「広報とよかわ」2024年8月号(特集)
特集 地震への備え、考えていますか?~巨大地震はいつか必ずやってくる~
今後30年以内に70パーセントから80パーセントの確率で発生するといわれている南海トラフ地震。近年、全国各地で大規模な地震が多く発生しており、この地域にも巨大地震はいつか必ずやってきます。 今回の特集では、南海トラフ地震発生時の豊川市の被害想定に加えて、日頃からの備えや対策、地震発生時にとるべき行動について紹介します。詳しいことは、危機管理課(電話:0533-89-2194)へお問い合わせください。
南海トラフ地震とは
南海トラフ地震とは、静岡県の駿河湾(するがわん)から、宮崎県の日向灘(ひゅうがなだ)までの広範囲を震源域として起こるもので、東海・東南海・南海地震も含まれています。南海トラフ地震の震源域では、100年から150年の間隔で繰り返し大規模な地震が発生していますが、東海地方においては、前回の大規模な地震発生から170年以上が経過しているため、いつ地震が起こってもおかしくありません。
また、南海トラフ地震は、東日本大震災と同様の海溝型地震であり、大きな揺れによる建物の倒壊や津波による被害などが想定されています。
海溝型地震のメカニズム
地球の表面は、海と陸にある十数枚のプレート(岩盤)で覆われており、海側のプレートは少しずつ動きながら陸側のプレートに押し寄せています。海側のプレートが海溝で沈み込むときに、陸側のプレートの先端部が引きずり込まれます。陸側のプレートには長年ひずみが蓄積され、そのひずみが限界に達すると、プレートが反発して跳ね上がります。この動きによって発生する地震が海溝型地震と呼ばれます。
教えて!地震・防災Q&A
震度とマグニチュードの違いって?
「震度」はそれぞれの地点で観測された揺れの大きさのことで、場所によって数値が異なります。気象庁では震度0から震度7まで(震度5と6には強・弱)の10段階を設定しています。
一方、「マグニチュード」は地震そのものの大きさのことで、数値が大きいほど、より遠いところまで揺れが届きます。
緊急地震速報はどんな時に出るの?
緊急地震速報は、震源近くで地震を観測すると、位置や規模、想定される揺れの強さを自動計算し、素早く知らせるものです。最大震度5弱以上と推定した地震の際に、震度4以上の揺れが予想される地域にお知らせします。緊急地震速報が流れたら、大きく揺れる可能性が高いため、必ず身を守る行動をとりましょう。
避難所に行けば何でもあるの?
避難所はあくまで場所の提供です。避難所に十分な食料などがあるとは限らないため、避難中に必要な物品は自分で用意しておきましょう。
「避難所に行けば大丈夫」と思わずに日頃から備え、5ページのチェックリストを参考に、避難所生活で必要となるものを準備しておくことが大切です。
高さ0.3メートルの津波でも避難が必要?
高さ0.3メートルの津波でも速い流れに巻き込まれて歩けなくなる恐れがあり、大変危険です。さらに、高さ0.5メートルの津波では車が浮き始め、1メートルを超えるものになると、巻き込まれた場合の致死率は100パーセントと想定されています。津波警報が発令されたら、津波の高さにかかわらず、すぐに沿岸部から離れ、近くの高台に避難しましょう。
豊川市地震予想
市が想定している南海トラフ地震が発生した場合の震度分布は次のとおりです。震度分布や被害想定は、過去に発生した地震から被害を想定する「過去地震最大モデル」です。あらゆる可能性を考慮した最大クラスの被害を想定する「理論上最大想定モデル」の震度分布などは、以下のリンクで確認できます。
震度6強
- 御津埋立地1区
- 御津埋立地2区
- 小坂井西小学校区
震度6強・6弱
- 御津南部小学校区
- 小坂井東小学校区
- 牛久保小学校区
- 天王小学校区
- 桜町小学校区
- 中部小学校区
震度6弱
- 一宮東部小学校区
- 一宮西部小学校区
- 一宮南部小学校区
- 三蔵子小学校区
- 八南小学校区
- 国府小学校区
- 代田小学校区
- 桜木小学校区
- 金屋小学校区
- 豊川小学校区
- 豊小学校区
- 東部小学校区
震度6弱・5強
- 長沢小学校区
- 赤坂小学校区
- 萩小学校区
- 平尾小学校区
- 千両小学校区
- 御油小学校区
- 御津北部小学校区
震度7
耐震性の高い木造建物でもまれに傾くことがあり、耐震性の低い鉄筋コンクリート造の建物では倒れるものも多くなります。
震度6強
はわないと動くことができなくなります。また、耐震性の低い木造住宅などが倒壊したり、地割れが生じたりすることがあります。
震度6弱
立っていることが難しくなり、固定していない家具の大半が移動します。また、耐震性の低い建物は傾く可能性があります。
震度5強
物につかまらないと歩くのが難しく、固定していない家具や補強していないブロック塀などが崩れることがあります。
津波が到達する場合があります
御津・小坂井の一部地域については、地震によって津波が到達する可能性があります。津波到達エリアなど詳しいことは、防災マップを確認してください。
津波予想(最大震度6強の場合)
- 最大津波高 3.2メートル
- 最短津波到達時間 78分(津波高0.3メートル)
【出典】豊川市「防災対策2024」
建物・人的被害の想定
- 揺れによる全壊 2077棟
- 浸水・津波による全壊 14棟
- 急傾斜地崩壊などによる全壊 18棟
- 地震火災による焼失 10棟
- 建物倒壊による死者 105人
- 浸水・津波による死者 15人
- 急傾斜地崩壊などによる死者 2人
- 地震火災による死者 1人
(注記)冬の深夜に発災し、早期避難率が低い場合の被害想定。
【出典】豊川市「防災対策2024」
自宅の地震対策、できていますか?
令和6年能登半島地震では、多くの人が家具などの転倒・落下・移動により負傷しています。また、平成7年に発生した阪神・淡路大震災においては、死因の約80パーセントが家具などの転倒による圧死といわれています。家具などの転倒防止は、家庭や職場でできる効果の高い対策です。次のことを参考に、日頃から家具を固定するなど、地震の発生に備えましょう。
- カーテンは防炎加工のものにしましょう。
- ガラスには飛散防止フィルムを貼りましょう。
- ストーブやファンヒーターは対震自動消火装置付きのものにし、周囲に燃えやすい物を置かないようにしましょう。
- 開き扉には止め金具をつけるなど、収納物の落下を防ぎましょう。
- 支え棒は時間稼ぎにしかなりません。背の高い家具はL字金具で固定し、家具の上に重い物や壊れやすい物を置かないようにしましょう。
- 冷蔵庫は倒れないように、金具などを使って固定しましょう。
- 二段重ね式の家具は、つなぎ目を金具でしっかり連結しておきましょう。
- 家具と壁や柱の間に隙間ができないように板などを家具の下に差し込んで寄りかかるように固定しましょう。
ポイント
外への避難路となる玄関や縁側などが、家具の転倒でふさがれないよう、配置を工夫しましょう。また、家屋の耐震性も重要です。木造住宅の耐震診断については、6ページを確認してください。
非常持ち出し品・備蓄品チェックリスト
災害時に避難所で生活しなくてはならない場合や、交通網の寸断により生活必需品などが手に入らない場合を想定し、以下のチェックリストを参考にして、自分や家族に合ったものを備えましょう。
非常持ち出し品(持ち運び可能な重量は、男性15キロ、女性10キロ程度)
- 非常食(満腹感があり軽くて小さいもの)
- 雨具・防寒着
- マッチ・ライター
- 携帯電話・充電器
- 懐中電灯(予備の乾電池)
- 携帯ラジオ
- マスク
- ティッシュ
- 救急セット
- 現金
- 下着の替え
- 飲料水
- タオル
- 歯磨きセット・マウスウォッシュ
- 簡易トイレ
備蓄品(1人当たり3日分(可能であれば1週間分))
- 食料
- ブルーシート
- ろうそく
- 紙おむつ
- トイレットペーパー
- 固形燃料、または簡易ガスコンロ
- 携帯トイレ
- 飲料水(1日3リットル)
- ビニール袋
- 生理用品
- 文房具
- 手袋
- モバイルバッテリー
地震発生時は落ち着いて行動しましょう
地震発生(屋内にいる場合)
(1)慌てずに安全を確保する
- 机などの下に隠れ、身を守る
- かばんや座布団などで頭を保護する
- 倒れそうなものから離れる
- 慌てて外に飛び出さない
(2)逃げ道を確保する
- 揺れが収まったらドアや窓を開けて、逃げ道を確保する
- 壊れたものなどで足場が悪いため、靴やスリッパを履いて移動する
(3)火を消し、ブレーカーを落とす
- 火を消し、ガスの元栓を閉める
- 出火していたら、消火器などで消火を行う
- ブレーカーを落とし、漏電による火災を防ぐ
(4)家族や周りの状況を確認する
- 家族の安否を確認する
- 家の周りに落下しそうな看板などがないか確認する
- 火災が起きていないか確認する
- テレビやラジオ、スマホで警報などの情報を確認する
(5)避難する
- 非常持ち出し品を持って避難場所に移動する
- 家に安否メモを残す
- 緊急車両の妨げになるため、車は使用しない
- ヘルメットをかぶるなど、安全な服装で避難する
備考
(注記)これは一例です。身の危険を感じたら直ちに避難しましょう。
屋外にいる場合
頭を手荷物で守り、窓ガラスや看板などの落下物から身を守りましょう。また、ブロック塀やひび割れた建物などには近づかないようにし、切れた電線には絶対に触らないようにしましょう。
車に乗っている場合
減速し、道路の左側に停車しましょう。車を置いて避難する場合は、緊急車両が来た時に動かせるよう、鍵を車内に残しておきましょう。
津波警報が発令された場合
津波警報発令時や沿岸部で強い揺れを感じた場合は、直ちに近くの高台・津波避難場所に避難しましょう。また、津波は川をさかのぼります。川の近くにいる場合はすぐに離れましょう。
防災対策にご利用ください
木造住宅無料耐震診断
令和6年能登半島地震では、耐震性の低い 多くの家屋が倒壊しました。家屋の耐震診断を行い、命や財産を守りましょう。
- 対象 次の全てを満たす木造住宅(1)昭和56年5月31日以前に着工した(2)市内にあり、自己所有で2階建て以下(3)住宅として使用中である(4)在来軸組構法または伝統構法である
- 募集件数 130戸(先着順)
- 費用 無料
- 申込 12月20日(金曜)まで(必着)。申込書を、直接、または郵送で、建築課(〒442-8601諏訪1丁目1)へ。申込書は建築課(北庁舎4階)にあります(以下のリンクからダウンロード可)
- その他 診断の結果によっては、耐震改修の補助金などを受けることができます。詳しいことは、以下のリンクを確認してください
- 問合せ 建築課(電話:0533-89-2144)
豊川市防災アプリ・電子版防災マップ
防災アプリでは、災害情報を受け取ることができる他、屋外スピーカーからの放送や緊急情報などの防災情報をプッシュ通知でお知らせします。また、電子版防災マップを以下のリンクで公開しています。マップを拡大することで印刷物より詳細に津波災害警戒区域などのハザード情報を確認できます。持ち歩く防災対策として、ぜひご利用ください。
豊川市防災センター
豊川市防災センターでは、床面に描かれた大きな地図で市内のハザード情報などを確認したり、キッズスペースで防災に関する絵本やかみしばいなどを通して学んだりすることができます。個人の方は自由に見学できます。10人以上の団体での見学ツアー(要予約)も行っていますので、ぜひご利用ください。利用方法など詳しいことは、危機管理課へお問い合わせください。
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更新日:2025年01月30日