「広報とよかわ」2025年2月号(特集)

更新日:2025年01月31日

ページID : 20748

特集 多様性を尊重する社会

あなたは「LGBTQ」を知っていますか?LGBTQとは、レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、クエスチョニングとクィアの頭文字を取った言葉で、性的マイノリティ(性的少数者)を表す総称の一つです。日本では、約10人に1人が性的マイノリティだといわれていますが、昨年9月に行った市民アンケート調査で、「あなた自身あるいはあなたの身近(家族、親戚、友人、知人、職場関係)にLGBTQの方はいますか?」の問いに、56.2%の人が「いない」と回答しています。LGBTQの存在の見えにくさは、偏見や差別などの人権侵害と深く関わっていると考えられます。
今回の特集では、性のあり方やLGBTQについて取り上げ、誰もが自分らしく生きることができる社会について考えます。詳しいことは、人権生活安全課(電話:0533-89-2149)へお問い合わせください。

性を形作るもの~セクシュアリティ~

私たちは一人一人がさまざまな個性と違いを持っています。一人として同じ人は存在しません。また、性のあり方も人それぞれです。セクシュアリティとは、性のあり方のことで、性は4つの要素で形作られると考えられています。この要素は、男女の2つにはっきりと分かれるわけではなく、組み合わせもさまざまなため、「性はグラデーション」と表現されます。
自分自身のセクシュアリティは、揺らぐことや分からないことはありますが、無理に決めたり、他人に合わせたりするものではありません。

性の4つの要素

(1)生物学的性(法律上の性)
生まれたときに割り当てられた性別
(2)性的指向(好きになる性)
どのような人に恋愛感情や性的感情を持つか、または恋愛感情や性的感情を持たないか
(3)性自認(認識する性)
自分自身の性別をどのように認識しているか
(4)性表現(表現する性)
服装・しぐさ・言葉遣いなどをどのように表現するか

LGBTQ とは性的マイノリティを表す総称の一つ

性的指向

L レズビアン
自分を女性と認識し、女性を好きになる人

G ゲイ
自分を男性と認識し、男性を好きになる人

B バイセクシュアル
女性を好きになることも、男性を好きになることもある人

性自認

T トランスジェンダー
出生時に割り当てられた性別と性自認が異なる人

性的指向 性自認

Q クィアまたはクエスチョニング
性のあり方が定まっていない人、または定めていない人

LGBTQ 以外にも、さまざまなセクシュアリティがあります

Aセクシュアル
性的感情を抱かない人
Xジェンダー
性自認が男性・女性のどちらとも明確ではない人
パンセクシュアル
全てのセクシュアリティが恋愛・性愛の対象となる人
ヘテロセクシュアル
恋愛・性愛の対象が異性の人
シスジェンダー
出生時に割り当てられた性別と性自認が一致している人

レインボーフラッグって?

レインボーフラッグとは、性的マイノリティの尊厳と社会運動を象徴する旗のことです。
性のあり方は多様でグラデーションとなっているため、虹色で表現されています。1978年にサンフランシスコで使用されたデザインが始まりです。現在、最も多く使われているレインボーフラッグには、6色(赤、オレンジ、黄、緑、青、紫)が使用されています。赤は生命、オレンジは癒し、黄は太陽、緑は自然、青は調和、紫は精神の意味が込められているといわれています。

あなたの周りでこんなことはありませんか?

  • 性別で決められた制服がある
  • 性的マイノリティに対する侮辱的な言動を見聞きした
  • 上司から「女性ならではの視点で考えて」と言われた
  • 友人から「彼氏はいるの?」と聞かれた

このような場面で、LGBTQの人たちは、「違和感がある」「嫌だな」と思っています。LGBTQは外見からは分かりづらいため、自分の周囲にはいないと感じるかもしれません。しかし、家族や友人、同じ学校のクラスメイト、職場の同僚にもLGBTQの人がいることを前提とした言動を心掛けることが大切です。また、性的指向(セクシャル・オリエンテーション)と性自認(ジェンダー・アイデンティティ)の頭文字をとった「SOGI(ソジまたはソギ)」という言葉があります。ソジは、性的マイノリティだけが持っているというものではなく、誰もが持つ性のあり方を総称する概念です。全ての人の多様な性のあり方を表し、セクシュアリティの違いによる差別をなくそうという考え方として広まっています。

性はグラデーションのようになっていて、Aさん、Bさんのようにどこかに当てはまります。

Aさん

  • バイセクシュアル
  • 生物学的性は男性
  • トランスジェンダー(性自認は女性)

Bさん

  • ヘテロセクシュアル
  • 生物学的性は女性
  • シスジェンダー(性自認は女性)

誰もが暮らしやすい世界のために私たちができること

LGBTQ を含むあらゆるセクシュアリティの誰もが暮らしやすい社会を作るためには、セクシュアリティやLGBTQについて正しい知識を持ち、次のことを意識することが大切です。自分は大丈夫と思わずに、一度普段の行動や会話を振り返ってみましょう。

  • 知識を深める

性に関する考え方は、日々更新されています。新しい情報に触れてみましょう。

  • 思い込みをやめる

異性愛者を前提とした質問や、性別を決めつけた呼び方をやめましょう。

  • 差別的な言動に同調しない

差別的な言動を見聞きした時には、同調せずに誤った言動を指摘する勇気を持ちましょう。

カミングアウトされたら?

カミングアウトとは、自らの性的指向や性自認について打ち明けることで、自分が性的マイノリティであることを他人に伝えることです。カミングアウトは、本人の意思や判断により行われることであり、他人が催促したり、強要したりするものではありません。
もし、カミングアウトされたら、その言葉を受け止める言葉をかけましょう。他の人にこのことを話しているかを確認し、どの人まで話してもよいかや困っていることはないかなど、性的マイノリティの当事者の希望を尊重することが大切です。

アウティングは絶対にしてはいけない!

アウティングとは、本人の同意なく性的指向や性自認を第三者へ伝えたり、公表したりすることです。たとえ善意からであっても絶対にしてはいけない行為です。職場であれば、パワーハラスメントに該当すると考えられます。
アウティングされたLGBTQの当事者は、悪意のない発言であったとしても、気持ちを踏みにじられ、居場所を失う危機的な状況に追い込まれてしまうこともあります。

ASTA(アスタ)で活動している方にお話を聞きました

個性や特性を受け入れる社会へ

LGBTQの人を取り巻く環境は、マスコミや学校の取り組みなどにより改善してきていますが、いまだにLGBTQの人たちに対する配慮を特別扱いだと考える方もいると思います。「普通」「普通ではない」という感覚に捉われず、性的マイノリティなど多様な価値観を持った方の個性や特性が受け入れられる社会にしていくため、多くの選択肢を用意していく必要があるのではないかと思います。
私たちが生きている社会にはさまざまな人がいます。そこが面白いところであり、差別や偏見を生むところでもあります。今、差別や偏見に苦しんでいる方は、人と関わることをやめないでほしいと思います。みんなで手を取り合い、全ての人が生きやすい社会になることを願っています。

ASTA(アスタ)とは

愛知県や岐阜県の学校を中心に、性的マイノリティについての啓発活動を行っています。家族に性的マイノリティ当事者を持つ人の相談や情報交換などを行う「みんなで保護者会」や、10代から20代までを中心にLGBTQの当事者や当事者かもしれない人が集まり交流する「名古屋あおぞら部」などの活動を行っています。

豊川市で取り組んでいること

  • 豊川市パートナーシップ・ファミリーシップ宣誓制度

性的マイノリティ・事実婚など、パートナー2人が日常生活において協力し合うこと、また、その近親者などとの関係を含めて家族であると宣誓したことを、市が証明するものです。宣誓すると、家族がいることを要件とした一部の行政サービス(市営住宅の入居申請、墓園利用権承継許可申請など)が利用できます。

  • 「みんなのトイレ」を設置

一部の小・中学校では、男女別のトイレに加えて、「みんなのトイレ」と呼ばれる誰が使ってもよいトイレが設置されています。今後、全ての小・中学校に導入する予定です。

  • 制服の見直し

中学校では、制服が男女統一のブレザーとスカート、またはパンツを選択できるよう見直しが進んでいます。令和6年度時点で、5校がブレザーを導入しています。

  • 男女共同参画推進出前講座

町内会の会合や職場の研修などに利用できる、LGBTQ講座やアンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)に関する出前講座を行っています。
(注記)令和6年度の事業は終了しています。

  • 人権講演会・LGBTQを知る基礎セミナー

市民向けの講演会、セミナーを開催しています。
(注記)令和6年度の事業は終了しています。

LGBTQについてもっと知りたいあなたへ

市の図書館で借りられる本を紹介します。

一般向け
「元女子高生、パパになる」
著者:杉山文野
出版:文藝春秋

小学校高学年から
「おやこで話すはじめてのLGBTs」
著者:鶴岡そらやす
出版:日本能率協会マネジメントセンター

悩みを相談してみませんか?

県にじいろ電話相談
電話:0120-241-612(通話料無料)
開設日時 毎月第3月曜日の午後7時から午後10時まで
内容 匿名の電話による相談
対象 県内に在住、在勤、または在学の性的マイノリティの当事者やその周りの方

よりそいホットライン
電話:0120-279-338(通話料無料)
開設日時 365日、24時間対応
内容 匿名の電話または、ファックス:0120-773-776による相談
対象 どなたでも

LINE相談レインボー・ホットライン
開設日時 毎月第1月曜日の午後7時から午後9時まで
内容 LINEによる相談
対象 性的マイノリティの当事者やその周りの方

この記事に関するお問い合わせ先

企画部 秘書課
所在地:442-8601
愛知県豊川市諏訪1丁目1番地
電話番号:0533-89-2121
ファックス番号:0533-89-2124
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