図録「無言館 遺された絵画展」

更新日:2013年1月4日

桜ヶ丘ミュージアム

内容

「無言館」この名前は、どのような意味を持っているのでしょうか。館主の窪島誠一郎さんは語ります。「かれらの描く絵はことごとく深い静寂につつまれている。この静寂を無言と解釈することは簡単です」「しかし、無言ということからいえば、無言のまま立ちすくむしかないのは、今を生きる我々のほうなのではないでしょうか」と。
一九九七年五月二日、信州・上田市郊外の丘に戦没画学生慰霊美術館「無言館」が開館して八年がたちます。東京美術学校(現東京芸術大学)の出身の画家野見山暁冶さんは、戦死した同級生の家族のもとに彼らの絵画を訪ねる取材を通して「仲間たちの絵をこのまま見棄てておくわけにはいかない」との思いを募らせていました。一九九五年、それを知った窪島さんが野見山さんとご遺族を訪ね、絵の収集と管理・保存の活動を始めたのが無言館建設の起こりでした。
開館後、来館者の声が全国に広がり始めました。「あなたに見せたい絵がある」と。美術館に置かれている無言館日誌には、『涙で絵が見えません』『いのちとは生きるとはどういうことなのでしょう』『愛が満ち溢れていました』『子どもを誘ってもう一度来たい』など感動の声で埋め尽くされています。何度も何度も訪れている方が多いこともこの美術館の特徴です。
戦後六〇年。戦争を知る人はもう僅かになってしまいました。全国から、この美術館に行きたい、行きたい、でも高齢になり遠くて行けないというたくさんの声を聞きました。現在、無言館に展示されている作品は八十数点だけです。まだ展示されていない作品が三百点近く残っています。こうした画学生の絵を見ていただきたいのです。
残された時間の中で、家族を、兄弟姉妹を、故郷を、自らを、ただ、ただ一途に絵を描いて逝ってしまった若者がいたことを少しでも多くの方に知っていただきたいのです。(あいさつ文より)

図録無言館展の写真1
無言館表紙

図録無言館展の写真2
内容1

図録無言館展の写真3
内容2

図録無言館展の写真4
内容3

ページ数:148、価格:1800円、刊行年月日:平成17年2月

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