目に見えない“愛”を形に。オーダーメイドのジュエリー職人。

更新日:2025年01月30日

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太陽の形や、イチョウの形などの3点のジュエリーがケースに入って並べられている写真

佐藤勝亮(ainowa)、佐藤幸子(ainowa)

エプロンを着用した男女が木材をベースにした店内で笑顔で微笑んでいる写真

ジュエリーは、自分らしさを叶えるお守りのような存在。

「豊川稲荷」として親しまれる、豊川閣妙厳寺の門前町。風情ある町並みに溶け込むように建つのが、オーダージュエリーの工房&ショップ「ainowa(アイノワ)」だ。店名の由来は「愛の輪」。ジュエリーを通じて、愛の輪、そして、人や地域の縁が広がるように、との願いが込められている。

店を営むのは、地元出身のジュエリー職人・佐藤勝亮さんと、ジュエリーコーディネーターとして店をサポートする妻・幸子さん。マリッジ&エンゲージリングをはじめとした、世界で一つのオーダーメイド製作がメインだ。勝亮さんが手掛けるジュエリーの技法には、溶かした地金を型に流す鋳造(ちゅうぞう)と、丹念に叩いて密度を高める鍛造(たんぞう)がある。特に、後者の鍛造はきめ細やかで壊れにくく、職人ならではのクラフトマンシップが光る。また、気に入った色石(カラーストーン)を選び、ジュエリーに仕立てられる点も大きな特徴だ。

過去の作品例を見せてもらうと、夫婦の家紋をモチーフにした独創的なデザインや、色とりどりのストーンを組み合わせたものなど、ひとつとして同じものがないことに驚く。「特に時間をかけるのがヒアリング。結婚指輪ならどういう夫婦になりたいかという家族理念や、“愛”という目に見えないものを形にしていきます。もちろん、結婚指輪に限ったことではなく、日々の心の支えになったり、前向きな一歩を踏み出す勇気を与えたり。自分らしく生きるための、お守りのような存在になれたら」と勝亮さん。

様々な種類の宝石がケースの中に収められて並べられている写真

原石をカット・研磨した裸石(ルース)との出会いは、まさに一期一会。金属の素材は、シルバー、18金、プラチナなどから選べる。

お寺の参道に様々な出店が出店されて賑をみせている写真

新型コロナウイルスの影響でしばらくお休みしていた「豊川手しごと市」。取材に訪れたこの日は、約2年ぶりの単独開催となり、全45ブースが出店した。

トンカチなどの工具を使い、リングを制作している女性の写真

イベントで「幸せのプチリング」を製作する幸子さん。華奢なデザインと、一点1000円と手に取りやすい価格で、重ねづけを楽しむ人も多い。

壁に様々なジュエリー製品が飾られている木目調を貴重とした店内写真

商店街の一角にある工房兼ショップ。作品見本の展示のほか、「二人でつくる結婚指輪」のワークショップも開催(完全予約制)。

様々な工具のようなものが机に並んだ工房で防護用のゴーグルをし、作業を行っている男性の写真

フルオーダーのほか、デザイン、サイズ、刻印、材質、石などが自由にカスタマイズできるセミオーダー(3万円~)も受け付けている。

丸形のブラシのついた工具で修繕作業のようなものを行っている様子の手元を写した写真

「モノを大切にしたい」との思いから、リフォームにも対応。古くなったデザインや、祖母や母から受け継いだ思い出の品に、新たな命が吹き込まれる。

「豊川手しごと市」で、門前町にムーブメントを。

勝亮さんは、念願だった独立の地、そして子育ての場として、生まれ育った豊川市門前町を選んだ。新城市から移り住んだ幸子さんに町の印象を尋ねると「商店街の皆さんが、うちの子どもたちにもよく声をかけてくれるんです。こうした交流がある地域って、今では少ないですよね」。

店のオープン当初から、ジュエリー製作と並行して取り組んできたのが、イベント開催だ。豊川市に手作り文化が根付くきっかけになればと、豊川稲荷の境内を借りて「豊川手しごと市」を立ち上げた。たった10ブースから始まった小さな市は、2018年には60ブース、約5000人の来場者を集めるまでに成長。門前町にも、新たな賑わいを呼びこんだ。

イベントを機に、よりカジュアルに楽しめる新商品「幸せのプチリング」も生まれた。見本から好みのデザインを選んでもらい、職人が目の前でサイズに合わせてリングを作り上げるというもの。プチリングを気に入ったカップルが、結婚の際にマリッジリングをオーダーするケースも増えているという。

「イベントは大変なことも多いですが、出店者さんや、遠くから足を運んでくれるお客さまなど、みんなが喜んでくれるのが何よりです。歴史も文化もあるこの商店街ですが、それって永遠じゃないし、どんどん活性化していく必要があると思うんです。一度行って終わりではなく、“また行きたい”“あの人に会いたい”と思ってもらえるように」。そう話す二人の笑顔が、今日もたくさんの人を惹きつけている。

DATA

観葉植物がお店の前に置かれている瓦屋根を貴重としたainowaの外観写真
  • 住所:愛知県豊川市門前町31
  • 営業時間:11時~19時
  • 定休日:水曜日(イベント出店等に伴う臨時休業あり)
  • 駐車場:なし
  • 電話:0533-56-9711

​​​​​​​佐藤勝亮(さとうかつあき)・佐藤幸子(さとうさちこ)

佐藤勝亮(さとうかつあき)

ainowa代表・一級貴金属装身具製作技能士。尊敬するジュエリー職人に師事しながら経験を積み、2014年、豊川稲荷門前町に工房兼ショップをオープン。ジュエリー製作のかたわら、「豊川手しごと市」主催としても活動。地域活性化にも積極的に取り組む。

 

佐藤幸子(さとうさちこ)

ジュエリーコーディネーター。ジュエリーのデザイン相談や、イベント出店時には「幸せのプチリング」の製作を担当し、店をサポート。マヤ暦を使った、その人の本質を知るアドバイスも行う。家庭では4児の母。

この記事に関するお問い合わせ先

企画部 元気なとよかわ発信課
所在地:442-8601
愛知県豊川市諏訪1丁目1番地
電話番号:0533-95-0260
ファックス番号:0533-89-2125
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