たくさんの想いを紡ぎ、大きな輪に

更新日:2025年11月21日

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紡ぐ輪
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豊川市で、子どもたちの未来を想いながら立ち上がった母親たちがいる。「紡ぐ輪」は、障がいのある子どもを育てる3人の母親が2021年に結成した団体だ。目標は、親がいなくなった後も子どもたちが孤立しない社会をつくること。単なる支援ではなく、社会と障がいのある人々が自然に交わり、共に豊かになる未来を目指して活動している。

出会いは保育園。ママたち3人が「紡ぐ輪」を結成

「紡ぐ輪」を立ち上げたのは、市内在住の、(上記写真右から)河合亜実さん、宇野圭子さん、大藏信子さんの3人。子どもたちが通っていた社会福祉法人恵の実・恵の実保育園で2015年ごろ出会った。ここでは障がいの有無に関係なく、すべての子どもが一緒に過ごす「統合保育」が行われており、自然な交流の中で3人の関係も深まっていった。その後、子どもたちが就学していく中で、3人は「この先、この子たちはどうやって生きていくのだろう。豊かな人生を送れるのだろうか」と同じ疑問を感じ、自分たちができることを模索。そこから「紡ぐ輪」が動き出した。

子どもたちと一緒に家族が歩く様子

将来への不安と社会への違和感が行動の原点

活動を始める一番の理由は、子どもたちの未来に対する不安。加えて社会に対する違和感も大きかった。
例えば、福祉事業所で作られた商品が、品質に見合わないほど安く販売されている現状がある。無添加のクッキーが100円で売られている様子を見て、「パッケージや飾りなど、もう少し手を加えれば、適正な価格で評価されるはずだ」と感じた。障がいの有無にかかわらず、商品が品質や魅力で選ばれる世の中にしたい。その想いが、「子どもたちの居場所づくり」へとつながっていった。

初めの挑戦「つむパン®」が生んだ広がり

最初の活動は、資金づくりのために始めたオリジナル商品「つむパン(紡ぐ輪オリジナルリズムパンツ)」の制作だった。保育園のリズム遊びに使えるショートパンツで、ふっくらした動きやすいシルエットが特徴。砂などが入り込まないようにあえてポケットはなく、園で大切にされている絵本に登場するマツユキソウやカモシカなどの刺しゅうを入れた。

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こだわりの刺繍が入った人気のつむパン

つむパンの着用画像

ふんわりとしたバルーンシルエットが特徴


 

海外生産から始めたが、品質とこだわりをより追求するため、国内生産に切り替えてようやく納得のいく製品にたどり着いた。検品や袋詰めの作業は、地元のNPO法人「パルク」の就労継続支援B型事業所の利用者さんに依頼。自分たちが関わった製品が完成する喜びを、利用者さんたちに実感してもらいたいたかったからだ。さらに「適正な対価を」と考え、工賃は高めに設定した。

こうして小さくスタートしたつむパン事業だったが、これまで累計で2,000枚以上を販売するまで広がっている。

2023.4 クラウドファンディング実施

2023.4 クラウドファンディング実施

2025.5イオンモール豊川 豊穣屋

2025.5イオンモール豊川 豊穣屋に出店

地域を巻き込み、「つながり」を育てるマルシェ

商品づくりと並行して、地域とのつながりを育むイベント「つむぐwaマルシェ」もスタート。2021年から恵の実保育園の敷地内で始まり、雑貨店やキッチンカー、学童児のブースなど、多彩な出店者が集う場となった。現在では、1日1,000人以上が訪れる人気イベントに成長している。
さらに2025年には、活動の場を保育園外にも広げようと、あかつかテラス(赤塚山公園内)で七夕イベント「叶‐yumekana‐」(ゆめかな)を開催。願い事の短冊や、にじみ絵で彩られたランタンが公園を美しく飾った。このイベントの特徴は、「地域の人を巻き込んだ循環型の仕組み」。短冊の裁断や準備、パンフレットの折り作業などを、障害福祉サービス事業所に依頼し、協賛金から工賃を支払う仕組みを整えた。イベントを通じて、障がいがある人たちも、「人とつながり、仕事につながる」という体験を広げ、障がいの壁を越えて参加者が共に楽しめる夜のイベントとして反響を集めた。
 

就労継続支援B型事業所 Art Support Grace(アートサポートグレイス)での制作風景

就労継続支援B型事業所 Art Support Grace(アートサポートグレイス)でのランタン制作風景

七夕イベント「叶‐yumekana‐」(ゆめかな)

七夕イベント「叶‐yumekana‐」(ゆめかな) / にじみ絵で彩られたランタン

叶様子

七夕イベント「叶‐yumekana‐」(ゆめかな) / 願い事の短冊をつける様子

「人とのつながり」を財産に。未来に向けた仕組みづくり

紡ぐ輪が目指すのは、建物や制度だけでなく、「人とのつながり」という財産を残すこと。親が先にいなくなっても、そのつながりが子どもを支えてくれる社会であってほしいと3人は願っている。
今、特に課題と捉えているのは「18歳の壁」だ。学校卒業後に通う就労支援施設の多くは、学生時代より帰宅時間が早い。そのため保護者にとって働きづらい状況になる。一方で、子ども自身も、学校と違って人と関わる時間が減り、孤立しがちになる。
こうした現状を少しでも改善できればと、紡ぐ輪は福祉施設の中にカフェや習い事のスペースをつくり、学校を卒業しても地域の人と自然に交流できる場を作ろうとしている。
「わが子に障がいがあるからこそ出会えた人、経験できたことがある。そのつながりが、子どもだけでなく他の家族や地域にも広がっていけば」と3人は願いながら、活動は続いている。

にじみ絵の発展(ユメカナボールペン)

にじみ絵アート作品の「ユメカナボールペン」

紡ぐ輪が描く未来

紡ぐ輪は、社会福祉法人恵の実の「弱さがある子も、生涯を通して生きる喜びを得られる居場所(たまり場)づくり」という将来構想に共感。法人と手を取り合いながら、2030年を目標に、新しいカタチの福祉施設の設立を目指して進んでいる。
「紡ぐ輪という、人生をかけられるものができました。私たちの活動はまだ知らない方のほうが多いですが、少しでも多くの人たちにかかわってもらいたいです」と河合さんは期待し、「自分も、紡ぐ輪の活動を通して巡り合えた、たくさんの人たちに救われました。福祉施設づくりは私たちの大きな目標。自分たちがいなくなっても、子どもたちが安心して暮らせる、そして障がいのある子だけじゃなくて地域の人やお母さんたちにとっても温かい居場所がある社会が作りたいです」と宇野さんは意気込む。そして「支援される側から、誰かを支える側にもなれる。そんな想いをお母さんたちに伝えていきたいと思っています」と大藏さんは笑顔で話した。


小さな一歩が、誰かの未来を紡ぐ輪に。「紡ぐ輪」は豊川から全国へと「人とのつながり」を広げていく。

2025.11 art day開催

2025.11 art day開催

DATA

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紡ぐ輪

それぞれ違う障がいがある子どもたちの母親3人が立ち上げたグループ。

理念は「共に生きる」。

障がいの有無にかかわらず、つながり合うすべての人が豊かさと生きがいを感じながら共同社会の輪・立ち戻れる原点ともなる居場所と、将来に残せる仕組みを作るために活動している。2026年春、一般社団法人を設立する。

リーダー:河合亜実
マネジメントリーダー:宇野圭子
アカウンティングリーダー:大藏信子

【Instagram】
叶 -yumekana-
紡ぐ輪-tsumuguwa-
【Webサイト】
紡ぐ輪-tsumuguwa-

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企画部 元気なとよかわ発信課
所在地:442-8601
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