「広報とよかわ」2022年5月号(モノ、ヒト、シゴト)
更新日:2022年4月28日
モノ、ヒト、シゴト TOYOKAWA PRODUCE
産業が盛んな豊川市。「モノ、ヒト、シゴト」では、豊川市が誇るモノづくりと、それに携わるヒトを紹介します。
vol.37
自動車業界の未来を拓く
株式会社東海理化生産部・赤澤 聖史さん
世界シェア1位の部品メーカー
昭和23年創業、シフトレバーやハンドルなどの自動車部品を開発・製造する東海理化。ドライブ、バックなど、ギヤの切り替えの際に配線を介し、電気信号で行うシフトレバーは音羽工場で製造され、世界トップシェアを誇る。「自動車部品は安全が第一。常に小さな異変を見逃さないよう心掛けている」と生産部の赤澤さんは話す。
理想的なラインを考える
電気信号で変速機を作動させるシフトレバーは、ケーブルなどで物理的に作動させる従来式のものと比べ、小型・軽量化を図ることができた。部品数も少なく、作業工程が簡素化された一方で、個々の部品は細かくなり、組み立て作業は難しくなった。安全性を損なわず、効率的に製造するためには、開発段階から製造部門も加わり、組み立ての順番やラインの配置などについて検討を行っている。試作品が完成するまでの期間も、図面を見ながら、組み立てやすさ、想定される問題点などについて、経験を基に議論を重ねる。「開発部門と製造部門で検討を行うことで、ライン稼働までの時間を削減できた」と言う。ラインは専門チームが構築。作業者の効率を考え、直線ではなく円形に配置し、0.1秒、1センチ単位で作業時間、作業動線の短縮に努めている。「最初から100点満点とはいかないが、常に改善に努めている」。ライン稼働後も改善すべき点を現場で聞き取り、次に生かす取り組みを続けるなど研さんを重ね、技術を成熟させている。
最先端を常に走り続ける
平成11年には、日本初のスマートキーシステムも開発。現在、よりコンパクトで自動駐車機能付きの車両に対応した次世代シフトレバーを製造するなど、一足先を見据えたモノ作りで業界をけん引している東海理化。これからも、トップランナーとして走り続ける。
株式会社東海理化音羽工場:赤坂町平山1
1948年創業。シフトレバー、ハンドルなどを開発・製造する自動車部品メーカー。音羽工場は1965年操業。現在製造している電気信号によるシフトレバーは世界トップシェアを誇る。