子どもも大人も共に育ち合う、育児環境とコミュニティを体現。

更新日:2025年01月30日

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2つの教室でそれぞれ遊んでいる園児たちの写真

尾崎 恵理子(恵の実保育園 園長)、吉澤 枝里

園舎の前で笑顔で並んで立っている吉澤 枝里さんと尾崎 恵理子園長の写真

子どもの生きる力、育つ力を育てていくという考え方に共感。

賑やかな子どもたちの声と元気よく走り回る足音が聞こえてくるのは、自然豊かな赤塚山がすぐ近くにある「恵の実保育園」。同園にお子さんを入園させるため豊川に移住を決めたという、吉澤枝里さん。「図書館で斎藤公子さん(注釈)の本を読んだことをきっかけに、子どもの生きる力、育つ力を育てていくという考え方に共感し、子どもをそのような環境で育てたいと考え調べ始めて…辿り着いたのがこの「恵の実保育園」だったんです」。

(注釈)斎藤公子=(1920ー2009年)さくら・さくらんぼ保育研究所長。障がいのある子どもと健常児が共に育つ統合保育をはじめ、障がい児保育にその生涯を捧げた人物。子どもの身体機能と精神の健やかな育ちを目指す「全面発達の保育』を心がけながら実践を重ね、リズム遊びや絵本の読み聞かせ、歌、自然や小動物との触れ合い、土や水に親しむ遊びを通して、子どもの心と生きる力を育てることに尽力。多数の著作を発表している。

「恵の実保育園」では、運動や食、社会・文化などの面から、子どもの全面発達に適した環境で育てる「さくら・さくらんぼ保育(斎藤公子の保育)」の考え方のもと、保育を実践。科学的に有用と言われている昔ながらの遊びを推奨したり、小さな頃から本物に触れるために陶器の食器を使用したり、足の裏の感覚を養うために裸足で過ごすなどさまざまな工夫がなされている。

また、園を通して子どもも大人も育ち合う一つのコミュニティの形が体現されているのも特徴的だ。イベントや行事を通じて親同士の繋がりも深くなり、子育ての悩みに対して自然とみんなでフォローし合う関係性が生まれてくる。「移住者として周りに身内がいなかったので、助け合いながら安心して子育てができる環境がここにはあると感じました。息子も入園してから随分逞しくなり、変化を感じています」と吉澤さん。

園庭に生えている大きな木の前に置かれたベンチに座っている園長・尾崎さん(左)と吉澤さん(右)の写真

「恵の実」の名前の由来となった榎の大木を背景に。(左)園長・尾崎さん(右)吉澤さん

木製の床に高い天井、一面に大きな窓が取り付けられ、沢山の光が差し込んでいる明るい室内の写真

風と光を存分に取り入れるという考えに基づき大きな窓を採用。木造建築で大空間を実現している。

園舎の前に大きな土山が2つある園庭の写真

さくらさくらんぼ保育を取り入れている保育園には、泥遊びなどができるように土山が園庭に必ず設けられているのだそう。

全体的に白い外壁で、三角屋根、園への入り口部分に木製の門がある恵の実保育園の外観写真

通園時に子どもたちが見えるよう配置された植栽や、1階建てで区切りなく自由に行き来ができる建築的なこだわりも随所に見られる。

丸いお皿に一口サイズにカットされた胡麻蒸しパンが並べて置かれている写真

園内の給食室で作られたおやつ。本日のメニューは胡麻蒸しパン。給食もおやつもできる限り無添加の食材を使用し、栄養価もしっかり考えられたメニューとなっている。

食器の入ったカゴを運んでいる男の子の後ろ姿の写真

自分たちの生活を助け合うため「はたらく」ことに対しての意識を持たせることにも注力。

人の成長を感じる瞬間に立ち会えることがやりがい。

1992年、自宅を使った共同保育グループから始まったという「恵の実保育園」。現在は社会福祉法人として園児70名を預かるほどの大きな保育施設へと成長。2010年には、児童発達支援事業・恵の実「ホップくん」、利用児童の自立を目的とした、児童発達支援/放課後デイサービス・恵の実「ステップくん」、小学生を対象とした公益事業「恵の実っ子クラブ」も併設し、さまざまな個性や年齢の子どもたちが自然に交流できる場を実践している。

長年園長を務めてきた尾崎恵理子さんにこの仕事のやりがいについて尋ねた。「大人も子どももそうだと思いますが、うまくいくこともあればいかないこともありますよね。例えば、跳び箱が跳べなくて『もうやだ~』と言ってどこかに行ってしまう子がいたとして、そういう子がお友だちに励まされて気持ちを切り替えて、再度跳び箱に挑戦しようとする瞬間や、親御さんで悩んでいた方が子どもから学びや気づきを得る瞬間、そういう“成長の瞬間”に立ち会えるのは幸せなことであり、私にとってやりがいですね」。

現在、障がい児と健常児の多様なあり方を相互に認め合える、インクルーシブ教育のロールモデルとして実践しているが、さらにその後、ノーマライゼーションの実現、誰もが生きやすい地域社会へ向けて、2028年に福祉施設の設立を目指す。保育園の枠に留まることなく進化し続ける「恵の実保育園」の今後にますます期待が高まる。

DATA

園庭の奥にあるホールのような白い大きな建物、その右側に建っている園舎を写した恵の実保育園全体の外観写真

社会福祉法人 恵の実 恵の実保育園(えのみほいくえん)

  • 住所:愛知県豊川市市田町原山97・98番地
  • 開園日:月曜日~土曜日
  • 休園日:日曜日、国民の祝日、休日、年末年始(12月29日~1月3日)
  • 対象年齢:0(産休明け)~6歳(就学前)の乳幼児
  • 定員:60名
  • 電話:0533-65-9803

PROFILE

尾崎恵理子(おざきえりこ)

社会福祉法人「恵の実」理事長、「恵の実保育園」園長。「たべる」「ねる」「あそぶ」「はたらく」ことを通して子どもたちの“内なる自然”を育てる保育を実践。その他、自然の中での仲間との体験活動、リズム遊びや絵を描くこと、一流の芸術や文化に触れ、豊かな感性を育てることにも力を入れている。「0歳から大人まで育ち合うこと」をモットーに、将来は自分たちが入所できるような老人向けの福祉施設も計画中!?なのだそう。

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対象条件は、以下のいずれかに該当する方です。

  1. 豊川市外に連続して5年以上住んでいたが、市内の特定の区域に家屋を購入して引っ越してきた
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さらに、対象世帯のうち、中学生以下の子を持つ世帯に対し、1人当たり10万円(1回限り)の奨励金を交付します。対象条件は、

  • (a)転入前5年以上市外に在住
  • (b)2017年1月2日以降に都市機能誘導区域内に家屋を新築(分譲マンション・中古住宅も対象)。
  • (c)転入後10年以上市内に定住する意思がある。
  • (d)町内会へ加入する。
  • (e)市税等の滞納がない。
  • (f)暴力団員でない。

以上6点になります。

この記事に関するお問い合わせ先

企画部 元気なとよかわ発信課
所在地:442-8601
愛知県豊川市諏訪1丁目1番地
電話番号:0533-95-0260
ファックス番号:0533-89-2125
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