「広報とよかわ」2019年10月号(特集)

更新日:2019年10月1日

女性が輝く働き方 仕事と生活の調和 How Women Work Brightly

近年、女性活躍推進という言葉がよく聞かれるようになりました。かつて女性は、結婚・出産・育児などを機に仕事を退職し、家庭に入ることが当たり前と言われていました。しかし現在では、男女共働き世帯が増加する中、女性がその能力を十分発揮し、生き生きと仕事を続けるためには、社会全体で女性が働きやすい環境づくりを進めていくことが重要となっています。
今回の特集では、女性の就業を取り巻く現状や今後目指すべき姿を考えるとともに、働く女性と女性活躍推進に取り組む企業の声を紹介します。
詳しいことは、人権交通防犯課(電話 0533-89-2149)へ、お問い合わせください

働く女性を取り巻く現状

女性の働き方をめぐる現状

全国における15歳から64歳までの女性の就業率は、昭和50年に48.8パーセント、平成28年には66.0パーセントと増加しています。その一方で依然として根強い長時間労働を前提とした労働慣行などから、仕事と生活の両立ができずに約5割の女性が出産を機に離職しています。また、管理職などの指導的地位にある女性の割合は諸外国と比べて低い水準にとどまるなど、働く場面における女性の活躍は十分とは言えないのが現状です。
豊川市の状況を見ると、女性が仕事を持つことについて尋ねた市民意識調査では「女性も仕事を持ち続ける方がよい」と答えた割合が増加するなど、意識の変化が見られています。しかしその一方で、男女の就業率を比較すると、その差は徐々に減少しているものの20パーセント程度(平成27年度値)の差がある状況です。

女性の就業率の推移

昭和50年 48.8パーセント
昭和61年 53.1パーセント
平成8年 56.8パーセント
平成18年 58.8パーセント
平成28年 66.0パーセント

出典 総務省 「労働力調査」

女性が仕事を持つことについて

平成11年 25.2パーセント
平成21年 32.3パーセント
平成26年 35.8パーセント 

平成11年 47.1パーセント
平成21年 43.2パーセント
平成26年 35.2パーセント 

平成11年 8.2パーセント
平成21年 5.7パーセント
平成26年 8.6パーセント 

平成11年4.2パーセント
平成21年 5.6パーセント 
平成26年 3.9パーセント 

平成11年 2.5パーセント 
平成21年 1.0パーセント 
平成26年 2.6パーセント 

平成11年 12.8パーセント 
平成21年 12.2パーセント 
平成26年 13.9パーセント 

出典 豊川市「男女共同参画に関する市民意識調査報告書」

女性が活躍できる社会に向けて

地域経済を支え、活気あるまちづくりを進めるためには、女性を含めた多様な人材が活躍できる社会であることが求められています。こうした中、女性の働く力に着目し、平成28年に、女性活躍推進法が施行されました。
この法律では、就業を希望する女性や職場でのステップアップを目指す女性、正社員として働くことにチャレンジしたい女性などを支援するため、社会全体として女性の働きやすい環境づくりに取り組むことが示されています。
また、一定の要件を満たす事業主に対しては、採用者に占める女性比率や、女性管理職比率などを高める具体的な行動計画を策定することが義務付けられました。
このように働く女性を取り巻く環境は大きく変わろうとしています。

 

国際的に見た日本女性の就労状況

日本の女性の労働力率は、出産・子育て期に当たる30代で低くなるM字カーブを描く一方で、欧州諸国では子育て世代においても安定した状態を保っています。その要因としては、女性の働き方に対して雇用形態や勤務時間の柔軟性が高いことや、地域の子育て支援の環境整備が充実していることなどが考えられます。

自分らしく働く女性

時代の変化とともに女性の働き方は多様化しています。
ここでは、子育てをしながらいきいきと自分らしく働く女性たちを紹介します。

1 無理せずできることから

豊川市 保健センター 堤 里子さん
1人目を出産した頃、部分休業の制度ができました。家族や職場と相談し、状況に合った時間での勤務を選択することができたため、子どもに関わる時間を多く持つことができ、本当に感謝しています。
今年、末子が小学校に入学したことを機にフルタイム勤務に戻りました。これまで夫との間で家事や育児について「誰が何をやる」というルールを作ったことがありません。「お互いができることをやる。できる時は自分が少しがんばる」というのが我が家流です。疲れた時は、頼めることを夫や子どもたちに任せています。
子育ても仕事も、一人の力ではとてもできません。がんばり過ぎず、家族や友人、職場の協力があり、今があると思っています。
これから出産や育児を迎える後輩たちにも、育児と仕事を楽しみながら両立できるように、私の経験を生かしたアドバイスができればと思っています。

2 周囲の協力が不可欠

イトコー 田辺 さやかさん
社内で正社員として育休から復帰したのは私が初めてです。復帰の時期を保育園入園時期に合わせたり、子どもの病気などで急な休みを取らせてもらったりと、会社では柔軟に対応してもらっています。育休中は孤独になりがちでした。仕事に復帰していろいろな人と話し、子育ての情報交換をすることで、社会とのつながりを持てるようになったと感じています。
また、仕事と育児の両立という点では会社の協力もあり、保育園のお迎えなどのため定時に退社できるよう、時間の管理に努めています。仕事の状況により、どうしても遅くなる場合は実家の親にも協力してもらっています。
家では夫と協力しながら育児や家事を行っていますが、夫の会社では急な休みなどが取りづらい状況があるようです。子育て世帯にとっては母親側だけでなく父親側の働く環境にも意識を向けることが重要だと思います。

自分らしく働きたい女性を応援します

市では、女性が活躍できる社会を目指すために、出産や子育て、介護などを機にいったん離職した女性を対象に再就職に向けて必要とする学びの場の提供や、男女が協力して仕事と生活を両立させるためのきっかけづくりなどを行っています。

エンパワーメント講座

再就職を望みながらもなかなか一歩が踏み出せない女性や、キャリアアップを望む女性の就労支援を行う講座。マネープランを含めた自分らしいライフプランの立て方や、すぐに役立つ資格の取り方などを専門家がアドバイスします。
実施時期 毎年6月から7月頃

パートナーシップ推進出前講座

男女が共に活躍し、喜びや責任を分かち合える社会づくりを支援する講座。市内の事業所、市民活動団体、保育園などを対象に、コミュニケーションやキャリア形成など希望するテーマで講師を派遣します。
募集開始時期 4月(先着順)

男女共生セミナー

男女が共に協力して家庭や社会生活などに参加することの大切さを学ぶ講座。昨年度は、台所に立つ機会の少ないお父さんにクッキングの体験をしてもらう、子どもと一緒に簡単にできるお菓子づくり教室を実施しました。
実施時期 毎年2月から3月頃

自分と相手を尊重した人間関係づくり講座

ジェンダーにとらわれず、自分らしく生きるための人間関係づくりを学ぶ講座です。
11月12日(火曜)・19日(火曜)(全2回) 10時00分から12時00分まで
場所 ウィズ豊川
講師 名古屋YWCA フェミニストカウンセラー・増井さとみさん
対象 女性の方
定員 30人(先着順)
申込 10月10日(木曜)9時00分から、電話で、豊川共生ネットみらい(電話:090-6088-5309)へ。
その他 有料で託児あり。10月29日(火曜)まで、電話で、豊川共生ネットみらいへ

女性悩みごと相談

育児や介護など女性が抱えるさまざまな悩みごとについて、女性カウンセラーが相談者とともに考えます。秘密は厳守されます。一人で悩みを抱えず、気軽にご利用ください。
相談日 第1金曜日、第3金曜日(祝日、年末年始を除く)
時間 10時00分から・11時30分から・13時30分から(1回60分)
場所 プリオ5階市民相談室
相談方法 面談、電話
費用 無料
その他 予約優先
予約受付電話 電話:0533-89-2104(9時00分から16時00分まで)
相談日当日の問合せ 電話:0533-82-1305(10時00分から14時30分まで)

女性が働きやすい職場づくりを推進します

トヨテック 人財開発部 部長 杉木 義広さん

少子高齢化に伴い、今後、労働人口の減少が確実に見込まれます。そうした中、男性と比較して女性の就労人口が少ない現状に着目し、女性が働きやすい環境を作ることで優秀な人材の確保につなげたいと考えています。そのためには、新卒者採用だけでなく、キャリアを持っていても子育てなどの理由で今は働いていない女性が活躍できる環境を作っていく必要があります。
こうした取組みの一つとして、育児や介護をする社員のために、月1回の特別休暇制度を設けました。育児に関しては、育休から復職後の支援体制が重要ですし、介護は多くの社員が今後抱えるであろう問題です。家庭の事情だと休むことに気兼ねしがちですが、そうした雰囲気を減らすためにも多くの社員に利用してもらいたいと思います。
今後はさらに、理系女子の採用や女性管理職の登用に向けても取り組んでいきたいと考えています。女性ならではの視点や適性を生かして働くことでキャリアを積み、会社の貴重な戦力として活躍してもらえることを期待しています。

トヨテック(西豊町)
光学機器、電子機器類などを扱う製造業。女性の活躍に向け先進的な取組みを行っている企業として、愛知県から「あいち女性輝きカンパニー」の認証を受けている。

新たな「豊川市男女共同参画基本計画」を策定します

市では、男女が協力して、個性と能力を発揮し活躍するまちを目指し「豊川市男女共同参画基本計画」を策定し、今回の特集で紹介した事業をはじめ、さまざまな取り組みを行っています。
現行の計画期間が令和2年度までとなっているため、来年度、次期計画の策定を行う予定です。次期計画では、現計画の男女共同参画社会基本法に基づく内容に加えて、女性活躍推進法に基づき、女性が活躍できる環境づくりについても取り上げていきます。

意識調査へのご協力をお願いします

新たな「豊川市男女共同参画基本計画」策定の基礎資料として、市民や事業所を対象とした無作為抽出による意識調査を、郵送で行います。ご協力をお願いします。
実施時期 10月から11月までのうち2週間
調査対象 市内在住の18歳以上の男女各1,000人、市内に住所を有する事業所200社

Topics 豊川市男女共同参画情報紙「ゆい」

年2回(3月、9月)発行。男女共同参画に関する情報や講座・セミナーの開催状況などをお知らせしています。市内の公共施設などにあります。
こちらからもご覧になれます

お問い合わせ

企画部 秘書課
電話:0533-89-2121

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