「広報とよかわ」2023年10月号(モノ、ヒト、シゴト)

更新日:2025年01月30日

ページID : 7452

モノ、ヒト、シゴト TOYOKAWA PRODUCE

豊川市が誇るモノづくりと、それに携わるヒトを紹介します。

vol.54 光と色を操り社会を快適に

巨大な機械を背に黒い眼鏡を両手で持っている眼鏡をかけた白衣姿の男性の写真

伊藤光学工業株式会社 開発技術責任者・三輪 俊夫さん

世界初の色弱模擬フィルタ

眼鏡レンズのコーティングを国内で初めて実用化した伊藤光学工業。コーティングにより反射を抑えるなど、光を自在にコントロールする高度な技術は、映像・医療機器などのレンズにも使われている。豊川工場ではその技術を応用し、色の識別が難しい人の見え方を体験できる色弱模擬フィルタを世界で初めて開発。
設計や開発などに携わる三輪さんは「私たちの技術が色のバリアフリー化につながっていることにやりがいを感じている」と語る。

独自技術で障壁を取り除く

国内では約320万人が、特定の色の識別が難しいといわれている。日本でもバリアフリーへの意識が高まる中、平成17年、大学と共同で色弱模擬フィルタの研究を始めた。色の認識と光には大きな関係があるため、光をコントロールすることで、目に届く色を調整する方法を追究。色と光の調節を行う特定の物質をレンズに付着させる技術を駆使し、百万分の1ミリ程の薄い膜をレンズに何十層にも重ねた。膜ごとに異なる色を調整するため、物質の種類や厚さなどの条件を変えながら色の見え方を測定。こうした試行錯誤を繰り返し、開発に約2年を費やした。
 この製品は、あらゆる人に分かりやすい色使いで情報を伝達できるよう、印刷分野をはじめとしたユニバーサルデザインに関わる多くの現場で活用されている。「目に見えない薄さの膜を扱う開発には苦労も多かったが、リピーターが増えると評価されていると感じる」と三輪さんは話す。

誰もが快適な世の中に

眼鏡やカメラのレンズなど、さまざまな製品に利用されている伊藤光学工業の高いコーティング技術。「光学という軸を中心に、今後も世の中に役立つものを開発・製造していきたい」と三輪さん。長年の経験と実績を基に、社会をより快適にするモノ作りは続く。

伊藤光学工業株式会社 豊川工場:穂ノ原3-2-8

1956年創業。眼鏡レンズのコーティングを国内で初めて実用化した。豊川工場は2002年操業開始。世界初となる色弱模擬フィルタを開発・製造し、特許を取得した。

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