ふるさとの風景も絵本のモチーフに。豊川市出身の絵本作家

更新日:2025年01月30日

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壁谷芙扶さん作品の絵本が扇状に複数並べられている写真

壁谷芙扶

机に置かれている資料の前に着席し、笑みを浮かべている壁谷芙扶さんの写真

勇気を出してイタリアへ。人との出会いでつかんだチャンス。

豊川市国府町出身の絵本作家・イラストレーターの壁谷芙扶さん。2022年の春に市がオリジナルで作成した、婚姻届と母子手帳バッグのイラストを手がけた。作品には、とよかわブランドであるバラやミニトマトなどがかわいらしく描かれ、利用者たちから好評だ。このほか、今年は中央図書館でのトークショーに出演するなど、市とのコラボも増えつつある壁谷さん。今、真剣に故郷へのUターンを模索しているという。そんな壁谷さんの人生とは。
絵が好きだった母親の影響もあり、小さいころから絵を描くことが好きだった。幼稚園児の時に絵を褒められたことや、小学校低学年の時に豊橋動物園の写生大会で入賞し、朝礼で校長先生に発表してもらったことなどがうれしくて、漠然と絵を描く仕事に憧れた。本格的に美術を学び始めたのは光ヶ丘女子高校(愛知県岡崎市)に入ってから。美術部に所属し、美大入学を目指してデッサンの予備校で必死に勉強した。そうして入学した名古屋造形芸術短大(現・名古屋造形大)では、おもにデザインを学んだ。卒業後は地元で絵の仕事がしたかったが見つからず、仕方なくプリント会社に就職した。「会社にイラストの雑誌や洋書など素敵な本がたくさん置いてあり、それらを目にするうちにイラストレーターという職業に興味を持つようになりました」。壁谷さんは働きながら、プロのイラストレーターを養成する京都の教室に週1回、1年間通い、実践的なノウハウを学んだ。
最初の転機が訪れたのは26歳の時。世界的に有名な子ども向けファッション誌との出会いだ。当時会社をリストラされ、アルバイトをしながらイラスト制作に専念していた壁谷さんは、子どもや動物を描いた1枚のイラストを、大好きなイタリアの雑誌の出版社に、だめもとで郵送した。すると後日、「一緒に働きませんか」と書かれたファックスが。「私が留守中、まず国際電話をくれたようなのですが、母が切ってしまったんです。母曰く、『詐欺みたいな電話だったから』って(笑)。それはそうですよね。直接電話があるなんて思ってもみなかったですから」。
職業イラストレーターとして夢のようなスタートを切った壁谷さん。雑誌ではポストカードのほか、星占いのページを担当した。単年契約だったが、上京後に出会った業界の知人から「海外での仕事を続けて、国内での仕事の強みにしたほうがいい。絵を持ってイタリアに行っておいで」と背中を押され、壁谷さんは次年度1年分の星占いページのイラストを持ってイタリアへ。「無知だったからできたんでしょうね。英語もしゃべれないのに。でも編集長はそれらの絵を見て、契約の継続を決めてくれました」。結局、海外での仕事を5年間続け、国内でも本格的に活動を開始。ひたすら出版社にイラストを持ちこむ日々が続いた。

壁谷芙扶さんの星をモチーフにしたイラストが掲載されているイタリアの子ども向けファッション誌の見開きページの写真

イタリアの世界的に有名な子ども向けファッション誌に、壁谷さんのイラストが採用された

絵具や画材などが置かれた机の前に座り、イラストを描いている様子の壁谷芙扶さんの写真

今は東京で絵本を描いているが、いずれは故郷である豊川市にアトリエを構えたいという

周りを人物や色彩豊かなイラストが描かれた婚姻届けとピンク色で中央にバラの花が描かれている母子手帳バックの写真

壁谷さんのイラストが使われた豊川市オリジナル婚姻届と母子手帳バッグ

豊川市のバックボードの前で壁谷芙扶さんを中心に関係者の男女2名がそれぞれ婚姻届と母子手帳バックを持ち記念撮影を行っている写真

婚姻届と母子手帳バッグのデザインは市の若手職員と共に考えた

故郷に戻って絵本をつくり続けたい。

次の転機はイラストレーターになって10年経ったころ。ギャラリーの合同企画展に展示したイラストを見た出版社から、絵本制作を勧められる。イラストは描いてきたものの、絵本づくりは全く初めて。「ただ、いつかは絵本を作りたいという気持ちがあったので、出版社のアドバイスを受けながら、頑張って作ってみました」。そして完成したデビュー作「だったらいいな」は、ボローニャ国際絵本原画展で入賞。絵本作家としての道も開けた。
壁谷さんがこれまでつくった絵本の中には、音羽川沿いの赤トンボなど故郷の景色もたびたび登場する。2018年出版の「やまぼう」は地元の弘法山をモデルに描かれている。2022年には、豊川市とのコラボレーションも実現。婚姻届と母子手帳バッグのイラストを壁谷さんが担当した。「幸せな気持ちの人たちが利用してくれていると思うと、私も温かい気持ちになります」。
そのほか、壁谷さんはイタリアの出版社でイラストを描いた縁で、約20年に渡ってイタリアの基金団体「カミッラのおともだち」の日本代表を務め、子ども病院などに色々な絵本を贈る活動を続けている。
「夫の転勤で、全国を転々としましたが、豊川はいいところです。今は東京で仕事をしていますが、ゆくゆくは豊川に戻り、アトリエを建てて絵を描き続けたいと思っています。子どもたちだけでなく、お年寄りの方々にも読んでもらえる絵本が描けたらな」と笑顔で話してくれました。

DATA

マスクをしてペンを片手に持っている壁谷芙扶さんの横顔写真

壁谷芙扶(かべやふよう)

豊川市出身の絵本作家、イラストレーター。

国府保育園、国府小、西部中、光ヶ丘女子高等高校、名古屋造形大学(旧:名古屋造形芸術短期大学)を卒業。

デビュー作「だったらいいな」が国際的な絵本原画展「ボローニャ国際絵本原画展」で入賞。

弘法山(国府町)がモデルとなった「やまぼう」など、本市がモデルとなった絵本も手掛け、これまでに21作品の絵本制作に携わっている。

近年では、バドミントン元日本代表・潮田玲子さん作の絵本「いっぽいっぽのくつ」の作画を手掛けた他、企業のノベルティグッズに自身の絵を提供するなど幅広く活躍している。

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駅が近くて通勤通学がしやすいまちなかでのマイホーム購入を応援するため、所有する土地・家屋に係る固定資産税相当額(最大3年間・面積要件あり)を補助します。

対象条件は、以下のいずれかに該当する方です。

  1. 豊川市外に連続して5年以上住んでいたが、市内の特定の区域に家屋を購入して引っ越してきた
  2. 豊川市内の災害想定区域に家屋を所有して住んでいたが、市内の特定の区域に家屋を購入して引っ越してきた

さらに、対象世帯のうち、中学生以下の子を持つ世帯に対し、1人当たり10万円(1回限り)の奨励金を交付します。対象条件は、

  • (a)転入前5年以上市外に在住
  • (b)2017年1月2日以降に都市機能誘導区域内に家屋を新築(分譲マンション・中古住宅も対象)。
  • (c)転入後10年以上市内に定住する意思がある。
  • (d)町内会へ加入する。
  • (e)市税等の滞納がない。
  • (f)暴力団員でない。

以上6点になります。

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企画部 元気なとよかわ発信課
所在地:442-8601
愛知県豊川市諏訪1丁目1番地
電話番号:0533-95-0260
ファックス番号:0533-89-2125
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