「広報とよかわ」2026年9月号(特集)
特集1 災害時に誰一人取り残さないために
東日本大震災では、亡くなられた方の約3分の2を60歳以上が占め、障害者の死亡率は住民全体の死亡率の2倍に上るなど、自力で避難することが困難な障害者や要介護高齢者といった「避難行動要支援者」が大きな被害を受けました。
今回の特集では災害時に誰一人取り残さないための取り組みや、地域で避難行動要支援者を支える取り組みについて紹介します。避難行動要支援者が安全に避難するためには、綿密な準備や周囲の協力が必要不可欠です。南海トラフ巨大地震の発生が懸念される今、避難行動要支援者支援制度をきっかけに、自分や家族、地域でできることについて、それぞれの立場で考えてみませんか。
市では、災害時に誰一人取り残さないための取り組みとして、避難行動要支援者支援制度への登録や個別避難計画の作成を進めていますが、避難行動要支援者支援制度への登録状況は、対象者8530人のうち、1689人に留まっています。
避難行動要支援者支援制度への登録状況(令和8年3月末現在)
5人に1人しか登録できていません!
Step1 避難行動要支援者支援制度に登録しよう
避難行動要支援者支援制度とは、災害時における人的被害の防止や軽減を図るため、民生委員や自主防災会などの共助により、避難誘導が速やかに実施できるよう、対象者があらかじめ氏名、住所などの必要な情報を市に登録しておく制度です。登録することで、情報は民生委員や自主防災会に提供され、災害時の避難活動に活用されるほか、平常時の見回り支援なども受けられます。
対象者
対象者:身体障害者手帳 肢体不自由1~3級
担当課・連絡先:障害福祉課(電話:0533-89-2131)
対象者:身体障害者手帳 視覚障害1・2級
担当課・連絡先:障害福祉課(電話:0533-89-2131)
対象者:身体障害者手帳 聴覚障害2級
担当課・連絡先:障害福祉課(電話:0533-89-2131)
対象者:療育手帳A判定
担当課・連絡先:障害福祉課(電話:0533-89-2131)
対象者:精神障害者保健福祉手帳1級
担当課・連絡先:障害福祉課(電話:0533-89-2131)
対象者:ひとり暮らしの高齢者
担当課・連絡先:介護高齢課(電話:0533-89-2105)
対象者:要介護3~5の在宅者
担当課・連絡先:介護高齢課(電話:0533-89-2105)
(注記)その他、上記に準ずる希望者。
登録者には緊急情報キットを提供
災害時だけでなく、救急搬送時など、意思を伝えられない場合に、かかりつけ医や持病、緊急連絡先などを救急隊や医療機関に伝えるものです。
登録方法
随時受け付けています。登録申請書を直接、障害福祉課、または介護高齢課(本庁舎1階)へ。申請書は障害福祉課、または介護高齢課にあります(豊川市ホームページからダウンロード可)
避難行動要支援者に寄り添う地域の取り組みを伺いました!
音羽地区 地域福祉活動推進委員会 委員長 杉田 隆 さん
音羽地区では、避難行動要支援者を理解することを主な目的として、高齢者疑似体験セットや車いすなどを使って実際に地域を歩く「防災さんぽ」を実施しています。危険箇所の把握はもとより、普段は気付きにくい段差や枝を確認できる他、車いすの介助方法も、改めて確認することができます。また、避難行動要支援者と触れ合うことで、その方の人柄や特性を知ることにつながっています。
同じ地域に住む仲間として、日常の声掛けはもちろんのこと、災害時には助け合っていきたいと思います。
他の地区でも…
下長山地区福祉委員会「ふれあい訪問」
避難行動要支援者支援制度の登録者や独居の高齢者を対象に、健康状態や生活の様子を確認しながら地域のつながりを大切にしています。
地域支援者としてご協力をお願いします!
災害時に誰一人取り残さないために、皆さんの協力が必要です。避難行動要支援者の近くにお住まいの方に、災害時の声掛けや避難支援をしてくださる「地域支援者」の役割をお願いする場合があります(法的な責任はありません)。
Step2 個別避難計画を作成してみよう
個別避難計画とは、避難行動要支援者に対して避難の支援、安否の確認、その他生命または身体を災害から保護するため作成する一人一人の特性に応じた計画です。福祉専門職が本人や家族と面談して作成し、民生委員や自主防災会などが確認して完成となります。
市では、毎年度、対象地区を定めて作成しており、対象者に直接、案内をしています。
対象者
避難行動要支援者支援制度に登録のある方(ただし、高齢者の場合は要介護1以上)
個別避難計画の内容
ハザードマップ危険情報
緊急連絡先
かかりつけ医療機関
移動や避難生活などで支援が必要なこと
地域支援者
避難先までの経路と避難方法
防災気象情報の警戒レベルに応じた行動計画
作成スケジュール(対象中学校区)
令和8年度 御津、小坂井、西部、代田
令和9年度 音羽、一宮、東部
令和10年度 金屋、中部、南部
個別避難計画のイメージ
台風を想定した計画は、3日前の準備から記載
個別避難計画を作成した方に話を伺いました!
中村 征矢 さん
日頃から電動車いすや就寝時に人工呼吸器を使用しているため、以前から災害を意識しており、必要な蓄電池も準備していましたが、個別避難計画を作る中で、災害を今まで以上に具体的に考えるようになりました。
計画を基に、実際に蓄電池などを持って避難訓練をすると、普段5分で行ける避難所の小学校まで20分かかりました。また、体育館で人工呼吸器を付けて寝てみると、床が硬く眠れないことや、人工呼吸器の音など、課題があることも分かりました。
やってみないと分からないことはたくさんあります。個別避難計画を道標にして、普段から「もしも」を想像しておくことが、いざという時の備えにつながると思います。
もっと知りたい方に!出前講座
災害時における要介護高齢者・障害者の避難を考える(避難行動要支援者支援制度と個別避難計画について)
市内に在住、在勤、または在学の方10人以上の団体などに、市職員が無料で、希望する会場へ出向き説明する生涯学習まちづくり出前講座を実施しています。申し込み方法など、詳しいことは、市ホームページを確認していただくか、障害福祉課、または介護高齢課にお問い合わせください。
特集2 認知症と共に生きる
9月は「認知症月間」です。令和6年に公表された厚生労働省の推計では、2040年には高齢者の約7人に1人が認知症を発症すると言われています。また、65歳未満でも認知症を発症することもあり、認知症は誰にとっても身近なものであるため、この機会に認知症について一緒に考えてみませんか。詳しいことは、介護高齢課(電話:0533-89-3179)へお問い合わせください。
新しい認知症観とは
認知症になったら何もできなくなるのではなく、認知症になってからも、一人一人が個人としてできること・やりたいことがあり、住み慣れた地域で仲間などとつながりながら、希望を持って自分らしく暮らし続けることができるという考え方。認知症を正しく理解するためには、症状だけではなく、本人の思いや希望に目を向けることが大切です。
インタビュー 認知症の当事者や、家族を介護する方に聞きました
当事者の声 自分らしく生きる
自分の運転に違和感を覚えたのがきっかけで受診しました。若年性認知症と診断されたときは悔しかったですが、病気だと分かったことで気持ちは楽になりました。薬を服用し、進行は遅くなった気がします。今は車に乗れなくなり、できないことも増えましたが、変わらずかつての同僚と食事に行くなど、普通に暮らすことを大切にしています。
私は、認知症であると周りに伝えた方が、気持ちも楽でしたが、それを伝えるのが嫌な人もいると思います。ただ、私が楽しそうに過ごしている姿を見て、「自分も話してみようかな」と思う人がいたら、うまくいったなと思います。認知症と打ち明けられた際は、これまで通り普通に接してもらいたいです。
家族の声 妻を支える中で感じたこと
認知症介護者 森田 富夫 さん
妻が認知症の診断を受けてから数年は、どう向き合えばいいか分かりませんでした。介護について勉強する中で、闘病しながらも明るくYouTubeで発信する人を見つけ、感銘を受け、自分も介護について動画投稿を始めました。妻の認知症を隠すことなく、一歩進んで「助けて」と言えるようになったと思います。
一番大切にしていることは妻の「自立」です。認知症になっても、人格を尊重して、人間らしく暮らしてほしいと思っているため、できることは妻自身にやってもらいます。自立をサポートするため、料理の手順を隣でアドバイスしたり、「忘れても大丈夫だよ」と伝えつつも、一人でできたら一緒に喜んだりしています。
信頼できる病院の先生やケアマネジャー、地域の方に出会え、妻の笑顔も増えて、介護者として幸せを感じています。
「認知症サポーター」として支えるには
認知症サポーターとは、認知症を正しく理解し、認知症の人や家族を温かく見守る応援者です。市内で開催する認知症サポーター養成講座および認知症サポーターステップアップ講座を受講した方は、認知症サポーターとして登録できます。
養成講座に参加するとオレンジリングが、ステップアップ講座を受講するとピンバッジが貰えます。
「チームオレンジとよかわ」の活動に参加しませんか
認知症の方とその家族、認知症サポーターなどがチームを組んで「チームオレンジとよかわ」として活動しています。福祉相談センターに配置されたチームオレンジコーディネーターを中心に、認知症の方やその家族のやりたいこととサポーターのできることをつなぎ、地域で支え合う活動を行っています。
チームオレンジ企画会&イベント会
企画会では、認知症の方や家族のやりたいことを実現するため、ゲームや怪談などの内容をみんなで企画します。イベント会では、その企画をもとに参加者が協力して活動を行います。
認知症カフェ
認知症の方やその心配のある方、家族、専門職、地域の皆さんが気軽に集い、コーヒーなどを飲みながら情報交換やレクリエーションを楽しむ場です。介護や予防に関する相談にも応じ、安心して過ごせる居場所として、地域で支え合い、理解を深めるきっかけづくりを行っています。
認知症月間イベント(9月1日~30日)
オレンジライトアップ オレンジ装飾
豊川公園をオレンジ色にライトアップする他、市民病院や認知症理解推進に関わる企業の店舗などをオレンジ色に装飾します。
グループホームの作品展示
市民病院やふれあいセンターでグループホームの作品を展示します。
図書館コラボ
9月15日(火曜日)まで、中央図書館で認知症の啓発や、関連書籍を展示します。
認知症地域支援推進員が活躍しています!
認知症地域支援推進員は、市内の各福祉相談センターに配置され、市と連携し、認知症の方やその家族が住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けられるよう支援する専門職です。認知症に関する不安や介護の悩みは、お気軽にご相談ください。
この記事に関するお問い合わせ先
企画部 秘書課
所在地:442-8601
愛知県豊川市諏訪1丁目1番地
電話番号:0533-89-2121
ファックス番号:0533-89-2124
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更新日:2026年09月01日