苦難を乗り越えて

更新日:2025年01月30日

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ユニフォームを着た女性がボールを転がしヘッドピンを倒している写真

プロボウラー 安藤 瞳

ユニフォームを着た女性がガッツポーズをしている写真

書籍「花壇の外に綺麗に咲く花もあるんだよ」を刊行

摂食障害のうち、さまざまな不安などから食べ物がとれなくなる「拒食症」。極端に体重が減ると死に至ることもある、心の病だ。子どものころにこの病を発症し、苦しみと向き合いながら自分の道を切り開いてきた女性がいる。豊川市出身のプロボウラー安藤瞳さんだ。安藤さんは2023年5月、自身の体験を綴った本「花壇の外に綺麗に咲く花もあるんだよ」(ギャラクシーブックス)を出版。「少しでも、つらい思いを抱えている方々の力になれれば」と語る。
消防士の父と、書道家の母のもとに生まれた安藤さんは、二人姉妹の次女。初めてボウリングに触れたのは3歳のころだ。当時、市内正岡町にあった豊川エースボウルで家族とボウリングを楽しみ、安藤さんはボウリングが大好きになった。
一方、安藤さんのからだに異変が起きたのは小学4年生の時。拒食症を発症した。「自分でもどうしてそうなるのかわかりませんでした。ただ、私は負けず嫌いですし、周囲の人に良い子だと思われたい、完璧でありたいという気持ちが強かったので、そういうことが原因の一つなのかもしれません」。からだはやせ細り、体力もなくなり、10カ月間入院した。その後、一度は回復に向かうと思われたが、中学2年生で再び入院。苦しくつらい日々の中で、転機となったのはボウリングだった。母が「広報とよかわ」でジュニアスクールの募集を見つけ、背中を押してくれたのだった。
習い始めるとやはりボウリングは楽しく、プロから学んで成長していく自分を感じられるのもうれしかった。努力した分が成果に表れる。病気のせいで見えなかった未来に、一筋の光がともった気がした。そしていつしかこんな思いを抱くようになった。「プロボウラーになりたい」!

タンスのような所の前で女の子がピースをしている写真

拒食症で苦しんでいた小学生のころ

ボーリングレーンをバッグにユニフォームを着た2人の男女が前を向いている写真

ボウリングの原点だった豊川エースボウルで、当時の先輩プロボウラーと

ユニフォームを着た女性が両手を挙げガッツポーズをしている写真

ストライクにガッツポーズ

ボーリングレーンをバックに男女5人が景品を手に持ち微笑んでいる写真

第16回MKチャリティカップでパーフェクト賞を獲得した安藤さん(右から2人目)=京都市・2023年9月

カチューシャのようなものを頭につけた女性が本を持って笑顔を浮かべている写真

拒食症の体験を綴った「花壇の外に綺麗に咲く花もあるんだよ」

狐をイメージした豊川市の公式キャラクター「いなりん」の立て看板の右横にマスクをした女性が写っている写真

大好きないなりんと

生きていれば必ず明るい未来が

夢を見つけた安藤さんはエースボウルに毎日通い詰め、それまで以上にボウリングに夢中になった。ただ真摯に向き合えば向き合うほど、それがプレッシャーとなり、拒食症の症状につながることも。そんな時、家族から「楽しくないならやめなさい」と声をかけられ、ボウリングの楽しさをあらためて思い出して我に返った。
本格的にプロを目指すため通信制高校に入学。エースボウルなどでアルバイトをしながら練習費を稼ぎ、プロの指導を受けた。「夢が叶わなかったらどうしよう」という強い不安があったが、家族のような存在だったエースボウルの関係者たちの励ましもあって乗り越えた。そして2010年、21歳の時に見事プロデビューを果たした。
憧れたプロの世界だが、当時は特に上下関係が厳しく、先輩プロボウラーとの関係性に悩んだ。そうなるとまた病気が顔を出す。家族から「そんなに辛いのなら辞めてもいいんじゃないか」と言われれば、「辛いのは人間関係。ボウリングに対する辛さではないのだから続けよう」と踏ん張った。こうしてプロの道を歩み続け、今年で13年になる。各地で行われる試合に参戦し、2006年からBS日テレで放送されているボウリングトーナメント番組「PLeague」にも出演。第一回・次世代Pリーガー発掘プロジェクトの合格者として、キューティーアイズのニックネームで親しまれている。
エースボウルは2013年に廃業。それに伴い安藤さんは関ボウリングセンター(岐阜県関市)を経て、現在は東名ボール(瀬戸市)の専属プロボウラーとして活動している。積極的にSNSを活用し、ボウリングや自身の経験などについて発信。摂食障害について理解を深めてもらおうと、本を執筆し、「生きていれば、必ず明るい未来がある」と呼びかける。
女子ボウラーは現在、10~70代まで約120人。その中でトップシードといわれる成績上位者は18人のみだ。安藤さんの目下の目標は、そのトップシードに食い込むこと。「そしていずれは優勝して、これまで支えてくれた方々に恩返しがしたいです」。
「豊川市が好きです。住むのにはとてもいい環境。それと私、市の宣伝部長、いなりんも大好き。これからも豊川市出身のプロボウラーとして、ボウリングの楽しさを発信していきたいです」。

DATA

ユニフォームを着た女性がガッツポーズをして笑顔で微笑んでいる写真

安藤 瞳(あんどう ひとみ)

プロボウラー、豊川市出身、B型/右投げ
東名ボール所属(瀬戸市)
2010年公益社団法人日本プロボウリング協会女子の43期生としてプロ入り
全国各地で開催されるチャレンジマッチにゲストプロとして参戦。
次世代Pリーガー発掘プロジェクト第1号選手、PLEAGUEでのニックネームは「キューティーアイズ」。日本女子プロ・女子アマボウラーによるボウリングトーナメント番組「PLEAGUE」に出演中。2023年9月には、3度目のパーフェクト賞を達成した。

Instagram:@hitomiandoh

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駅が近くて通勤通学がしやすいまちなかでのマイホーム購入を応援するため、所有する土地・家屋に係る固定資産税相当額(最大3年間・面積要件あり)を補助します。

対象条件は、以下のいずれかに該当する方です。

  1. 豊川市外に連続して5年以上住んでいたが、市内の特定の区域に家屋を購入して引っ越してきた
  2. 豊川市内の災害想定区域に家屋を所有して住んでいたが、市内の特定の区域に家屋を購入して引っ越してきた

さらに、対象世帯のうち、中学生以下の子を持つ世帯に対し、1人当たり10万円(1回限り)の奨励金を交付します。対象条件は、

  • (a)転入前5年以上市外に在住
  • (b)2017年1月2日以降に都市機能誘導区域内に家屋を新築(分譲マンション・中古住宅も対象)。
  • (c)転入後10年以上市内に定住する意思がある。
  • (d)町内会へ加入する。
  • (e)市税等の滞納がない。
  • (f)暴力団員でない。

以上6点になります。

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企画部 元気なとよかわ発信課
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愛知県豊川市諏訪1丁目1番地
電話番号:0533-95-0260
ファックス番号:0533-89-2125
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