故郷とバスケットボールへの恩返しから生まれた、みんなの“公園”。

更新日:2025年01月30日

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小林 拓一郎、大内 舞

二人の男女がフェンスのような所をバックにバスケットボールを手に持ち笑みを浮かべている写真

倍々ゲームのようにご縁がつながり、夢を実現。

国道362号線を1本入ると、海外のような雰囲気を持つ、カフェ併設のバスケットボールコートが突如現れる。2020年9月にオープンしたこの施設は、豊川市出身で現在、ラジオDJとして活躍する小林拓一郎さんが、仲間たちとともに立ち上げた話題のスポット。

「実家は代々続く農家で、亡き父が残してくれたこの土地は、元々は母が汗水流してブドウを育てていた畑だったので、『グレープパークコート』と名付けました。僕は中学でバスケ部に入って以来、アメリカの大学に留学するほど熱中し続け、バスケットボールが今の人生に大きく影響しています。みんなが自由に使えるバスケットボールコートを作りたいというのは、自分の中でずっと温めていた夢でした」と小林さん。

ブドウ畑の石柱を抜く整備から苦労のスタートだったが、小林さんと家族に、友人が加わり、SNSで作業動画を配信したことで、各地から手伝う仲間が集まった。そして、「豊川のためにあなたが動いてくれるなら」と、地元の造園業者や左官屋などの頼もしい専門業者も協力。クラウドファンディングで約1380人から1200万円以上の支援を得て、小林さんの想像を超えるスピードで、念願のコートが完成した。「僕がちっちゃい小石を投げたことで、波紋のように人の輪がどんどん広がり、今もいろいろな人たちに支えられています」。

平屋の建物の外壁にバスケットボール選手のイラストが大きく描かれている写真

西尾市在住のグラフィックアーティスト・左右田薫さんが描いた、NBAの伝説的名選手コービー・ブライアント氏の大きな壁画が目印。

四人がけの椅子や、二人がけの椅子、ソファーなどが並んでいる一室の壁にバスケットボールのユニフォームやイラストが立て掛けられている写真

ユニフォームやシューズ、アートなど、カフェにはバスケグッズが満載。Bリーガーやオリンピアン、YouTuberなどのバスケ関係者が来店することも。毎週土曜は、日本代表選手としても活躍していた、元デンソー・アイリスの牛田悠理さんがスタッフに加わる。

大きく開けた土地の奥に両端が階段になっている平屋の建物が建ち、その手前にバスケットボールコートがある写真

カフェの大きな窓からコートの様子が見られるので、子ども連れの親も安心。大人がお茶しながら、ここで遊ぶすべての子どもを見守る環境になっている。

大きく開けたバスケットボールコートの奥にフェンスがありその奥に木々が生い茂っている写真

コート周りのフェンス1本1本に、スポンサーとなる個人や企業の名入れ看板が並ぶ。「広告の宣伝効果もありますが、ここで遊んだ子どもたちが大人になったとき、『多くの大人に支えてもらっていたんだな』とお金の使い方に気づいてもらえたら」と小林さん。

左側が階段になっている建物をバックに1人の男性がボールのような物を上に掲げている写真

小林さんが着用しているのは、グレパー1周年を迎え、メンテナンス資金を募って達成率200%を超えた、クラウドファンディングのリターンとなる限定カラーTシャツ。リバウンドをもぎ取るとある選手をモチーフに、左右田さんがデザインを担当した。

カウンター内にシャツを着用した1人の女性とカウンター外にTシャツを着用した1人の男性が笑みを浮かべている写真

小林さんが「新しいお店とか、僕より豊川のまちに詳しい」と褒める大内さんに、お気に入りの場所を質問。「一番好きなのは佐奈川。春には桜や菜の花が咲き、サイクリングも気持ちいいですよ」。

バスケットボールを足に挟みしゃがんでいる様子の首から下を写した写真

カフェのスタッフに一声かければ、コートを利用できる。ボールの貸し出しをしているので、動きやすい服装なら手ぶらでOK。カフェでお茶をした女性が、私服でシュートに挑戦してみる姿も。

トレーの上の左側にプラスチック容器に入った飲み物と右側にホットサンドのようなものが置いてある写真

スポーツの後に飲みたいレモネードやコーヒーシェイクの他、ホットサンド、クロックムッシュなどの軽食も用意。夏期は、ご近所の山本いちご農園の削りいちごが人気を集めた。

バスケットボールに気軽に触れるきっかけ作り。

公園のようなパブリックスペースをイメージし、年齢制限なく、営業時間内はコートを無料開放。「グレパー」の愛称で呼ばれ、ルール&マナーを守り、周辺のゴミ拾いや清掃もみんなで行うように小林さん自らが率先して促し、地域に愛される場所に育てていった。平日の昼間は大人を中心にゲームが始まり、夕方は学校終わりに子どもたちが自転車でやって来て、土日も大人気。緊急事態宣言下で部活やクラブチームが休止されたころは、体を動かせる貴重な場所になった。

コートの管理人であり、カフェの店長を務める大内舞さんは、開業を機に名古屋から豊川へ移住。「生まれ育った名古屋が大好き。地元のコーヒーショップで8年働き、『他のまちから名古屋を見たらどうなのだろう?』と思い、自分の好きなことを通じて、みんなに楽しんでもらう場を提供できるこの『グレープパークコート』で働こうと決めました。引っ越す前は不安もありましたが、実際に来てみたら、みんなが助けてくれて楽しく暮らしています」。

ここではバスケットボールだけの枠にとらわれず、防災訓練やマーケット、スケボーイベント、ライブペインティング、バランスボール体験会なども開催。「もっと幅広い人たちに、バスケットボールを身近に感じてほしいんです。そこからBリーグ観戦に行こう、NBAの試合を見てみようとなり、将来的にはここで遊んだプロ選手が生まれたらうれしいですね」と小林さん。活動と人の輪が大きくなるとともに、豊川市を舞台とした二人の夢も膨らむ。

DATA

鉄骨と金網に取り付けられたバスケットボールのゴールリングの写真

Grape Park Court(グレープパークコート)

  • 住所:愛知県豊川市土筒町河原2−2
  • 営業時間:9時〜19時
    (注意)11月より冬季営業時間9時〜18時になります
  • 定休日:火曜日・水曜日 (注意)祝日と被る場合は変更の可能性あり
  • 料金:バスケットコート/利用料無料
  • カフェ店内/メニューの注文で利用可能
  • 詳細:Grape Park Court

PROFILE

小林 拓一郎(こばやしたくいちろう)
名古屋のラジオ局「ZIP-FM」の人気ナビゲーター。愛知県豊川市出身。
通称は「コバタク」。2010年より、豊川市観光協会により「とよかわ観光大使」に任命される。

大内 舞(おおうちまい)
Grape Park Court内のカフェ勤務のため、名古屋から豊川に移住。
パークに遊びに来る、老若男女から好かれる人気者。

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駅が近くて通勤通学がしやすいまちなかでのマイホーム購入を応援するため、所有する土地・家屋に係る固定資産税相当額(最大3年間・面積要件あり)を補助します。

対象条件は、以下のいずれかに該当する方です。

  1. 豊川市外に連続して5年以上住んでいたが、市内の特定の区域に家屋を購入して引っ越してきた
  2. 豊川市内の災害想定区域に家屋を所有して住んでいたが、市内の特定の区域に家屋を購入して引っ越してきた

さらに、対象世帯のうち、中学生以下の子を持つ世帯に対し、1人当たり10万円(1回限り)の奨励金を交付します。対象条件は、

  • (a)転入前5年以上市外に在住
  • (b)2017年1月2日以降に都市機能誘導区域内に家屋を新築(分譲マンション・中古住宅も対象)。
  • (c)転入後10年以上市内に定住する意思がある。
  • (d)町内会へ加入する。
  • (e)市税等の滞納がない。
  • (f)暴力団員でない。

以上6点になります。

この記事に関するお問い合わせ先

企画部 元気なとよかわ発信課
所在地:442-8601
愛知県豊川市諏訪1丁目1番地
電話番号:0533-95-0260
ファックス番号:0533-89-2125
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