史跡三河国分寺跡・三河国分尼寺跡保存管理計画について
更新日:2024年6月10日
保存管理計画について
国指定史跡三河国分寺跡・三河国分尼寺跡の保存管理について、今後の方針等を定めたもので、昭和63年度に策定しました。策定から20年以上経過した現在、三河国分尼寺跡は史跡公園に整備され、三河国分寺跡は史跡の公有地化が進められています。この計画の概要は、以下のとおりです。
基本方針
史跡三河国分寺跡・三河国分尼寺跡は先人の残した誇るべき財産である。この祖先の残した重要な遺跡を保存し、後世に伝えるとともに、将来計画する周辺地域を含めた「豊川風土記の里」構想の核として有効な活用を図ってゆく。
基本構想
史跡三河国分寺跡・三河国分尼寺跡については、当時の面影をほうふつとさせ、憩いの場としても親しまれるように、史跡公園としての整備を図る。また両史跡の周辺地域についても、環境の整備を図ってゆく。
史跡三河国分寺跡保存管理計画
三河国分寺跡空中写真(平成30年撮影)
史跡三河国分寺跡については、大部分の土地が民有地・寺社有地のままであるので、積極的に土地公有化を推進する。また、今後総合的な整備計画を策定し、史跡の整備を図ってゆく。
発掘調査計画について
史跡三河国分寺跡においては、昭和60年度から63年度までの4年間にわたり発掘調査を実施し、多くの成果を得た。今後は調査体制を強化するなかで、史跡の整備にあわせて三河国分寺跡の全体像を解明するための調査を実施してゆく。
土地公有化方針について
史跡三河国分寺跡の土地の公有化については、指定地内の住民の理解、協力を得るなかで、次のとおり積極的に推進してゆく。
(1)居宅の全面改築や新築の現状変更などの理由により、移転を希望した場合の土地公有化。
(2)重要遺構およびその周辺地域の整備をするための土地公有化。
整備方針について
今後、史跡三河国分寺跡の総合的な整備計画を策定し、史跡の整備を図ってゆく。
史跡三河国分尼寺跡保存管理計画
三河国分尼寺跡史跡公園空中写真(平成17年撮影)
史跡三河国分尼寺跡については、指定地内の一部は公有地となっているので、部分的な整備を実施する。今後、総合的な整備計画を策定し、史跡全体の整備を実施する。
発掘調査計画について
史跡三河国分尼寺跡においては、昭和42年に発掘調査を実施し、主要伽藍の概要が把握されたが、南側を除く寺域は確認されていない。しかし、既公有地を生かした部分的な整備は可能であるので、早急に寺域確認の発掘調査を実施する。また、史跡整備にあわせて補足調査を実施する。
土地公有化・整備方針について
史跡三河国分尼寺跡について、確認発掘調査で、寺域の東限が指定地外に確認された場合には、追加指定、土地の公有化を行う。
この土地と指定地南側および東側の既公有地については、早い時期に部分的な整備を実施する。この際、整備可能地域の道路、排水路は付け替えを実施し、それにあわせて豊川用水についても布設替えを求める。また、清光寺の承諾を得て、金堂跡・西回廊跡の整備を図ってゆく。
今後、総合的な整備計画を策定し、史跡全体の整備を図ってゆく。