底し、鮮度を保ったまま市場へ送られます。
朝にハウスで収穫されたバラは、その日のうちに出荷場で検査を受け、翌日には市場へ届けられます。

バラ出荷チェック項目

色やキズなどに加え、咲き具合も確認し、すべての花が一番いい状態で届くようにチェックする

花だけでなく、葉が正常であるかも丁寧にチェックする

花全体に大きなダメージを与え、他の花にも影響を与えてしまう病気や害虫については、特に厳重にチェックする

サイズ違いや水上げ不足、輪数不足など、細部までチェックする

バラの魅力を伝える

とよかわフラワープロジェクト

豊川商工会議所とJAひまわりが中心となり、農商工で連携し、地域資源であるバラを活用した地域活性化に取り組むプロジェクトチーム「とよかわフラワープロジェクト」が設置されました。
生産者、大学生、観光協会、市なども加わったこのプロジェクトは、今年度から活動を開始し、4月には、男性がバラ、女性が本をプレゼントしあうスペインの記念日「サンジョルディの日」にちなみ、「とよかわサン・ジョルディ・ウィーク」を開催しました。
今後、市内でのバラに対する認知度を高める取り組みを進め、さらに、全国に向けて魅力を発信していく予定です。

豊川商工会議所 鈴木 麻美さん
豊川のバラを全国にアピールするためには、まず、市民の皆さんにその魅力を知ってもらうことが必要です。そのために、市内で独自のイベントを企画したり、他の催しとタイアップしたりして、「豊川=バラ」というイメージを定着させていきたいと考えています。
将来的には、商工業者の方たちと協力し、バラのお茶や化粧品などの商品開発もして、豊川のバラをより身近に感じてもらえるような取り組みを増やしていきたいと思います。

JAひまわり 牧野 延全さん
プロジェクトを進めるには、生産者の力が不可欠です。今後も、バラ部会の皆さんとの連携をより深めて、母の日などの記念日に人の集まる場所へバラを設置するなど、市内外の方に魅力を感じてもらえる仕組みを作っていきたいと考えています。
高品質で日持ちのいい豊川のバラは贈り物に最適です。ぜひ、豊川にも花を贈る文化を広げたいです。そして、バラをきっかけに、他の花についても魅力を広め、「花のまち豊川」を全国にPRしていきたいと思います。

市内外へ魅力を届ける

豊川のバラは、昨年の伊勢志摩サミットで各国首脳に贈られた花束に使われるなど、その注目度はさらに高くなっています。
今年度、市内では、豊川青年会議所による「バラの祭典」が開催されました。また、東京で行われたB‐1グランプリスペシャル大会では、豊川市ブース内でバラのコーナーが設置されるなど、豊川のバラを市内外にPRする取り組みが多く行われています。
市でも、ふるさと納税の返礼品として、豊川のバラを使ったアレンジフラワーの提供を開始した他、バラの魅力を知っていただく催しも企画しています。

バラを贈る
ふるさと納税制度 (とよかわ応援寄付金)
企画政策課 0533-89-2126
ふるさと納税制度により、寄附をいただいた方に、豊川産のバラを使った「アレンジフラワー」、または地産米「稲荷の里」を返礼品として提供します。
対象 1万円以上の寄附をした個人
申込 申込書を、直接、または郵送(〒442-8601諏訪1丁目1)で、企画政策課(本庁舎2階)へ。FAX(89-2125)でも受付。申込書は、企画政策課にあります(こちらからダウンロード可
その他 返礼品は、1人につき1年度1回だけです。申込確認後、寄附金送金の案内を送付します

バラを知る
花男子と行く! 花の産地とよかわ体験ツアー
農務課 0533-89-2138
花の魅力を伝えるため、東三河を中心に活躍する花男子と一緒に巡る、花の産地とよかわ体験ツアーを開催します。
日時 1月28日(土曜)13時00分から16時00分まで
集合場所 農業者トレーニングセンター
内容 バラの収穫体験、花の集出荷場施設の見学、フラワーブーケ作り教室
講師 バラ生産者、JAひまわり職員、花男子
対象 市内の小学生と保護者
定員 15組(1組2人)
費用 1組500円
申込 1月12日(木曜)まで、直接、または電話で農務課(北庁舎2階)へ。応募者多数の場合は抽選

バラを長持ちさせるコツ

「バラをプレゼントされたけど、すぐに枯れてしまった」という声をよく聞きますが、きちんと手入れをすれば、バラは長持ちします。
1 花瓶の準備
食器用洗剤できれいに洗ったものを準備します。
2 不要な葉などを取る
水につかる部分の葉やトゲを取り除きます。
3 水切りと水揚げ
茎を水に浸し、先を切り口が斜めになるように切ります。その後2時間から4時間、水が揚がるのを待ちます。
4 活ける
花瓶に活けて、直射日光を避け、涼しい場所に置きます。
5 手入れ
毎日水を替え、そのつど、茎先を少しずつ切るのがベストです。
プラスワン
切り花用の栄養剤を使うと簡単で、より長持ちします

バラのある暮らしを

多くの人たちの手で育てられた豊川のバラは、その品質が認められ、全国で愛される花となりました。そして、これからも、市内外でのPRなどにより、さらにその魅力は広がっていきます。
人生のたいせつな場面で花束を渡したり、何気ない1日に感謝の気持ちでそっと1輪の花をプレゼントしたり、バラを贈ることで思いを伝えることができます。また、贈られたバラを飾れば、生活に彩りが添えられます。豊川のバラの魅力を知り、バラのある、素敵な暮らしを送ってみましょう。

お問い合わせ

企画部 秘書課
電話:0533-89-2121

AIチャットボット
閉じる