「広報とよかわ」2021年5月号(特集)
特集 その電話、特殊詐欺かも
全国で多発する特殊詐欺被害。特殊詐欺は公的機関などに対する信用や、子や孫への愛情につけこんで財産を奪う悪質な犯罪で、決して許してはなりません。
今回の特集では、令和2年に市内で発生した特殊詐欺被害の状況をお伝えしながら、その手口と被害に遭わないための心構えについて紹介します。詳しいことは、人権交通防犯課(電話:0533-89-2149)へ、お問い合わせください。
特殊詐欺被害の現状
一本の電話や一枚のはがきなどをきっかけに、現金やキャッシュカードなどをだまし取る犯罪・特殊詐欺。愛知県では、令和2年に、569件の特殊詐欺の発生を確認し、被害総額は約13億4657万円に上ります。被害者を対象としたアンケートの結果、約9割が60歳以上の方でした。また、83.4パーセントの被害者が、「自分は被害に遭わないと思っていた、考えたこともなかった」と回答しています。
また、平成30年から令和2年までの間にも、県内で確認された特殊詐欺の手口の割合は年々変化しており、次々と新しい手口が現れています。被害に遭わないためには、自分は大丈夫と思わずに、最新の特殊詐欺の手口を知って、日頃から対策することが大切です。
特殊詐欺被害者の年齢割合(令和2年)
- 50代まで 10.8パーセント
- 60代まで 8.4パーセント
- 70代まで 27.9パーセント
- 80代から 52.7パーセント
データ提供:愛知県警察本部
(注記)数値は、少数点第2位を四捨五入しているため、合計が100.0パーセントになりません。
確認された特殊詐欺の手口の割合
【年・手口・割合】
- 平成30年、手口 オレオレ詐欺、割合 32.4パーセント
- 平成30年、手口 架空料金請求詐欺、割合 34.6パーセント
- 平成30年、手口 還付金詐欺、割合 22.7パーセント
- 平成30年、手口 キャッシュカード詐欺盗、割合 6.9パーセント
- 平成30年、手口 その他、割合 3.4パーセント
- 令和元年、手口 オレオレ詐欺、割合 32.8パーセント
- 令和元年、手口 架空料金請求詐欺、割合 15.5パーセント
- 令和元年、手口 還付金詐欺、割合 26.2パーセント
- 令和元年、手口 キャッシュカード詐欺盗、割合 23.3パーセント
- 令和元年、手口 その他、割合 2.1パーセント
- 令和2年、手口 オレオレ詐欺、割合 15.6パーセント
- 令和2年、手口 架空料金請求詐欺、割合 17.0パーセント
- 令和2年、手口 還付金詐欺、割合 4.4パーセント
- 令和2年、手口 キャッシュカード詐欺盗、割合 21.4パーセント
- 令和2年、手口 預貯金詐欺、割合 38.8パーセント
- 令和2年、手口 その他、割合 2.6パーセント
データ提供:愛知県警察本部
(注記)数値は、少数点第2位を四捨五入しているため、合計が100.0パーセントになりません。
次はあなたが狙われるかも 市内で発生している特殊詐欺
約1510万円が犯人の手に
令和2年中に、市内で確認された特殊詐欺の被害は12件、被害総額は約1510万円。特殊詐欺の手口は「キャッシュカード詐欺盗」が最多の6件となっています。
- キャッシュカード詐欺盗 6件
- 架空料金請求詐欺 3件
- 預貯金詐欺 2件
- オレオレ詐欺 1件
(データ提供:豊川警察署)
主な特殊詐欺の手口
キャッシュカード詐欺盗 急増中
キャッシュカード詐欺盗の特徴は、事前に電話をかけてキャッシュカードを用意させた後、直接犯人が家を訪ねて被害者が気付かないうちにキャッシュカードなどを盗み取ることです
犯人が使う口実の一例
キャッシュカードなどを盗み取るため、犯人は警察官や金融機関の職員、百貨店の店員などを装いさまざまな口実を使います。ここではその一例を紹介します。
- キャッシュカードが古いため交換が必要
- 不正にカードが利用されているので、預金を保護するための手続きをする
- キャッシュカードなどを入れた封筒を開かずに保管してほしい
など
架空料金請求詐欺
インターネットサイト事業者などを名乗り、インターネットの未納料金が発生しているという内容のメールを送ったり、裁判所などを名乗ったはがきを送付したりして、実際には使用していない料金を支払わせる
預貯金詐欺
キャッシュカード詐欺盗と類似した手口で、自治体や税務署の職員などを名乗り、医療費の払い戻しがあるため、キャッシュカードの確認や取替の必要があるなどと言って自宅を訪れ、キャッシュカードや預貯金通帳などをだまし取る
オレオレ詐欺
電話で子や孫になりすまし「風邪をひいて、喉の調子が悪い」などと言って、声が違うことを不自然に思われないようにした上で、仕事に関するトラブルや交通事故の慰謝料などを口実にお金を要求する
特殊詐欺被害に遭わないための心構え
いつ誰が特殊詐欺の被害者になってもおかしくありません。
被害に遭わないために気を付けるべきことをあらためて確認しておきましょう。
特殊詐欺の手口を知る
特殊詐欺だと気付くためには、手口を知る必要があります。警察から発信される情報やテレビ、新聞などで、最新の特殊詐欺の手口や傾向を知りましょう
パトネットあいちをご利用ください
「パトネットあいち」に登録すると、市内で発生した犯罪情報などがメールで届きます。
周囲の人と会話する
周りと助け合える環境が大切です。日頃から、家族や近所の人と会話をしましょう。時には、特殊詐欺のことを話題に出して防犯意識を高め合いましょう
電話の設定を変える
犯人と直接話をしないことが一番の対策です。在宅時も留守番電話に設定したり、迷惑電話防止機能を活用したりして、不審な電話に出ないようにしましょう
キャッシュカードや暗証番号を渡さない
犯人の目的は、キャッシュカードや暗証番号を手に入れ、現金をだまし取ることです。他人にキャッシュカードや暗証番号を渡さないようにしましょう
警察などに相談する
怪しい電話がかかってきたり、不審なはがきが届いたりして困ったときには、下記の番号へ相談しましょう
- 豊川警察署 電話:0533-89-0110
- 消費者ホットライン 電話:188
電話を切って冷静に考える
犯人は冷静に考える暇を与えないように話をします。お金やキャッシュカード、暗証番号の話題になったら、特殊詐欺を疑い一度電話を切りましょう
みんなで防犯意識を高める
特殊詐欺の手口は巧妙になっています。一人ひとりが特殊詐欺の被害に遭わないよう対策するだけでなく、家族や周りの人などと協力することが大切です。みんなで協力して特殊詐欺被害をなくしましょう。
周囲の気付きが被害を防ぐ
特殊詐欺について知ることで、自分の身を特殊詐欺から守るだけでなく、家族や身の周りの人を特殊詐欺の被害から守ることができます。周りの人が特殊詐欺の被害に遭いそうになっている方に気付き、声を掛けることにより、令和2年に358件・約1億8672万円の被害が県内で防止されました。
防犯講話をご活用ください
町内会や市内のサークルを対象に、生涯学習まちづくり出前講座・防犯講話を開催しています。家族や身近な人を守るためにも特殊詐欺の手口を理解し、防犯意識を高めましょう。
申込 申込書を、直接、またはファックス(0533-89-2125)で、人権交通防犯課へ。申込書は、人権交通防犯課(北庁舎2階)にあります(以下のリンクからもダウンロード可。生涯学習まちづくり出前講座申込書で申込)
実際に被害を防いだ方の声 水際で防ぐ詐欺被害
郵便局職員 辻野 花純さん
高額な現金を今日中に引き出したいと言われたので怪しいなと思いました。使い道などを聞いた上で、警察に連絡したところ、特殊詐欺だと発覚しました。水際で被害を防ぐことができ、ほっとしました。このことをきっかけに、お客様に声掛けすることの重要性をあらためて感じました。
金融機関などで声掛けをしています
金融機関などでは、警察からの依頼を受け、高額な出金をされる方などに対して職員や店員から声掛けを行っています。皆さんの財産を守るため、声掛けへのご理解とご協力をお願いします。
常に備える、みんなで備える
豊川警察署 署長 近藤 賢さん
平成28年をピークに、県内での特殊詐欺の被害は減少傾向にあります。しかし、詐欺の手口は、時代や流行に合わせて変化し、巧妙になっています。
被害に遭わないためには、家族など周りの人と連携することが重要です。怪しい電話や不審なはがきを特殊詐欺であると気付くためには、手口などを知っておく必要がありますが、一人で入手できる情報は限られています。身近な周りの人たちと特殊詐欺の手口などを共有し、防犯意識を高めてください。
また、周囲からの声掛けも被害防止に効果的です。不慣れな様子で携帯電話を片手にATMを操作している方などを見かけたら声を掛けてください。本人に声を掛けづらい時には、金融機関の職員やコンビニエンスストアの店員に不審な様子を伝えるだけでも被害の防止につながります。皆さんの一声で特殊詐欺の被害を防ぐことができます。みんなで力を合わせて、特殊詐欺被害をなくしましょう。
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更新日:2025年01月30日